好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」 エザンベール/プラッソン/トゥールーズ・カピトール国立管

2017-09-18 18:00:28 | サン=サーンス
サン=サーンス 
交響曲第3番「オルガン付き」 

オルガン…エザンベール
指揮…プラッソン 
演奏…トゥールーズ・カピトール国立管
好み度…5(5点満点)

美しく豊かな残響に絢爛な響き、小手先の華美でなく、美しく強く伸びやかに、特に騒ぎ立てないが第1楽章でも盛り上げるところは豪快にしっかり盛り上げて、フランス音楽らしい明るい妖艶さと絢爛さも感じさせて見事。
第2楽章は奥行きのある弦がこれまた美しく、オルガンも美しくちゃんと聴こえて、何とも美しい。
終楽章はオルガンの音色にほんの少し濁りのようなものが感じられる気もしないではないが、そのオルガンも含めて全ての楽器が伸びやかな力強さを持って美しい残響を伴ってスケール感も感じさせながら気持ちよく響きわたり、最後まで急ぐことなく旋律ものびやかに謳われ、〆への追い込みは華やかな熱も帯びて、全編この曲らしくこの曲を満喫する思いである。あまり聞かない指揮者と楽団だったが、好みの演奏はどこにあるかわからない、と思わせる、これは聴いてよかった、の名盤。

サン=サーンス 交響曲第3番 コルゼンパ/ワールト/ロッテルダムフィル

2017-06-03 15:05:18 | サン=サーンス
サン=サーンス 
交響曲第3番 

オルガン…コルゼンパ
指揮…ワールト
演奏…ロッテルダムフィル
好み度…5(5点満点)

派手さはあまり感じられないが、素朴で、ちょっと妖艶な雰囲気も漂わせた好感の持てる演奏。
オルガンが主役の演奏、との印象を受ける。オルガンの音がうるさすぎるのではなく、オケがちょっと控えめな印象で、第1楽章2部などではオルガンとオケはよいバランスで素朴なよさを聴かせているが、終楽章はちょっとオケが控えめ過ぎかなぁ、との感はある。第2楽章1部は音量的にも表現的にも少し控えめ。
好感の持てる盤ではあるが、終楽章はもう少しオケに力強さだったり華麗さだったりが欲しいなぁ、といったところ。

202104追記 なんでか、この演奏、好きなんですよね。何の変哲もないようで、地味といえば地味なのかもしれないけど、もっともこの曲らしい演奏を聴いているような。久しぶりにペンタトーン盤で聴いて改めて。
多分オケの音質もよくなってるし、やはり終楽章は部分的にもうちょっと特に弦が聞こえても、というところもあったけど、主役と聴こえるオルガンの音もよくなって、それが響き渡る様は他盤ではなかなか出会えないむしろこの曲ならではの醍醐味を聴いてるようにも思うし。ちなみにこの盤は珍しくオルガン別録ではないそうですね。この曲はやっぱり音質の良し悪しが結構大きな要素にもなり、ペンタトーンの音質向上した盤を聴いて改めて、やっぱりなんかこの盤いいなぁ、と。
※好み度4から5に変更

サン=サーンス 交響曲第3番「オルガン付き」 バールタ/ロータ/チェコ・ナショナル響 

2017-04-30 16:14:04 | サン=サーンス
サン=サーンス 
交響曲第3番「オルガン付き」 

オルガン…バールタ
指揮…ロータ
演奏…チェコ・ナショナル響
好み度…4.5(5点満点)

