好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 セヴィドフ/フリードマン/ロシアフィル

2024-01-07 10:58:44 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番

チャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…セヴィドフ 
指揮…フリードマン 
演奏…ロシアフィル
好み度…4(5点満点)

私にとっては無名な方たちの演奏だが、どうしてなかなか重みのあるしっかした演奏のように思う。
ピアノはどちらかといえば重く力強い音で、技巧の程はよくわからないし、はっとするような美音があるとかというわけではないが、ややゆっくりめのテンポで旋律の謳いっぷりも変にいじくることなくなかなか情が込められ、飾り気のない情熱と思い入れのようなものが感じられて悪くない。
オケもしっかり低音を効かせた音で厚くサポートし、中庸というよりは厚く重みの効いたロシア的情感も漂う演奏のように思う。

 


チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 ルービンシュタイン/ラインスドルフ/ボストン響

2017-04-22 00:09:22 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 
ピアノ協奏曲第1番 

ピアノ…ルービンシュタイン
指揮…ラインスドルフ
演奏…ボストン響
好み度…3.5(5点満点)

録音は冒頭から音が割れ気味ではあるが、ボストン響の古風で力強い弦による序奏は爽快。
続くピアノによる主題は他では聴かれないくらいに結構軽めに弾かれていて、ちょっと意表を突かれる。
その後も虚飾のないシンプルで美しいピアノではあるが、感情表現としては濃いものを感じずむしろその虚飾なさは淡白に感じるくらいであり、分厚く力強いオケの響きとちぐはぐな感も受ける。
第2楽章では自然体で美しいルービンのよさが聴かれるように思う。
第3楽章も、このやや目まぐるしく賑やかな楽章の中でルービンのよさが出ているようにもあまり思えない。
バレンボイム/ロンドンフィルとの皇帝では他の演奏に比しても分厚いオケに引けをとらない力強さも見せているのに、この盤の両端楽章では、どこか曲との、あるいはオケとのミスマッチを感じてしまう。
名盤とされることも多い盤であり、そんな風に感じるのも、この曲に求めるもののイメージが自分の中である程度固まっちゃっているからかもしれません。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 カメニーコヴァー/ピンカス/ブルノ国立フィル

2017-01-29 10:00:16 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 
ピアノ協奏曲第1番 

ピアノ…カメニーコヴァー
指揮…ピンカス
演奏…ブルノ国立フィル 
好み度…3.5(5点満点)

ピアニストも、オケも、指揮者も、聞いたことない組み合わせだったが、なかなか好感の持てる1枚。
歯切れのよいオケの全奏に、勢いのよいピアノの和音が乗って幕を開け、ちょっと抜け切らない感はあるが素朴で奥行きのあるピアノの音と、オケは素朴で歯切れのよい響きが印象的。ピアノもオケも適度な厚みと叙情性も感じさせている。
第1楽章、第2楽章はどちらかといえばやや早め。序奏からゆったりまったりでなく歯切れのよいテンポと音で始まり、弱音部でのピアノは、輪郭のはっきりした美しい音で叙情性を感じさせている。オケも名前はあまり聞かないがもたつき感などなく、タテの線も揃えて素朴な立派な音とアンサンブルを聴かせている。
終楽章は、他の楽章より音が大きめに録られていないだろうか、と何となく感じるのだがそんなことあるのだろうか。そうでなければ力があってよい展開をしている。フィナーレも厚いアンサンブルで力強い。録音上の操作はないと思うことにしよう。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 ギレリス/メータ/ニューヨークフィル

2016-12-17 09:11:34 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 
ピアノ協奏曲第1番 

ピアノ…ギレリス
指揮…メータ
演奏…ニューヨークフィル
好み度…4.5(5点満点)

ピアノもオケも何とも豪快爽快、ストレートな熱気が印象的な名演でしょう。
ギレリスのピアノは力強く激しくも尖らず濁らない強打、力強さと澄んだ音色を併せ持った音、叙情部でのおおらかな優しい音…、豪快で奔放、繊細とおおらかさ、さすがの感を受ける堂々たる演奏。いろいろな面が顔を出していくのはライブならでの功もあるのだろうか。強打も叙情部もさりげないようで情が込められているようにも感じる。
オケもこれに応えて十分に熱い。曲の終了を待てずに起こる熱い拍手にも頷ける感もある。
ストレートな表現と熱気と爽快感にあふれたこの曲を代表する名演の1つと思う。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 サイ/テミルカーノフ/サンクトペテルブルクフィル

2016-10-29 23:42:49 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 
ピアノ協奏曲第1番 

ピアノ…サイ
指揮…テミルカーノフ
演奏…サンクトペテルブルクフィル
好み度…5(5点満点)

