好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第2番 ヤンソンス/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2020-05-24 16:02:45 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス
交響曲第2番

指揮…ヤンソンス 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管 
好み度…4.5(5点満点)

ヤンソンスのこの曲の録音は、私の知っている限りオスロフィルとのものとバイエルン放送響とのものが他にあり、オスロフィルとのものは聴いていないが、バイエルン盤との比較でいえば録音時期がバイエル盤が2006年、こちらが2004年でこちらが先、どちらも厚く、また、丁寧に気配りの効いたよい演奏と思うが、印象として、バイエルン盤がちょっと明るめの透明感のある厚みと少し熱を帯びた響きが印象的であるのに対し、こちらは柔らかく厚い上質の絨毯のような質感を感じるように思う。
厚みとか熱とかで押していく雰囲気はなく、こころもちゆったりしたテンポで、痩せずに、しかし丁寧に、風格と叙情性をまとった上質な響きが印象的。
音質も上々で、しっとり感と艶のある響きが上質感を感じさせて心地よい。
流麗という雰囲気でもなく、緩むことのない重さも保っている。まっとうといえばまっとうだし、特に活力とかを聴かせる類でもないが、その深みのある艶と完成度はさすがと思わせる。
個人的にはなかなか手の伸びる盤ではないが、バランスのよい厚みと深みと叙情性と高い完成度を併せもった上質のブラ2を聴く思いのする、これはなかなかよいなぁ、と感じさせる盤である。
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ブラームス 交響曲第2番 ケルテス/ウィーンフィル

2020-05-17 12:02:16 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス
交響曲第2番

指揮…ケルテス 
演奏…ウィーンフィル 
好み度…4.5(5点満点)

明るく華麗にまとまったブラ2。
天賦の才が高く謳われるケルテスとウィーンフィルだけにしっかりまとまって響きにくもりはなく演奏に隙はない。
重さや情感はあまり感じないが、無機的というわけでもない。
第1楽章は静かな入りで、弦による主題もシンプルで、濃い情感漂うというタイプではないが、明晰で清廉な響きは爽やかな気品を感じるようでもある。上品なだけでなく中盤の高揚部などではメリハリの効いた力感を聴かせてもいる。
第2楽章は冒頭の抑え目の音量での弦と木管が印象的に美しく、その後も静かに流麗な美しさを聴かせている。終盤のトランペットの強奏等もちょっと印象的。
終楽章が何ともいい。その響きは、明るく華麗な力感が輝かしいようでもあり、いろんな音が溌剌と響き、明るい艶のある活力に満ちた響きは秀逸。フィナーレもテンポを煽ることもなくその厚く艶のある活力と力感と高揚感、爽快なトランペットも含め心地よい。
ブラームス的な重みや濃い情感は味わえないが、ウィーンフィルの美音も感じながら華麗にまとめられた中にちょっとセンスある新鮮味や切れ味鋭い響きも聴かせ、終楽章がいいこともあって、聴いた後の印象はかなり爽快でいい。
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ブラームス 交響曲第2番 ジークハルト/アーネムフィル

2020-03-14 15:23:17 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番

指揮…ジークハルト 
演奏…アーネムフィル 
好み度…5(5点満点)

重厚、とはちがうが、厚く美しいブラ2。
上っ面の華美とはちがう、しっかりした厚みに支えられた透明感のある美しさであり、さらにその美しさを以って第1楽章での弦の主題などではたっぷりの情が奏される。
第2楽章もややゆっくりめのテンポで、美しい弦に優しいホルンや木管が乗ってかなり美しく、終楽章もそれまでの美しい雰囲気を保ちつつ明るい活力を感じさせ、フィナーレへの追い込みも十分な力感も伴って、ピークでのトランペットがほんの少しテンポを速めるのはちょっと余計なような気もするが、ほんのちょっとだし許容範囲。しっかり〆、最後の一音は少し力を抑えて美しかったイメージを改めて印象づけるようでもある。
録音も至って美しく、重量感やほの暗さではなく、といって軽さは感じず上質の明るさと情感漂う美しさが秀逸の、なかなか出会えない類の盤のように思う。

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ブラームス 交響曲第2番 ハイティンク/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2019-10-14 18:12:23 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…ハイティンク
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管
好み度…4(5点満点)

響きに気負いもないし歌に過剰な演出もない。コンセルトヘボウが優しく豊かに、何とも爽やかな活力をもって歌い上げたブラ2。
名盤の誉れ高いようであり、やや高音に寄った残響多めの録音のせいか深みやこのオケ特有の質感みたいなものは飛んでしまっているような印象もないではないが、ブラ2の活力や明るさといった点でなかなか他にない演奏と思う。
後年のボストン盤とでは、落ち着いた中にほのかに深みや情感も漂うという点ではボストン盤、特に終楽章をはじめとした活力に満ちた明るい力感ではコンセルトヘボウ盤、といったところか。どちらが秀でている、という話ではなく、好みの問題だろうが、個人的にはボストン盤のほうにハイティンクならではの味を感じるようでどちらかといえばボストン盤をとるかな。
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ブラームス 交響曲第2番 バーンスタイン/ウィーンフィル

2019-08-11 07:14:29 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番

指揮…バーンスタイン 
演奏…ウィーンフィル
好み度…4(5点満点)

結構情感たっぷりの演奏との印象。
第2楽章冒頭なども良くも悪くも情感濃厚の謳いっぷりと感じる。
テンポは少しゆっくりめ、響きは潤いと艶をもって上質。
ただ濃いめの演出の割には特に「何か」も感じられず、何度も聴きたくなるかと言われればそうでもないようにも思う。
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ブラームス 交響曲第2番 ジュリーニ/ロサンゼルスフィル

