「塀の中の中学校・オフィシャルサイト」
脚本:内館牧子
音楽:城之内ミサ
協力:法務省 松本少年刑務所 旭川刑務所
企画協力:巡田忠彦(TBSテレビ報道局) 角谷敏夫(元桐分校教官)
プロデューサー:清弘 誠/北川雅一/荒井光明
演出:清弘 誠
製作著作:TBS
《キャスト》
石川順平(29)桐分校教師:オダギリジョー
川田希望(50)桐分校生徒:渡辺 謙
佐々木昭男(76)桐分校生徒:大滝秀治
ジャック・原田(66)桐分校生徒:すまけい
小山田善太郎(39)桐分校生徒:千原せいじ
龍神姫之丞(22)桐分校生徒:染谷将太
三宅雄太(57)桐分校教師:角野卓造
野口宏治(54)刑務所長:矢崎 滋
杉田一夫(43)刑務官:村田雄浩
森大河(29)希望の一人息子:森山未來
龍神小五郎(55)姫之丞の父親:蟹江敬三
石川政明(59)順平の父親:橋爪 功
長野県松本市にある「松本少年刑務所」の所内には、義務教育を終えていない受刑者のための公立中学校「松本市立旭町中学校桐分校」がある。
「石川順平」は少年院で5年間教鞭を取った後、「副担任」としてここに赴任してきた。
実は順平には、プロの写真家になりたいという夢が捨てきれない。
順平の父親は国家公務員になった息子を喜んでいるのだが。。。
年齢差のある5人の生徒の罪状、境遇はさまざまだが、基本的な学力が身につくことでいくばくかの希望は生まれる。
生徒たちが順調に学力を獲得してゆく時期に、順平は最後の写真家としての夢を断たれた。
コンクールで最後の5人に選ばれたが、「順平」の写真はその5人の中で最初に落とされたのだった。
一晩中やけ酒を飲んで、寝過してしまい、生徒たちが熱心に取り組んだ研究発表の時間に現れなかった。
刑務官が迎えにゆき、あわてて授業に臨んだものの、嘘の言い訳は酒臭いことであっけなくばれる。
ここで、築き上げてきた生徒と教師との信頼関係も崩れる。生徒たちはこのようなことに特に敏感なのだ。
刑務所の作業がいやで、桐分校にきたという勉強嫌いの「小山田善太郎」は授業の邪魔ばかりをして、さらに屋上から飛び降り自殺までしようとする。
それを命がけで止めたのは、もととび職の「川田希望」だった。「順平」は下で大きなざるを持って彼を受け止めようとしていた。
結局彼は分校から刑務所に戻されることにはなったが、この事件は「順平」と5人の生徒たちの信頼関係が再び築かれることになった。
「順平」は写真家の夢を捨てる。高齢の「佐々木昭男」は心臓のバイパス手術を拒み、授業を続けることを選ぶ。
そうして4人は無事卒業式を迎え、さらに「佐々木」の手術も無事に終わる。
もとの刑務所に帰る「佐々木」は、列車のなかで「駅弁がうまい。」と微笑む。
しかし、受刑者の本当の意味での社会復帰の道が開かれたとは言い難い。
そして佐々木を送った「順平」は思う。
「完全に絶望することだ。そこから生まれてくるものを待つのだ。」と……。
これは「順平」にも「塀の中の中学生」にも響く言葉ではなかったか?
「川田希望」の息子が無事大学院を卒業して、大学教授になって父親の面会に来たおりに「宮澤賢治短編集」を渡す。
とまどっている父親に「字が読めるようになったら、読んで。」という。
「川田希望」は「よだかの星」を繰り返し読むことになる。
そして息子はそれを聞いて涙を流していた。。。
千原せいじという関西の芸人は本当に厭な奴を上手く演じているけど、何か虫が好かんと思っていました。後で調べたらなんと同郷!同郷の人間には芯から気の合わない奴が多いというのが持論なのですが、ここでも証明されました・・・^^
字の読めなかった父の名は「希望」、大学教授になった息子の名は「大河」、それを演じた俳優の名が「未来」でした。これだけでドラマですね。
「絶望」という言葉の本当の意味を知ったドラマでした。