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●「何が起きたのか、可能な限り説明することが私の責任」…その責任を果たしつつある安田純平さん

2019年08月16日 00時00分23秒 | Weblog


本年2月の日刊ゲンダイのインタビュー記事【注目の人 直撃インタビュー/安田純平氏が独白「“無謀”に突っ込む人間が社会には必要」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247106)。

 《日本での会見では「自業自得」とも語り、またぞろ「自己責任論」バッシングも生じたものの、ほどなく鎮火。その後は雑誌で手記を発表し、今年1月にはメールマガジンを始めて希少な経験を語るなどジャーナリストとして事実を伝える活動をずぶとく続けている。帰国後の日本を見て、いま何を感じ、何をやろうとしているのか》。

   『●『ルポ戦場出稼ぎ労働者』読了
    「帯より、「世界中から集められる、貧しい派遣労働者たち! 
     自ら出稼ぎ労働者となり、単独潜入取材した記録!
     民営化の果て、その現場とは?」
       ファルージャ 日本人人質拘束事件

   『●「自己責任などと声高に言わずに出掛けていくのは、
        使命感からだ。…安田純平の解放を心から喜びたい」
   『●《「ひどい環境から解放されて良かったね」とねぎらわれ》ても、
                      帰国しても《ひどい環境》が待っている
   『●無事帰国した安田純平さんに、是非、現地の様子や
        拉致事件の全貌、生還できた教訓等々を聞いてみたい
   『●「紛争地での取材やメディア、ジャーナリズムの原則論」…
               「政府高官が建前でも原則論を口にできぬ国」
    「『久田将義責任編集TABLO』…の青木理さんの記事
     【安田純平さん帰国について想うこと 「アメリカ政府がジャーナリズム
     原則論をコメントした意義」|青木理】…《安田純平さんが解放され、
     無事帰国した。なによりもそれを喜びたい。一部ではいまだに
     「自己責任論」などを振りかざし、安田さんに罵声を浴びせる連中も
     いるらしいが、世界でも珍しいほど馬鹿げた議論
     これ以上、私はつきあいたくもない》」

   『●自己責任論な人々…斎藤貴男さん「いざ自分の命が絶たれる時に、
                        己がどういう人間だったかを理解できる」
    《▼内戦下のシリアで武装勢力に3年4カ月も拘束され、生還した
     ジャーナリストの安田純平さん(44)が2日に開いた記者会見…
     ▼会見は「何が起きたのか、可能な限り説明することが私の責任」と
     2時間近く。…世界の実情を私たちに伝えようとして40カ月も
     虐げられた人を、さらに痛めつける社会は異常だ》。
    《堂々たる心情を聞いてなお小ざかしい自己責任論を振りかざし
     誹謗中傷を浴びせ続けている人々に言おう。いいかげんにしろ
     少しは恥というものを知れ

 「何が起きたのか、可能な限り説明することが私の責任」と語っていた安田純平さん。その責任を果たしつつあり、何が起こったのか、その貴重な体験や反省点が明らかになりつつある。
 《一般論ですが、“無謀”に突っ込んでいく人間がいるから波紋が生まれ、何かが浮かび上がってきます。…日本も“無謀”に突っ込んでいく人の存在を保障できる社会にならないと。もっと紛争地を取材するべきです。それが社会をより強くするのですから》。

 長倉洋海さんは《現場で経験し、たくさんの出会いがあって、「伝える人」として鍛え上げられていく現場でこそ、ジャーナリストは磨かれ、育っていくはずだ》と言います。さらに、《世界は広く、深く、驚きに満ちている。自分の狭い先入観や思い込みではなく、驚きや偏見を打ち破るものを見つけ伝えてほしい。そんな写真や文章はさまざまな形で発表することができる。…私はペンとカメラさえあれば、人の心を打つことはできると信じている》。
 パスポートが発給されないというイジメが続いている模様。

   『●長倉洋海さん《フォトジャーナリズムの世界に不信感……
              道を閉ざしてしまうことのないように念じている》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/247106

注目の人 直撃インタビュー
安田純平氏が独白「“無謀”に突っ込む人間が社会には必要」
2019/02/12 06:00

     (ジャーナリストの安田純平平氏(C)日刊ゲンダイ)

 2015年6月にシリアで武装組織に拘束され、昨年10月23日、3年4カ月ぶりに解放された。日本での会見では「自業自得」とも語り、またぞろ「自己責任論」バッシングも生じたものの、ほどなく鎮火。その後は雑誌で手記を発表し、今年1月にはメールマガジンを始めて希少な経験を語るなどジャーナリストとして事実を伝える活動をずぶとく続けている。帰国後の日本を見て、いま何を感じ、何をやろうとしているのか。

 ――3年ぶりの日本で、帰国後どのように過ごされましたか。

 年末は妻の実家がある鹿児島に墓参りをして、正月は私の実家のある埼玉に行っていました。お世話になった方が何人か亡くなられていました。もっと早く帰れればと悔いています。早く帰れる可能性はなくはなかったので私のミスです。


 ――機内で取材を受ける様子がまず日本では報じられましたが、解放直後とは思えないくらい落ち着いていました。

 機内では入れ代わり立ち代わりでさまざまな人に取材されました。トルコで解放後、最初にお酒を飲んだのはその機内なんです。ワインのミニボトル1本とビール1缶だけだったのですが、おそろしく酔っぱらって。そのせいで冗舌だったのかもしれません(笑い)。


 ――「安田純平の死んでも書きたい話」という有料メルマガを1月から「まぐまぐ!」で配信されています。配信直後は購読増加ランキングで1位でした。

 まずは自分にできる仕事として、幽閉されているときにつけていた日記や時事的な話題などを書いていこうと思っています。


 ――カメラや取材ノートは武装勢力に没収されたそうですが、日記は大丈夫だったのですか。

 私を解放するということは拘束時の様子が話されることを意味しますから日記は大丈夫でした。彼らも見られて困るものは私に見せませんから。もちろん当時の日記はそのままではとても読める文章にはなっていないし、人前に出せない類いのメモもありますから、手を入れてメルマガに少しずつ出していきます。日記は書籍化する予定です。


 ――3年前と日本が変わったと思うことは。安倍政権が今も続いていると思いましたか。

 
「モリカケ」問題は帰国後に知りましたが、あれだけのことが明らかになっているのに首相が辞任に至らないのは驚きです。メディアは首相の地元もあまり取材してないようで不思議です。あとはテレビ番組がずいぶん変化した印象です。今回、私はワイドショー系にはほとんど出ていなくて、ニュース番組か報道番組の取材しか受けていないんです。以前もありましたけど、タレントのみなさんがニュースや時事モノについてもかなり自由に意見を言う番組が増えています。話はプロですから上手ですけど、事実関係を説明するべきものも省いてあちらのペースで進めてしまうから、今は出演しないほうがいいと周りから言われました。


 ――情報発信のハードルは下がっていますからね。

 ツイッターでは私がパスポートを偽造してシリアに入国したと本気で書いている人がいました。その人たちは愛国者のつもりで書いているのかもしれませんが、それでは日本政府や入国管理局を無能だと言っていることになるのに。ツールに罪があるわけではないので、こちらの発信をよくよく考えてうまく使っていかないといけないなと思いました。これは2015年とは全然違います。


フェイクニュースによって日本人が狙われる

 ――トランプ大統領が言い出した「フェイクニュース」という言葉も日常的に使われるようになりました。

 私がイスラム国から解放されたという間違ったフェイクニュースもクルド系メディアが流して、今も掲載されています。2004年にイラクでスパイ容疑で拘束された時も、当初は「人質」と報道され、その後は「拘束」とメディアが修正していったのですが、インターネット上では当時のフェイクニュースがそのまま残っています。私が人質にされたのは今回が初めてです。フェイクしか見ない人もいますし、フェイクに反論するだけでは対処しきれない。私が人質だったというフェイクニュースが残り続けることには問題があります。今回、私の解放に際して身代金が支払われたという真偽不明の情報が報じられましたが、身代金が支払われて日本人の人質が解放されたという情報が世界中に出回ると、日本人を誘拐すれば金になると思われてしまいます。


 ――紛争地に行くジャーナリストが狙われやすくなってしまう。

 ジャーナリストだけではありません。すべての日本人がターゲットになってしまいます。実際にシリアの武装勢力も日本のメディアをインターネットでチェックしていました。


■自己責任論者の思い込み

 ――今回も自己責任論が議論されましたが、以前と違って「危険な取材をするジャーナリストを批判するのはおかしい」と多くのジャーナリストやメディアが擁護に回った印象です。

 政府が自己責任論を言いませんでしたから。イラク人質事件のときは自衛隊のイラク撤退が人質解放の条件であり、政治問題でした。政府に助けてもらうのかと、自己責任論を掲げて批判してくる人は日本政府がなんでもできると思い込んでいるのでしょう。しかし、日本政府に本当に救出ができたのか。交渉はしていたのか。身代金を払うためには人質が生きていることを確認する生存証明を取る必要がありますが、拘束中、日本政府は一度も取っていません。紛争地に行く自由は、死んでしまうことも含めた自由です。政府がほとんど何もできない場所ですから、自分の身で責任を取るしかない究極の自由とも言えます


■もっと紛争地を取材するべきです

 ――お連れ合いに「いざという場合には一切放っておけ」と伝えていたとか。

 日本政府にしろ、トルコまで行ってくれたフリージャーナリストにしろ、いろいろな方が動いてくれましたが、こちらからは何もしないようにと以前から妻には言っていました。妻が記者会見を開けば、何を言っても言葉尻をとらえられてしまうでしょう。後藤健二さん(シリアで拘束されて殺害されたジャーナリスト)のときも、メディアは後藤さんの家族のマンションを連日取り囲んだ。捕まっている主体は本人なのに、それが広がってしまうんです。でも妻は本当によくがんばってくれました。次に海外に行くなら南の島にしてくれと言われていますが。


 ――3年4カ月の間、ほぼ独居で拘束されていたのに、よく拘禁症になりませんでしたね。

 何度も正気を失いそうになって壁を蹴りつけたり暴れたりもしました。ただ、中国から来ていたウイグル人の施設では私に気を使ってか、部屋の窓から見えるように馬とかアヒルとかを移動動物園のように広場に連れてきたりしていました。


 ――安田さんにとって、日本人が海外を直接取材をする意味は。

 一般論ですが、“無謀”に突っ込んでいく人間がいるから波紋が生まれ、何かが浮かび上がってきます。これは紛争地に限らない話だし、ジャーナリストに限る話でもありません。たとえば、かつてアフガニスタンを取材したとき、たまたまカブールの日本大使館の職員と話をしました。彼らからはアフガニスタンの道路について聞かれました。日本のODAで道路建設が必要かどうかを判断する情報が欲しいのですが、彼らは現場には行けないからです。日本が独自の道を進むには独自の情報は有益です。それを国が規制して、他国が集めた情報に頼っていればいいのでしょうか。


 ――今後の予定は。

 また紛争地に行きます、とは今は言えませんね(笑い)。ただ、スペインではシリアで解放されたジャーナリストが再びシリアやイラクに取材に行っています。フリーランスはどうしても大手メディアが入ることができない場所やテーマを取材するようになります。日本も“無謀”に突っ込んでいく人の存在を保障できる社会にならないと。もっと紛争地を取材するべきです。それが社会をより強くするのですから。

 (聞き手=平井康嗣/日刊ゲンダイ)


▽やすだ・じゅんぺい 1974年、埼玉県出身。地方紙を経てフリー。イラクやアフガニスタン、シリアを取材。イラクで料理人として働き、民間人が戦争を支える実態を「ルポ 戦場出稼ぎ労働者」(集英社新書)で執筆。 
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●中村敦夫さん、《経済的に弱い地域が犠牲になって危険を引き受ける構図は、原発も基地も同じだ》

2019年08月15日 00時00分07秒 | Weblog


東京新聞の記事【厚労相、東電に「慎重に」 福島第一 廃炉作業に外国人】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201905/CK2019052102000259.html)。
沖縄タイムスの記事【原発と基地「同じ構図」 俳優の中村敦夫さん、国の姿勢批判 朗読劇で危険性を告知】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/423195)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>切り捨てられる「端っこ」】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-923709.html)。

 《厚生労働省は二十一日、福島第一原発の廃炉作業に、新たな在留資格「特定技能」の外国人を受け入れる方針を表明した東京電力に対し、慎重な検討と検討結果の報告をするよう要請する通達を出した。根本匠厚労相は、廃炉作業の従事者には長期の健康管理が必要であるのに対し特定技能の外国人の大半が五年で帰国することに懸念を示した》。
 《朗読劇「線量計が鳴る-元原発技師のモノローグ」が23日から県内3カ所で開催…。中村さんは「経済的に弱い地域が犠牲になって危険を引き受ける構図は、原発も基地も同じだ」と訴えた》。
 《「宮古島は何かがあれば切り捨てられる『端っこ』なんだ」。宮古島市で自衛隊配備に反対する「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」の楚南有香子共同代表の言葉だ…▼楚南さんはその経緯から沖縄戦、現在の自衛隊配備までの流れを挙げて「ミサイルが配備され、標的になれば住民に逃げ場はない沖縄本島も同じだ」と訴えた》。

 東電核発電人災の尻拭い…《まさしく“奴隷労働”》。「親」会社の意向としては、廃炉作業には携わらせないらいしい…でも、「子」や「孫」、「ひ孫」…はネェ?

   『●東京電力の下請け、孫請け、ひ孫請け…
      核発電人災の後始末や廃炉作業に《特定技能の外国人の雇用》か?

 《権力にへたへた》しない中村敦夫さん、「経済的に弱い地域が犠牲になって危険を引き受ける構図は、原発も基地も同じだ」と訴えたそうだ。《経済的に弱い地域》、そして、外国人労働者のような弱い立場の人々への押し付け。

   『●浅野健一ゼミ企画シンポジウム: 報道と福島原発人災
   『●3.11東京電力原発人災から4年: 
     虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●自公議員や原子力「推進」「寄生」委員会委員らは
                     「闘うみんな」ではないようだ
   『●「植民地気分」な日米共犯・両政府から
      「犠牲だけを強いられる沖縄」…両国に「真の文明」はあるのか?
   『●成田三樹夫さん、《権力にへたへたする役者じゃ意味がない。
                  …バカがどんどん図にのるんだよ、ハハハ》

   『●安仁屋眞昭さん《沖縄では民意よりも米軍が優先。
         沖縄の戦後は終わっていない》…何度事故・事件が起きようとも

 核発電所を《経済的に弱い地域》に押し付け、《標的の島》を沖縄本島与那国島石垣島宮古島などに押し付けて…。《誰かの犠牲の上でしか成り立たない社会》でいいのでしょうか?

