Know Your Jazz vol.1/various artists
(ABC-Paramount ABC-115)
ジャズファンにはおなじみのブルーノート,プレステッジ,リバーサイドという3大レーベルには知名度では劣らないかもしれないですが、どこか慎ましやかで品のある端正なレーベルカラーを持ったマイナーレーベルというのはジャズを楽しむ上ではかけがえのない存在であり、自分もその魅力に引き込まれっぱなしです。今は亡きSJ誌増刊の「ジャズレコードマニア」は個人的には無人島に持って行きたいジャズ本の筆頭なのですがそこでアルファベット順に紹介される「いの一番」がabc-paramountなのです。本日は,このレーベルカラーを象徴するクリードテイラープリゼンツのオムニバス盤をアップいたします。
各楽器で11人のアーチストがそれぞれの演奏を聴かせてくれますが,決して冗長にならず短い時間で各プレイヤーノ特徴を充分に引き出す構成はオムニバスにふさわしいスタイルです。リスナーは勿論聞き流しでもいいですが,次から次に出て来る好演に休符なしで対峙することになりどんどん引き込まれてしまうのです。
11曲を列挙すると、
A-1:Indiana/Billy Taylor(p)
A-2:Embraceable You/Jimmy Cleveland(tb)
A-3:The Nearness Of You/Oscar Pettiford(b)
A-4:In A Mellow Tone/Kenny Clarke(ds)
A-5:If I Love Again/Tony Scott(cl)
B-1:There Will Never Be Another You/Al Cohn(bs)
B-2:Laura/Joe Roland(vib)
B-3:But Not For Me/Charlie Rouse(ts)
B-4:How About You/Mundell Lowe(g)
B-5:Stella By Starlight/Donald Byrd(tp)
B-6:Come Rain, Or Come Shine/Gigi Gryce(as)
となります。中でもクリーブランドのスタカートを多用したプレイやアル・コーンのゴツいバリトンのサウンド,バードのリリカルなバラードプレイがお好みです。
所有盤はabc-paramountのモノラルオリジナル盤です。それぞれの解説をプレイヤーも務めたビリーテイラーが裏ライナーで担当しているのもいいですね。この解説の英語と首っ引きで聴いてみても面白い一枚です。