Straight, No Chaser/Thelonious Monk
(Columbia CBS Sony23AP, Jp Reissue)
日本の古い曲をジャズメンが取り上げるケースはそんなにある物ではないですが、リー・モーガンの「月の砂漠」と双璧を成すのがモンクの「荒城の月」ではないでしょうか?勿論,秋吉さんの「蘇州の夜」なんてのもありますが,これは日本人の演奏だし,演奏時間も短いものでした。一方、モーガンとモンクの演奏は,そのアルバムの中心的演奏で結構長尺なので聴き応えも充分です。
自分の所有盤はCBSソニーの国内盤再発ですが、佐藤秀樹氏の日本語ライナーによると66年来日時にサンケイホールでこれを演奏したようです。メンバーも同じでCharlie Rouse(ts), Thelonious Monk(p), Larry Gales(b), Ben Riley(ds)のカルテットであったようです。アルバム自体が出たのが翌年の67年ですので、来日時の演奏には我が国のジャズファンはさぞかし驚いたことでしょう。滝廉太郎氏がもしも生きていてこの演奏を聴いていたらどんな感想を述べたのかとても興味がありますよね。原曲の美しさを残しながらも,独自の解釈でモンクスミュージックとなった「荒城の月」は我々日本人のジャズファンなら絶対に聞き逃せない名演だと思います。この荒城の月をB-1に配している一方,A面ラストにはタイトル曲"Straight, No Chaser"が納められています。ご存知のようにモンクを代表する佳曲ですが、全員の乗りに乗ったこの快演も見逃せないですよね。そしてモンクと言えばソロ。B-2の"Between The Devil And The Deep Blue Sea"のストライド奏法を交えたソロピアノはもっともモンク的な一曲かも知れませんね。
前述のように所有盤は国内盤再発です。お得意?の意味不明カバーの解釈は道なんだろう・・・???演奏,カバー,荒城の月,ソロピアノ、琴線刺激しまくりの好アルバムだと思います!