好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ドヴォルザーク 交響曲第9番「親世界より」 コンヴィチュニー/バンベルク響

2019-05-27 12:43:12 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「親世界より」 

指揮…コンヴィチュニー
演奏…バンベルク響
好み度…4.5(5点満点)

重めのがっちりした情感豊かな響きは、多分、弦のしっかりした響きによるのだろう。
コンヴィチュニーは弦にしっかりしたメリハリを自然に与えつつ、バンベルク響も特有の渋みの漂う艶と叙情性を漂わせつつ力強く応えている。
金管木管のからみもバランスよく、木管の潤いのある響きなどもときに印象的。木管は第2楽章最初の有名な旋律などでもよい情感を感じさせている。
この曲は綺麗過ぎてあまり普通にやるとなんてことのない演奏になってしまうこともあるようだが、これくらいオーソドックスにやってこれくらいの充実感を感じさせるのは、ときに力強く、ときに情感たっぷりの響きによるのだろうかとも思うし、オーソドックスなようで、少し低弦を強めに弾いたり等、効果的なアクセント付けも自然に影響を与えているのかもしれないとも思う。
1961年録音だが、録音は少しも悪くなく、むしろアナログ特有の古風な温もりを感じさせるようで好感。
古風な重厚感・力強さと温もりとのある情感に満ちた名演でしょうね。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 ギレリス/ベーム/チェコフィル

2019-05-27 12:38:45 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 

ピアノ…ギレリス
指揮…ベーム
演奏…チェコフィル
好み度…3.5(5点満点)

ギレリスは強打にこの人ならではの豪快さを感じるものの全体的にピアノのもつ透明感とか輝きのような美しさには欠けるところがあるようで、どこか乗り切れていないというか何かもどかしさを感じるような。
それはこの演奏全体の印象でもあって、オケは第2楽章の弦なんか結構美しいし特に悪いとは思わないけど、ギレリスが自分でも不本意ながら乗り切れなかったのかなぁ、と聴いてて勝手に感じるような、やっぱり全体的には何かもどかしさを感じるような、特に何らかの感銘を受ける感じではないかな。
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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 フリッチャイ/ベルリンフィル

2019-05-27 12:31:22 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」 

指揮…フリッチャイ
演奏…ベルリンフィル
好み度…4(5点満点)

がっちりした力の込もった、骨太で、古風な重厚さと躍動感を併せ持ったような、実直で力強い、情の豊かな演奏のように思う。
今より少し重厚味を感じるベルリンフィルの実直で力強い響きで一音一音にメリハリが効いて、基本的にオーソドックス(強いて言えば少し速めの印象か)なテンポの中にごく自然に起伏のオンオフがついて、込められた気迫というか情を感じる。
第2楽章も重みのある響きに、ときに激しさを内包しているようでもあり、終楽章でちょっと平易に感じられるような演奏もある中、第3楽章、特に終楽章は力強い印象。
明るさを帯びるが華やかとも違うようだし、武骨なようだが古風な気品が薫るようでもあるし、フリッチャイらしい実直で古風な重みと情の込もった力強さが印象的な演奏のように思う。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウ管

2019-05-01 16:50:16 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」 

指揮…シャイー
演奏…ロイヤル・コンセルトヘボウ管
好み度…5(5点満点)

コンセルトヘボウの音色はしっかり響きつつ美しく、ちょっとゆっくりめのテンポも相まって、下手をすると安っぽく聞こえてしまうこの曲を堂々と聴かせている。
郷土色とかそういった色は消し去って、しかし乾かず叙情性もほのかに漂わせ、スタイリッシュながら堂々と、なかなか大きく聴かせている。
第2楽章の有名な旋律の木管などもしっとり美しい。
その他の楽章も気持ちゆったりめのテンポでゆったり歌いながら尖らず残響も美しくしっかり音をつくっている。そんなに内声を聴かせることはしていないが、そこかしこでの低弦等によるアクセント付けもさりげなく功を奏している。
多分にコンセルトヘボウのしたたるような響きの影響が大きいと思うが、急がず騒がずこの曲に美しさと叙情性を与えたシャイーもえらい、のちょっと大曲感も漂わすような、大きくしっとり叙情性をたたえた、どこか新鮮味をも感じさせる、約45分間しっかり聴く気になれる新世界であり、名盤と呼んでよい盤と思う。
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ブラームス 交響曲第2番 ジュリーニ/ロサンゼルスフィル

2019-05-01 16:47:16 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…ジュリーニ
演奏…ロサンゼルスフィル
好み度…4(5点満点)

ジュリーニのおおらかさとロスフィルの明るい響きはこの曲にあっているのでは、との期待を持って聴いた。
第1楽章は、聴かせどころは少しテンポを落としてゆったりめに情感を前面に聴かせ、強奏部はしっかり音を弾き切って、明るい力感とおおらかな情感、あるいはジュリーニの力強い表現意欲が感じられてなかなか。
第2楽章は厚みのある弦の響きが印象的ではあるが特に感銘を受けるかといわれればどうか。
第3楽章も特に可もなく不可もなく。終楽章では何かちょっとまとまりきらない印象を受け、いろんな音が聴かれる割にはオケ一体となった活力とか爆発感は感じられず、速度を早めるフィナーレも厚い高揚感を伴えないまま、ちょっと軽い感じを受ける。
全体的な響きとして、明るく鳴ってはいるが艶を伴った豊かさとかにはなっていないような印象を受けるし、演奏全体の印象として何か底の深みを感じないような気がして、ネットでいくらか名盤との評もあったが、そうとは思われなかった。

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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 デイヴィス/ドレスデンシュターツカペレ/ドレスデン国立歌劇場合唱団 他

2019-05-01 16:41:18 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…デイヴィス
演奏…ドレスデンシュターツカペレ 
合唱…ドレスデン国立歌劇場合唱団 他 
好み度…5(5点満点)

余計な色気などは出さずに、名人オケを相手に真っ向から上質の響きを響かせることに集中するとこういう響きになるのかと思う。
上手いだけでなく、厚く、渋みも効かせつつ、いぶし銀というにはあまりに艶を感じる音色と深みのある調和に彩られた響きは、尖らない緊張感と低弦にもしっかり支えられて力強くも美しい。厳かな空気を感じるようでもある。
特にゆっくりは奏されない(15分35秒)第3楽章も天上を遊ぶような清明な明るさを漂わせて格別な美しさを感じさせる。
終楽章は、独唱陣は音量も全体的にはまず程よく達者、オケと合唱はよく影響しあって互いに輝きを増すようであり、その合唱は明るく力強くのびやかさと広がりを感じさせてとてもよい。清清しさと力強さを併せ持った終楽章であり、〆も力強い。
特にクセは感じないが、完成度の高い、力強さを内包した、明るさと渋さと美しい力強さを同居させたような格調高い厚く美しい第九のように思う。
このオケあるいはコンビの古風な気品と渋みを漂わせた美しい響きとアンサンブルを聴くにもよい盤と思う。
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