生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

Bunge哲学辞典:level レヴェル〔準位〕、level structure レヴェル構造〔準位構造〕

2012年07月17日 00時20分21秒 | Mario Bunge哲学辞典
2012年7月17日-1
Bunge哲学辞典:level レヴェル〔準位〕、level structure レヴェル構造〔準位構造〕

level レヴェル〔準位、階位、水準〕 [BungeDic1: 158-159]
 多義的な用語であり、よって、なんらかの形容詞とともに用いられるべき用語である。存在論では、実在の一つの_統合的_レヴェル、または編制〔組織性〕のレヴェルは、一定の性質と法則を共有する物質的(具体的)存在者の一収集体である。統合的レヴェルについての最も単純な諸仮説は、(a) 実在(すべての実在する対象の収集体)は、五つの主要なレヴェル、つまり物理学的レヴェル、化学的レヴェル、生物学的レヴェル、社会的レヴェル、そして技術的レヴェルから構成される、(b) 物理学的レヴェルを越えるどのレヴェルの存在者も、より下位のレヴェルに属する存在者から構成される、そして (c) より高位のレヴェルは(むしろそれらのレヴェルに属する個体は)、より下位のレヴェルの個体が会合  するか〔associtaion〕発展するかのどちらかによって、やがて創発した、というものである。心的レヴェルを加えなかったのは、唯物論的存在論において、心は、物ではなくて、脳の過程の収集体だからである。どのレヴェルも、必要に応じて、多くの下位レヴェルに分析され得ることに、注意されたい。たとえば、物理的レヴェルと社会的レヴェルは、小レヴェル、中レヴェル、大レヴェル、そして巨大レヴェルに分割されるかもしれない。

level structure レヴェル構造 [BungeDic1: 159]
 レヴェル先行(またはそれの対となる、レヴェル創発)という順序関係を伴ったレヴェルの集合、つまり、L =〈L, nに対しても、Ln < L<font size="2">n+1=df ∀σ[σ∈Ln+1⇒ C(σ)∈Ln]。ここで、C(σ)はシステムσの構成を表わす。階層的な【↑存在の連鎖】とは区別されるべきである。なぜなら、レヴェルは、支配、ましてや創造主への近さによってではなく、先行によって順序づけられているからである。


Bunge哲学辞典:reductionism 還元主義

2012年07月16日 17時45分22秒 | Mario Bunge哲学辞典
2012年7月16日-1
Bunge哲学辞典:reductionism 還元主義

reductionism 還元主義 [BungeDic1, p.244]
 複合体は、その構成要素に還元することによって、最も良く説明されるという研究戦略。【同義語】でしかない主義 nothing-but-ism。例は、物理学と化学における【↑原子論】、生物学における【↑機械論 mechanism】、社会科学における【↑生物学主義】と【↑経済学主義 economicism】、そして認識論における社会学主義である。_極端な radical_還元主義は、【↑創発 emergence】を否定し、したがって還元はいかなる複雑な事項を説明するにも必要かつ十分であると主張する。例:人間社会生物学、また、ヒトゲノム事業〔ヒトゲノム企画 Human Genome Project〕の完了は人間本性の謎をきっぱりと解決するだろうという信念。中庸な還元主義は、可能な限り還元すべきであるが、創発に出くわせば
それを承認する(そして説明する)べきだと考える。存在論的に対をなすものは、【↑創発主義的唯物論 emergentist materialism】である。


