5 O'clock Shadows/Pete Jolly
(MGM SE 4127)
スカンジナビア民謡のDEAR OLD STOCKHOLMはスタンダードの中でも,ちょっと異色の風合いを持った独特のメロディを持った佳曲で個人的に大好きなのです。私事で恐縮ですが,最初に聴いたのはマイルスのコロンビア盤”Round About Midnight"のB面ラストの演奏です。そうです,貧弱な再生装置ではいきなりチェンバースのソロが無音状態になったりする奴です。次が,バレル,チェンバースで聴かせるBN盤"Bass On Top"。そして次が本家(発掘者)ともいうべきゲッツの"The Sound", マイルスのBN盤,此のあたりがポピュラーですよね。次がインパルスのCurtis Fuller, ジョン・ルイスのatlantic盤,そして最後に入手したのが本日アップのピート・ジョリーです。このたりになるとかなりマイナーなのかも知れません。本日は,このピート・ジョリーのトリオです。
メンバーはPete Jolly(p), Ralph Peña(b), Nick Martinis(ds)のトリオです。ピート・ジョリーのスタイルは軽めのPetersonを想像してもらうとわかりやすいかも知れませんね。本アルバムのジャケにあるようなカクテルピアノと言えなくもないです。RCA盤でお聞きになっている方も多いですよね。ペーニャのベースもタイトで音量も充分でいい感じです。Dear OldはB−3にひっそりと収録されていますが,原曲に忠実にメロディックに弾いてくれています。この曲の隠れた名演とされてもいいのではと一人ほくそ笑んでいます。他の曲も3分前後の小品ばかりでリラックスして聴けますね。A-5の"Ill Wind"ではペーニャの無伴奏ソロを楽しめます。
所有盤はMGMのステレオオリジナル盤です。まあ,ほとんど話題にのぼる盤ではないですから,入手も容易です。一度お聴きになってもいいかもです。