好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 マゼール/ウィーンフィル

2016-11-19 11:59:26 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー 
交響曲第6番「悲愴」 

指揮…マゼール
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

第1楽章など聴いていると、やや重みとか深みに欠ける印象は受ける。
といって薄かったり軽かったりというわけでもなく、悲愴なのだけれど、情感とかよりも鋭さを感じるような印象である。
ややテンポが速めで、金管が幾分鋭く前に出た印象も受け、弦が少し高く細く感じるせいかもしれない。
ただ、やや小ぶりな印象ながら、厳しく美しくしっかりまとめられている。
第3楽章、高速の中に小躍りするような小気味よい躍動感とオーケストレーションのうまさをしっかり感じさせるあたりさすがの両者だし、続く終楽章は俄然厚みと深みを帯び、低弦の支えも印象的に力のこもった聴き応えのある響きが展開されている。
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ブラームス 交響曲第2番 アバド/ベルリンフィル(第1回全集より)

2016-11-19 11:55:45 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…アバド
演奏…ベルリンフィル
(第1回全集より)
好み度…5(5点満点)

聴き終えて(聴き終わりを待てずに)ブラボーと喝采を送りたくなるような、若きアバドの情熱漲る名演。
アバドにはベルリンフィルとの全集があるが、これは複数のオケを振り分けての1回目の全集の1枚とのこと。
若いとはいえウィーンフィル、ベルリンフィル、ドレスデンシュターツカペレ、ロンドン響を振り分けての全集というから、その力量は高く認められていたということでしょう。
この演奏では、若きアバドの邪念のない情熱、活力といったものがそのまま出されているような明るく活力に満ちた響きで、一音一音はどちらかといえば長めにつないで活力ある流れを生み、旋律は伸びやかに、情を込めて謳われ、その響き、アンサンブルは清清しくも彩りに満ちている。厚く明るく豊かで重くならないベルリンフィルの響きが合っているようにも思うし、またベルリンフィルがよく鳴っている。
とにかく第1楽章冒頭から情と爽やかな活力漲る響きと歌は秀逸だし、第2楽章においてすら情熱を感じる。終楽章も、速めのこの楽章でこれだけしっかり音と活き活きとした表現を出せるのはベルリンフィルの力量だろうとも思う。フィナーレへの追い込みからフィナーレは自然に熱いものが湧き上がるようで、全然崩れてないんだけど熱狂を感じるようで、終わりを待たずに思わず笑みがこぼれてくるほどである。
全編、情に満ち、輝かんばかりの活力に満ちた、アバド、ベルリンフィル、どちらもすごい、の名演名盤。
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ブラームス 交響曲第1番 コンヴィチュニー/ライプツィヒゲヴァントハウス管

2016-11-19 11:51:02 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…コンヴィチュニー
演奏…ライプツィヒゲヴァントハウス管
好み度…4(5点満点)

地に足のついたような、しっかりしたオーソドックスな良演と思う。
テンポは全体的にややゆっくりとられ、重めのよい響きのように感じられ、第2楽章のしっとりした重みなんかはなかなかの聴きもののように感じる。
終楽章でもう少し響きに力強さが感じられれば…という感があり、そのせいか聴き終わった後の満足感にやや欠ける感はある。
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ブラームス 交響曲第2番 スタインバーグ/ピッツバーグ響

2016-11-06 11:26:43 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス
交響曲第2番

指揮…スタインバーグ 
演奏…ビッツバーグ響
好み度…4.5(5点満点)

オケの響きは特有の艶とか渋みとかは感じないが、機能的で活力に満ちている。
帯に「恐ろしい快足テンポで知られ」とあるが、少なくともこの2番ではそれほど速くは感じない。
終楽章等確かにやや速いがオケはやっとこさついていくのではなく、活き活きと思い切り弾きながらぴったりついている感じの、快足ではありながら活き活き堂々とした響きでこの明るい推進力はむしろアメリカのオケならではなのかも、とも思う。
速いだけでなく、そこここではテンポに変化をつけて重みの効いた印象も与えている。
第2楽章では張りと奥行きのある響きも聴かせているし、全編内声もしっかり線もそろえて、情感とか深みとか、とはちがったところにある粗くならずに活力に満ちた爽快な演奏のように思う。
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ブラームス 交響曲第1番 マルツゥーレ/ベルリン響

2016-11-06 11:24:33 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…マルツゥーレ 
演奏…ベルリン響 
好み度…4.5(5点満点)

響きは少し陰の雰囲気を含んだ、重めの響き。
もう少し覇気というか推進力みたいなものがあってもいいかな、と思うところもないではないが、少しどんよりしたような、重く、結構力のこもった響きはなかなか魅力的である。金管の重くしっかりした響きも印象的。
流麗だったり活き活きとした推進力だったりで聴かせるタイプではないが、ゆっくりめのテンポと鈍い輝きを放つような響きが相まって、ちょっとほの暗くどんよりした格調みたいなものを感じさせる雰囲気をつくっている。
序奏から様々な音が絡みながら重い響きをつくり、全体的に結構スケール感も感じさせ、フィナーレも急がず力強い。
歯切れのよさとか燃焼感とかはないけど、聴くほどに引き込まれていくような、こういう重めのブラ1、よいと思う。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 ルプー/コンタ/ルーマニア放送響

2016-11-06 11:21:12 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 

ピアノ…ルプー
指揮…コンタ
演奏…ルーマニア放送響
好み度…5(5点満点)

ルプーのピアノがいい。
録音もかなりよく、また、少しだがピアノが前に出た感じなので、ルプーのピアノを結構堪能できる感もある。
ルプーのピアノは起伏も結構ダイナミックに、独特の清らかさを感じさせて、勝手な印象だが、若き詩人の強さ、繊細さ、自由を感じるようである。
オケの響きは、例えばアシュケナージとかバックハウスとかとのウィーンフィルなんかと比べちゃうと洗練味とか華麗な気品とかではちょっとかなわないところはあるが、ある意味熱演していて悪くない。
ピアノとオケの両主役というよりはピアノが主役で、その主役が魅力たっぷりに演じきっている、というような、ルプーの、自由で透明感のあるエネルギーを感じる表現力を、濁らない強さを、叙情部での清清しい瑞々しさを、堪能する盤のように感じられ、聴き終わった後は、ルプーいいな、って思う盤のように思う。
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