Bunge哲学辞典:reduction 還元

2012年07月15日 23時27分04秒 | Mario Bunge哲学辞典
2012年7月15日-4
Bunge哲学辞典:reduction 還元

reduction 還元 [BungeDic1: 242-244]
 【a 概念】認識的操作の一つであり、より精確には、分析の一種類であって、それによって、還元される対象は、論理的または存在論的にそれに先立つ他のものに依存していると推測されるか示されるのである。もしAとBが両者ともに、構築体であるか具体的存在者のどちらかであるならば、AをBに還元することとは、AをBと同定することであるか、AをBに包含することであるか、あらゆるAは或る集合体 aggregate か、或る組合せか、あるいはBの平均であるか、そうでなければBの顕在化か像なのだと主張することである。そのことは、AとBは互いに大変異なっているように見えようとも実際は同一であると主張すること、あるいはAはBという属の一つの種であると主張すること、あるいはどういうわけかあらゆるAはBから結果すると、もっと漠然と言えばAはBに『煮詰まる』、または『つまるところ〔in the last analysis〕』すべてのAはBであると主張することである。_概念的還元_の例。整数は、素数であるか素数の積のどちらかである。静力学は、力学の一章〔一部分〕である。光学は、電磁気学理論の一章である。存在論的還元の例。熱は、分子のランダム〔乱雑、でたらめ〕運動である。心的過程は、脳の過程である。社会的事実は、個人的行為の結果である。
 【b 還元の論理】還元について、四つの場合を区別すべきである。すなわち、概念の還元、命題の還元、理論の還元、そして説明の還元である。
 概念Aを概念Bに還元するとは、AをBによって定義することである。ここでBは、Aの指示対象の【↑水準 level 】と同じか、より低い(または高い)水準にある或る物、性質、または過程を指示する。このような定義は、_還元的定義_と呼ばれよう。(哲学的文献においては、還元的定義は『架橋仮説〔橋渡し仮説〕』と通常呼ばれている。おそらくは、それらはしばしば当初は仮説として提案されたからである。分析の無い歴史は、誤解を招く可能性がある。)概念の還元的定義の三種類とは、(a) 『光 =df 電磁気的放射〔線〕』におけるような、_同一水準_のもの、(b) 『熱 =df〔→ =def〕 分子のランダム〔乱雑、でたらめ〕運動』におけるような、上から下への、または_微視還元的 microreductive_なもの、(c) 『自然淘汰 =df 環境圧による生物個体の除去』におけるような、下から上への、または_巨視還元的 macroreductive_なもの、である。
 _命題_の還元は、その命題に現われる少なくとも一つの述語を、還元的定義の
定義項によって置換することから起こる。たとえば、『言語的表現の形成 =df ウェルニッケ野の特異的活動』という還元的定義によって、『花子は言語的表現を形成していた』という心理学的命題は、『花子のウェルニッケ野は活動的だった』という神経科学的命題に還元される。
 或る_説明_が還元的だと言われるのは、その説明での説明項の前提の少なくとも一つが還元された命題であるとき、そしてそのときに限る。たとえば、システム〔系体 system〕の形成を、その〔システムの〕構成要素の自己集成 self-assembly によって説明することは、微視還元的な(または下から上への)類いの説明である。組み立て列〔組立作業工程 assembly line〕での作業、または生命の起源についての仕事は、この類いの説明を誘導している。対照的に、システムの構成要素をの振る舞いを、システムにおいてそれが保持する位置かまたはそれが演為する〔遂行する perform〕役割によって説明することは、巨視還元的な(または下から上への)型の説明である。自動車整備士と社会心理学者は典型的に、この型の説明に訴える。最後になるが、理論の還元についての分析は、次のように進めることができよう。二つの理論(仮説演繹的体系)をT1とT2と呼ぼう。両者はいくつかの指示対象を共有すると仮定し、還元的定義の集合をRと呼び、T1またはT2のどちらかには含まれない補助的仮説の集合をSと呼ぼう。すると、(1) T2は、T1に完全に(または強く)還元できる =df T2は、T1とRの和集合からの論理的結果である;そして (2) T2は、T1に部分的に(または弱く)還元できる =df T2は、T1とRとSの和集合からの論理的結果である、と規定される。
 【c 理論の還元についての制限】光線光学〔ray optics〕は、『光線〔light ray〕 =df 光波面と直角をなす』という還元的定義を介して、波動光学に強く還元できる。同様に、波動光学は、上記の(a)という還元的定義によって、電磁気学に強く還元できる。他方、気体の運動理論〔運動論〕は、質点力学〔particle mechanics〕に弱く還元できるだけである。というのは、気圧と温度の概念の還元的定義に加えて、気圧の概念は位置と速度のランダムな初期分布という補助的仮説を含むからである。同様に、量子化学、細胞生物学、心理学、そして社会科学は、それぞれの対応する下位の専門分野に弱く(部分的に)還元できるだけである。量子理論でさえ、いくつかの古典的概念(たとえば、質量と時間という概念)だけでなく、巨視物理学的境界についての諸仮説を含んでいる。そのため、完全な微視的還元とはならない。同様に、微視的経済活動は、現行の公定歩合と政治的状況といった巨視的特徴を特定すること無しには、適切に記述することはできない。新古典派の微視経済学によって企てられた微視的還元が不成功であるのはまさに、巨視的環境に対する余地が無いからである。他の多くの還元したという主張も、正当化されない。対照的に、生化学とか認知神経科学といったように、専門分野を学際的専門分野に併合することは、はるかにより一般的であり、また大変成功的であった。【↑還元主義 reductionism】。