 沖縄タイムスの記事【沖縄の中高生ら不戦の誓い 平和引き継ぐメッセージ朗読 「命どぅ宝」語り継ぐ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/426114)から:
   《…語り継いでいこう
    「命どぅ宝」
    あの日と同じ過ちを
    もう二度と
    くり返さない為に-》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201905/CK2019052102000259.html

厚労相、東電に「慎重に」 福島第一 廃炉作業に外国人
2019年5月21日 夕刊

 厚生労働省は二十一日、福島第一原発の廃炉作業に、新たな在留資格特定技能」の外国人を受け入れる方針を表明した東京電力に対し、慎重な検討と検討結果の報告をするよう要請する通達を出した。根本匠厚労相は、廃炉作業の従事者には長期の健康管理が必要であるのに対し特定技能の外国人の大半が五年で帰国することに懸念を示した。

 根本氏は同日の閣議後の記者会見で「廃炉作業に特定技能外国人が従事するか否か、極めて慎重な検討を行う必要がある。日本人と同等以上の安全衛生管理体制の確立が必要」と述べた。

 通達は(1)除染作業の際、被ばく線量を管理できるようにすること(2)日本語や日本の習慣に不慣れな外国人に、安全教育や現場での注意喚起時は母国語を使って理解させることなどの検討を求めた。

 東電は四月、外国人の受け入れを表明。廃炉作業に関連する「建設」や「電気・電子情報関連産業」などを対象業種とするとしている。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/423195

原発と基地「同じ構図」 俳優の中村敦夫さん、国の姿勢批判 朗読劇で危険性を告知
2019年5月23日 08:09

 元参院議員で俳優の中村敦夫さん(79)の朗読劇「線量計が鳴る-元原発技師のモノローグ」が23日から県内3カ所で開催されるのを前に、中村さんのトーク&サイン会が22日、ジュンク堂書店那覇店で開かれた。中村さんは「経済的に弱い地域が犠牲になって危険を引き受ける構図は、原発も基地も同じだ」と訴えた。

     (原発や沖縄について語る中村敦夫さん=22日、ジュンク堂書店那覇店)

 1998年に議員になって以降、チェルノブイリ原発事故が起きたウクライナを視察するなど環境や原発問題を提起し続けてきたという。「人類は生物の一種にもかかわらず、環境汚染や原発など生命を破滅するようなことをしている」と強調した。

 福島の原発事故が起きても、責任の所在や莫大(ばくだい)な事故処理費用の負担先などが明確になっていないとし、「肝心なところまでごまかす異常体質の国となっている」と指摘。問題の本質が埋没されないよう「表現者の一人として、告知する責任を感じた」と芝居を手掛けた理由を述べた。

 沖縄では、米軍が沖縄戦で上陸したまま今も続いて駐留しているのは「沖縄への差別。日本の他の地域との扱いの差があまりにも大きい」と指摘し「沖縄が独立してもおかしくない」と話した。

 福島の原発事故を語ることによって「沖縄に置かれている構図も同時に分かってもらえる」とし、沖縄県民に芝居を見てどう思うかを考えてもらいたいと来場を呼び掛けた。

 上演の日程は、23日が那覇市の桜坂劇場、24日が北谷町のちゃたんニライセンターカナイホール、25日が名護市民会館中ホール。開演時間はいずれも午後6時半。

 ……。
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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-923709.html

<金口木舌>切り捨てられる「端っこ」
2019年5月24日 06:00
自衛隊 沖縄戦 金口木舌

 「宮古島は何かがあれば切り捨てられる『端っこ』なんだ」。宮古島市で自衛隊配備に反対する「てぃだぬふぁ 島の子の平和な未来をつくる会」の楚南有香子共同代表の言葉だ

▼琉球民族独立総合研究学会のシンポジウムで、楚南さんは1880年に政府が宮古、八重山を清(中国)に割譲する提案をしたことに触れた。先島が実際に分割されることはなかったが、日本が欧米諸国並みの中国内地通商権などを得るための代償にされるところだった

▼楚南さんはその経緯から沖縄戦、現在の自衛隊配備までの流れを挙げて「ミサイルが配備され、標的になれば住民に逃げ場はない沖縄本島も同じだ」と訴えた

▼沖縄戦を前に配備された日本軍(第32軍)は県民を守るためではなく、米軍を引き留めておく目的で配備された。住民保護の視点は欠落し、地上戦での犠牲者は日米合わせて20万人を超えた

▼防衛省が2012年、石垣島での戦闘を想定して島しょ奪回のため必要となる自衛隊の戦力などを検討していたことが分かっている。沖縄本島への地対艦ミサイル部隊の配備も検討されている

▼楚南さんは「『日本は戦争しないんだよねと子どもたちに聞かれても、すぐにそうだよと答えられないのがつらい」と語った。子どもたちの未来は切り捨て可能な「端っこ」ではない。県民全体で議論すべき課題だ。
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●小澤俊夫さん《親子2代の愛国者が愛する「国」は一部の支配者や体制ではない。人々が紡ぐ暮らしである》

2019年08月14日 00時00分23秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



阿部岳さんによる沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]親子2代、愛する「国」は】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/442564)。

 《小澤俊夫さん…父は開作さん。戦前戦中にアジアとの共生を唱えて軍の横暴を批判、監視下に置かれた ▼自宅には毎日、警察署の特高課長が来て、来客との会話を聞いた。構わず批判したのに逮捕されなかった。戦後亡くなると、この課長から手紙が届いた。「この人こそ本当の愛国者なのだと思うようになり、ひそかに尊敬申し上げておりました」》

   『●「政治家にしてはいけないレベルの人材を
      チヤホヤして勘違いさせ、党を挙げて見抜けない「節穴責任」」
    「日刊ゲンダイに出ていたインタビュー記事(【注目の人 直撃インタビュー
     /小澤俊夫氏が警鐘 「共謀罪で言論の息の根が止められる」】…)
     に続き、リテラに出ていた記事【小沢健二の父・小澤俊夫が
     共謀罪と安倍政権批判! オザケン自身も権力の詐術を暴く鋭すぎる論評】…。
     《「岸の末裔が首相では日本に未来はない」…その実態は権力による
     恣意的な逮捕を可能にする平成の治安維持法」であることは自明で、
     公権力による監視社会化をよりいっそう加速させるものだ…
     ドイツ文学者の小澤俊夫氏…「親父は「日本から満州に来た官僚の中で
     一番悪いのは岸信介」と言っていました。「地上げをし、現地人は苦しめ、
     賄賂を取って私財を増やした」と。だから、岸が自民党総裁になったときに
     「こんなヤツを総裁にするなんて、日本の未来はない」とハッキリ言った。
     その岸の末裔が首相になって日本は本当に未来がなくなっちゃった」》」

   『●「教育再生」という名の教育破壊…
      「子どもから変えていこうという動きは実に悪賢い」(小澤俊夫さん)
    「山本哲正記者による、<元軍国少年が願う平和 戦時中の日記から>
     と題した小澤俊夫さんのインタビュー3回シリーズ。
     【…(上)戦中の教育、復活を心配】…【…(中)罪悔いる表明せねば】…と
     【…(下)言葉のすり替え今も】」
    「「テロ等準備罪」「衝突」「不時着水」…かつての「転進」を思い浮かばせる
     《本質を隠す言葉のすり替え》。」

   『●《本質を隠す言葉のすり替え》を許せない小澤俊夫さん、
           アベ様ら政府による《言葉ずらし》を痛烈に批判

 小澤俊夫さん《親子2代の愛国者が愛する「国」は一部の支配者や体制ではない人々が紡ぐ暮らしである》。
 9条壊憲し、戦争できる国にしたいアベ様らやそのカルトな信者の皆さん、選挙にも行かない傍観者・諦観者の皆さんと、一体どちらが真の《愛国者》でしょうか? 一体どちらが「非国民」なのか?

   『●鈴木耕さんの「東京オリンピック…は返上すべきじゃないだろうか」、
                           毬谷友子さん「五輪は返上します」
   『●《卑(ミーン)》な「本土」与党・癒党議員らが賛成しようが、
              《安倍政権の辺野古新基地建設は憲法違反》
   『●辺野古破壊…《暴力政治への批判…それが“勇敢”
          なんて言われてしまうことが、この国の異様さを物語》る
   『●究極の「1択」をゴリ押ししてきた「本土」与党・癒党は
          辺野古破壊に「賛成」票を投じさせるのですね?
   『●あのオモテナシ《ご機嫌取りの接待漬け》は「交」渉だったのか?  
                     「害遊・害〝行〟のアベ様」がイラン訪問?

 アベ様らには、《平和なアジアという井戸を掘る意思》など全く無し。Jアラート狂想曲後、またしても、北朝鮮の非核化交渉では、蚊帳の外の《蚊》でしたとさ。害交害遊のアベ様は害虫の《蚊》だったわけ…そりゃぁ、各国、《蚊》が入ってこないように蚊帳を吊るすでしょうょ。哀し過ぎます。アジアの多くの国々が「戦争なんて、もう真っ平」と思っている中で、(ニッポンにはもうそれしか残っていない)世界に誇るべき平和憲法を破壊し、何を好き好んで戦争できるニッポンへと?

   『●『「反日」とは何か ~中国人活動家は語る~』読了(3/3)
    「平和なアジアという井戸を掘る意思があるのかどうか、疑わしい」

   『●隣国と一体どんな関係を築きたいの?
   『●東京新聞・半田滋さん「「銃後の国民」も
       無関係ではいられない。たいへんな思いをするのは
   『●「平和なアジアという井戸を掘る意思があるのかどうか、疑わしい」
   『●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、
             加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」
   『●アベ様の《国民観、人間観には共通点が多すぎる…
      彼の目には私たちが己の財布、兵力、労働力だとしか…》
   『●パラノイアなディストピアで何を好き好んで
       アベ様の奴隷に成り下がりたい?…という人たちの気が知れない
   『●「この国は今、とてつもなく恥ずかしい」(斎藤貴男さん)…
              「倫理観のかけらもない男」が自民党総裁三選
   『●《極東の多くの国の国民は戦争でなく平和を望んでいることは
             間違いない》…蚊帳を吊るされたアベ様ら外交音痴

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/442564

[大弦小弦]親子2代、愛する「国」は
2019年7月8日 07:16

 むかしむかし、というほどではない少しむかし、やんばるの村は貧しく1日3回は食べられなかった。「昔話がご飯代わり。空腹も忘れる至福の時だった」と聞いたことがある

▼その昔話の研究に尽くしてきた小澤俊夫さんは89歳。今も沖縄を含む全国各地を回り、伝承を支える。「個人が忘れた共通の記憶を伝えるのが昔話」「子どもたちは繰り返し聞いて魂の安らぎを得る」と語る

▼弟は指揮者の征爾さん、息子はミュージシャンの健二さん。そして父は開作さん。戦前戦中にアジアとの共生を唱えて軍の横暴を批判し、監視下に置かれた

▼自宅には毎日、警察署の特高課長が来て、来客との会話を聞いた。構わず批判したのに逮捕されなかった。戦後亡くなると、この課長から手紙が届いた。「この人こそ本当の愛国者なのだと思うようになり、ひそかに尊敬申し上げておりました」

▼小澤さんは敗戦時、中学3年生。先生に指示されて教科書の戦争賛美を墨塗りした。体制転換を肌で感じた

国も山河も破れて文化が残った。昔話を「重要無形文化財」と呼ぶ小澤さんは「日本の大切なものを守りたい私も愛国者だ」と話す。ただし、破滅を招いた排外主義の復活には厳しい目を向ける。親子2代の愛国者が愛する「国」は一部の支配者や体制ではない人々が紡ぐ暮らしである。(阿部岳
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●あとの《増税》祭り…《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす》…自民党議員全員が第Ⅳ象限なのでは?

2019年08月13日 00時00分53秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]



豊田洋一記者による、東京新聞のコラム【【私説・論説室から】/政党の走狗にあらず】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019072902000141.html)。
日刊ゲンダイの書評【「自民党」中島岳志著】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/259279)。

 《過剰反応だとしたら表現の自由を侵害し、公務員の職権乱用に当たると指摘されても仕方があるまい。巡査を走狗にまでした政党政治は、やがて国民の信頼を失い軍部の台頭を招いたその先に待っていたのは泥沼の戦争同じ道でないといいのだが。 (豊田洋一)》
 《現首相および首相候補者と目される9人の自民党政治家…社会化+パターナル志向なら、社会化+リベラルは、個人化+リベラルは、個人化+パターナルは…個々の分析とは別に、かつてⅡにあった自民党の保守本流が現在Ⅳに移行しているとの指摘は気がかり》。

   『●《平和なアジアという井戸…先人の掘った
     井戸の水を濁らせている》人々…企画展「表現の不自由展・その後」を破壊
    「札幌など参院選ではあれだけアベ様に〝忖度〟して大活躍だったのに、
     今回は、な~んにもしない警察。市民の表現の自由言論の自由
     踏みにじって止まない愚者たち」

 《安倍晋三首相(自民党総裁)にやじを飛ばした男女が、北海道警の警察官らに現場から相次いで排除された》…それでも、自公お維に投票するのだからオメデタイ限りだ。《警察は政党の手先ではない》訳がない…悲惨な社会。警察国家

   『●斎藤貴男さん「人間が人間であるために、
      最後まで抗おう」と呼びかけ…コンナ「裸の王様」に負けたくない
   『●『官邸ポリス』と監視社会・警察国家と前川喜平さん…
        映画『新聞記者』と現独裁政権批判と望月衣塑子さん
   『●《安倍首相は改選過半数を理由に改憲議論を…野党に提起》
                …やはり、自公お維に投票してはイケなかった

 《社会化+リベラルは…個人化+パターナルは…かつてⅡにあった自民党の保守本流現在Ⅳに移行している》? 今の自民党全員、第Ⅳ象限なのでは? それにしても、酷い9人だな…小泉純一郎氏・竹中平蔵氏の罪は本当に重い。

   『●適菜収氏《安倍政権の実態は新自由主義の
      売国グローバリズム路線…首相は保守の対極に位置する政治家》
    「《安倍政権の実態は新自由主義の売国グローバリズム路線です。
     もちろん、安倍首相は保守の対極に位置する政治家です》…。
     貧困な「政」なあまりに不幸な国・ニッポン。アベ様の「政」で何か一つでも
     評価できるものがあっただろうか? ウンザリして、もう何年経つのだろう。
     《こんな政権を6年も放置してきた日本はもう手遅れだと思います。
     これはメディアも含め、日本国民の責任です。バカがバカを支持すれば、
     当然国は滅びます》…あぁぁ。」

 東京新聞の記事【政府、10月消費増税の準備加速 「信任」盾に家計痛み続々】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073002000143.html)によると、《参院選で信任を得たと言わんばかりに家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす。政府は二カ月後に迫った消費税増税の準備をにわかに加速。年末に向け、社会保障の自己負担を増やす改革案も検討する。来年は高所得者の給与や年金への増税実施が決まっており、家計に負担が怒濤のように押し寄せる》。
 《家計に痛みを強いる施策が続々と動きだす家計に負担が怒濤のように押し寄せる》…あとの《増税》祭り。小泉純一郎氏や竹中平蔵氏らによる自己責任新自由主義のもたらした市民の不幸。それでも自公お維に投票し続ける「1/4」の人々、間接的支持者「2/4」の眠り猫な人々がサディスティックに支えている。正気か?

