2012年7月20日-7
Bunge哲学辞典:principle 原理、probabilism 蓋然論、probabilistic philosophy 蓋然論的哲学
principle 原理 [BungeDic1: 222]
極度に一般的な仮定または規則。例:論理の無矛盾性原理;たとえばハミルトンの〔最小作用の〕原理のような、物理学の極値原理〔極度的原理〕 extremal principles;↑【定言命法〔定言的命令〕categorial imperative】。
probabilism 蓋然論 [BungeDic1: 222]
【a 存在論】すべての事実は↑【偶発的〔偶然的〕 contingent】であり、すべての法則は蓋然的であるという教義。【同義語】↑【偶然主義 tychism】。
【b 認識論】すべての事実的知識は、『蓋然的 probable』である、通俗的な意味でもっともらしい、あるいは不確かな、よって不確実だという教義。↑【懐疑論 skepticism】の一種。
probabilistic philosophy 蓋然論的哲学 [BungeDic1: 222]
【a 一般的】哲学的諸概念の精密化のために、↑【確率解析〔確率解析学〕 probability calculus】を使うこと。因果連関 causation、真実、単純性、そして意味という概念を含んだ、ほぼ20の様々な哲学的概念が、確率の概念によって定義可能であると宣言されてきた。皮肉にも、混乱だけが、精密な概念をそれ固有の脈絡、つまり確率の理論と確率論的モデルの一群という脈絡、から追放することによって生じた〔ここは誤訳かも。whichが何にかかっているのかよくわからん〕。
【b 存在論】一見したところでは、因果連関 causationは、蓋然的なつながりの大変特殊な場合である、つまり蓋然的つながりの値が一〔unity〕に等しい場合である。より精確には、次の定義が成立すると思われるだろう。つまり、『cはeの原因である =df cが与えられたもとでのeの条件確率は1に等しい。』。これは駄目である。循環が隠されているからである。実際、原因と結果という概念が、定義項に生じている。すなわち、言われていることのすべてとは、或る一定の場合には、原因がその結果を生み出す確率は最大であるということである。
【c 意味論】幾人かの哲学者たちは、確率という概念を使って、真実という概念を解明することを、二者を同一視するか、あるいは真実を起こりそうもないこととして定義することによって、提案した。この試みは、確率を命題に割り当てることは、確率を面積に割り当てるのとほぼ同様に合理的であるということだけからでも、失敗するに決まっていた。実際、確率は集合の一測度である。そうであるから、確率についての高等理論は測度理論の特殊な場合である。測度理論は今度は、長さ、面積、そして体積という直観的観念を精密化し一般化したものである。命題は集合ではないので、測ることはできない。よって、命題は蓋然的でもないし、非蓋然的でもない。命題は、代わって、多かれ少なかれ、↑【もっともらしい plausible】ものであり得る。
Bunge哲学辞典:principle 原理、probabilism 蓋然論、probabilistic philosophy 蓋然論的哲学
principle 原理 [BungeDic1: 222]
極度に一般的な仮定または規則。例:論理の無矛盾性原理;たとえばハミルトンの〔最小作用の〕原理のような、物理学の極値原理〔極度的原理〕 extremal principles;↑【定言命法〔定言的命令〕categorial imperative】。
probabilism 蓋然論 [BungeDic1: 222]
【a 存在論】すべての事実は↑【偶発的〔偶然的〕 contingent】であり、すべての法則は蓋然的であるという教義。【同義語】↑【偶然主義 tychism】。
【b 認識論】すべての事実的知識は、『蓋然的 probable』である、通俗的な意味でもっともらしい、あるいは不確かな、よって不確実だという教義。↑【懐疑論 skepticism】の一種。
probabilistic philosophy 蓋然論的哲学 [BungeDic1: 222]
【a 一般的】哲学的諸概念の精密化のために、↑【確率解析〔確率解析学〕 probability calculus】を使うこと。因果連関 causation、真実、単純性、そして意味という概念を含んだ、ほぼ20の様々な哲学的概念が、確率の概念によって定義可能であると宣言されてきた。皮肉にも、混乱だけが、精密な概念をそれ固有の脈絡、つまり確率の理論と確率論的モデルの一群という脈絡、から追放することによって生じた〔ここは誤訳かも。whichが何にかかっているのかよくわからん〕。
【b 存在論】一見したところでは、因果連関 causationは、蓋然的なつながりの大変特殊な場合である、つまり蓋然的つながりの値が一〔unity〕に等しい場合である。より精確には、次の定義が成立すると思われるだろう。つまり、『cはeの原因である =df cが与えられたもとでのeの条件確率は1に等しい。』。これは駄目である。循環が隠されているからである。実際、原因と結果という概念が、定義項に生じている。すなわち、言われていることのすべてとは、或る一定の場合には、原因がその結果を生み出す確率は最大であるということである。
【c 意味論】幾人かの哲学者たちは、確率という概念を使って、真実という概念を解明することを、二者を同一視するか、あるいは真実を起こりそうもないこととして定義することによって、提案した。この試みは、確率を命題に割り当てることは、確率を面積に割り当てるのとほぼ同様に合理的であるということだけからでも、失敗するに決まっていた。実際、確率は集合の一測度である。そうであるから、確率についての高等理論は測度理論の特殊な場合である。測度理論は今度は、長さ、面積、そして体積という直観的観念を精密化し一般化したものである。命題は集合ではないので、測ることはできない。よって、命題は蓋然的でもないし、非蓋然的でもない。命題は、代わって、多かれ少なかれ、↑【もっともらしい plausible】ものであり得る。