Bunge哲学辞典の訳出目録

2012年07月15日 20時52分46秒 | 生命生物生活哲学
2012年7月15日-3
Bunge哲学辞典の訳出目録

□ 目次 □
action 作用 [BungeDic1, p.9]
aethetics 感性学〔美学〕
agency 作用* [BungeDic1, p.11]
agent/patient 作用者〔動作主,作動者〕〕/受動者〔被動者〕 [BungeDic1, p.11-12]
animism アニミズム [BungeDic1, p.18][初版の訳→増補改訂版の訳にすべし]
emergence 創発 [BungeDic2, p.83]
evolution 進化 [BungeDic2, p.93]
evolutionism 進化主義  [BungeDic2, p.94]
explanation 説明 [BungeDic1, p.93-94][初版の訳]
explanatory power 説明力 [BungeDic1, p.94][初版の訳]
information 情報 [BungeDic1: 139-140]
interaction 相互作用 [BungeDic1, p.142]
interactionism 相互作用主義 [BungeDic1, p.142-143]
life 生命 [BungeDic2, p.163]
matter 物質  [BungeDic2, p.174)
mechanism メカニズム、機械論 [BungeDic2, p.175)
natural kind 自然類 [BungeDic2, p.191)
object 対象 [BungeDic2, p.199)
panpsychism 汎心論 [BungeDic1, p.205)[初版の訳]
phenomenology 現象学 [BungeDic2: 212]〔最後の2文を訳出。〕
plausibility もっともらしさ [抄訳。BungeDic2, pp.214-215]
probability, vulgar notion 確率、通俗的概念の [BungeDic2, p.227]
reference 指示 [BungeDic2, p.246]
representation 表象〔表現〕 [BungeDic2: 251]
science 科学 [BungeDic2, p.259]
science wars 科学の戦争〔サイエンス・ウォーズ〕 [BungeDic2, p.261]
scientificity 科学性 [BungeDic2, p.262]
scientism 科学主義 [BungeDic2, p.262]
scrutability 検証可能性 [BungeDic1, p.262][初版の訳]
self-assembly 自己集成 [BungeDic2, p.263]
species 種 [BungeDic2, p.274]
system システム (BungeDic2, p.282)
systemic approach システム的アプローチ [BungeDic2, p.285)
taxonomy 分類学 [BungeDic2, p.289]
*technics 技巧 [マーナ・ブーンゲ『生物哲学の基礎』: 245頁を見よ。]
*technique 技術 [マーナ・ブーンゲ『生物哲学の基礎』: 96頁, 129頁を見よ。なお、技術 techniqueは(一般的に対しての)特異的方法であるが、技術が科学的であるための条件とは、a. 間主観性条件、b. 試験〔テスト〕可能性条件〔試験testとは、経験に照らして試すことである〕、c. 正当化条件
である(マーナ・ブーンゲ『生物哲学の基礎』96頁を見よ)]
technology 科学技術 [BungeDic2, pp.289-290]〔また、tマーナ・ブーンゲ『生物哲学の基礎』の244頁からの5.5.4節 応用科学と科学技術、を見よ。〕
theory 理論 [BungeDic2_p.***]
war 戦争 [BungeDic2, p.311]