   『●「この27年間の変化は法人税が9兆円…
      所得税が4兆円減り、消費税が14兆円増えたことだけなのだ」
   『●アホらしき税収不足! 日本の「報道の自由度」72位で、
               「パナマ文書を調査しない国は…と日本くらい」
   『●薔薇マークキャンペーン《消費税増税凍結
       (むしろ…5%に減税することを掲げる…)》…むしろ消費税制廃止を
   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 安倍一強に赤信号」
        でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?
   『●同様に、「この28年間の変化は法人税が6兆円…
      所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ」

   ●《フィンランド…親の経済力にかかわらず
     すべての子どもたちが大学まで行ける…。老後も…》(鈴木穣記者)

 相変わらずのメディアコントロール ⇒ 《フレームアップ》。
 リテラの記事【韓国「反日デモ」は「反安倍集会」だった! 海外メディアも安倍の輸出規制を批判する中、批判を反日呼ばわりする日本マスコミ】(https://lite-ra.com/2019/07/post-4874.html)によると、《…と「反日テロ」が起きているかのような論調まで展開している。しかし、こうした報道には明らかなフレームアップが含まれている。たとえば、日経など一部のメディアが「反日集会」「反日デモ」と報じた集会。…だが、参加者が掲げたプラカードにあったのは、ハングルで「NO安倍」の文字。デモは“日本を攻撃する”=「反日」ではなく、安倍首相を糾弾するものだったのだ》。

   『●アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟メディアコントロール…
                 「一人でも権力に立ち向かう」とはいうものの…
   『●2019年7月参院選、またしても今回も「眠り猫」だった皆さん…
                       〝上手く行った〟メディアコントロール
   『●次の国政選挙に向けて、先ずは脱メディアコントロール
        …2019年7月参院選「あとの祭り」を繰り返さぬために

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2019072902000141.html

【私説・論説室から】
政党の走狗にあらず
2019年7月29日

 参院選投票日の二十一日付朝刊に投票を呼び掛ける社説を書こうと、二十五歳以上の男性による「普通選挙」が初めて衆議院総選挙で行われた一九二八(昭和三)年二月当時の新聞を調べていたら「巡査は政党の走狗(そうく)にあらず」というスローガンが目に入った。警察は政党の手先ではない、という意味である。

 当時は、政友会と民政党という二大政党が激しい政争を繰り広げ、与党である政友会の息がかかった府県知事や警察が、野党に対する厳しい取り締まりを行った、という。

 このスローガンを載せたのは、本社の前身の一つで民政党系の「名古屋新聞」。民政党候補が突然、演説を中止させられたなど、権力による選挙干渉が紙面をにぎわせている。

 今回の参院選でも当時ほどでないにせよ、見過ごせないことが起きた。札幌市で街頭演説していた安倍晋三首相(自民党総裁)にやじを飛ばした男女が、北海道警の警察官らに現場から相次いで排除された、というのだ。

 公職選挙法は演説の妨害を禁じているが、演説にやじは付き物で、街頭演説会を続けられないほどだったのだろうか。過剰反応だとしたら表現の自由を侵害し、公務員の職権乱用に当たると指摘されても仕方があるまい。

 巡査を走狗にまでした政党政治は、やがて国民の信頼を失い軍部の台頭を招いたその先に待っていたのは泥沼の戦争同じ道でないといいのだが。 (豊田洋一
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/259279

「自民党」中島岳志
2019/07/28 06:00

 テレビなどで政治家が出ても断片的な発言によるイメージが先行し、その政治家が具体的にどういう考えを持っているのか判然としない。そこで政治家の書いた本や文章(著書がない場合、インタビューや対談)から、その思想的特徴をとらえていこうというのが本書。

 取り上げるのは安倍晋三石破茂菅義偉野田聖子河野太郎岸田文雄加藤勝信小渕優子小泉進次郎の現首相および首相候補者と目される9人の自民党政治家。

 本書では、縦軸にリスクの問題、横軸に価値の問題を置き、縦軸の上にいけばリスクの社会化(リスクに社会全体が対応=大きな政府)の傾向を示し、下方向はリスクの個人化(自己責任小さな政府)を示す。横軸は左方向がリベラル=寛容、右方向はパターナル=権威主義を示し、各政治家がどの事象に位置するか(社会化+パターナル志向なら、社会化+リベラルは、個人化+リベラルは、個人化+パターナルは)を定めていく。

 個々の分析とは別に、かつてⅡにあった自民党の保守本流現在に移行しているとの指摘は気がかり。野党の役割も改めて問われている。

(スタンド・ブックス 1600円+税)
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●(マハティール首相)「日本は核兵器が使われた際の悲惨さを知っている」はずなのに、アベ様ときたら核兵器保有論者

2019年08月12日 00時00分59秒 | Weblog


東京新聞の記事【日本は核禁止条約支持を マハティール氏「唯一苦しんだ国」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201908/CK2019080802000169.html)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>走り続ける被爆者】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-968903.html)。

 《「日本は核兵器で苦しんだ世界で唯一の国だ」と述べ、核兵器禁止条約を支持し、核廃絶を国際社会に強く働き掛けるよう訴えた。日本の憲法九条については戦争を紛争解決の手段とすることを禁じており、他国も見習うべきだと評価し、改正せずに維持するべきだとの考えを示した》。
 《「日本は唯一の被爆国。核兵器禁止条約に参加して、核保有国と非保有国との橋渡し役を果たすべきだ」。長崎で被爆した伊江和夫さん…》。

 マハティール首相は「日本は核兵器が使われた際の悲惨さを知っている」と言います。だからこそ、《「日本は核兵器で苦しんだ世界で唯一の国だ」と述べ、核兵器禁止条約を支持し、核廃絶を国際社会に強く働き掛けるよう訴えた》訳です。なのに、《日本も参加せず、発効に至っていない。マレーシアは署名している》…哀しい状況。

 ましてや、アベ様ときたら、《憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね》…こんな人がニッポン国の首相。この国はあまりに恥ずかし過ぎる

   『●「核なき世界」: 「核廃絶に向けた決議の採決で、
       唯一の被爆国の日本が反対票…日本はあまりにも鈍感」
   『●「唯一の被爆国」で原発人災も起こしたニッポンが
        「原発は『プルトニウムをつくる装置』」を理解できず…
   『●肥田舜太郎さん「せめて未来の子どもたちのために、
       放射能の心配のない日本を残していけるよう…努力」を
   『●オバマ氏の広島訪問さえも単なる選挙対策…
       …自民党は「口だけ」、選挙で同じ過ちを繰り返してはいけない
    「「核なき世界」どころか、「核兵器のない世界」ですらアベ様の
     「息吐く様に嘘つく」、アベ様のウソ吐きだったようです」

   『●サーロー節子さん「自分の国に裏切られ、
      見捨てられ続けてきたという被爆者としての思いを深くした」
    「「核兵器なき世界」さへ目指さないアベ様の言う「核なき世界」が
     如何にいい加減かが分かろうというもの…
     「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。
     小型であればですね」というアベ様の思想は何も変わっていない
     のでは?」

   『●核兵器禁止条約…核発電「麻薬」中毒者への忠告、
       近衞忠煇氏「実際にはそれしか選択肢はないのです」
   『●室井佑月さん「安倍さん率いるこの国に、誇りが持てない」
                       …アベ様の辞書には「倫理」無し
   『●「核廃絶の訴えは政府だけの役割ではない」…
        とは言え、そこに居るべき国が居ない恥ずかしさ
   『●核兵器禁止条約不参加で、「どこの国の総理ですか」な 
          アベ様の「わが国のアプローチ」とやらは一体全体?
    「《核兵器禁止条約…日本は条約に不参加》《首相は…
     「わが国のアプローチと異なる署名、批准を行う考えはない」》…
     居るべき国がそこに居ない、という大恥。
       「平和祈念式典」は、平和を祈るための式典では?
       平和を祈念・希求しないアベ様は、よくノコノコと「あいさつ」に
     行けるモノだ…「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、
     憲法上は。小型であればですね」という発想は何も変わっていないでしょ?
       広島や長崎の皆さんに、あまりに失礼でしょ!」

   『●「核なき世界」の足を引っ張る、平和を希求しないアベ様は、
                  よくノコノコと「あいさつ」に行けるモノだ…
    《参列した約5万人を前に『核兵器のない世界』の実現に向けた歩みを
     着実に前に進めると誓ったその歩みの足を引っ張っている人こそ、
     安倍首相自身なのである》。
    《「核廃絶」より「トランプからの寵愛」を優先させたのだ

   『●ささやかな核兵器廃絶の願い…高校生の言論封殺: 
       アベ様のメンツを守るための外務省の横やりという大愚
   『●「核兵器禁止条約」…「核なき世界」への
     その先頭を走るべきアベ様やニッポン政府は一体何をしていたの?
   『●「核の傘」の下のニッポン…オーストリア軍縮大使
         「世界で唯一の被爆国として特別な役割がある」
   『●ICAN・フィン氏、「核の傘」による核抑止は「神話だ。
          …時代遅れの政策を継続していることこそ脅威」
   『●トランプ氏「学校の先生たちを銃で武装させる」…
      アベ様は「戦争できる国」になり、「銃を持った善人」に
    《日本政府、つまり安倍首相の考えは、
     “核の保有や核兵器の使用は認められるべき”なのだ。
     …安倍首相は官房副長官時代の2002年に、早稲田大学で
     開かれた田原総一朗氏との対話のなかで
     「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。
     小型であればですね」と語っている」》

   『●《非核三原則や日本の憲法9条がハメネイ師から
      高い評価を受けたとの一部情報もある》…なぜ主張しないの?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201908/CK2019080802000169.html

日本は核禁止条約支持を マハティール氏「唯一苦しんだ国」
2019年8月8日 朝刊

 マレーシアのマハティール首相(94)=写真=は七日、訪問先の福岡市で共同通信と単独会見し「日本は核兵器で苦しんだ世界で唯一の国だ」と述べ、核兵器禁止条約を支持し、核廃絶を国際社会に強く働き掛けるよう訴えた。日本の憲法九条については「戦争を紛争解決の手段とすることを禁じており、他国も見習うべきだと評価し、改正せずに維持するべきだとの考えを示した。

 元徴用工問題で悪化する日韓関係を巡っては「過去ばかりに目を向けていると関係は常に悪いままだ」と指摘。過去の問題で「日本はもう謝罪した」と述べ、「対立せず話し合って解決すれば良い」と両国に促した。

 首相を計二十年以上務め「アジアの重鎮」として世界情勢を俯瞰(ふかん)し続けたマハティール氏は、事実上の核保有国であるインドとパキスタンの緊張が高まり、核兵器を使うかもしれないとても深刻な状況に陥っていると現状を分析。「日本は核兵器が使われた際の悲惨さを知っている」と強調し、被爆国としての役割に期待した。

 また、米国やロシアなどが核兵器撤廃に合意する必要があると指摘し、「撤廃が無理ならせめて減らし、各国は国際機関による査察を受け入れるべきだ」と呼び掛けた。

 日本に自衛の戦力は必要だとしつつ、防衛強化は「特定の国から積極的に戦争に参加するよう促される可能性があり、世界の平和にとって大きな後退だ」と懸念した。

 核兵器の保有や使用を全面禁止する核兵器禁止条約は二〇一七年に採択されたが、米国などの核大国が反対、日本も参加せず、発効に至っていない。マレーシアは署名している。

 マハティール氏は一九八一~二〇〇三年に政権を担い、一八年五月、野党連合を率いて下院選に勝利、九十二歳で世界最高齢の首相に就任した。親日家としても知られ、「日本の次世代リーダー養成塾」に講師として招かれ、来日した。
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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-968903.html

<金口木舌>走り続ける被爆者
2019年8月9日 06:00
被爆者 核兵器禁止条約 沖縄戦 広島 長崎 金口木舌

 「日本は唯一の被爆国。核兵器禁止条約に参加して、核保有国と非保有国との橋渡し役を果たすべきだ」。長崎で被爆した伊江和夫さんが本紙の取材に答えている

▼伊江さんは74年前のきょう、爆心地から3・2キロの場所で被爆した。建物の陰にいたため無事だったが、川には熱線で焼かれて皮膚が垂れ下がった人や、体が膨れあがった人が浮いていたという。「とてつもなく恐ろしい兵器だ」と語る

▼厚生労働省によると被爆者健康手帳を持つ被爆者は全国で14万5844人、沖縄は132人だ。うちなーんちゅは沖縄戦だけでなく、原爆とも無縁ではない。長崎に原爆を投下したB29がテニアンの米軍基地に戻る前、読谷村で給油したことも知られる

▼核兵器禁止条約は2017年7月に国連で採択された。田上富久長崎市長が9日の平和祈念式典で読み上げる平和宣言文案には、同条約への政府の賛同を求める文言を盛り込んだ

▼核兵器廃絶を訴える取り組みには「ヒバクシャ国際署名」もある。広島、長崎の被爆者が16年から取り組み、20年までに世界で数億筆を集めることが目標だ。核兵器禁止条約に全ての国が加盟することを求めている。今年4月までに941万筆余が集まった

二度と被爆者を生まない。その思いを抱え、74年を経ても被爆者は走り続ける。すべての人がわがことととらえる必要がある。
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コメント (1)
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●翁長雄志前沖縄県知事急逝から1年: イジメられている沖縄側に辺野古破壊阻止の道筋を《見通せ》というのか?

