お盆シーズンを迎え、夏休みも中盤を過ぎている。
2学期の始業式が始まってすぐに、教師が追いこまれる仕事がこれだ。
子どもたちの夏休みの宿題をみる。
日記・漢字・算数プリント・自由研究・作文・ラジオ体操カード・・・
とても量が多い。これらを全てしっかりとみるのには相当な時間と労力がいる。
しかし、夏の子どもたちのがんばりである。てきとうにみて、あいまいな評価を返すようなことはしたくない。
私は教師1年目、すべてのページにしっかりと丸つけをし、必要なコメントをやスタンプをした。
結果、莫大な時間を要したことは言うまでもなく、おかげで他の2学期スタート時に重要な学級経営の仕事が遅れてしまった。
しかも、残念なことに、これだけの努力をしたにもかかわらず、子どもたちは(保護者も)あんまり一つ一つの丸つけやコメントを見ていない・・・
2年目の夏以降、私は工夫した。
こんなときの攻略法は、これだ!
丸つけはせず、すべての評価をまとめた賞状を一人一人に作ってあげる!
である。(パソコンで)
「賞状」とは言え、中味はしっかりとした文面で子どもたち一人一人に、一つ一つの宿題について評価を書いてあげるのだ。
以下のような具合である。
①漢字の書き取り
・・・40ページの課題をすべてできましたね。よくがんばりました。きちんと読み仮名もつけているし、字も正しく書けています。夏休み後半に、少し丁寧さが欠けてしまったようですので、2学期には気をつけましょう。
②1行日記
・・・友だちと楽しく遊んだ日がたくさんありますね。とても楽しかったことでしょう。8月3日に、家族とプールに行き、大波に揺られてはしゃいだことは、夏のすてきな思い出になりますね。先生も行きたいなぁ、うらやましい!
③自由研究 ・・・
といった感じである。
「そんなこと、大変すぎる!」と思うだろう。
しかし、これにはちょっとした裏技がある。
まず、漢字・計算・ラジオ体操・歯磨き などは、決められた同じ課題をしてくるわけだから、ある程度、何通りかの評価に分類できる。だから、その段階ごとに評価の文面を何通りか作っておくのだ。
そして、その子の宿題のできに応じて、その文面を貼りつければよい。
だから、あとは日記・作文・自由研究・図工作品などである。
それぞれに個性のある宿題をしてきているから、これらは個別に評価を書いてあげるしかない。
このときのコツとしては、その作品全てをくまなくみるのではなく、印象に残る一部分について評価することだ。そうすることでみる時間も削れるし、子どもたちにとっても、分かりやすい具体的な評価ができる。
この、「夏休み宿題賞状」のよさは
①何より、みる時間と労力が大幅に削減される。
②賞状をもらうのだから、子どもはとてもうれしい。
③評価が一枚の賞状にまとめて書いていると、子どもも読みやすい。
④賞状は、あとに残る。夏休みの指導が、2学期以降にも生かせる。
⑤全ての宿題を出さないと、賞状は作れないわけだから、子どもたちも必死になってやり遂げようとする。
私は、初めてこの賞状を作った年、(本心、どんなリアクションが返ってくるかドキドキしたが)子どもたちが喜んだことに加えて、保護者の方々に大変感謝された。
「こんなもの作っていただけるなんて、初めてです!飾っているんですよ。一人一人に作るなんて、大変でしたでしょー」
実は、そこまで大変ではない。
夏休みが終わるちょっと前から、賞状の枠と、評価文面の雛型を作っておくと、始業式からの作業も楽になる。
ぜひお試しあれ。
↓いつもありがとうございます