3 Bones And A Quill/Gene Quill
(Roost LP2229, FSR reissue)
ジーン・クイルといえば真っ先に思い浮かべられるのがフィル・ウッズとのアルトサックスのバトルグループの演奏だろうと思います。ところが,バトルになるとウッズのパーカーばりの太いサウンドに押され気味で、クイルの存在感はやや薄れ気味と感じるのは自分だけでしょうか?そう言う方に聴いてもらいたいのが本日アップのROOST盤です。これを聴いてもらえばクイルのやや細味ですが小気味良い滑らかなフレージングが浮き彫りになって,恐らく好きになっていただけるのではないかと思います。
そしてこのアルトを盛り上げるのがタイトルにもある3つの骨、ではなくボントロです。Frank Rehak, Jim Dahl, Jimmy Clevelandの3人のトロンボンのコーラスが実に効果的です。リズムセクションはNat Pierce, Hank Jones(p)が交代で入り,ベースは名手Redの弟のWhitey Mitchell、ドラムはCharlie Persipという渋い面々です。A-1のシルバーの"The Preacher"で気持ちが良くなれる事間違いなしです。分厚い3ボーン,ベイシーマナーのピアースのピアノ,鳴らしきるスタイルのクイルのアルトはいずれも一聴に値すると思います。また3人のトロンボンのソロも聴かれますが,リハック,クリーブランドのソロは絞まったサウンドであるのに対しダールのソロがややブーミーな印象を感じざるをえませんね。B面ではB-3のアルトの名手ベニー・カーターお得意ナンバーの"In A Mellow Tone"を軽妙に吹奏するクイルのアルトを聴くことができます。
所有盤はFSRの再発盤ですが、演奏自体は聴き所の多いとっても渋い仕上がりです。こういうアルバム,好きだなぁ・・・。