Meet Milt Jackson/Milt Jackson
(Savoy MG12061)
Savoyのミルトといえば、
オパスデジャズが思い出されますよね。『オパスでジャズってみたよ!』見たいなこのタイトル通りの好演に酔いしれた方は多いと思います。余韻に満ちあふれたヴァイブラフォンのサウンドと類い稀なブルースフィーリングこそミルトの真骨調でありSavoyでは群を抜いた好アルバムですよね。一方、他のSavoy盤も優れた出来のものが多いのですが、巷ではほとんど無視されているように思います。本日アップのミルトのSavoy盤は副題に"Vibist, Pianist. Vocalist"とあるように彼の多彩な才能が収録されている点で貴重です。
A面はオパスデジャズのようなストレートアヘッドなヴァイブの好演が聴ける構成です。メンバーはMilt Jackson(vib), Lucky Thompson(ts), Wade Legg(p), Wendell Marshall(b), Kenny Clarke(ds)の五重奏団で、"They Can't Take That Away From Me", "Flamingo"がセレクトさえておりパーフェクトですね。そしてB面の冒頭の2曲が白眉です。B-1の"Telefunken Blues"のミルトのブルージーなピアノとB-2の"I've Lost Your Love"の甘いミルトのヴォーカルです。残りの4曲は再びミルトのヴァイブにスポットが当たっていますが、この若々しいミルトのヴォーカルの一曲のみでも聴く価値がある一枚だと思います。
所有盤はサヴォイのレッドラベル、シルバーロゴのモノラル盤です。RVG録音での余韻に満ちたミルトのサウンドはさすがとしか言いようがないですね。