「教師から子どもへのお願い」例えば,子どもの作品をみんなに紹介しようとする場面。
「ゆうこさん,作文がとてもよく書けているから,みんなに紹介したいんだけど,いいかな。」
「え~,やだぁ,はずかしいもん~」
「そんなこと言わずにさ,ほら,ここのところなんて,とても上手に書けてるしさ」
「上手じゃないよ~」
「・・・じゃあ,名前は出さないようにするから・・・」
「え~」
このように,子どもの中には,教師が何かお願いごとをしようとすると,少し調子にのったような感じで,素直に聞こうとしない子もいる。
特に,ちょっとおませな女の子に多いか。
教師と子どもとの人間関係に関わる部分であるが,こんなときは,どう対処すればよいか。
攻略法は,これだ!
あっさりと,そのお願いをあきらめる!
である。
上の例のように,断られて,ぐずぐずと説得しようとするのはだめだ。これがこの場合の子どもの一番のたくらみだからだ。
ちょっと先生を困らせたいというか,自分がいい気になりたいという,子どもらしい,軽くいじわるなねらいがありそうだ。
こんなやりとりを繰り返していると,お互いの関係が悪化してくる。
だから,あっさりとあきらめよう。
「ゆうこさん,作文がとてもよく書けているから,みんなに紹介したいんだけど,いいかな。」
「え~,やだぁ,はずかしいもん~」
「あ,そう。じゃあやめとこう。」
ここで,たいがいの子はちょっと焦りだす。
「だって~あんまり自信ないし~」
「先生はよく書けていると思ったんだけどな。いいよ,さとこさんにお願いしようかな。」
「あぁ・・・ さとこさんよりは・・・ 」
「 ・・・・ん?紹介してもいいかな?」
「・・いいですよぉ」
実は,というよりもちろん,ゆうこさんは自分の作文を紹介してもらうことはうれしいのだ。そして,先生がお願いしてきたこともうれしいのだ。
ただ,それを素直に喜ぶ顔を出せない子どもらしさがある。(女の子らしさ?)
そんな子の心情を読み取って,一歩大人っぽい対応をするのがよい。
代表児童の選出,文集の表紙づくり,リレーのアンカー,合唱の指揮・・・
教師の目から「この子がふさわしい。やらせたい」ということがある。
そんなときにお願いをするのだが,数多い子どもの中から貴重な役をできる(させてもらえる)わけだから,そのお願いはしっかり引き受け,謙虚に取り組んでほしい。
そのためにも,最初にお願いする場面から,大事である。
※このお願いの中で,教師があけらめようとしたときに,ホッとしたような顔を子どもがした場合は,本当にそのお願いを聞けないということだ。この場合は,ふさわしくないということで,なおさら別の子にお願いしたほうがよい。
↓いつも応援ありがとうございます