 


Bunge哲学辞典:情報 information

2012年07月15日 13時25分01秒 | Mario Bunge哲学辞典
2012年7月15日-2
Bunge哲学辞典:情報 information

information 情報 [BungeDic1: 139-140]
 【a 工学】 情報理論は、電線に沿うかまたは空間を通じた電磁気的信号の伝送〔伝導〕を扱う。それは特に、伝送の忠実性に、よって伝送経路上の雑音(乱雑摂動)の効果を最小化する方法に、関わる。情報理論は、広く信じられているところとは反対に、意味とはまったく関わらない。たとえば、『わたし、あなたを愛してるわ』という伝言の情報量は、『わたし、あなたが嫌いよ』という伝言の情報量と厳密に同じである。その理由は、信号と意味の間の関係が約束事〔規約上のこと〕だからである。それで、異なる伝言で、異なる言語における同じ考えを伝送する。
 【b 科学】 概念としてではないにしろ、「情報」という語は、工学から、最初に生物学(とりわけ遺伝学)を汚染し、次いで生化学(そしてそれを通して分子生物学)、心理学、社会学、そして他にまで溢れ散らばった。このような急速な広がりの理由の一つは、それぞれの場合で、「情報」という語に、様々な語義が暗黙に割り当てられたことである。たとえば遺伝学では、『情報』はDNA『構造』(または、 構成要素であるヌクレオチドの順序)と同じである。神経科学では、『情報流』は、一神経に沿って伝播する信号にほかならない。しかしそれは、命令といった伝言を運ぶ信号では決してない。なぜなら、神経細胞は何事も理解できないからである。心理学では、「情報処理」という表現は、機構〔メカニズム〕の不明な心的過程を何であれ、指す。実際、情報処理の認知心理学全体は本質的に、あかぬけした情報風に翻訳された、古くからの心理主義的心理学だと主張できるだろう。情報処理心理学の計算主義版〔計算主義流の情報処理心理学〕に関して言えば、それは数理モデルを含むから、厳密であるということ以外の疑問は無い。問題は、(a) それは適切で生産的かどうか、(b) 計算という概念を運動行動と知覚にまで適用可能性の範囲を拡げることによって、それは事実をモデルと混同しないかどうか、そして (c) 認知を動機と感情 affect から分離することによって、それは心理学を貧しくし、ばらばらにしないのかどうか、である。ところが、まだまだ、これからである。社会学者のなかには、全ての社会的出来事〔事象〕は、結局のところ情報流になる、と主張してきた者もいる。もう一度言おう。厳密な考えは、脈絡(この場合には、遠距離通信工学)から取り出されると、奇怪な極端へと導いてしまう。
 【c 意味論】意味という概念を、情報という概念でもって解明しようといういくつかの試みがなされてきた。それらはすべて、二つの理由から、失敗するほかなかった。第一になぜなら、上記の【a】で注釈したように、情報量と情報の内容とは、無関係だからである。第二になぜなら、意味は、情報理論で現われる客観的確率の概念とは、無関係だからである。


結晶的生命体

2012年07月15日 11時19分41秒 | 生物哲学
2012年7月15日-1
結晶的生命体


 昨日、
平山令明.2012.4.結晶とはなにか:自然が作る対称性の不思議.222pp.講談社[ブルーバックス].[OC 459.9][860円+税]
をささっと読んだ。

 幸いなことに、タンパク質の多くは結晶になっても、元のタンパク質の働きを維持するということである。

  「タンパク質の結晶はふつうこのようにたくさんの水を含んでいます。むしろ、水の中にタンパク質が浮いている、と言ったほうがよいかもしれません。したがって、タンパク質の多くは結晶になっても、元のタンパク質の働きを維持しています。〔略〕当初、懐疑的な生物学者は、結晶になってしまったら、タンパク質は生きている状態とは全く違ってしまうのではないかと疑っていました。しかし、幸いにもそういう疑いはほとんど無用であり、それどころか生命科学の大発展は結晶中のタンパク質やDNAの構造研究によって成し遂げられたのでした。」(平山令明 2012.4: 208-209頁)。

