11月2日、首都高速が、現在のゾーン毎の均一料金制から、来年(2012年)1月1日午前0時をもって「距離別料金制」に移行すると発表しました(リリースはこちら)。
続いて、阪神高速も、来年(2012年)1月1日から「距離別料金制」に変わることがほぼ決まったようです(こちらのサイトとこちらをご参照方)。
そして、どういう計算の結果なのか、首都高も阪高も、
利用距離6kmまでが500円、以後6kmごとに100円ずつ加算され、24kmを超えると上限の900円となる料金体系
で、まったく同じ… 経営状況とか、使われ方とか、他の交通機関の料金体系だって違うのに、どうして同じ料金体系になるのでしょうかねぇ…
私が軽蔑して止まなかった某省某局が、両社に妙な「指導」をしたんじゃなかろうかと勘ぐってしまいます…
それはさておき、私の生活への影響をシミュレーション(というほどでもないけど…)してみました。私の場合、阪高を走る可能性はほとんどありませんから、首都高の変更だけですが…。
まず、現在の私の首都高の利用パターンは、通勤の片道だけ、
戸田南⇒(中央環状線)⇒東名接続:700円-お得様割引14円
です。勤務先からは、毎月、700円×20日分=14,000円を交通費の一部として支給されています。
でも実際のところ、事故渋滞
や自然渋滞が厳しい場合には都心環状線を経由したり、4号線を通って高井戸で降りたり、乗るランプを高島平にしたり(最近はほとんどコレ)、中台にしたり、板橋本町にしたりと、結構なバリエーションがあります(一度、首都高を使わずに環八で行ったらひどい目にあいました
)。
また、毎朝、新大宮バイパスの美女木~笹目橋間の渋滞がきついことから、気が向けば、300円余分に払って、自宅最寄りの浦和南ランプから首都高に乗ることもあったのですが、浦和南ランプが先月半ばから2ヶ月にわたって工事のために閉鎖されているので、最近はおとなしく首都高は東京区間だけ使っています。
そんな私の場合、均一料金制から距離別料金制に変わると、どんな影響があるのでしょうか?
首都高のサイトで、最近多い高島平⇒東名接続の料金を検索してみますと、26.7kmで基本料金は900円。でも、2014年3月までの期間限定「放射道路端末区間割引」なる割引の適用を受けて、料金は800円と、現在よりも100円高くなるだけで、これは戸田南⇒東名接続(29.4km)でも一緒です。
では、これまで300円自腹を切っていた浦和南から乗るルートではどうでしょうか?
すると、33.3kmで900円。こちらは現在よりも100円安くなる勘定です。
う~む、これは朗報かもしれません
ところが、良い話ばかりではありませんでした。距離別料金制移行に伴って終了する割引制度があるというのです。
短距離で均一料金ゾーンをまたいだり、NEXCOとの連絡といった「乗り継ぎ割引」の「特定区間割300/特定区間割500」が廃止されるのは理解できるとしても(当然かもしれません)、「平日夜割/日祝割」とか「お得意様割」が廃止されることには合点がいきません
「平日夜割/日祝割」と「お得意様割」は、距離別料金制とどんな関係があるというのでしょうか?
NEXCO各社のマイレージサービスと比べたらNEXCO各社に申し訳ないような気分になるしみったれの「お得意様割」がなくなっても、たった2%引き
の私には大きな影響はありませんけれど、個人ユーザーを対象にした「お得意様割」をなくす一方で、怪しげな「共済組合」
が商売のネタにしている「大口・多頻度割」を存続させることには、あいつらぁ~
と怒り心頭
また、「平日夜割/日祝割」は、オフピークとか、利用の少ない時間にも首都高を使ってもらう手段として有効だと思うのですが、なぜなくす
首都高の意図がさっぱりわかりません
怒りついでに、もう一ネタ。
首都高と阪高が距離別料金制に移行するのは、出口にもETCの路側器の設置が完了して、ETCを使って走行するクルマが、どこから乗ってどこで降りたかを把握できるようになったことが技術的な裏付けになっています。
ここで「んんっ」と思った人がいたら、徒然煙草が誉めて差し上げます
首都高・阪高はもちろん、NEXCOでも、ETCのゲートは20km/hで通行するよう呼びかけられていることから、それくらいのスピードで通行しなければETCの車載器と路側器と通信できないと思っている人が多いのではないでしょうか?
でも、2ヶ月もたたずに距離別料金制に移行するというのに、首都高の出口に料金所やETCのゲートはありません。
実は、かなりのスピード(80km/h以上)でもETCの車載器と路側器とは通信できるのですヨ。
それなのに、どうして料金所のETCゲートを通過する際には20km/hへのスピードダウンを求められるのかといいますと、要は、不正通行を防止するため。
ETC車載器を搭載していない、ETCカードが車載器に挿入されていない、ETCカードの期限が切れている、そうしたクルマがETCゲートを通過するのを防ぐために遮断棒を設置して、そんなクルマが停められた時に、後続のクルマが追突せずに止まれるためには、20km/h程度のスピードで走ってほしいというのが高速道路会社の本心です。
すべての利用者を疑ってかかるよりも、誤ってor悪意を持って、通ってはいけないETCゲートを通過したドライバーを追いかけるのが筋だと、私は思うのですが…
相変わらずの方々だとしみじみ思う私です。