2019年08月11日 00時00分23秒 | Weblog

【電子号外】有権者4分の1超確実 県民投票 知事、日米通知へ (琉球新報 2019年2月24日)↑]



沖縄タイムスの【社説[翁長氏急逝から1年]屈しない姿勢 次世代に】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/455820)。
東京新聞の記事【「反辺野古」翁長氏なお影響 死去から1年、問われる具体策】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201908/CK2019080902000141.html)。

 《文字通り命を削るように新基地反対を貫き、沖縄の自治と民主主義を守るため政府と対峙し続けた。日米両政府によるさまざまな圧力にも屈しなかった姿勢は、県民の脳裏に深く刻まれている》。
 《県政界への影響力は今もなお残るが、目指した辺野古移設阻止の道筋は見通せない》。

 《折れない、言うことをきかない翁長知事に対し、安倍政権が陰湿ないじめ、報復》…今も、《脳裏に深く刻まれている》。今日も、辺野古では、大量の土砂をぶちまけ、ドブガネしつつ、破壊の限りを尽くしている。

   『●翁長雄志知事亡くなる…「折れない、言うことをきかない
            翁長知事に対し、安倍政権が陰湿ないじめ、報復」
   『●翁長雄志さん「保守は保守でも自分は沖縄の保守。
        本土の保守政権に対して言うべきことは言う」が口癖

 沖縄タイムスの記事【「魂の飢餓感」は今も…翁長前知事の死去から1年 残した「言葉」に再び脚光】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/455767)によると、《翁長雄志前沖縄県知事…死去して、8日で1年になる。その11日前に表明した名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認の撤回で一時的に工事は止まったものの、撤回の効力は取り消され、工事が進んだ。県が国を提訴するなど、争いは続いている》。
 琉球新報のコラム【<金口木舌>沖縄の保守とは】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-968168.html)によると、《▼米軍の運用の壁に自治権が発揮できないのは、残念ながら今も変わらない。前知事の翁長雄志氏もこの壁にぶち当たった。政府、米軍と対峙する中、志半ばで翁長氏が急死して今日で1年になる ▼翁長氏は生前、本土との関係について「子どもの沖縄が、親の本土に近づいていっても邪険にされる。ままこ扱いされる」と語っていた。片思いだったが、本土への熱い思いは持ち続けていた。見放さないでくれ、と ▼翁長氏の提案を契機に全国知事会で採択された日米地位協定の抜本的見直しの提言は今年の会議でも、玉城デニー知事によって連携が再確認された。翁長氏が本土に問うてきたことは、今も引き継がれている》。
 《保守は保守でも自分は沖縄の保守》。

   『●「日米地位協定が米軍に“特権”を与えているからだ。
      「半分主権国家」…編集者で作家の矢部宏治氏」
   『●日米地位協定では《受け入れ側》ニッポンの 
      《国内法を米軍に適用している》のか? 沖縄はニッポンでは?
   『●番犬様との地位協定…《何のたがもはめず、 
       米軍のやりたい放題を許している》ニッポン、主権は何処に?
   『●安仁屋眞昭さん《沖縄では民意よりも米軍が優先。
       沖縄の戦後は終わっていない》…何度事故・事件が起きようとも
   『●<金口木舌>《よほど国策ごり押しの現場を
      見せたくないらしい。それこそ基地隠蔽》、辺野古破壊隠蔽
   『●《報道機関への圧力やどう喝…タイムスには個別に
       「情報源を明かせ」》とまで…《脅しに屈してはならない》
   『●新海聡氏《法制度の趣旨をねじ曲げ、都合の悪い情報は
       出さないという辺野古工事の治外法権ぶりを象徴した対応だ》
    《★17年に札幌で開かれた全国知事会。亡くなった沖縄県知事・翁長雄志
     要望を受け、また知事会が設置した
     「全国知事会米軍基地負担に関する研究会」の結果に基づき、
     日米地位協定の抜本改定を含む「米軍基地負担に関する提言」を
     全会一致で採択した》

   『●山本太郎さん「(法案に)賛成する者は、2度と『保守』と名乗るな!。
                             保守と名乗るな、『保身』だ!」
   『●《ルールを守》っていない代表格は、民主主義を破壊する
                「選挙妨害を暴力団に発注する」人・アベ様

 山本太郎さんは「2度と『保守』と名乗るな!。…『保身』だ!」と、国会で、叫びました。
 「そして今、アベ様や最低の官房長官らは、沖縄でもデタラメを繰り広げている。一方、故《翁長雄志さん「保守は保守でも自分は沖縄の保守。本土の保守政権に対して言うべきことは言う」が口癖》だった。どこぞの《保身》ならぬ「ホシュ」とは大違いだった。《まっとうな保守政治家は野党にいた》、そして沖縄にも」。

 引用いさせて頂いた東京新聞の記事によると、《辺野古の新基地建設反対を掲げ、国と対峙した翁長雄志前知事の死去から八日で一年。翁長氏を結節点に、辺野古反対で保守と革新が集結する「オール沖縄」が支援した候補は、知事選や国政選で政権与党側候補を相次ぎ破った。県政界への影響力は今もなお残るが、目指した辺野古移設阻止の道筋は見通せない》。
 《道筋は見通せない》…? 醜悪な辺野古とカネイジメられている側に見通せというのか? イジメられている側が具体策問われなければいけないのか? 《玉城氏は翁長路線の継承者として、具体的な成果こそが問われる》…「本土」は他人事で良いのか? 《埋め立ては阻止できていないし、普天間の返還も進まない。玉城氏は翁長路線の継承者として、具体的な成果こそが問われる》って、イジメられている側の問題なのですか? デタラメなイジメを行っている側の問題だ、と思いますがね。イジメル側の論理

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/455820

社説[翁長氏急逝から1年]屈しない姿勢 次世代に
2019年8月8日 07:30

 翁長雄志前知事が膵臓(すいぞう)がんで急逝してから8日で1年となる。

 文字通り命を削るように新基地反対を貫き、沖縄の自治と民主主義を守るため政府と対峙(たいじ)し続けた。日米両政府によるさまざまな圧力にも屈しなかった姿勢は、県民の脳裏に深く刻まれている

 「新基地を造らせないという私の決意は県民とともにあり、これからもみじんも揺らぐことはありません

 亡くなる直前、慰霊の日の全戦没者追悼式で帽子を脱ぎ、安倍晋三首相を前に声を振り絞り平和宣言を読み上げた姿が今でも思い起こされる。「民意」を背に、政府に新基地反対を訴え続けた

 翁長氏は2014年の知事選で、辺野古移設容認の現職知事に10万票近い大差をつけ当選した。基地を挟み分断された従来の政治から「辺野古に新たな基地を造らせない」という一点で保守と革新陣営を結びつけたのだ。「イデオロギーよりアイデンティティー」と訴え共感が広がった。

 普天間問題とは何か。菅義偉官房長官との協議でこう強調している。

 「(米軍が戦争で)自ら奪っておいて、今や世界一危険だから、また沖縄で(新基地を)差しだせというのは、日本の政治の堕落ではないか」

 分かりやすい言葉と胸に響くメッセージで基地に苦しむ県民の気持ちを代弁した。

 権力に屈しないその姿勢は若者の行動にも影響を与えた。若者が中心になった運動でことし2月の県民投票にこぎつけた。辺野古埋め立て工事に7割以上が反対し日米両政府にノーを突きつけた。

    ■    ■

 翁長氏が育てた保革を超えた「オール沖縄」は、沖縄の政治の新たな枠組みを作り上げた。翁長氏亡き後、一部企業グループは離脱したものの玉城デニー知事誕生以降、那覇、豊見城両市、衆院3区補選、参院選挙と5連勝するなど存在感を示し続けている。

 だが政府は辺野古沿岸に土砂を投入、新たな護岸を建設するなど、県の中止要請を無視し工事を強行している。

 玉城知事は7日、埋め立て承認撤回を取り消した国交相の裁決は違法とする抗告訴訟を起こすなど法廷闘争で対抗するが、現時点で政府への有効な対応策を打ち出せていない。翁長氏から引き継いだ政治的意思をどう具現化していくか大きな課題を背負う。今後は在沖海兵隊の再編計画を検証する米国議会へ早期に沖縄の声を発信するなど一層の働きかけが必要だ。

    ■    ■

 「一体、沖縄が日本に甘えているんですか。日本が沖縄に甘えているんですか」

 翁長氏は日本政府の辺野古が唯一とする対応本土全体の無関心、無理解をこう批判してきた。「普天間の危険性の除去」は一日も早く実現しなければならない。しかし、県内移設にこだわれば、新基地の完成も見通せず、普天間の返還は遠のく。尊厳と誇りを傷つけられたと感じる県民の魂の飢餓感が癒やされることはないだろう

 翁長氏の重い告発にどう応えるのか。歴史を踏まえた日本政府の沖縄への向き合い方が問われている
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201908/CK2019080902000141.html

「反辺野古」翁長氏なお影響 死去から1年、問われる具体策
2019年8月9日 朝刊

     (最後となった記者会見で、辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回方針を
      表明した沖縄県の翁長雄志前知事=2018年7月27日、県庁で)

 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設に伴う名護市辺野古(へのこ)の新基地建設反対を掲げ、国と対峙(たいじ)した翁長雄志(おながたけし)前知事の死去から八日で一年。翁長氏を結節点に、辺野古反対で保守と革新が集結する「オール沖縄」が支援した候補は、知事選や国政選で政権与党側候補を相次ぎ破った。県政界への影響力は今もなお残るが、目指した辺野古移設阻止の道筋は見通せない

 「翁長氏は、平和で豊かな誇りある沖縄を(目指す)と、一生懸命訴えてきた」。七月の参院選沖縄選挙区でオール沖縄の支援を受け初当選した高良鉄美(たからてつみ)氏は、街頭演説で呼び掛けた。選対幹部は「演説では、翁長氏の名前を必ず口にするよう指示した」と明かす。

 この一年、後継となった玉城(たまき)デニー氏が当選した昨年九月の知事選や、四月の衆院3区補欠選挙、七月の参院選沖縄選挙区と、オール沖縄は同様の戦術で臨んだ。

 「イデオロギーよりアイデンティティー」。「うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー沖縄人を見くびってはいけませんよ)」。県幹部は、翁長氏が生前に残した数々の言葉は「血を吐くような民族の叫びで、多くの県民の心を一つにした」と評価する。

 一方で、辺野古移設を容認し、オール沖縄と対決する自民党県連は、選挙戦で名指しの翁長氏批判は控えた。県連関係者は「県民は、命懸けで沖縄のために政府と戦った知事というイメージを持っている。戦いづらかった」と打ち明ける。

 衆院解散・総選挙がない場合、沖縄の次の政治決戦は来年夏にも予定される県議選となる。県政与党であるオール沖縄の勢力が過半数を維持できるかどうかが焦点で、玉城氏にとっては「中間審判」の位置付けだ。

 ただ、この一年の間に辺野古沿岸部では土砂投入が始まり、埋め立ては今も進む。工事を止める有力な手だては見当たらず、辺野古反対派の焦りは募る。玉城氏周辺も「これまでの県政運営は、合格点だとは思っていない」と認める。

 県政与党幹部は「いつまでも翁長氏頼みではいけない」と自戒する。「埋め立ては阻止できていないし、普天間の返還も進まない。玉城氏は翁長路線の継承者として、具体的な成果こそが問われる」と厳しい見方だ。
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●新海聡氏《法制度の趣旨をねじ曲げ、都合の悪い情報は出さないという辺野古工事の治外法権ぶりを象徴した対応だ》

2019年08月10日 00時00分22秒 | Weblog

【電子号外】有権者4分の1超確実 県民投票 知事、日米通知へ (琉球新報 2019年2月24日)↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/基地負担考える全国知事会の役割大きい】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907300000065.html)。
中沢誠記者による、東京新聞の二つの記事【<税を追う>辺野古下請け 黒塗り開示 公開義務の施工体系図】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073002000119.html)と、
【<税を追う>辺野古下請け 黒塗り開示 「国民目隠し」で強行】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073002000129.html)。

 《翁長の思いを引き継いだ沖縄県知事・玉城デニーが改めて「全国の知事の皆さまと連携して取り組んでいきたい」と発言すると、他の知事からも賛同の声が相次いだ…翁長提案を毎年確認しながら全国の世論形成を進める全国知事会の役割は大きい》。
 《沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設で、本紙が工事業者を一覧にした「施工体系図」を情報公開請求したところ、防衛省沖縄防衛局は下請け業者名を全て黒塗りにして開示した。施工体系図は建設業法で公開が義務付けられており、制度を所管する国土交通省は業者名を非開示にしたのは初めて聞いた」と異例の対応と認めた。巨額の税金を投じる事業で、公開すべき情報を明らかにしない防衛局の対応は批判を浴びそうだ》。
 《防衛省は全ての施工業者が記載された「施工体系図」のうち、下請け業者の名前を黒く塗りつぶした国民に目隠しをしたまま、工事を強行する異常さが際立っている》


 東京新聞の社説【米軍機事故指針 運用改善では限界ある】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019073102000167.html)によると、《日米両政府が日本国内の米軍機事故に関するガイドラインを改定した。ただ依然、米側の裁量を大きく認めたまま。日本側が主体的に対応できるようにするためには、日米地位協定の改定が必要だ。米軍機の事故は在日米軍専用施設の七割が集中する沖縄で頻発している。現場一帯が米軍に封鎖され、地元警察や消防が立ち入れない状況が問題となってきた。米軍の特権的な法的地位を定めた日米地位協定とその合意議事録で、基地外でも米軍の財産の捜索や検証は米軍の同意なしにできないとされているためだ》。

 《沖縄県がまとめた米国と他国が結ぶ地位協定の実態調査の報告書を配布。欧州は自国の法令を米軍にも適用させ、米軍の活動を制限し、基地内立ち入り権もあることなどを説明し、日米の地域協定が特異なものである》だってぇ!? 《基地外でも米軍の財産の捜索や検証は米軍の同意なしにできない》、えぇ??

   『●「日米地位協定が米軍に“特権”を与えているからだ。
      「半分主権国家」…編集者で作家の矢部宏治氏」
   『●日米地位協定では《受け入れ側》ニッポンの 
      《国内法を米軍に適用している》のか? 沖縄はニッポンでは?
   『●番犬様との地位協定…《何のたがもはめず、 
       米軍のやりたい放題を許している》ニッポン、主権は何処に?
   『●安仁屋眞昭さん《沖縄では民意よりも米軍が優先。
       沖縄の戦後は終わっていない》…何度事故・事件が起きようとも
   『●<金口木舌>《よほど国策ごり押しの現場を
      見せたくないらしい。それこそ基地隠蔽》、辺野古破壊隠蔽
    「「保守」「右翼」の皆さんは平気なの? 在りもしない「在日特権」には
     バカ騒ぎするくせに、明確に在る「在日米軍特権」には何も言わない、
     何も言えない、自称「保守」「右翼」の皆さん。
     《何のたがもはめず、米軍のやりたい放題を許している》ニッポン…
     そんな主権なき国はニッポンのみ。特に沖縄で、それが顕著。
     見てみぬふりな、卑怯者のどこが「保守」「右翼」なのか?」

 琉球新報の【<社説>米軍事故対応指針 地位協定の抜本改定迫れ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-961143.html)によると、《提供施設外で起きた事故の現場に立ち入るのに、どうして米国の同意が必要なのか主権の行使に消極的な政府の姿勢に、落胆を禁じ得ない。日米両政府が、基地の外で発生した米軍機事故の現場対応に関する「ガイドライン(指針)」を巡り、日本の警察や消防が現場に速やかに立ち入ることができるよう改定することで合意した。ただし、立ち入りに日米相互の同意が必要なのは従来と変わりない。絶対的な主導権を握っているのは依然として米国だ》。
 さて、ドイツやイタリアでも、今頃こんな(不十分な)改訂をやってるの? ドイツやイタリアでも自国の法令は適用されないのね? ドイツやイタリアでも、今頃こんな《改善》をやってるの?
 まさか、主権を放棄させられている国はニッポンだけ?