この曲のもつ華やかさとか絢爛さはあまり感じられないが、この曲のもつ美しい側面を聴く思いがする。
第1楽章1部は特に大きな高揚もみせずにあっけなくすぎるような印象もあるが、綺麗な録音もあってか、端正な緊張感も漂わせながらいろんな楽器の調和のとれた響きは、ときに忙しなくときに妖艶な木管が印象的なせいか、精霊たちの踊りといったような雰囲気も漂わせどことなく美しく、退屈するものではない。2部は、静か目ではあるが、弦の憂いを帯びたような伸びやかな響きも美しく、また、オルガンの音色が何とも美しい。オルガンの音色の美しさはこの演奏の美しいという印象に大きく影響していると思う。
第2楽章1部も賑やかさはぐっと抑え目。音を慎重に刻みながらのようなところもあるせいかもうちょっと活気というか華があっても、という気もするがこの演奏の中ではこれくらいが浮かないのかもしれない。2部の主題が顔を出すところの弦などかなり美しくもある。2部も華やかに管弦が響くようなことはないが、どこか管弦がそれぞれ独立して調和をもって響くようなオケに、ここでも雰囲気ある響きのオルガンが一緒になって、一定の力も保ちながら、ちょっと透明感のある厳かな雰囲気のある美しさを感じさせている。
何も感じさせずに美しい旋律が華麗に通り過ぎていくような演奏もあるが、ゆっくりめに、騒がずに、厳かな美しさを漂わせた、この曲は美しいんだなぁ、と感じさせる演奏のように思う。綺麗な録音と、美しいオルガンの音色(弦も美しい)の影響も大きいかな、とも思う。

サン=サーンス 交響曲第3番 ヤンソンス/オスロフィル

2017-01-21 11:14:49 | サン=サーンス
サン=サーンス 
交響曲第3番 

指揮…ヤンソンス
演奏…オスロフィル
オルガン…マーシャル
好み度…4(5点満点)

第2楽章2部のオルガンは結構な迫力もの。
ネットの評などでは「それまでの繊細な雰囲気がぶち壊し」などの評もあり、確かにそこまでが繊細なほどの演奏なだけにちょっとびっくりだし、弦などの活き活きとしたオーケストレーションなどがかき消されているような面はあるとは思うが、個人的にはこの曲では荘厳にオルガンが鳴り渡る演奏も聴きたいと思うし、これくらい鳴り響く演奏もむしろ歓迎、この演奏でもそれまでも結構厳かな雰囲気をつくっているので、〆としてむしろこれくらい荘重なのも合っているような感もある。
第1楽章1部は少し幽玄な雰囲気も醸すような前半と、なかなかの盛り上がりを聴かせる後半の起伏も大きく、美しく大きな響きを聴かせている。
2部はやや音量を絞っての演奏で、ゆっくりと静けさに満ちた響きで、ちょっと静かすぎに感じられそうでもあるが、他の演奏では得がたい美しさを帯びているようにも感じる。
第2楽章第1部は一転何かを告げるかのように響きに力が込められ、オルガンの鳴り響く2部は上記のようにオルガンが印象的だが、少しゆっくりめのテンポの中で金管も弦も艶のある美しさはそれなりに効かせて、曲全体の中で重みのある終楽章となっていると思う。
前半の幽玄と後半の荘厳と、雰囲気としてはサン=サーンスの華やかさや活気というよりは、冷気に包まれた重く美しい教会の中をイメージするような、そんな演奏のように思うし、サン=サーンスというと、旋律ごと、楽章ごとにあまり関連性を感じないことが多いが、この演奏はなぜか1曲通してのものを感じるような、そんな演奏でもあるように思う。

サン=サーンス ヴァイオリン協奏曲第2番 ヘルシャー/デルヴォー/ニューフィルハーモニア管

2015-08-04 22:15:20 | サン=サーンス
サン=サーンス
ヴァイオリン協奏曲第2番

ヴァイオリン…ヘルシャー
指揮…デルヴォー
演奏…ニューフィルハーモニア管弦楽団
好み度…5(5点満点)

この曲、私は名旋律に満ちた名曲だと思う。
第1楽章では、冒頭からそうだが明るく張りのある旋律とオーケストレーションが心地よく(特にこの曲では開放感のある金管の使い方が心地よい)、
第2楽章の一転、ハープに乗って奏される哀愁を帯びた調べや途中の狂おしいばかりの調べもサン=サーンスならではというかヴァイオリンならではというか、なかなか他にはないものだし、
第3楽章は第1楽章にも増して明るく開放感ある旋律とオーケストレーションが大変心地よい。
この盤では少し力の入ったヴァイオリンがこの若々しい曲に合っているし、オケのふくよかで透明感のある響きが秀逸。
名曲だと思うし、そしてこの盤は名曲だと思うけど他の盤を聴きたいと思わないほどの盤である。

