Right Down Front/The Modern Jazz Disciples
(New Jazz 8240)
Jazz MessengersやMJQのような有名コンボは長く続いた典型コンボですが,ジャズ界には短期間でも活躍した知る人ぞ知るコンボがあります。一般的に,ジャズクラブやレコード会社のあるニューヨーク,シカゴ,ロサンゼルス、サンフランシスコなどのビッグシティではこういった無名コンボもデビューのチャンスが有りますが,地方都市ではなかなかそうはいきません。リバーサイドならワシントンDC出身のJFK Quartetなんてのもありますが,本日はNew Jazzからシンシナチ出身のModern Jazz Disciplesをアップいたします。彼らを中央に引っ張り出したのはテナー奏者で有名なEddie Lockjaw Davisなのです。
メンバーは?といっても誰もわからないでしょうね。Curtis Peagler(as, ts), Willia Kelley(normophone), William Brown(p), LeeTucker(b), Wilbur "Slim" Jackson(ds)の5人です。中心はおそらくリーダーと目されるPeagler, 小気味良いピアノを聴かせるBrownだろうと思います。この2人の名前をご存知の方は相当「通」ですね。そうです、ヴァイブのLem WinchesterのNJ盤"Lem's Beat"でサイドメンを務めたプレイヤーなのです。オリジナル曲が目立ちますが,名の通ったコンボにない思い切りの良さやハングリーさを感じる演奏が好感が持てます。聴きものはB-1のジーン・アモンズの"Happy Blues"とB-2の"My Funny Valentine"だと思います。前者で聴かれるブラウンのスウィンギーな味わいは思わず「誰や!?」と思わせる物がありますね。後者の有名曲は決定的名演がありますので彼らとってはチャレンジと言える曲ですがピーグラーのリリシズムを感じる好プレイが聴けますね。
所有盤はNEW JAZZのパープルラベル,モノラルオリジナルです。モノラルカートリッジでの再生がこういった生きのいいプレイを聴くには最高ですね。