 一方、《巨額の税金を投じる事業で、公開すべき情報を明らかにしない防衛局の対応は批判を浴びそうだ》。《公に周知すべき情報をなぜ隠すのか-。…下請け業者の名前を黒く塗りつぶした国民に目隠しをしたまま、工事を強行する異常さが際立っている》。
 「辺野古とカネ」、三度。新海聡氏は《法制度の趣旨をねじ曲げ、都合の悪い情報は出さないという辺野古工事の治外法権ぶりを象徴した対応だ》と。

   『●《「辺野古とカネ」…見積りを依頼した13社のうち… 
       12社が一斉に辞退》…《単価を5370円》が偶然の一致?
   『●平和憲法・専守防衛の下で、愚かしい過剰な「思いやり」や
         在日米軍特権を差し出してまで…そんな「不公平」は不要
   『●軍隊は住民を守らない: 《情報保全隊…
     住民の調査・監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定》…
   『●「辺野古とカネ」再び…防衛省OB天下り: 
      《公平》《公正》、与党・自公や癒着党・お維から最もほど遠い言葉

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907300000065.html

コラム
政界地獄耳
2019年7月30日8時38分
基地負担考える全国知事会の役割大きい

★17年に札幌で開かれた全国知事会。亡くなった沖縄県知事・翁長雄志の要望を受け、また知事会が設置した「全国知事会米軍基地負担に関する研究会」の結果に基づき、日米地位協定の抜本改定を含む「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択した。今年は富山で開催された全国知事会(会長・上田清司埼玉県知事)。最終日の24日、翁長の思いを引き継いだ沖縄県知事・玉城デニーが改めて「全国の知事の皆さまと連携して取り組んでいきたい」と発言すると、他の知事からも賛同の声が相次いだ。

★まして今年は米トランプ大統領が「日米安保不平等」に言及した。玉城は沖縄県がまとめた米国と他国が結ぶ地位協定の実態調査の報告書を配布。欧州は自国の法令を米軍にも適用させ、米軍の活動を制限し、基地内立ち入り権もあることなどを説明し、日米の地域協定が特異なものであることに理解を求めた。各県知事の声は国会議員の対応よりもより現実的だ。それは県民の命を預かること、米国との利害関係だけで意思決定する政府との根本的な違いを浮き彫りにした。

★琉球新報によれば「岩手県知事・達増拓也は『米軍に日本国民による民主的統制が及ばないことは地方自治の観点、住民の安全、福祉の増進の観点からも非常に問題がある』と発言。滋賀県知事・三日月大造も『地方自治、民主主義の観点からさらに調査を進め、連帯して取り組んでいく必要がある』と関心を示したという。また、高知県知事・尾崎正直は米軍機の低空飛行訓練で幼稚園児が泣き叫ぶことがあったとして、事前の情報提供の必要性を強調。兵庫県知事・井戸敏三は米軍機が同県上空を通過する可能性がある場合にインターネットでの公表を5月から始めたといい、『米軍に関する情報を公開していく基本姿勢を持つことも重要だ』と述べた」と記している。翁長提案を毎年確認しながら全国の世論形成を進める全国知事会の役割は大きい。(K)※敬称略
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073002000119.html

税を追う辺野古下請け 黒塗り開示 公開義務の施工体系図
2019年7月30日 朝刊

     (沖縄防衛局が開示した辺野古工事の施工体系図。
      下請け業者の名はすべて黒塗りになっていた)

 沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設で、本紙が工事業者を一覧にした「施工体系図」を情報公開請求したところ、防衛省沖縄防衛局は下請け業者名を全て黒塗りにして開示した。施工体系図は建設業法で公開が義務付けられており、制度を所管する国土交通省は業者名を非開示にしたのは初めて聞いた」と異例の対応と認めた。巨額の税金を投じる事業で、公開すべき情報を明らかにしない防衛局の対応は批判を浴びそうだ。 (中沢誠

 本紙は四月、沖縄防衛局が二〇一四年度以降に発注した辺野古工事の施工体系図を開示請求。防衛局は七月八日付で、護岸新設工事や埋め立て工事など二十件(契約総額千五十九億円)の施工体系図について、一部開示の決定をした。

 開示された体系図によると、大成建設が百三十九億円で受注した仮設工事は、四次下請けまでに六十六社が参加。大林組などの共同企業体が百一億円で受注した埋め立て工事は、二次下請けまでに九社が入っていた。これらを含め二十件の体系図は全て下請け業者名が黒塗りになっていた。

 防衛局が非開示理由として引き合いに出したのが、五年前に受注業者を狙ったとみられるゲリラ事件だ。

 一四年十月、辺野古沖のボーリング調査を請け負った業者が入る埼玉県内のビルに迫撃弾が撃ち込まれ、後日、基地反対派の声明文が報道各社に送られた。

 防衛局は取材に、下請け業者名を公表すれば「同じような被害が発生し、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす恐れがある」と答えた。だが、ゲリラ事件から一年以上たった一六年一月、しんぶん赤旗は防衛局への開示請求で入手した施工体系図などから元請けや下請け業者を調べ、複数の業者が自民党側へ献金していたことを報じた。赤旗によると、当時は下請け業者名は非開示になっていなかったという。

 同じ文書であるにもかかわらず、今回は非開示としたことについて、防衛局は「以前に開示した文書を特定できておらず、答えるのは困難」と回答。非開示としたのは「情報公開法に基づく判断で、契約の透明性を阻害していない」と問題はないとした。

 辺野古の新基地建設は前例のない海底の軟弱地盤を改良しなければならず、工費高騰は必至だが、政府は工費を明らかにしていない。一方で、一七年の衆院選で、施工業者が沖縄県内の自民党候補の政党支部に献金したり、防衛省OBが天下ったコンサルタント業者が地盤改良工事にお墨付きを与えたりと、政官業の癒着ぶりが指摘されている。


◆治外法権ぶり象徴

<全国市民オンブズマン連絡会議・新海聡事務局長の話> 施工体系図は「闇下請け」や手抜き工事を防ぐため、掲示を義務付けている。もし業者が掲示していなければ、発注者から指導が入る。本来公表すべき下請け業者名を、発注者が隠すというのは聞いたことがない。法制度の趣旨をねじ曲げ、都合の悪い情報は出さないという辺野古工事の治外法権ぶりを象徴した対応だ。

<施工体系図> 下請けまでを含め、工事に関わる建設業者がどのような分担で施工するのかを、一目で分かるようにした樹形図。元請け業者が作成する。公共工事では工事期間中、契約通りの業者が適正に工事していることを確認できるよう、工事関係者や公衆の見やすい場所に掲示することが、建設業法などで定められている。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073002000129.html

<税を追う>辺野古下請け 黒塗り開示 「国民目隠し」で強行
2019年7月30日 朝刊

     (2020年東京五輪でバレーボール会場となる「有明アリーナ」の
      施工体系図。下請け業者名まで伏せることなく、大通り沿いの
      フェンスに掲示している=東京都江東区で)

 公に周知すべき情報をなぜ隠すのか-。沖縄・辺野古(へのこ)の米軍新基地建設を巡る情報公開請求で、防衛省は全ての施工業者が記載された「施工体系図」のうち、下請け業者の名前を黒く塗りつぶした国民に目隠しをしたまま、工事を強行する異常さが際立っている。 (中沢誠

 公共工事の現場で見られる施工体系図は、公衆の見やすい場所への掲示が義務付けられている。税金を投じた工事が適正に行われているのか、第三者にも確認できるようにするためだ

 ところが、辺野古の工事の場合、新基地建設が行われている米軍キャンプ・シュワブ内にしか掲示していない。基地内では下請け業者の名前も記した体系図を掲示しているが、基地の外からは、いつ、どんな工事を、どの業者が行っているかはうかがい知れない。

 基地内だけの掲示となれば、目の届く人が限られ、第三者のチェックが制約されるが、防衛省沖縄防衛局は「基地に出入りする人も公衆と考えられ、法令の趣旨に沿っている」と意に介さない

 制度を所管する国土交通省建設業課は「基地の外に向けても掲示したほうが親切だが、公衆の範囲について明確な基準はなくケース・バイ・ケース」と明言を避ける。ただ、辺野古が特殊なケースであることは国交省も認めている。

 来年に開催を控えた五輪会場の建設現場では、人通りの多い道沿いに施工体系図を貼り出している。東京都オリンピック・パラリンピック準備局は「人目の付かない場所に掲示しても意味がない」と話す。

 ゼネコンの業界団体、日本建設業連合会の担当者も「道路に面したところや現場の出入り口の目立つところなど、公衆というからには誰もが見られる場所に掲示するという認識だ」と説明する。

 そこで本紙で情報公開請求したところ、下請け業者は黒塗りに。沖縄防衛局は基地内にしか掲示していないことを理由に、「広く公知しているわけではないので、掲示しているからといって、直ちに情報がすべて公表すべきものとは思っていない」とする。

 辺野古の工事では、政府はこれまでも重要な事実やデータを隠し続けてきた。海底にマヨネーズ状の軟弱地盤が存在することに気づいていながら、公に認めたのは昨年十二月に埋め立て工事を強行した後の今年一月のことだった
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●《フィンランド…親の経済力にかかわらずすべての子どもたちが大学まで行ける…。老後も…》(鈴木穣記者)

2019年08月09日 00時00分32秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



アサヒコムの青木美希記者による記事【子の貧困「知らぬふりできない」室井佑月さんがイベント】(https://www.asahi.com/articles/ASM7Y2ST9M7YUTIL003.html)。

 《室井佑月さんが、貧困に陥っている子どもや女性たちの支援を続けている。月1回のチャリティートークイベント「女は死なない 大した話じゃないけれど」を開催。会場で集めたカンパをこども食堂などに寄付している》。

   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 安倍一強に赤信号」
       でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?
    《【私説・論説室から】老後に貯蓄がいらない国
     …日本の生活とどちらが安心できるのか。結論はもちろんフィンランド」。
     即答した。「親の経済力にかかわらずすべての子どもたちが大学まで
     行けることは素晴らしい。老後もお金は残らないが、年金で生活できる」…
     負担は安心につながる。遠回りに見えて実は確実な道と思うのだが…。(鈴木穣)》

   『●同様に、「この28年間の変化は法人税が6兆円…
      所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ」

 斎藤貴男さん、(消費)税率を上げても「「スウェーデンのような高福祉国家を目指すんだ」なんて、誰も言わない」。だって、消費税で〝没収〟された血税は、大企業の法人税や大金持ちの所得税の埋め合わせに使われたにすぎないのですもの。《そもそも消費税の増税は、不足する社会保障費に充てるのが本来の目的だったはず》(鈴木哲夫さん)…これはどうなっているのか? 《荻原博子さんも「大企業や富裕層が受ける減税の恩恵を、消費税が穴埋めしている」》と。
 「輸出戻し税」や「仕入れ税額控除」…どれ一つとっても、最悪な税制。それなのに、ズルズルと10%へと。
 消費税制についてあまり語られないこと…斎藤貴男さん《「仕入れ税額控除」の悪用により脱税。「正社員らに支払う「給与」」が仕入れ税額控除の対象。「いわゆる格差社会、ワーキング・プア問題の重要なテーマである非正規雇用は、他ならぬ消費税が拡大させたという現実をご存じだろうか」》? 非正規雇用は、《他ならぬ消費税が拡大させた》のだ。《派遣に切り替えると合法的に節税できる消費税》。大企業や金持ちにカネが集まるようにおプログラムされた最悪な税制。

 《親の経済力にかかわらずすべての子どもたちが大学まで行けることは素晴らしい》…ニッポンと北欧の諸国、どういう社会を目指すべきでしょうか? 「生まれた環境に縛られる、子どもたちの夢」、そんな社会をお望みですか? 日本の消費税制では、《負担は安心につながる》とはいかない。
 小田嶋隆さん、《学歴における機会均等なんてものは、もはや建前でさえない》…そんな社会でいいの?

 日刊ゲンダイの記事【米軍駐留経費「5倍」要求 ボルトン補佐官が来日時に伝達】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/259543)によると、《ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が7月21、22日に来日した際、谷内正太郎国家安全保障局長らに対し、大幅な増額を要求。今後の交渉で求める可能性がある増額の規模として、関係者の1人は「5倍」、別の関係者は「3倍以上」と述べたという。日本は在日米軍の駐留経費(思いやり予算として、2016~20年度の5年間で計9465億円を負担。これ以外に米軍再編関係費なども負担しており、総額は年約6000億円に達する。ボルトン氏がどの予算の増額を求めたかは不明だが、仮に米軍再編関係費なども含めた金額を意味するなら、日本側の負担は一気に3兆円規模となる》。
 アベ様らは「思いやる」先を間違ている。税金・血税の使い道が無茶苦茶だ。軍事費を削り、弱者救済や災害復旧、防災にこそ血税を使って下さいな。教育など、未来への投資を充実させるべき。害遊・害交でない、真の外交努力も含めて、それこそが、「安全保障」です。

   『●どちらの国に生まれた子どもが幸せだろうか?
   『●子どもたちが「キチンとした教育」を受けることができ、
                        平和に暮らせる世の中に

   『●「生まれた環境に縛られる、子どもたちの夢」
               (『カナエール福岡応援ページ』)

     「番組を見て、そして、そのWPの一つのフレーズ
      「生まれた環境に縛られる、子どもたちの夢」を見て、
      小田嶋隆さんの本の言葉を思い出しました……
      「子供の学力は、低年齢であればあるほど、
      親の教育水準および経済状態をストレートに反映
      学歴における機会均等なんてものは、もはや建前でさえない…」
      (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2a1cb2eb9e660199cf4fcdc12a4a8d1f)」

   『●石坂啓さん「道徳心とか愛国心とかが
      コドモたちにとって安全かどうか、なぜ疑ってかからない」

   『●「道徳」を説く文科相がソレってOKなの? 
       「道徳心とか愛国心とかがコドモたちにとって安全」??
   『●「子供たちの未来が家庭の経済事情によって
      左右されることのないよう」な社会を目指すその先に・・・
   『●「学費“無償化詐欺”…選挙の公約が早くも骨抜きで「詐欺的」」…
                     アベノサギに何度も騙される方の大問題
   『●一体何をどれ程「思いやらされている」?…
      「われわれはカネを出さない。どうぞ米軍は撤退してください」
   『●平和憲法・専守防衛の下で、愚かしい過剰な「思いやり」や
        在日米軍特権を差し出してまで…そんな「不公平」は不要
   『●自公選挙公約「子育て…」…その結果、
      「日本の子供の貧困は「途上国並み」と断じられたのに等しい」
   『●室井佑月さん「いわれるまま武器を大人買いできるほど、
          この国には余裕があるのか?」…トンデモな「大人」
   『●「米ラスベガス・サンズに日本に参入する免許を与えるよう
               強く要求」されておきながらアベ様は平気で…
    《トランプ大統領は9月26日の記者会見で、こうも明言している。
     「日本は膨大な量の軍事装備品を買うことになる
     「(日本は)私のために尽くさなければいけない。われわれはこんな
      巨大な貿易赤字はいらない。もっと(米国製品を)買わなければいけない」
      (しんぶん赤旗9月29日付)
       トランプ政権は今年、厳しい規制をかけてきた攻撃型無人機輸出の
     規制を緩和する新方針を打ち出している。一方、安倍政権も、朝鮮半島の
     平和に向けた流れなどは一切無視し、防衛省の2019年度軍事費の
     概算要求においても過去最大となる5兆3000億円を要求。ここには、
     トランプ大統領から強力なセールスがあった弾道ミサイル迎撃システム
     「イージス・アショア」の導入費なども含まれており、政府はこの導入理由を
     「北朝鮮のミサイル対処」としている。
       カジノに貿易、武器購入まで……。トランプに尻尾を振ることしかできない
     “忠犬”の安倍首相によって、日本はどこまでも売り渡されつづけていく
     のだろう