サン=サーンス ヴァイオリン協奏曲第2番 ヘルシャー/デルヴォー/ニューフィルハーモニア管

2015-05-30 23:13:15 | サン=サーンス
サン=サーンス 
ヴァイオリン協奏曲第2番 

ヴァイオリン…ヘルシャー
指揮…デルヴォー
演奏…ニューフィルハーモニア管弦楽団

好み度…5(5点満点)

この曲、私は名旋律に満ちた名曲だと思う。
第一楽章では、冒頭からそうだが明るく張りのある旋律とオーケストレーションが心地よく(特にこの曲では開放感のある金管の使い方が心地よい)、
第2楽章の一転、ハープに乗って奏される哀愁を帯びた調べや途中の狂おしいばかりの調べもサン=サーンスならではというかヴァイオリンならではというか、なかなか他にはないものだし、第3楽章は第1楽章にも増して明るく開放感ある旋律とオーケストレーションが大変心地よい。
この盤では少し力の入ったヴァイオリンがこの若々しい曲に合っているし、オケのふくよかで透明感のある響きが秀逸。名曲だと思うけど他の盤を聴きたいと思わないほどである。

サン=サーンス 交響曲第3番 小林/チェコフィル

2015-05-15 22:57:09 | サン=サーンス
サン=サーンス
交響曲第3番

指揮…小林
演奏…チェコフィル
オルガン…バールタ
好み度…4(5点満点)

全体に美しい録音(特に弦楽器が美しい)とまさに教会を思わせる残響美しい響きで、神聖な雰囲気をまといつつも堂々とした演奏と思う。
少し妖しい雰囲気を醸す出だしとかいいし、第1楽章2部なんてちょっとうっとりするほどに美しい。
第2楽章1部もそれなりに艶とハリがあって悪くない。第1楽章だけなら個人的にはマルティノン盤の上をゆくかもしれない。
2部のオルガンも荘厳でいいのだが、惜しむらくは2部がオルガンと管楽器中心の音で弦楽器が引っこんでしまったこと。
少しのことのようで、でも結構演奏全体の印象に結構与える影響あって、個人的には残念である。

サン=サーンス 交響曲第3番 マルティノン/フランス国立放送管

2015-04-25 22:24:46 | サン=サーンス
サン=サーンス
交響曲第3番

指揮…マルティノン
演奏…フランス国立放送管
オルガン…アラン
好み度…5(5点満点)

これはきっとこの曲の決定版といっていいのではないだろうか。
やはりこの曲の魅力は終楽章だと思うが、この終楽章が圧巻。
オルガンの荘厳な響き、管楽器の豪華華麗な響き、弦楽器の神聖な雰囲気を湛えつつも明るく活気に満ちた響き…。
アンサンブルは重厚な教会をイメージさせつつ、特に終盤の決して急がない堂々颯爽とした運びと音作りがこの終楽章に活気を漲らせているのだと思う。
この曲特有の明るさと活気と独特のオーケストレーションも含めた絢爛さを快活に堂々と響かせた名盤だと思う。


サン=サーンス ヴァイオリン協奏曲第3番 ヘルシャー/デルヴォー/ニューフィルハーモニア管弦楽団

2015-01-05 15:06:42 | サン=サーンス
サン=サーンス 
ヴァイオリン協奏曲第3番 

ヴァイオリン…ヘルシャー
指揮…デルヴォー
演奏…ニューフィルハーモニア管弦楽団

好み度…5(5点満点)

ヴァイオリンのかっこよさ、旋律美、サン=サーンスならではの輝くようなオーケストレーション、を堪能するならこの盤、大変よいと思う。
ヴァイオリンは、他の盤に比べ少し力みがあるように聴こえる風もあるが、この演奏ではそれも演奏に力を与える方向に作用していると思う。
出だしからかっこいいし、また、バックのオケは抜群によい。
録音も大変よく、少し残響多めの録音がサン=サーンスのこの曲にとてもマッチしている。併録の第2番も大変素晴らしく、合わせて名盤と呼べると思う。