世間的に「名盤」と位置づけられているのかどうか私にはわからないが、私にとってこの盤はこの曲の名盤の1つ。
サイのピアノが適度な起伏を含ませながら、透明感があり、少し熱を帯びるように強く、美しい。
オケはややくすんだ抑えめな印象ながら、ある意味ピアノ協奏曲のバックとしてはほどよい距離感で、両者による序奏はなかなかに絶品。
その後の第1楽章も、サイのピアノは、さまざまなフレーズにほかの演奏とはと少しちがうアクセントを与えながら、それほどテンポは変えないが強さと新鮮さと美しさを聴くものに印象付けていく。
第2楽章は特に味付けはないが他の盤より少し弦を前に出して落ち着いた趣で奏され、終楽章は第2楽章を少し絞った制もあるのか、ピアノに心地よい輝きが感じられ、オケの響きも派手さはないが渋く程よく厚く、好サポートといえると思う。
録音もピアノの透明感をもしっかりとらえて優秀、残響もほどよい。
尊大でなく、肩肘はってなく、トリッキーなこともしていないが、典型の中に輝きと新鮮さを備えた名盤だと思う。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 グレムザー/ヴィト/ポーランド国立放送カトヴィツェ響

2016-09-18 09:25:12 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…グレムザー 
指揮…ヴィト 
演奏…ポーランド国立放送カトヴィツェ響
好み度…4(5点満点)

普通といえば普通だが、変な例えだが、関脇が奇策を用いることなく正面から当たっていっているような、そんなものが感じられるような盤。
ピアノもオケもスケール感とか特別な繊細さとかといったものを感じるタイプの演奏ではないが、どちらも虚飾なく熱き普通、とでもいおうか、
名盤として語られる、という盤ではないのだろうけど、個人的には結構好感の持てる盤である。


チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 ドノホー/バルシャイ/ボーンマス交響楽団

2016-08-08 09:11:02 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 
ピアノ協奏曲第1番 

ピアノ…ドノホー
指揮…バルシャイ
演奏…ボーンマス交響楽団
好み度…3.5(5点満点)

録音も演奏も至ってオーソドックスながら丁寧、澄んだ音色の印象の、どちらかといえば優しい印象の佳演ではないだろうか。
特に変わったことをしているわけでも、どこが強烈に印象に残る、というわけでもないが、ピアノは弱音部では少しゆっくりめに1音1音を叙情的に美しく聴かせ、強奏部でも特に強い打鍵はないが、オケに負けない強さは持ちつつ澄んだ音色を聴かせている。
オケの厚みも心地よく、録音的には、他の盤と比べると少しオケが強めの印象。
第2楽章は他より静かに丁寧な印象、終楽章でのピアノは少し抑え気味か。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 中村紘子/スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立響

2016-06-12 00:10:59 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー 
ピアノ協奏曲第1番 

ピアノ…中村紘子
指揮…スヴェトラーノフ
演奏…ソヴィエト国立響
好み度…3(5点満点)

ピアノは独自の表現付けもあって、特に可もなく不可もなく。
ただ、何でかスヴェトラと私の好みは相性合わず、全体的に何となく芝居っ気を感じる演奏との印象。
スヴェトラの演奏は、大きな音で重く、豪快な金管の響きがあったり他の演奏では表に出てこないパートがときに大きく出てきたり、好みが合う人には他に得がたい指揮者ということになるのだろうけど、私にはどうもひたすらに大きな音で重く+主張しすぎな金管、という印象があって、この演奏でも豪快に赴くままに表面を撫でた、といった印象が感じられてしまい、合いませんでした。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 アラウ/デイヴィス/ボストン響

2016-05-05 16:24:41 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…アラウ
指揮…デイヴィス
演奏…ボストン響
好み度…3.5(5点満点)

デイヴィス指揮するオケは熱くなったり騒いだりすることなく、アラウのピアノも独特のアクセントは加えながらも力むことなくきめ細かく抑揚をつけることもあまりない。
悠然と叙情的、といえばそうだが、活力や華やかさは感じられない。
第1楽章では華のなさに物足りなさを感じるが、第2楽章は叙情的で結構美しい。終楽章は力感を増すが、やはり華とはちょっとちがう印象、フィナーレは結構厚い。
私の好みとはちょっとちがう方向だが、よくも悪くも他の盤とはちょっと違う雰囲気を感じさせる盤のように思う。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 マツーエフ/テミルカーノフ/サンクトペテルブルグフィル

2016-05-01 10:55:31 | チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…マツーエフ
指揮…テミルカーノフ
演奏…サンクトペテルブルグフィル 
好み度…3.5(5点満点)

だいぶ前に一度聴いただけだが、ピアノは力強くダイナミックでマツーエフらしかったが、テミルカーノフ指揮のオケにダイナミックさも厚みも感じられず、演奏全体があまり感銘ないものにしてしまっている、との印象あり。