   『●アベ様の《国民観、人間観には共通点が多すぎる…
       彼の目には私たちが己の財布、兵力、労働力だとしか…》
   『●「どっからどうもってきて出すのか」…軍事費を削り、
        弱者救済や災害復旧、防災にこそ血税を使って下さい
   『●対外有償軍事援助FMS…《アメリカからの援助》?  
         アメリカへの「援助」、狂気な「思いやり」の一種?
    「《首相自身も、防衛費を「GDPと機械的に結びつけることは適切ではない」
     として、GDP比1%以内に収める必要はないと明言している》…
     2%なんて声も聞こえてくる。でも、軍事費を削り、弱者救済や災害復旧、
     防災にこそ血税を使って下さいな。
     教育など、未来への投資を充実させるべきだ」

   『●《アメリカから兵器を買い過ぎたために、
     安倍政権は防衛予算が不足し、日本企業への支払い》が不能に…
    「対外有償軍事援助FMSで、《アメリカから兵器を買い過ぎたために、
     安倍政権は防衛予算が不足し、日本企業への支払いが出来なくなっている
     …なんて、最早バカでしょ? アメリカへの巨額「援助」、狂気な「思いやり」。
     真の右翼や極右の皆さん、よく黙っていられますね」

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https://www.asahi.com/articles/ASM7Y2ST9M7YUTIL003.html

子の貧困「知らぬふりできない」室井佑月さんがイベント
青木美希
2019年7月31日11時40分

     (室井佑月さんらが子ども食堂などの支援のために始めた
      トークイベント=2019年7月11日午後7時43分、
      東京都新宿区歌舞伎町1丁目、青木美希撮影

 作家・タレントとして活躍する室井佑月さんが、貧困に陥っている子どもや女性たちの支援を続けている。月1回のチャリティートークイベント「女は死なない 大した話じゃないけれど」を開催。会場で集めたカンパをこども食堂などに寄付している。乳がんであることを告白した室井さん。次回8月5日のイベントの3日後に入院する。

 「知らないふりするひきょう者になりたくない。何とかしたい」。

 室井さんは子どもの貧困についての報道を見て、そう思ったという。子どもの貧困率13・9%(2015年)で、7人に1人が貧困状態ひとり親世帯の貧困率は50・8%――。「朝と夕方とダブルワークをしても食べていけない」などの実態を知り、評論家小沢遼子さん、アイドル・戦慄(せんりつ)かなのさんに声をかけ、6月にイベントを始めた。「見渡すと大変なことになっている。すぐにでも手を差し伸べなければいけない人たちがいる」との思いだった。

 3人で来場者と互いの近況や悩みなどを話し合う。

 7月11日の第2回イベントには99人が参加。来場者から非正規教師をくびになった」「教師がいじめを見てみぬふりをするなどと深刻な声があがった。利益とカンパ合わせた約18万円を、東京都大田区の近藤博子さんが運営する子ども食堂「気まぐれ八百屋だんだん」に寄付した。

 「困難を抱えた子どもたちもおります。保護者が、生活の基礎を伝えられない場合もあります。いただいたご寄付はこども食堂での、季節の行事食のデザートの購入などに充てさせていただきたいと思っております」。近藤さんからはお礼のコメントが寄せられた。

 「乳がんになっちゃったのよ」。この場で、室井さんから「告白」があった。第3回のトークイベントの3日後に入院することを明かすと、会場からは「がんばれー」と声援が飛び、拍手がわき起こった。

 室井さんは「来場者には『子どもたちを救いながら自分が救われる思いがした』という人もいた。困っている人たちを専門家の団体に結びつける場にもなれば」と話している。

 イベントは歌舞伎町1丁目のロフトプラスワンで午後7時半から。前売り3千円、当日3500円。1オーダーが必要。チケットはhttps://eplus.jp/sf/detail/3025510001-P0030001P021001やファミリーマートで。(青木美希
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●『ダンダリン 労働基準監督官』…「世界中の人間が「白」だと言っても、カラスはやっぱり「黒い」です」!

2019年08月08日 00時00分40秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]

 

レイバーネットの志真秀弘氏によるコラム【〔週刊 本の発見〕行動こそ「呪い」を解く〜上西充子『呪いの言葉の解きかた』】(http://www.labornetjp.org/news/2019/0711hon)。

 《「嫌なら辞めれば」は、お定まりの「呪いの言葉」。『ダンダリン 労働基準監督官』(脚本・秦建日子、日本テレビ2013年)は、名ばかり管理職、内定切り、外国人労働者の劣悪な待遇などを一話一テーマで描いたドラマ。本書で紹介されるのは主人公の監督官・段田凛が、ブラック企業のファミレスチェーンで自発的と言う名目で残業代逃れの強制研修が行われていたことを突き止め、若い社員と店長とが協力して改善させるストーリー。(志真秀弘)》。

   『●「私の妻や友人が関わってきた」と自ら暴露… 
       「2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日」実行せよ!
    「GIGI[ギギ。グッド・イメージ・ゴルフ委員会]も大喜びだろう。それにしても、
     ご飯論法としても、あまりの支離滅裂ぶり」

   『●行政府の長の滅茶苦茶話法が取巻き連中や官僚に波及
             …《言葉がまともに通用しない政治が、国民に…》
    《言葉の海へ 第35回:「安倍話法」は「安倍内閣共通話法」になった鈴木耕
     … 「ご飯論法」というのが話題になっている。こういうこと。
       「朝ご飯は食べたでしょ?」と聞かれると「いいえ、ご飯は食べていません
     と答える。つまり「“ご飯”は食べていませんパンは食べたのですが)」と、
     平然と言う官僚たちの論法のことだ。この「ご飯論法」は、上西充子法政大学
     教授が、厚労省の労働調査のデタラメデータを批判して使ったことで、
     一躍有名になった》

   『●映画『新聞記者』はMotive Forceに…
     参院選、「2/4」の眠り猫な皆さんを投票所へ〝駆動〟させる力へと
    《「選挙に行っても仕方ない」「どうせ、何も変わらない」なんて言っている
     場合ではないです。そんな「呪いの言葉」(上西充子さん)から解き放たれて
     ほしい。選挙に行かなければ変わらない。眠り猫な「2/4」の皆さんの
     半分とは言いません(投票率25%アップ)、せめて1/4の方
     (投票率12.5%アップ)、今度こそ、投票所へ足を運びませんか。
     もちろん投票先は野党へ…与党自公・癒着党お維なんて以ての外》

 《「嫌なら辞めれば」は、お定まりの「呪いの言葉」》。「ご飯論法」につづく、上西充子さんの御言葉が「呪いの言葉」。騙されてはいけない。

 コラムの中に出てくる『ダンダリン 労働基準監督官』、大好きでした。「世界中の人間が「白」だと言っても、カラスはやっぱり「黒い」です」! 

   『●カラスはやっぱり「黒い」: 「アベ様のNHK」的
       「政府が白というものを黒とは言えない」で良いのか?
    「NHK籾井会長の「迷言」、「政府が右というものを左とは言えない」に続き、
     「正式な政府のスタンス、政府のきちっとした方針の下での報道をしましょう
     とのこと。情けなき「牙無き」メディア。でも、ダンダリンさん曰く
     「世界中の人間が「白」だと言っても、カラスはやっぱり「黒い」です」!!
     (『ダンダリン 労働基準監督官第8話』14年11月20日)。 
     「アベ様のNHK」的な「政府が白というものを黒とは言えない」で良いとは
     思えません、ジャーナリストには「カラスはやっぱり「黒い」」と言ってほしい」

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http://www.labornetjp.org/news/2019/0711hon

〔週刊 本の発見〕『呪いの言葉の解きかた
毎木曜掲載・第117回(2019/7/11)

行動こそ「呪い」を解く
呪いの言葉の解きかた
上西充子、晶文社、1600円、2019年5月刊)/評者:志真秀弘

 言葉は大きな力を持つ。どこの誰がいつどこでどんな意図でその言葉を使っているのか、が問題なのだ。悪意があれば「呪いの言葉」と化す。「呪いの言葉」がどんな背景から出てきたのか、著者はそれと同じ土俵に登るな私たちの思考と行動をもっと伸びやかにしようと語り出す。著者自身も困難に直面し、一緒に考えているような臨場感に富む語りに思わず引き込まれる。労働、ジェンダー、政治の各章で「呪いの言葉」の解きかたが描かれ、伸びやかな生き方の可能性が示唆される。

 「嫌なら辞めれば」は、お定まりの「呪いの言葉」。『ダンダリン 労働基準監督官』(脚本・秦建日子、日本テレビ2013年)は、名ばかり管理職、内定切り、外国人労働者の劣悪な待遇などを一話一テーマで描いたドラマ。本書で紹介されるのは主人公の監督官・段田凛が、ブラック企業のファミレスチェーンで自発的と言う名目で残業代逃れの強制研修が行われていたことを突き止め、若い社員と店長とが協力して改善させるストーリー。「やれ、休む権利だとか、それでも時給を上げてほしいだとか そんなことばっかり言ってるバカを、あなたがたお役所が甘やかすから 日本はこんなにもバカばっかりの国になったんです」と嘯く社長。いかにもいそうで、しかもありそうな話。若い社員と店長はどうやってこの呪縛を解き、職場を変えるか。その過程がストーリーの平板な要約ではなく、緊迫感溢れる新しい物語のように描かれる。当事者が声を上げること、それが大切と著者は強調する。

 著者はこの『ダンダリン 労働基準監督官』に始まり、ドラマ、コミック、映画などから、セリフを取り出して、その意味を際立たせる術を心得ている。コミック『逃げるは恥だが役にたつ』(海野つなみ)、『しんきらり』(やまだ紫)、映画『サンドラの週末』(ダルデンヌ兄弟)、『わたしはダニエル・ブレイク』(ケン・ローチ)などいくつもの作品から、労働をめぐる言葉だけでなく、ジェンダー、さらに政治をめぐる「呪いの言葉」の所在を指摘し、著者はそれを解いていく。しかも呪いに閉じ込められない「湧き水の言葉」も見つけ出してくれる。読んでいくうちに「あっ、そんな言葉があったのか」と新しい発見がある。読むものを励まし、解き放ってくれる言葉に出会うことができる

 それができるのは著者が行動のひとだからだ。街頭で国会中継を見せる〈国会パブリックビューイング/写真〉の提唱者なのはすでに知られている。それを実現する経過も本書で詳しく知ることができる。公共空間は私たちのもの、街頭行動は言論の自由表現の自由を路上で実現することだと道路使用許可などとらない。車道や私有地の許可は必要だが公共空間は不要と。その通りだが勇気はいる。そうして著者は組合活動家や市民運動家はじめ多くの人たちと協力して活動する。大学の研究室とみんなの広場の往復から、本書の生き生きとした言葉は生まれた。呪いの言葉を解くことは、みんなで生きること、そのためには行動こそ欠かせない


(付記:今回は渡辺照子さんの担当ですが、いま渡辺さんは参議院選挙に立候補し、活動中です。彼女推薦の本書は、7月6日のレイバーブッククラブで取り上げられました。そこでの討論をもとに今回は志真秀弘が代わって執筆しました。)

*「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人・渡辺照子・志真秀弘・菊池恵介・佐々木有美、根岸恵子ほかです。
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●「しなやかな反骨」をテーマに東京新聞のシリーズ対談: 城南信金顧問・吉原毅さん×元文科次官・前川喜平さん

2019年08月07日 00時00分51秒 | Weblog


城南信金顧問・吉原毅さん×元文科次官・前川喜平さんによる、東京新聞のシリーズ対談4回。
【<親友対談 しなやかな反骨>(1) 城南信金顧問・吉原毅さん×元文科次官・前川喜平さん】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073002000118.html)、
【<親友対談 しなやかな反骨>(2) 元文科次官・前川喜平さん×城南信金顧問・吉原毅さん】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073102000144.html)、
【<親友対談 しなやかな反骨>(3) 元文科次官・前川喜平さん×城南信金顧問・吉原毅さん】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019080102000124.html)、
【<親友対談 しなやかな反骨>(4) 元文科次官・前川喜平さん×城南信金顧問・吉原毅さん】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019080202000128.html)。

 《二人は麻布中・高校(東京)の同級生で、ともにラグビー部で汗を流した親友だ。強い者に負けない志の根っこはどこにあるのか。「しなやかな反骨」をテーマに存分に語り合ってもらった》。
 《どんな組織が好ましいのか。元文部科学次官の前川喜平さんと城南信金顧問の吉原毅(よしわらつよし)さんの対談は「理想の組織」論に入った》。
 《個人と対立しがちな組織の論理。その中で人はどう生きたらいいのか。対談は佳境に入っていく》。
 《二人は、麻布中学・高校の同級生で、ともにラグビー部で過ごした仲間。「しなやかな反骨」の根っこは「麻布のDNA」だ》。

 小泉純一郎氏を持ち上げすぎな点が気に入りませんが、城南信金顧問・吉原毅さんと元文科次官・前川喜平さんの楽しい対談。

 反核発電、反アベ様等々、ぶれないお二人の《面従腹背》な《反骨》。

   『●マガイ物ではないモノもある ~城南信金~
   『●財界の総理大臣はもはや大企業の単なる代弁者
   『●経団連は原発推進・復活の第4案を希望?
   『●脱原発は可能: ビジョンある金融機関(城南信金)のトップもいる
   『●城南信金の吉原毅理事長が退任・・・
      脱原発という、「理事長交代後も考え方は引き継がれ」て欲しい
   『●警察や消費者庁の沈黙…「商取引の原則」を無視して、 
            なぜ核発電料金を支払わなければならないのか?
   『●「原子力ムラの言いなり」原子力「寄生」委員会の救い様の無さと、
                        アベ様の「危険な丸投げ・無責任体制」
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●中西宏明経団連会長《再稼働が進まない要因を、 
      原発と原爆を同一視する地域住民の理解不足と決めつけ》?
   『●核発電「麻薬」中毒患者・中西宏明経団連会長自ら、
        ニッポンは《民主国家ではない》ことを立証して見せた

