Jazz Giant/Bennt Carter
(Stereo Records S7028)
先日3大アルト奏者なんて言うのが少し話題になりましたが,個人的にはウィリー・スミス,ジョニー・ホッジス、そして本日アップのベニー・カーターの3人をあげるのが妥当だと思います。恐らく,3大というには「どの時代の」って言うのが枕言葉でつくことが多いと思います。先述の3人は,スウィングエラの3人であるのかもしれません。その3人の中でも,最も安定した実力を長期に見せてくれたのがカーターではないでしょうか?アルトの雄、キャノンボールをして「同じフレーズをとってもイージーに聴かせてしまうんだ!」と言わしめた卓越したテクニックとメロディックセンスは素晴らしいと言わざるを得ませんね。本日のアップは,コンテンポラリーに録音された西海岸名手との共演です。
メンバーはBenny Carter(as, tp), Ben Webster(ts), Frank Rosolino(tb), Barney Kessel(g), Andre Previn, Jimmy Rowles(p), Leroy Vinnegar(b), Shelly Manne(ds)のセプテットです。いずれ劣らぬ名手の集結,渋み溢れるプレイヤーたちで、いずれのジャズメンにも隠れたファンが多いですよね。メンバーみれば放っとけないですよね。A-1"Old Fashioned Love"はリーダーをして「最も初歩的なものはビートだ!」と言わしめたバウンス感覚が気持ちいい演奏です。B-1のケッセルの"Blue Lou"も同趣向の快演ですよね。この心地よさを生み出しているのは,ビネガーのウォーキングだろうと思います。一方,カーターと言うとトランペットも凄腕です。この盤でもA-2"I'm Coming Virginia"とB-3"How Can You Lose"でラッパに持ち替えています。
所有盤はSTEREO RECORDSのグリーンラベルです。こういう名手をかき集めたリラックスしたプレイこそ,楽しめるジャズだと思います。タイトルはやや大フロシキの気もしますが、あながち間違いともいえないのでは・・・。