小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

夏休みの宿題をみるときの攻略法

2009-08-12 09:52:42 | 教師の仕事術の攻略法

お盆シーズンを迎え、夏休みも中盤を過ぎている。

2学期の始業式が始まってすぐに、教師が追いこまれる仕事がこれだ。

子どもたちの夏休みの宿題をみる。

日記・漢字・算数プリント・自由研究・作文・ラジオ体操カード・・・

とても量が多い。これらを全てしっかりとみるのには相当な時間と労力がいる。

しかし、夏の子どもたちのがんばりである。てきとうにみて、あいまいな評価を返すようなことはしたくない。

私は教師1年目、すべてのページにしっかりと丸つけをし、必要なコメントをやスタンプをした。

結果、莫大な時間を要したことは言うまでもなく、おかげで他の2学期スタート時に重要な学級経営の仕事が遅れてしまった。

しかも、残念なことに、これだけの努力をしたにもかかわらず、子どもたちは(保護者も)あんまり一つ一つの丸つけやコメントを見ていない・・・

2年目の夏以降、私は工夫した。

こんなときの攻略法は、これだ!

丸つけはせず、すべての評価をまとめた賞状を一人一人に作ってあげる!

である。(パソコンで)

「賞状」とは言え、中味はしっかりとした文面で子どもたち一人一人に、一つ一つの宿題について評価を書いてあげるのだ。

以下のような具合である。

①漢字の書き取り

・・・40ページの課題をすべてできましたね。よくがんばりました。きちんと読み仮名もつけているし、字も正しく書けています。夏休み後半に、少し丁寧さが欠けてしまったようですので、2学期には気をつけましょう。

②1行日記

・・・友だちと楽しく遊んだ日がたくさんありますね。とても楽しかったことでしょう。8月3日に、家族とプールに行き、大波に揺られてはしゃいだことは、夏のすてきな思い出になりますね。先生も行きたいなぁ、うらやましい!

③自由研究 ・・・

といった感じである。

「そんなこと、大変すぎる!」と思うだろう。

しかし、これにはちょっとした裏技がある。

まず、漢字・計算・ラジオ体操・歯磨き などは、決められた同じ課題をしてくるわけだから、ある程度、何通りかの評価に分類できる。だから、その段階ごとに評価の文面を何通りか作っておくのだ。

そして、その子の宿題のできに応じて、その文面を貼りつければよい。

だから、あとは日記・作文・自由研究・図工作品などである。

それぞれに個性のある宿題をしてきているから、これらは個別に評価を書いてあげるしかない。

このときのコツとしては、その作品全てをくまなくみるのではなく、印象に残る一部分について評価することだ。そうすることでみる時間も削れるし、子どもたちにとっても、分かりやすい具体的な評価ができる。