   『●偶然は通用しない、アベ様のオトモダチ獣医学部開設…
      前川喜平さん「規制緩和ではない。特権の付与です」
   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
       《病的な嘘つき》アベ様…前川喜平氏の人間性と彼我の差
   『●前川喜平前文科次官、「本来、できてはいけないものが
             完成した。見たくないものを見たという感じだ」
   『●前川喜平さん授業…検閲と恫喝、《意に沿わない人物は潰す――。
                       …安倍政権のやり口は、まさに恐怖政治》
   『●隗より始めよ: 「この国をガタガタにし、
      支持率3割は取れる」高プロとして、「自分らができてから…」
   『●霞が関: 「佐川になるな前川になれ」…
      《佐川のような官僚ばかりだったら絶望するしかないだろう》
    「日刊ゲンダイの佐高信さんによる書評【週末オススメ本ミシュラン/
     「面従腹背前川喜平著/毎日新聞出版】…。《落語家の立川談四楼が
     ツイッターで、いま霞が関では<佐川(宣寿前国税庁長官)になるな
     前川になれ>が合言葉になっているとつぶやいたらしい。
     もちろん皮肉である。/…佐川のような官僚ばかりだったら
     絶望するしかないだろう》」

   『●〝前川喜平になるな佐川宣寿になれ〟!?
       「官邸べったり」藤原誠官房長の文科事務次官への昇格人事

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073002000118.html

<親友対談 しなやかな反骨>(1) 城南信金顧問・吉原毅さん×元文科次官・前川喜平さん
2019年7月30日 朝刊

 加計学園の大学獣医学部設立認可をめぐり「行政がゆがめられた」と証言した元文部科学次官の前川喜平さん(64)と、経営トップでありながら脱原発の旗を掲げた城南信用金庫顧問の吉原毅(よしわらつよし)さん(64)。二人は麻布中・高校(東京)の同級生で、ともにラグビー部で汗を流した親友だ。強い者に負けない志の根っこはどこにあるのか。「しなやかな反骨」をテーマに存分に語り合ってもらった。 (四回シリーズでお伝えします)

吉原 文科省の課長当時、「奇兵隊、前へ!」というブログがあったよね。官僚なのにこんなこと書いていいのって思いました。

前川 確かに突出した行動ではあった。二〇〇五~〇六年ごろかな、小泉純一郎内閣の看板政策の三位一体の改革で、国から地方に税源移譲し、地方の財政の自主性を高めるという話になった。そのために国から地方への補助・負担金を減らす。そこで三兆円ある義務教育費国庫負担金がなくなりそうになった。それでは子供たちが困ると思って、反対だと言って回ったんです。地方の財政力にかかわらず、教育の機会均等を保障するためのお金です。

吉原 ブログは一般の方も見られるものですし、勇気がいりますよね。

前川 月刊誌に名前を出して書いたりしましたしね。はっきり言ってクビが飛んでもいいと思いました。

吉原 組織の上の方が白旗揚げて、ほかの人は静観する中で孤軍奮闘して…。

前川 いや、孤軍でもないのよ。課長仲間や下の連中は、すごく応援していた。素晴らしい改革のように見せようとしていたけど、小泉純一郎内閣の目玉として総務省が作り上げた話。地方公共団体はだまされたと言ってもいい。だから文科省と総務省とでドンパチやってたんです。

吉原 文科省の当時の上司の了解は? 

前川 上司の初等中等教育局長は、青年将校みたいなのが暴れるのを黙認していたって感じ。次官や官房長は、ほとんど白旗を揚げてました。次官のところに行ったら「この制度は廃止でしょうがないだろう」って。負け戦と思っている人もいるし、ぎりぎりまで頑張ろうという人もいた。最後の最後、助けてくれたのは与謝野馨さん(当時、自民党政調会長)。文科省の土俵で議論させてやるって、仕切ってくれた。
 その代わり中央教育審議会に、総務官僚が握っている知事・市長・町村会推薦の首長が三人入った。われわれも三人の首長に一本釣りで来てもらった。その一人が当時の鳥取県知事の片山善博さん。三位一体改革の本質を見抜いてるから、良い意見を言ってくださった。
 そのときにカウンターパートで、当時の総務省の自治財政局調整課長だったのが務台(むたい)俊介さん(現衆院議員)。中教審の会議の後、道端である女性の委員をつかまえて、いかに文科省が間違っているかと言ってるわけですよ。僕も入っていって、そうじゃないんですよと言ったら「前川さん、そんなこと言ってたらクビが飛ぶよ」と。それでブログに「クビが飛んでも構わない」と書いた。そのくらいの気持ちでした。結局、制度は守るが、負担率を二分の一から三分の一に下げることで決着をみた。

吉原 なんで文科省(旧文部省)に入ったの? 使命感を持って入ったと思うけど、誰の影響なんですか。

前川 人間の精神的な活動を広げていくっていうか、人の心の豊かさを大きくしていくっていうか。

吉原 人間教育とか、人間の魂とか、子供たちを育てたいっていう気持ちの人は文科省に入る。

前川 そういう人が多い。僕の場合はやりたい仕事のところに配置してもらえたけど、そんなに幸せでもないのよ。初等中等教育の仕事は確かにさせてもらえてよかったんだけど、それ以外の仕事も多くて。

吉原 もちろんそうでしょうね。

前川 多かったのは、政治家相手の仕事。秘書官で与謝野(馨)さんみたいな大臣と一緒に仕事をするのは楽しかったけど、理不尽なことで怒り狂っている政治家のところに行ってなだめるとか、何で怒っているか分からないけどとにかく謝るとか、そんなことばっかりやってました。国会の委員会で野党から追及されるよりも自民党の部会で攻撃されるほうがしんどいですよ。本当に言いたい放題言われますからね。

吉原 組織の中で仕事をする中で、自分が情熱をかけている初等教育、中等教育の話とは別のものがいっぱいある。それでもう嫌だという人もいるけど、本当にやりたいことがあるから頑張って、初志を貫くと。

前川 それはあるよね。義務教育費の時は、案外楽しかった。だけど防衛戦ですからね、仕掛けられた闘いをやってる感じ。その中で思ったのは、この機会に制度を見直して良い制度にすること。三位一体の改革は、義務教育費国庫負担制度(*)を良い方向に、地方の自由度を高める方向に変えるきっかけになった。外圧が改革のきっかけになることはありますよね。

吉原 厳しい状況の中で、上は支持しない、あるいは上はもう闘いを放棄してるところで、上がどうであろうとみんなの思いを結集して情熱と信念を持って、組織をまとめて。言われて動く組織じゃなくて自分が組織を組織化し、みんなのチームをつくり理想を実現していく。それをやった人だったってことです。なかなか組織人として難しいことだと思うんです。言われたことやってないと干されるし、クビにされるぞと脅かされるわけだし、その中で頑張る人って、なかなかいないと思います。

前川 安倍政権では(官僚は)なかなか言えない。小泉政権は思いっきり議論ができる政権だった。最後は小泉さんの鶴の一声で決まるけれども、そこに至るまでの間に思いっきり言いたい放題言える。僕も一見、三位一体改革という看板政策にたてついてるとんでもないヤツなんだけど。

吉原 当時は、組織が生きていた。今は全然違って、政府の上から言われたことを全部やらないとダメっていう絶対服従みたいなことをやる。小泉さんは、僕も付き合いあるから言うけども、決めたらドーンとやるけども、その前に必ず意見を言わせるんですよ。
 僕がびっくりしたのは、今原発反対をやってるんだけども、小泉先生は違う意見を聞くんですよ。僕らなんかが「あんなの頭きちゃいますよね」って言うと、そんなことない、民主主義なんだからいろんな意見があっていい、違う意見があってはじめて民主主義ってのは成り立つんだと。懐がでかいなと思ったんです。たぶん小泉政権は「万機公論に決す」で、最後は政治決着だというところがあった。今はいきなり結論ありきで、とにかく黙って従えと。この度量の狭さは、政府だけじゃなくて、現代社会に、いろんな企業も含めて組織体の共通の社会病理みたいになっている。これについてはどうですか。

前川 安倍政権的な組織体質が、日本中に広がっちゃってるんじゃないかっていう気はしてるよね。

吉原 力で勝負とか、問答無用とかね。言論しない、言論に重きを置かないでいきなり結論がある。別に安倍さんの悪口を言ってるわけじゃなくて、世の中全体がそうなってるのはどうしてだろう。不思議です。

前川 僕は安倍さんの悪口言ってるんだけど。

吉原 この場ではあんまり言わないほうがいいんじゃないか(笑)。

前川 やっぱり、そういう忖度(そんたく)が蔓延(まんえん)してますよ。


 * 教育の機会均等と水準の維持向上を図るため、小・中学校など義務教育の学校の教職員給与の3分の1を国が負担する制度。以前は2分の1負担だった。

<まえかわ・きへい> 1955年、奈良県生まれ。東京大卒。79年、旧文部省(現文部科学省)に入り大臣秘書官、官房長、初等中等教育局長などを経て、2016年、文部科学次官。天下りあっせん問題の責任を取って退官後、夜間中学スタッフ、大学講師などとして活動。著書に「面従腹背」、共著に「これからの日本、これからの教育」など。

<よしわら・つよし> 1955年、東京都生まれ。慶応大卒。77年、城南信金に入り、企画部、副理事長などを経て2010年、理事長。15年、顧問。17年から麻布学園理事長。東日本大震災後、同信金の脱原発宣言を主導。小泉純一郎元首相らと活動を続ける。著書に「幸せになる金融」「原発ゼロで日本経済は再生する」など。

(対談は六月二十六日、東京都千代田区の東京新聞で行われた)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019073102000144.html

<親友対談 しなやかな反骨>(2) 元文科次官・前川喜平さん×城南信金顧問・吉原毅さん
2019年7月31日 朝刊

     (理想的な組織のあり方などについて意見を交わす吉原毅さん(左)と
       前川喜平さん=東京都千代田区の東京新聞で)

 どんな組織が好ましいのか。元文部科学次官の前川喜平さんと城南信金顧問の吉原毅(よしわらつよし)さんの対談は「理想の組織」論に入った。

吉原 今の政府の人たちが心配です。安倍(晋三)さんが絶対的な権限を持っていて、総理が言えば何でも通っちゃう。でも安倍さんが逆の立場になると、自分が徹底的にやられるわけです。そういう組織は、非常に不安定です。「正しい」「間違っている」よりも力を取ったら勝ち。それで本当にいいのかと。

前川 多様性が失われている。いろんな意見があっていいんだ、存念を述べよ、みたいなところがなくなってきて。

吉原 それに対して前川さんは警鐘を鳴らしている。正しいことは正しい、あるものをなかったとは言えないと言う。素朴な言い方だけど、勇気がある人だと思って喝采しました。

前川 意を決して告発したなんていうことじゃなかったんだけどね。この文書を見たことありますかって言うから、ありますよって。加計学園問題(*1)に関しては、内部文書を表に出した職員が、今も文科省に複数人いるわけです。彼らの方がずっと僕より勇気がありますよ。

吉原 世界中が上意下達の方向に行っている気がします。時代なんですかね。

前川 国際政治も一国主義がはびこっている、リーダーが強い力を持って。プーチン(*2)だ習近平(しゅうきんぺい)(*3)だ、トランプ(*4)だ、エルドアン(*5)だと。城南信金の「クーデター」の話をしてよ。

吉原 会社も政府も一つの政治システムだと思うんです。目的は定款に書かれている。憲法みたいなものです。人々を幸せにしたいなどと書いてあり、金もうけが目的ではない。それが外国資本が増えて、成果主義とトップダウンの傾向が強まった。新自由主義です。でも、成果主義で人を人と思わずに多様性を否定すると、組織は生きない。(よい企業は)相互コミュニケーションが利いている。自由な言論があって、英知を集めて最善の道を探る。
 フラットな分権型にするのは、経営学の世界では主流になった。ところが、いまだに威張り散らして、間違った考え方を押しつける人たちが上にいる。
 これでは力を結集できないし、お客さまにちゃんとサービスを提供できない。だったらトップに代わってもらうしかないよねと。給料は保証するから権力からは外れて、という極めて穏当な「クーデター」でした。

前川 城南信金の新理事長となった吉原さんは、自らの給料を支店長平均より低い千二百万円に下げた。

吉原 千二百万円でも随分いただいていますけど。世の中がおかしくなったのは、大会社の社長がめちゃくちゃな報酬を取るようになってから。国会議員もお金をいっぱいもらうようになってから劣化した。
 小原鐡五郎(てつごろう)(*6)という、信用金庫法を作って業界を率いてきたリーダーに数年間お仕えした。その方が「吉原くん、お金は麻薬だ。持っていると人間は身を持ち崩す。適正なお金を使うことが大事。それをお勧めして、指導するのが信用金庫の仕事だ。貸すも親切、貸さぬも親切」と言った。身を持ち崩さないようにお金を使うのが大事。

前川 すごいよね。お金を扱う仕事の中にいて、お金に溺れないという哲学を持つのが。そういう話、小泉さん(純一郎元首相)とはするの?