2019-05-01 16:47:16 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…ジュリーニ
演奏…ロサンゼルスフィル
好み度…4(5点満点)

ジュリーニのおおらかさとロスフィルの明るい響きはこの曲にあっているのでは、との期待を持って聴いた。
第1楽章は、聴かせどころは少しテンポを落としてゆったりめに情感を前面に聴かせ、強奏部はしっかり音を弾き切って、明るい力感とおおらかな情感、あるいはジュリーニの力強い表現意欲が感じられてなかなか。
第2楽章は厚みのある弦の響きが印象的ではあるが特に感銘を受けるかといわれればどうか。
第3楽章も特に可もなく不可もなく。終楽章では何かちょっとまとまりきらない印象を受け、いろんな音が聴かれる割にはオケ一体となった活力とか爆発感は感じられず、速度を早めるフィナーレも厚い高揚感を伴えないまま、ちょっと軽い感じを受ける。
全体的な響きとして、明るく鳴ってはいるが艶を伴った豊かさとかにはなっていないような印象を受けるし、演奏全体の印象として何か底の深みを感じないような気がして、ネットでいくらか名盤との評もあったが、そうとは思われなかった。

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ブラームス 交響曲第2番 クレンペラー/フィルハーモニア管

2019-04-20 09:16:31 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番

指揮…クレンペラー
演奏…フィルハーモニア管
好み度…4(5点満点)

高ぶる感情や力に任せた活力や重厚な重みなどはないが、力みの抜けた明るめの、どこか気品を感じさせるような、それでいて弱くない流麗な響きで柔らかな情感も感じさせつつしっかり音を重ねて聴かせるあたり、うまいものだと思う。
このコンビはあまり聴かないが、この曲には合っていると思われ、明るく流麗で、それでいて軽くなく、情と力も感じられる美しい厚みを持った、優れた演奏のように思う。
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ブラームス 交響曲第2番 アンセルメ/スイスロマンド管

2019-02-24 12:15:41 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…アンセルメ
演奏…スイスロマンド管
好み度…4(5点満点)
重厚とか、濃い情感とか、という演奏ではなく、どちらかといえば明るく爽やかな感を受けるブラ2のように思う。
ただ、軽い流暢な響きではなく、しっかりした厚みと豊かな内声を持った響きでしっかり聴かせている。
明るく伸びやかな弦がまずは印象的だが、そこここで柔らかな雰囲気をつくる木管もちょっと印象的。
第1楽章はちょっとゆっくり入る冒頭はじめ牧歌的な雰囲気も感じさせ、第2楽章も深刻になることはなくどちらかといえば明るめの爽やかな雰囲気。終楽章も爆発的とか圧倒的とはちがう、活力をもった明るく豊かな響きで、フィナーレも含めて急がず気負わず、〆ている。
明るく気負わず、でも充実感のある、そんなブラ2のように思う。
同じコンビのブラームスは1番、2番、4番と聴いたが、どれも高い質ながら、曲に応じてその響きがちがった雰囲気を帯びるあたり、結構見事なものとも思う。

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ブラームス 交響曲第2番 小林/ハンガリー国立響

2019-01-05 23:59:29 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…小林
演奏…ハンガリー国立響
好み度…4(5点満点)

第1楽章、ゆったりと重く流れていくブラームス、なかなかいい。どっしりとしたスケール感も感じる。弦による主題も特に抑揚はつけないが、太めにゆったり流れて、心地よい。反復無で17分超だから実際結構ゆっくりなんだろうが、遅いという感覚は受けない。
第2楽章は敬虔さを感じるようなタイプではないが、ゆったり重めの響きは、どっしりとした、優しいような、ちょっと不穏を漂わすような、それなりの雰囲気をつくっている。
終楽章は重めの響きにこの楽章らしい開放感もしっかり加えて、重みを効かすところはしっかり効かせてなかなかの聴き応え。フィナーレは速度を上げて、熱いといえば熱いが、ちょっとあっけないくらいな印象も受け個人的にはちょっと残念、それまで通りゆったりした力感をもってやってくれてたらなぁ、との感はある。何でここだけ急ぐ指揮者が多いんだろね、私はスコアは読めないが、スコアがそうなんだろうか。
とはいえ、どうしてなかなかちゃんと重厚な好感の持てるブラ2である。
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ブラームス 交響曲第2番 セーゲルスタム/ラインラント=プファルツ州立フィル

2018-11-10 16:19:15 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番 

指揮…セーゲルスタム
演奏…ラインラント=プファルツ州立フィル
好み度…5(5点満点)

冒頭から全編通して、おおらかにゆったりした運びと、やや残響多めの録音で厚く明るい情感豊かな響き。低弦も情感豊かに響いて腰を据えた安定感と心地よい重量感もある。金管のかぶせ方とかもさりげなく効果的に趣を添え、ティンパニも要所で力強く活を与える。木管もうるおいのある響きで、第2楽章等でもさりげないが心地よい。
終楽章もゆったりめ、爆発力を感じるとか、推進力で押すとかというタイプではないが、おおらかで明るい開放的な響きは力感に不足なく、10分を超えるが活力を削がれている感もない。フィナーレも厚く爽快に〆、聴いた後の充実感に不足なし。あまり聴いたことない指揮者と楽団だったが、よいものに巡り合えた感のある、おおらかで情感も豊かな秀演。
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