この、「夏休み宿題賞状」のよさは

①何より、みる時間と労力が大幅に削減される。

②賞状をもらうのだから、子どもはとてもうれしい。

③評価が一枚の賞状にまとめて書いていると、子どもも読みやすい。

④賞状は、あとに残る。夏休みの指導が、2学期以降にも生かせる。

⑤全ての宿題を出さないと、賞状は作れないわけだから、子どもたちも必死になってやり遂げようとする。

私は、初めてこの賞状を作った年、(本心、どんなリアクションが返ってくるかドキドキしたが)子どもたちが喜んだことに加えて、保護者の方々に大変感謝された。

「こんなもの作っていただけるなんて、初めてです!飾っているんですよ。一人一人に作るなんて、大変でしたでしょー」

実は、そこまで大変ではない。

夏休みが終わるちょっと前から、賞状の枠と、評価文面の雛型を作っておくと、始業式からの作業も楽になる。

ぜひお試しあれ。

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学級生活に必要な仕事を確実にさせる攻略法

2009-08-09 08:14:18 | 学級生活の攻略法

毎日の学級生活を運営していくために、子どもたちがやるべき仕事はかなり多い。

それらの仕事を「○○係」として、グループに任せる学級が多いようだが、私はこれをしない。

なぜかというと、仕事をする子が複数になってしまうと、だれがするのか不明確になりがちだからだ。

特定のある子だけがして、あとの子派何もしていない、となることも多い。

そうではなく、学級の仕事はぜひクラス全員で公平に分担し、一人一人に責任感をもって取り組ませたい。

こんなときの攻略法は、これだ!
「一人一役」のシステムをつくる!
これに限る。

子ども一人につき、クラスの仕事を一つ分担するのだ。
だから、クラスの人数が30人いれば、仕事を30個見つけて、分担することになる。
「そんなにたくさんあるかな」と思うかもしれないが、結構あるものだ。
一部紹介しよう。
・ 授業の号令役・廊下の雑巾並べ役・明日の時間割記入役
・教室の棚チェック役・朝の窓明け役・教室の電気付け消し役
・花の水やり役・1時間目の黒板消し役・鉛筆削りカス捨て役
まだまだある。
クラスの実態を思い返しながら、細かなことでもいいので、必要な仕事を洗い出してみるとよい。
そこで重要なことは、
必ず毎日できる仕事であること。
毎日やり遂げることができるから、子どもにとっては分かりやすいし、習慣になる。
そして、これらを確実に全員が毎日やり遂げる「システム」にすることが必要だ。
私の経験から、一番効果的なのは、仕事ができたら裏返すカードを準備することである。
まだ仕事をしていないときは表の赤色のカード(「まだしていません」と書いてある)
仕事をやり終えたら、カードを裏の青色のカードにする(「バッチリしました」と書いてある)
帰りの会が終わり、みんなでさようならをするときには、カードが全て青色になっていることを確かめればよい。
この一人一役システムは、学級生活を滞りなく進める上で絶対に欠かせないと私は思う。
こうしてみんなで協力し合って、気持ちよく毎日が送れるようになると、子どもたちも、自分がしている仕事にやりがいを感じられる。
自分だけでなく、友だちもみんなそれぞれに仕事を持っていて、クラスのためにがんばっているのだ。
毎日、カードが全部青色になっているときは、思い切り誉めてあげたくなる。

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シャープペンを使いたがる子への攻略法

2009-08-07 16:20:35 | 学級生活の攻略法

小学校では、鉛筆の使用を基本としているところが多いだろう。

そんな中で、シャープペンを使いたがる子が出てくるのも自然なことだ。

子どもは、「どうしてシャープペンを使っちゃいけないんですか?」と、シャープペンの便利さや、中学生の使用などを加えて先生に迫ってくる。

時には、保護者の方でもそのような意見を言ってくる方もいる。

こんなときの、攻略法はこれだ!

鉛筆を使用することの意義を力説する!

である。

たまに、「シャープペンでもいいじゃないですか。今どきこだわらなくて」という先生もいる。

しかし、鉛筆のよさがあるのだ。

鉛筆を使う必要性があるのだ。

子どもたちにも、こう教えてあげよう。

「ここに、鉛筆で書いた「心」という字と、シャープペンで書いた「心」という字があります。見比べてみて、どうですか?」

○鉛筆の方が濃くて、シャープペンはうすい。

○鉛筆の方は太い線と細い線があるけど、シャープペンは全部同じ線。

「そうなんです。鉛筆で書く字には、濃さや太さに変化があるんです。そして、この濃さや太さこそ、字を上手に書く上で、とても大事なことなんです。」

そして、こうつなげる。

「きみたちは、小学生のうちに、上手な字を書く力を絶対に身につけたい。どんな力で書けばいいのか、どんな動きで書けばいいのか、どんな持ち方で書けばいいのか、それを鉛筆から学ぶんです。これは、シャープペンにはできないことなんです。ですから、きみたちが今、いつも鉛筆を使ってることは、とても意味のあることなんです。」

