ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

曙  ヴァレリー

2011-01-03 22:41:11 | Poem



      ポール・プウジョーに。



まだ醒めきらぬ睡眠を齎(もた)してゐた
鬱陶しい混乱が、いま 太陽の
薔薇色の出現の姿に たちまち
散り散りに 消えて失くなる。
自信の翼を一杯に拡げて、俺は
自分の霊魂(たましひ)の中に踏み込む。
これが 最初の祈りなのだ。
流沙の地を抜け出ると、すぐ
わが理性の歩調に合せて
素晴らしい歩みを、俺は運んでゆく。

おはやう。雙生兒(ふたご)のやうに似た微笑(ほほえみ)を
浮かべて なほまだ寝込んだままの、
女の友達、相似形よ、
単語の間で、きらきらと燦いてゐる。

(以下略)


詩集「魅惑(即ち 詩篇)…CHARMES」より。



新年にふさわしい詩はないものか?
そんな思いで昨年末から探していましたが、これに決定。
今更ながら、先達詩人とその翻訳者に敬意を表する。

この詩篇のなかには「雙生兒(ふたご)」「相似形」という言葉がありますが、
これは詩の素材としてふさわしい単語が生まれ、脚韻として響き合うことを言っているようです。
こうした詩法は古いものではなく、むしろ挑戦してみたいものだ。

停滞している自身のために送る。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
太陽の薔薇色の出現 (こめつが)
2011-01-16 15:36:46
ヴァレリーの詩ですか?ー鬱陶しい混乱が、太陽の出現に消えて失くなるー新年にふさわしい
作品ですね。

 ここ数カ月、正面から詩に向き合えないで歩んできました。乏しい詩心しかなかった上に、老化のせいか、手を伸ばして果実をとる事さえ
自分にはもう、無理、と沈潜していました。

 でも、たくさん手元にある詩集を読んだり、今まで交流をもった詩友の作品と接して、だめでもともと、と思って、細々とでも書いていってみようか、と、小さな勇気を奮い立たせています。此処の日記にも、詩的でないことでも記してみます。
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ありがとう。 (Aki)
2011-01-16 16:33:10
こめつがさん。
ここにいらして下さってありがとうございます。
寒い季節ですので、なんとなくあなたのことを心配していました。

わたくしも、以前ほど詩作ははかどりませんが、あきらめずに書いていこうと思います。

お互いにマイペースで生きてゆきませう。
また、是非ともいらして下さいね。
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