前回から2週間も空いてしまいましたが、関西旅行記のつづき。引き続き大阪歴史博物館の探訪記です。
9階:中世近世フロアからさらにエスカレーターで下に降りると、
8階ではなにわ考古研究所による発掘調査が行われていました…
って、ビルの8階でホントに発掘調査が行われているはずもなく、ここは「歴史を掘る」フロアで、
原寸大に再現した発掘現場で、調査方法や遺構・遺物の見かたを学ぶことができます。
という趣向。
破片を組み立てて壺を再現する作業も疑似体験できます(私はやりませんでしたけど)。
小学生には勉強になるし、楽しめる展示でしょうけれど、私にはちと…でした。もっとも、この展示のターゲットは私のようなオヤジじゃありませんから、私が「イマイチ」とつぶやくのはヤボというもの。
一方、同じ8階で開催されていた「特集展示 古文書からみる大坂の町」、打って変わってかなり高度な内容でした。
カラーA4 4ページ仕立てのリーフレットの最初には古地図が載っていますが、多くの展示は絵図ではなく、タイトルどおり「古文書」。
楷書に書き直してもすんなり読めないものを、くずし字 でズラズラと書かれた文書なんて、到底読めるものではありません。
それでも、このリーフレットも、展示も、古文書の読み方と、古文書が伝えるものを熱く「語って」いました。
オマケに、展示されていた16の古文書を「翻刻=現代文字に書き替え」した資料が配付されています。
この翻刻集をみて、高校の日本史の副読本として使った「史料集」を思い出しました。
詳説日本史史料集 再訂版 価格:¥ 690(税込) 発売日:2007-02 |
こんな、かなり教育的な感じの強い特集展示室を出ると、またまた雰囲気がガラリと変わります
7階からの吹き抜きになっていて、
なんだかこの展開、THE TOUR OF MISIAでバラードセクションが終わり、ハデハデのRemixメドレーになだれ込む感じに似ているような…
そして7階:近代現代フロアは、
大正末期~昭和初期にひときわにぎわった心斎橋筋、道頓堀などの街角を、大きさ、雰囲気そのままにきりとってリアルに再現。当時の記録映像とともに繁栄するモダン都市・大阪の街を歩くことができます。
ということで、国立歴史民俗博物館を思い出す(記事はこちら)ようなタイムスリップ感を楽しむことができました。
ガード下の八百屋さんとか、
「洋反物店」の前を闊歩するモガ(=モダンガール)とか、
上に載っけた芝居小屋とか、楽しいですなぁ
そして、締めは、「旧梅田駅停留場」のジオラマです。
説明板を転記しますと、
旧梅田駅停留場は、大正3(1914)年から現在の梅田地下駅が完成する昭和14(1939)年まで、本線のターミナル駅として、現在のハービス・エントの位置にありました。このジオラマは、大正15年に改築して2階建ての本格的なターミナルになった当時の様子をあらわしたものです。2階には、阪神直営の大食堂がありました。
だそうで、私のような旅行者にとっては厳しい説明です。
そこはかとなく、阪神電鉄の梅田駅らしいことは察せられますが、はっきりとは書いてありません。周りの建物や通りの名前をみても、あまりイメージがわきません
こんな薄ぼんやりとした説明なのは何か理由があってのことなのでしょうか?
参考までに、現在の地図を載っけておきましょう。
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ということで、最後はビミョーながら、まぁ総じて言えば、大満足の大阪歴史博物館でした。
ところで、半年前の日経に、「大阪、なぜ上が『東』方角?」という記事が載っていました。
取材の準備で調べものをしていた際、ふと目に留まった江戸時代の大阪の古地図。方角の北を上にしている見慣れた現代地図と違い、東西が上下、南北が左右に配置されている。まるで城下に、にらみを利かすかのように上部に描かれた大阪城。周囲には方角や「上」の文字付きの地名が目立つ。町の生い立ちや発展の歴史と関係があるのだろうか。時空を超えた“探検”の旅に出た。
という書き出しで、なかなか興味深い記事でした。
上に載せた「特集展示 古文書からみる大坂の町」のリーフレットの最初に登場している地図が、まさしく「東西が上下、南北が左右に配置されている」地図でした。
ほらね
日経の記者さんが「取材の準備で調べものをしていた際、ふと目に留まった江戸時代の大阪の古地図」というのは、この貞享4(1687)年に描かれた「新撰増補摂州大坂大絵図」なのかも知れませんな。
大阪古地図むかし案内 ―読み解き大坂大絵図 価格:¥ 2,100(税込) 発売日:2010-01-22 |
古地図といえば、、、ブラタモリ
11月10日(木)から第3シリーズがスタートです
楽しみですなぁ~