 T4 バクテリオファージについては、下記の記事がある。
 有坂文雄.T4ファージの微細構造と感染のメカニズム.
  「ファージ尾部の分子集合には22個の遺伝子が関与している。分子集合の順序は大変秩序だっていて、その順序は蛋白質間相互作用によって規定されている(図4)。」
  「DNAの注入には大腸菌外膜の電気化学ポテンシャルが必要であるという報告がある。即ち、DNAは大腸菌が生きていないと取り込まれない。T5ファージなど、他のファージの実験結果も併せて考えると、DNAはファージが注入するというよりも、大腸菌の側で引っ張り込んでいる、というのが実際の状況である。
進入したDNAは宿主の複製・転写・翻訳装置を借りて増殖し、頭部、尻尾、尾繊維が形成され、これらが合体して感染性のあるファージができあがる。1匹の大腸菌から約100個のファージが構築され、溶菌によって菌体外に放出される。」
  「現在、基盤を構成する20種の蛋白質のうち6種の蛋白質の立体構造が明らかにされている。中には封入体を形成してしまったり、プロテアーゼで壊されやすいものもあり、精製法も工夫しながら結晶化を進めている。」(有坂文雄.T4ファージの微細構造と感染のメカニズム.)
http://jhfsp.jsf.or.jp/frontier-science/newsletter/017/nl-04.html

 生命形態を、下記のように分類してみよう。
  a. 鉱物的結晶
  b. (DNAまたはRNA+蛋白質)的結晶

 →生物体の定義。
 →鉱物的結晶の成長。

  「らせんという操作は、物を隙間なくコンパクトに畳み込む上で非常に能率的な方法です。」(平山令明 2012.4: 117頁)。

 空間距離的に近接していれば、分子間で様々な結合作用が起きることになる。



[H]
平山令明.2012.4.結晶とはなにか:自然が作る対称性の不思議.222pp.講談社[ブルーバックス].[OC 459.9][860円+税]



Bunge哲学辞典:action 作用、agency、agent/patient 作用者/受動者〔動作主/被動者〕

2012年07月12日 16時32分23秒 | 生物哲学
Bunge哲学辞典:action 作用、agency *、agent/patient 作用者/受動者〔動作主/被動者〕

action 作用 [BungeDic1, p.9]
 a. 一般的(存在論的)概念 一つの物が他の一つの物にすること。可能な定式化は、物xが物yに振るう〔及ぼす〕作用 actionは、xが存在するもとでのyの歴史とxが存在しないもとでのyの歴史との間の、集合理論的な差に等しい。
 b. 人間の作用〔行為〕とは、人間がすること何でもである。同義語:↑実践 praxis。社会生活の究極の源。人間の一部の作用は意図的である。すなわち、それらの作用には↑計画 planを設計 design〔立案〕することが先立つ。行為理論 action theory =↑実践学〔行動学〕 praxiology

agency 作用 [BungeDic1, p.11]
 人間の↑作用〔働き〕 action。しばしば(社会的)構造に対置されるが、実は構造とは、前の人間的作用とその作用への制約の結果 outcomeである。実際、われわれはすべて、明確な(しかし変化しつつある)構造を持った、前もって存在する社会へと生まれ、自分たちの社会的行動を通してその社会をなんらかの程度に改めるかもしれない。たとえば、人一人だけの加入または脱退は、家族の構造に相違を生じる。

agent/patient 作用者〔動作主,作動者〕〕/受動者〔被動者〕 [BungeDic1, p.11-12]
 ↑作用 actionの関係項。xがyに作用すれば、その場合xは作用者 agentと呼ばれ、yは受動者 patientと呼ばれる。しかし、受動者は、その過程を開始した作用者に対して反作用するかもしれない。この場合、両方の存在者は、↑相互作用 interact しており、実践的目的を除いて、作用者/受動者の区別は消え失せる。

