Jazz From Paris/Dizzy Gillespie & Django Reinhardt
(Verve MGV-8015)
勿論,ジャズはアメリカ産の音楽であることには間違いないですが,ヨーロッパでも独自の発達を遂げました。アメリカのジャズメンの積極的な渡欧が重要な役割を果たしたことはいうまでもありません。フランスも然り。1952年,パリ録音のセッションを収録したのが本日アップのJazz From Parisです。discographyを検索してみるとMGC747、すなわちクレフレーベルで番号までふられているのに"Unissued"と記載があるので,結局はVERVEの本アルバムで初めて陽の目をみたのかも知れません。
2つのセッションからなり,A面がDizzy Gillespieのストリングスセッション,B面がジプシーギターとして名高いDjango Reinghardtのセッションです。いずれも52年パリ録音で,前者が4月後者は3月の録音となっています。ディジーのセッションはメンバーは割愛しますがParis Opera Comique Orch.のバッキングです。"Sweet And Lovely", "My Old Flame", "I Waited For You", "A Ghost Of A Chance", "The Man I Love", "NIght And Day"の計6曲,いずれも有名なスタンダードでストレートなディジーのラッパが聴かれます。B面はジャンゴのコンボ演奏です。メンバーはDjango Reinghardt(g), Maurice Vendair(p), Pierre Michelot(b), Jean-Louis Vialle(ds)のカルテットです。B-1の"Nuages"から明快なシングルトーンを連発するジャンゴのプレイに引き込まれます。クリスチャン,ウェスとならぶ3大ジャズギタリストの一角にふさわしい演奏ですね。ディジーのセッションでもとりあげられた"Night And Day"のトレモロのイントロも興味深いですね。"Brazil"などというラテンナンバーが取り上げられているのも面白いですね。オムニバス盤でありながら亡くなる一月前のジャンゴの完成されたギタープレイを楽しむのもいいですね。
所有盤はトランペットラベルのモノラル盤です。クレフが”Unissued"であることを考えるとオリジナルと言っても過言ではないアルバムです。ジャケは夜のパリの街並がバックです。