この話を、実際の鉛筆で書いた字と、シャープペンの字を提示しながら、真剣に伝えよう。

そして最後に私はこう付け加える。

「それと、ほら、なんとなくだけど、シャープペンで書いた字より、鉛筆で書いた字のほうが、温かみがあると思わないかい?先生は、鉛筆の字の方が、好きなんだけどなぁ。」

赤鉛筆の使用を勧める際にも、この話は説得力がある。

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授業始め・終わりのあいさつでもたつかない攻略法

2009-08-03 12:35:45 | 授業中の攻略法

この話題をする前に、いわゆる「授業始め(終わり)のあいさつ」をしていないクラスもあるだろう。

実は、私もなくてもいいと思っている。授業はチャイムが鳴れば、すぐに先生が始めればよい。

しかし、学校によっては、それを共通実践として取り入れているところもあるようだ。私が見た授業においても、そのあいさつをしている学級の方が大半を占めている。

するとなれば、このあいさつはビシッとやりたい。チャイムと同時に一瞬の間も空けず、引き締まった上手な号令でやりたい。

だが、問題がある。

多くのクラスでは、このあいさつを日直などの輪番制にしてしまっている。

輪番制だと、たまたまその日があいさつの当番になっている子も、忘れてしまっている。チャイムが鳴っても、「・・・・(シーン)」「日直!」「しょうたくんだよ!」「あっ、ぼくだっけ??そっか。姿勢、礼。」といった光景をよく目にする。

これだけで、授業始めの肝心なテンポと集中力がくずれる。

また輪番制だと、号令も上手にならない。毎日馴れない声での号令に、クラスも引き締まらない。「もっとクラス全体に通る声で!」などと指導しても、1ヶ月に1回ほどしか回ってこない役なので、上手さを求めるのは酷である。

もうお分かりだろう。こんなときの攻略法は、これだ!

授業始め・終わりのあいさつは、決まった子にさせる!

である。

どの子にも平等に経験させたいという担任の思いも分かるが、この役割に関しては、固定したほうがよい。

そしてそれを引き受けた子には、徹底して指導を行う。

チャイムと同時に言うこと。通る大きな声で言うこと。言う速さ。そして、授業においてとても重要な役であること。

そうして、その子が責任感をもって上手にやる姿があれば、他の子たちも納得してくれる。

様子を見ながら、1学期交代、1ヶ月交代、などしてもよいだろう。

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教室の雑巾がけをしっかりさせる攻略法

2009-08-02 09:58:44 | 学級生活の攻略法

教室の雑巾がけの一般的なスタイルは、両手を雑巾の上に置き、一直線にダダダーッと何往復かする、あのスタイルだろう。

いかにも「がんばって掃除をしている」という感じもして、教室掃除には欠かせないスタイルに定着している。

しかし、このやり方には欠点がある。

「汚れを見て拭く」ということができない。汚れている所を見つけて、それが落ちるまで重点的に拭く、ということができないのである。

普通、掃除とはそういうやり方が基本なはずなのに。

もっと効果的な雑巾がけの方法はないだろうか。

こんなときの攻略法は、これだ!

「ワイパー拭き」を身につけさせる!

である。

「ワイパー拭き」とは、その名の通り、車のワイパーのような動きをする拭き方である。

やり方を示そう。

①両膝、片手を床につき、片手に雑巾を構える。

②目の真下の床を、右→左・左→右・右→左・左→右… というふうに、車のワイパーのように拭く。

③3往復したら、一つ前に進む。※3往復でも落ちない汚れがあるときは、さらに拭いて、きれいになったら進むようにする。

④また、②・③を繰り返す。

このやり方で、教室の壁から壁を一往復するのである。

こうすれば、子どもたちは床の汚れを見ながら、意図的な雑巾がけをできて、しかも床がきれいになっていくことを確認しながら作業を進められる。

一直線ダダダーッの体力主義の雑巾がけよりも、ムラなく、きれいな床にすることができる。

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