Top And Bottom Brass/Clark Terry
(Riverside RLP12-295)
クラーク・テリーといえばベイシー,エリントン楽団両方のメンバーだったことがありますし、他にもチャーリー・バーネット楽団やライオネル・ハンプトン楽団などで活躍したラッパ吹きですよね。このようにビッグバンドでの仕事が多く,コンボでのリーダー盤が少ないプレイヤーの代表的存在です。自分のブログで検索欄に“Clark Terry"と放り込んでポチッとヤルと結構たくさんのアルバムが引っ掛かって来ます。いずれもサイドメンの仕事でリーダー盤は2006.8月にアップしたMoodsville盤一枚しかないことに気付く筈です。その手堅いプレイで歌伴やビッグバンド系のアルバムには欠かせないプレイヤーであることが認識出来ます。本日アップのリバーサイド盤は低音楽器のチューバとの共演盤であり、恐らくフロントのコンビとしてtp&tubaの組み合わせはこのアルバムが最初であろう(ひょっとしたら最後)と思います。
相方,チューバというのはジャズ畑ではストリングベースが現れるまで低音楽器の代表として活躍した楽器であり、あながち奇異な組合わせとも言い切れません。tp&tubaはcl&bclやss&bsと同じような組み合わせと考えればそんなに違和感はないかも知れませんね。ここで共演するDon Butterfieldはみたところ白人プレイヤーであり結構メロディックにプレイしています。とくにA-3の"My Heart Belongs to Daddy"で聴かれるメロディックなプレイは第一人者であった事を知らしめる貴重な記録ですね。リズムセクションはJimmy Jones(p), Sam Jones(b), Art Taylor(ds)という手堅いトリオです。テリーはも元のtpに加えflhも駆使してドンの低音に対抗しています。B-4の“Mardi Gras Waltz"でのジョーンズのリリカルなピアノも捨て難いですね。
所有盤はリバーサイドのマイク&リール、オリジナルのモノラル青ラベルです。ややもすれば実験的挑戦になりがちな楽器の組み合わせで、59年の録音ですがリバーサイドとしてもちょっと異色の一枚と言えるかも知れませんね。