「特別展『飛騨の円空』はお薦めです」のつづきは、東京国立博物館(東博)の東洋館地下1階に新装オープンしたミュージアムシアターのお話です。
私、かなり頻繁に東博に出かけている方だと思いますが、ミュージアムシアターを楽しんだのはたったの2回しかありません(記事はこちらとこちら…ありゃ、「『DOGU』 縄文人が込めたメッセージ」の感想を書いていない…)。
これというのも、興味がないわけではなく、東博に出かけてミュージアムシアターの予約状況を見ると、すくなくとも2回目の上演まで満席になっていることばかりで、なかなか予約することができなかったのですよ(ミュージアムシアターの予約は、過去も現在も、当日、東博でのみ受付)。
そんな人気殺到で、なかなか観る機会のなかったミュージアムシアターですが、昨年12月30日の記事「これから帰省します」で、
ミュージアムシアターの方は、これまで、特別展の会期中には、すぐに予約が埋まってしまって、なかなか観るチャンスがなかったのですが、今後は座席数が一挙に3倍(98席)に増えますし、別料金制(これまでは無料)になりますから、観覧の自由度が広がりそうです。
と書いたわけですが、実態はどうだったでしょうか
この土曜日、私は「VR作品『洛中洛外にぎわい探訪 舟木本屏風を歩く-京のごちそう-』」を観ようと、開演15分前にミュージアムシアター入口の予約窓口(券売所)まで行ってみますと、予想どおりというか、あっけなくチケットを購入できました
開場は開演時刻直前だというので、しばらく時間をつぶす必要ができまして、かといってせいぜい10分強しか時間がありませんので、東洋館地下1階のしばし観覧いたしました。
そこで出会ったのが、インドの細密画。
その中から、この作品なんていかがでしょうか?
説明板によりますと、18世紀前半、インド・ブンディ派の作品「弓を番えながら戯れる男女(ヴィバーサ・ラーギニー」というタイトルで、
朝の訪れを告げる雄鶏がなくのを防ぐため男が弓矢で射ようとしています(ヴィバーサ・ラーギニー)。但し本図では雄鶏は描かれていません。ブンディー王国は17世紀にムガル朝と良好な関係を築きました。細密画でも遠近法を用いた建物の描写などムガル画の影響がみられます・
だそうですが、この話、私は「ロミオとジュリエット」の、
ジュリエット:もう行ってしまうの?
まだ朝にはならないわ。啼いているのは
ナイチンゲール(サヨナキドリ)、ひばり
ではないわ。
ロミオ:ひばりだよ 朝をもたらす使者だ。
ナイチンゲールじゃない。
という甘美なやりとりを思い出してしまいました
三千世界の鴉(からす)を殺し ぬしと添い寝(or 朝寝)がしてみたい
も思い出されますが、こちらは「朝を告げるカラス(明け烏?)を殺したい」よりも、「他の客(男)と約束した起請文(きしょうもん)を反故にしても(熊野の鴉が死んでも)いい」という意味にとるべきでしょう。
話がかなり逸れました… 肝心の「VR作品『洛中洛外にぎわい探訪 舟木本屏風を歩く-京のごちそう-』」に戻りましょう。
開場時刻間近になってミュージアムシアターの前に戻ると、ありゃ、入場を待っている人が少ない…
キャパが1/3だった頃のミュージアムシアター入口付近と同じような感じです。
やはり私の読みは当たっておりまして、有料化が効いているようで、開演時点でも場内はユルユル 過去2回のミュージアムシアター観覧のときはどちらも「ほぼ満席」だったのにね…
でも、観たいときに観られるようになったことは、私としては大歓迎です
スクリーンは以前より大きくなったし、予約は入れやすいし、これで料金がもう200円安ければ言うことないのにと思ってしまいました。
さて、「VR作品『洛中洛外にぎわい探訪 舟木本屏風を歩く-京のごちそう-』」の内容は、、、、「後編中編へつづく」であります
つづき:2013/02/02 新装「ミュージアムシアター」を楽しんだ!(中編)