interaction 相互作用 [BungeDic1, p.142]
 二つの具体物が相互作用するのは、各々が他に作用するとき、そしてそのときに限る。性質も考えも、それ単独で相互作用することはできない。それらは関係づけられることができるだけである。力学的相互作用は、作用と反作用の等価原理を満たす。この原理は、電気力学、生物学、または社会科学においては、妥当ではない。これらすべての分野は、光吸収、化学結合 chemical combination、感染、植民地化といったような、等価な反作用を伴わない作用を研究する。

interactionism 相互作用主義 [BungeDic1, p.142-143]


 


風間虹樹:〈いのち。いのち、、[存在し、活きている]〉/第87回平原社展

2012年07月11日 22時47分46秒 | 美術/絵画
2012年7月9日-2
風間虹樹:〈いのち。いのち、、[存在し、活きている]〉/第87回平原社展/帯広市民ギャラリー

□ 第87回 平原社美術協会展(第87回 平原社展) □
 会期:2012年7月12日(木)~7月24日(火)
    ただし、7月18日(水)は休館。
 時間:午前10時~午後7時 *最終日は午後4時迄
 会場:帯広市民ギャラリー(JR帯広駅地下)
 入場料:大人 400円。高校生以下は無料。

 
 風間虹樹の〈いのち。いのち、、[存在し、活きている]〉が展示されます。 







大麦のセシウム-137の約35%がビール中に回収(チェルノブイリ事故)

2012年07月10日 08時26分17秒 | 放射能
2012年7月10日-1
大麦のセシウム-137の約35%がビール中に回収(チェルノブイリ事故)

 泊原発廃炉の会十勝連絡会
https://twitter.com/HairoTokachi
http://hairotokachi.jpn.org/
のツイート記事に、
  「大麦のセシウム-137の約35%がビール中に回収された。」
とある。その論文は、
 放射性物質の食品への影響に関する論文集(全件)〔農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所〕
http://naro-cr.dc.affrc.go.jp/rc0311/ronbun_01.jsp
の紹介記事の一つで、下記の通り。

  「文献番号:149
大麦からビールへのセシウム-137の移行
The transfer of 137Cs from barley to beer
Prohl G., Muller H., Voigt G., Vogel H..
Health Physics, 72(1): 111-113, 1997
Keywords: Food chain、137Cs、Chernobyl, Contamination, Environmental
 チェルノブイリ事故の結果、セシウム-137で汚染された大麦からビールが醸造されてきている。醸造のすべての工程および製造プロセスのすべての副産物について、セシウム-137の放射能を測定した。その結果、大麦のセシウム-137の約35%がビール中に回収された。加工品と生原料との濃度比として定義される加工処理率(processing factor)は、麦芽が0.61、小麦胚芽3.3、ビール粕0.1、ビール0.11となった、としている。
(表2点) (原著論文) (セシウム-137) (食品)」
http://naro-cr.dc.affrc.go.jp/rc0311/ronbun_01.jsp



風間虹樹:〈いのち。いのち、、[存在し、活きている]〉/第87回平原社展

2012年07月09日 17時04分31秒 | 美術/絵画
2012年7月9日-2
風間虹樹:〈いのち。いのち、、[存在し、活きている]〉/第87回平原社展/帯広市民ギャラリー

□ 第87回 平原社美術協会展(第87回 平原社展) □
 会期:2012年7月12日(木)~7月24日(火)
    ただし、7月18日(水)は休館。
 時間:午前10時~午後7時 *最終日は午後4時迄
 会場:帯広市民ギャラリー(JR帯広駅地下)
 入場料:大人 400円。高校生以下は無料。

 
 風間虹樹の〈いのち。いのち、、[存在し、活きている]〉が展示されます。

 意匠 design ideas, design thoughts〔あるいは、設計意図 design intention 〕と製作設計:
  1. 平面作品としばしば同義とされる絵画の、立体化または凹凸化。
   1a. 壁掛け展示の画布面に垂直に、つまり前方に、一部を突出させることによる立体化。また、画布そのものの一部を皺寄せつつ後方に凹むように張ることによる立体化。
   1b. 画布面そのものを、切り裂いたり穴開けすることによる、立体化。
   1c. 画布の切り裂きを利用した、変形させて立体化した画布片および透明アクリル板、の巻き付けまたは貼付けによる、(空間的な)二重的、および二質的(つまり異質な材料による二重化)な、立体化。
  2. 図柄においては。主に二種類の形態で、数種類の色彩の、生命体 life, life body(または、生命物体 life matter あるいは生命個体 life individual)の創作 creation。作り方としては、滴下という地球重力を自然的に利用した、画面への作用を応用する。原則として画面に垂直(90度)。
  3.

 材料[物的構成]:桐集成材による木枠に張った麻画布を背面から木製円柱または発泡スチロール製円錐で画布を七箇所前方に突出させたものに、粗粒子型ジェッソ、油絵具、(非集光)アクリル板、集光アクリル板、テグス6号、布テープ(背面)、釘(背面)、ステンレスねじ釘(背面)。
 製作手順:
  1. 画布面が皺寄って凹むように、一部を折りたたんでの二重にして支持体(木枠)に張る。前もって水を直接または霧吹きでかなり湿らせておいてから、張る。
  2. 粗粒子型のジェッソを、(ポリエステル毛的ではなく)ゴム的ローラーで(縦横に運んで)たっぷりと全面に塗る。厚みは左方で2-4mm程度に厚く、右方で1mm程度と薄くする。厚みに違いも利用して、菱形画面の左端は荒い縦皺に作り、向かって右方に徐々に細かい皺とし、右端付近では網状に作る。
  3. 直後に、あらかじめ数種類の油絵具を、ルソルヴァン、テルペン、ポピー油、筆洗油、を単独または二種類以上を(割合は適当に)調合して、溶いておき、スポイト(または注射器状のもの)で、ジェッソ面に、たとえば全覆的に滴下する。
  4. しばらくすると、滴下した油絵具は生命体として作られたようになる(きちんと言えば、生命体とみなされるようになるかもしれない色彩形態となる(かもしれない))。
  5. この絵画物体では縦皺をいくつかの振り stroke で波状にうねらせるように作ったので(ただし向かって右方は目立たないようにした)、おのずと[自と]輪状の部分ができる。したがって therefore、その部分でしかも生命体の存在するところを突出させることは自然であろう(どういう意味で「自然」であるのかは、各自、推察されたい)。
  6. かくて thus、 波の上昇氣によって生命体は、たゆたいつつ、世界をかけめぐる。
   しかしながら例によって、落とし穴は仕掛けられている。「仕掛けられている」と言うのは、そもそもこの世界自体が、仕掛けられている(ことによって創造されたにちがいない[推論])からである。
  7. よって accordingly、縦溝(であるのは、われわれは地球重力から逃れられないからである)に沿った割れ目が出現するのは必然である。つまり、ルチオ・フォンタナに倣って、溝を切り裂くべきである(平面的画面ではなく、溝を作ってさらに切り裂くというところが、フォンタナのやり方を一つの絵画技法として総括しての応用である)。
  8. さらなる仕上げとして、アクリル板という異質な材料を、しかも透明なものを支持体とする試みを提案した。つまり、画布の上に置きつつ、かつ、下に潜らせて配置するという、空間的歪みを一つの細長い長方形体によって統一するという(因果な)業である。さらに、通常にアクリル板と、集光して薄紫色に光るアクリル板を並列する。それらの表面にジェッソを滴下した上に、溶いた油絵具を滴下する。絵画とは、(表面を持つ)物体の表面に絵具を配置したものである(絵画 picture の定義 definition)から、このような絵具を付着されたアクリル板は、絵画物体である。ただし、透明であるので、不透明な板、紙、布といった支持体とは、当然、見え appearances[複数形であることに注意] が異なる。