吉原 小泉さんもお金にこだわらない清廉潔白で純粋な人ですよ。自民党って自由に民主的に話ができた政党で、けんかしたり仲良くしたりして、個性あふれる先生方が自由闊達(かったつ)に議論していた。今や一枚岩でどうしちゃったのと。

前川 首相問責決議案への三原じゅん子さん(参院議員)の反対討論を聞くと、ひと言彼女が話すたび、与党席から「そうだ!」と。

吉原 もはや自民党は、全体主義政党になってしまった。悲しい。自民党ファンとしては(かつての自民党が)復活してほしい。

前川 国民政党と言えたのは多様性があったから。宇都宮徳馬(*7)、野中広務(*8)のような人もいた。派閥は政策集団でもあったからカラーが違った。その多様性が消え、本当の保守主義でなくなった。

吉原 小泉先生は一生懸命に原発反対運動をしているけど、私は自民党です、と必ず言うんです。党の多様性を復活させようと努力している。いろんな意見を取り入れる幅広さがないと、政治も経営も社会も閉塞(へいそく)する。最大の懸念です。

前川 霞が関も全体主義になった。もともと「司(つかさ)」という言葉があって、それぞれの分野については自信と誇りと責任感を持ってやっていた。その司の責任感や独立性がほとんど失われ、官邸が肥大化して、官邸官僚といわれる人たちが総理や官房長官をガチッと固めてしまった。どの分野の政策も官邸が決めている。

吉原 現場には五感を通じて情報が集まってくるが、中央には数字のみ。数字じゃ骨しか入らない。血や肉や魂になる情報は入ってこない。でも上はアメとムチで脅かす。「良い暮らしをしたいだろう。良い地位につきたいだろう。従わないヤツは全部クビだ」と。これでは、うまくいくわけがない。危機感を覚えます。


<親友対談 しなやかな反骨>(1)

*1 安倍晋三首相の長年の友人が経営する学校法人「加計学園」が、獣医学部を新設する国家戦略特区の事業者に唯一選ばれた際、「首相案件」として官邸側が特別の便宜を図ったのではないかとされた疑惑。

*2 ロシア大統領。

*3 中国国家主席。

*4 米大統領。

*5 トルコ大統領。

*6 城南信金元理事長。元全国信用金庫協会長。1899~1989年。

*7 元衆院・参院議員。月刊誌「軍縮問題資料」創刊者。1906~2000年。

*8 元衆院議員。官房長官、自民党幹事長などを歴任。戦争反対を訴えた。1925~2018年。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019080102000124.html

<親友対談 しなやかな反骨>(3) 元文科次官・前川喜平さん×城南信金顧問・吉原毅さん
2019年8月1日 朝刊

     (「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」創設の記者会見をする
      吉原毅さん(左)と元首相の小泉純一郎さん=東京都品川区で)

 個人と対立しがちな組織の論理。その中で人はどう生きたらいいのか。対談は佳境に入っていく。

吉原 しょうがないから歯車になるという選択肢もあるかもしれないが、それでは面白くない。前川さんも歯車のふりをしながら、変えなきゃという思いも持っていたわけでしょ。

前川 ヨットは逆風でも前に進む。役人の立場から言うと、風に相当するのが政治の力。政治の力が正面から吹いている時、かいくぐりながら前に進む。
 沖縄・八重山の教科書採択問題がそうでした。中学の公民の教科書の採択で石垣市、与那国町、竹富町の三自治体の教育委員会が、同じ教科書を共同採択しないといけない縛りがあったが、意見が割れた。石垣市と与那国町が育鵬社、竹富町は東京書籍。東京書籍は基地問題の記述が充実し、育鵬社は領土問題をちゃんと書いていた。その時、担当の初等中等局長だった僕は無理やりは良くないと思うが、やれと言われて、竹富町に育鵬社の教科書を採択するよう地方自治法に基づく是正要求をした。面従腹背の腹背の部分では無理筋と思っていました。
 ちょうどそのころ教科書無償措置法改正案を作り、そこに共同採択地区を分けることができる仕組みを忍ばせたんです。沖縄県と竹富町の教育長とは裏で話して、法案が通ったら独立の採択地区にできるから踏ん張ってくださいと。県の教育長は半年粘った。二〇一四年に法律が通って、円満に採択地区から分離して採択できるようになった。

吉原 素晴らしいですね。そういう話聞くと、ちゃんとした考えの人が組織のあちこちにいることで、組織が正しい方向でできると思う。トップダウン組織は、トップが狂うと暴走する。自立分散型ネットワーク型組織がいい。それぞれが考えて連携しながらやっていけば、穏当で最適で正しい解決方法につながる。考えてくれる人を大事にするのが良い組織です。

前川 それぞれの組織の中のポジションに、一定の自由度や裁量はある。それぞれの頭で考えれば、組織もうまく回っていく。

     (加計学園問題をめぐり記者会見する前川喜平さん。
      「あったものをなかったことにできない」と証言した=東京・霞が関で)

吉原 みんなが考えていく組織、そういう組織人にならないと。面白くないから辞表を突きつけて辞めちゃうというのは、一見かっこいいようだけど負け。なんとか踏みとどまって、正しい組織運営のために努力しなきゃ。前川さんの言っている面従腹背が正しい組織人としてのあり方だ。

前川 そうだけど、かなり面従ばっかりしていた気もしますよ。今はメディアがねえ。東京新聞は何でも言える社風があるようだけれど、メディアが歯切れ悪くなり、権力に忖度(そんたく)する状況が出てくれば、国全体がおかしくなってしまう。

吉原 うちの会社は五権分立でやっている。台湾は五権分立。司法・立法・行政の三権分立だけでは、バランスを保てない。行政に当たる執行、国会に当たる取締役会あるいは株主総会、それらを統合する内部管理がある。さらに人事権を独立させ、外部監査を付けて監査役が監視する。この五権をしっかりやれば、均衡ある組織運営ができる。

前川 日本国憲法の中にも会計検査院という独立の組織がある。憲法上の組織ではないが、人事院もある。この会計検査院と人事院の地位が低下している。

吉原 国会が組織を作ればいい。例えば原発事故の時の事故調査委員会。政府から独立した指揮命令系統で動かすことで、議論の余地を作ることが大切です。

前川 六年半かけて、中央省庁の幹部を官邸の言うことを聞く人間ばっかりにしたから、下のレベルまで忖度感情の分厚い層ができちゃっている。それをちゃんと自分で考える人間に入れ替えていくのは、かなり時間がかかると思います。

吉原 ところで道徳の復権が叫ばれていますけど、道徳教育を押しつけちゃダメだと前川さんは言う。じゃあどうしたらいいのか。

前川 基本は自分の命を大切にすること、自分らしい生き方を大切にする自主性を持つこと。自分が大切だと思わなければ、人を大切に思わない。今の道徳教育が目指すのは滅私奉公で、自分を犠牲にしなさい、自分を抑えて全体の役に立つ人間になれという方向性を持っているが、危ない。全体のために抑圧された人間は、今度はより弱い人間を抑圧する連鎖が起こる。昔の軍隊みたいに。
 今の道徳教育をやっていくと、若い人はむしろ逃避する方向に行くと思う。ここ数年、実は不登校が増えている。どうやら学校が息苦しい場所に戻ってしまっている。いったん校則が緩まったけど、また厳しくなった。改正教育基本法第六条に「規律を重んじる」って条項が入って、後押しになった。規律を守れ、自分を抑えて全体に奉仕せよという、上からの道徳です。

吉原 権力を握っている人の了見が狭いって言うか。なんとかしなくちゃって思い、品川区(東京)と一緒にこども食堂を開いた。

前川 こども食堂とか夜間中学に出入りしていると、地域の力って捨てたもんじゃないと思います。お金にならないけど、それを喜んでやっている。労力で協力する人もいれば、お金で協力する人もいる。品川区のこども食堂は、ふるさと納税を使って支援している。返礼品じゃなくて、子供たちの喜びがお返しです。

連載<親友対談 しなやかな反骨>(1)前川さん「三位一体改革に反対 クビ飛んでもいい」 吉原さん「官僚なのにこんなブログ書いていいの」 
連載<親友対談 しなやかな反骨>(2)吉原さん「多様性が組織生かす」 前川さん「いろんな意見大切」
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019080202000128.html

<親友対談 しなやかな反骨>(4) 元文科次官・前川喜平さん×城南信金顧問・吉原毅さん
2019年8月2日 朝刊

     (若き前川喜平さん(右)と吉原毅さん(左)。英国駐在中の前川さんを
      吉原さんがビジネススクールの卒業旅行で訪ねた=吉原さん提供)

 二人は、麻布中学・高校の同級生で、ともにラグビー部で過ごした仲間。「しなやかな反骨」の根っこは「麻布のDNA」だ。

前川 僕は奈良の田舎の出身。小三で東京に引っ越したけど、東京の子供のリズムについていけず、不登校になった。六年になったころ急に親が麻布中学を受験してみたらと言うので、バタバタと勉強した。

吉原 僕は、もともと大田区の蒲田の梅農家です。蒲田は梅の名所で、梅を集めて作ったのが梅屋敷。麻布学園は、城南地区出身が多い。近所の兄ちゃんとかがいて親しみがある。

前川 弁当は休み時間に食べちゃう。売店で毎日、あんパンを買って食べた。中一か中二のころついたあだ名が、あんパンだぬき。

吉原 育ち盛りだからね。購買所のパンで足りなくて外で焼きそばを食べたり、一日五食ぐらい。中三でラグビー部に入った。青春と言えばラグビーという時代。あこがれますよね。

前川 僕は中二から。しばらく部活をせずにボーッとしてましたけど、授業で麻布ボールっていう麻布独自の球技をやって、その発展上にラグビーがあった。

吉原 前川さんとは体格が同じぐらいだったから「君たちはフォワードのロックね」と言われて…。

前川 スクラムの二列目です。プロップというでっかいのが二人、真ん中に足でボールをとるフッカー。その三人のお尻の間から頭を入れて押すのがロック。

吉原 展開するバックスがヒーローで、フォワードは裏方。裏方でも前の三人がかっこいいけど、後ろになると全然目立たない。

前川 勝った記憶がほとんどない。ラグビー部をつくって最初の練習試合に選んでくれた学校には勝った。

吉原 前川さんは寡黙なイメージ。テレビで見て、こんなにしゃべるのかと思った。当時は深い言葉をぼそっと言うような感じで。

前川 少しずつ外交的になってきた。中学、高校はおとなしい少年だった。

吉原 前川さんはいつも体操服。男子校って、バンカラでオッケー。共学校だと女性を意識するけど、みんなバンカラで気楽だった。

前川 吉原さんは紅顔の美少年。もう一人吉原がいてきれいな吉原と、そうでない吉原と言われていた。

吉原 「ラグビーは男のスポーツ」、この一言でなかなかやめられなくて。試合では、体格のいい選手が突っ込んでくる。左右を見ると、おまえが守るしかないと目でサインしてくる。しょうがないから、真っ正面で膝から太ももあたりを目がけてタックルする。目をつぶって。止めることはできた。勇気というほどではないけど、自己犠牲。

前川 ラグビーで身に付けたものは、何だろう。負け続けても続ける粘り強さが面従腹背につながっているのかも。麻布中高で過ごした六年は、貴重な時間だったのは間違いない。僕らの時代は紛争の真っ最中。その中で人間形成をしたのは得難い経験だった。

吉原 校長室を友達が占拠したことも。早熟な先輩たちが建国記念日制定の年、反対のデモをしたいという話から紛争になった。建国記念日は戦前回帰の動きだろうとあおって。われわれは遠巻きに見ていた。

前川 僕はノンポリ。今だったらデモに参加しているかもしれないけど。
 高校生のとき、音楽の先生が、きょうは君たちと話し合いたいと言って朗読したのが、宮沢賢治(*1)の「生徒諸君に寄せる」という詩。「本気になって取り組めば、未来が開けてくる」というメッセージをくださった。読むと、未来に向かって生きていこうという気になる。あれは、僕のその後の人生をけっこう決めている。人間には何げない一瞬がものすごく大事なことがある。僕の場合は、音楽の先生の賢治の詩。

吉原 高二の文化祭の時、機動隊が学内に入り、仲間が蹴飛ばされた。次に放水が来る。ここで逃げるわけにはいかない。ラグビー精神ですよ。ワン・フォー・オール。迷ったときは傍観者はだめ。そういうことはラグビーから学んだ。

前川 「いちご白書」(*2)の世界みたい。僕は校庭の端っこでフォークダンスをしていた。女の子と手をつなぐチャンスで。傍観者にもなっていない。
 ぼんやりした夢は、小説家か物理学者。宮沢賢治を読んでいると、宇宙がたくさん作品に出てくる。宇宙を知りたい気持ちと、人間の世界に入っていきたいという気持ち。仏教の本を読んでいたから、仏教を通じて真理に迫りたいとも。国家公務員になりたいなんて全然考えてなかった。

吉原 ラグビー部でもプラトンとか仏教の本を読む友達がいて、いろいろ個性を持っていた。旧制高校ほどデカンショ(*3)してたか分からないけれども。いろんな人たちがいるのが麻布の面白さ。目先の損得を考えるんじゃなくて、理想とか理念とか、そういったものに関心を持ってる人が多かった。最近ラグビー部の友達に会ったら、言うんだ。「麻布は結局、倫理の学校だよな」って。 =おわり

<親友対談 しなやかな反骨>(1)前川さん「三位一体改革に反対 クビ飛んでもいい」 吉原さん「官僚なのにこんなブログ書いていいの」 
<親友対談 しなやかな反骨>(2)吉原さん「多様性が組織生かす」 前川さん「いろんな意見大切」
<親友対談 しなやかな反骨>(3)吉原さん「辞めてしまうのは負け」 前川さん「ヨットは逆風でも進む」

*1 詩人、童話作家。1896~1933年。

*2 米コロンビア大の学生運動を描いた米作家ジェームズ・クネンのノンフィクション。1970年に映画化された。

*3 デカルト、カント、ショーペンハウアーの三人の哲学者の名前を合わせた呼び名。



https://youtu.be/JAzRZSvdWoo
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コメント
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●《平和なアジアという井戸…先人の掘った井戸の水を濁らせている》人々…企画展「表現の不自由展・その後」を破壊

2019年08月06日 00時00分07秒 | Weblog


沖縄タイムスの【社説[愛知芸術祭 企画展中止]脅迫こそ批判すべきだ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/454271)。
阿部岳記者による、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]あらがう限り、自由は死なず】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/454268)。

 《憲法が保障する表現の自由不寛容な現在の日本の空気を映し出すことになった》。
 《▼名古屋市の河村たかし市長には不快だったようだ。作品の評価は人それぞれ、自由である。しかし、芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」会場から撤去を要求するのは鑑賞や議論の機会を根こそぎ奪う行為で、間違いだった…そして表現の自由は、圧迫にあらがう者がいる限り死なない何度でも声を上げよう生きるために。(阿部岳)》。

   『●『「反日」とは何か ~中国人活動家は語る~』読了(3/3)
    「彼らや元戦犯が、格言 (p.137) に云う「井戸を掘った」。しかし、
     「小泉純一郎や安倍晋三など、…アジア諸国民からの批判に開き直る
     一群の政治家…、日本人として空しい。
     彼らに、そもそも平和なアジアという井戸を掘る意思があるのかどうか、
     疑わしい。むしろ、…彼らは先人の掘った井戸の水を濁らせているのだ、と」」

   『●「平和なアジアという井戸を掘る意思があるのかどうか、疑わしい」
    《河村たかし市長は、友好都市である南京市の共産党幹部が
     訪問した際に「南京大虐殺は無かったのではないかと発言した

 「平和なアジアという井戸を掘る意思」など微塵も無し。「平和なアジアという井戸…先人の掘った井戸の水を濁らせている」醜悪な人々。脅迫者・テロリスト、お維なヒト名古屋市長最低の官房長官、そして、札幌など参院選ではあれだけアベ様に〝忖度〟して大活躍だったのに、今回は、な~んにもしない警察。市民の表現の自由言論の自由を踏みにじって止まない愚者たち。

 リテラの記事【「あいちトリエンナーレ」“慰安婦像展示”への攻撃・圧力は、表現の自由の侵害であり、作品の本質を歪曲するフェイクだ】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4880.html)によると、《河村たかし名古屋市長といえば、慰安婦問題を否定する言動を繰り返すほか「いわゆる南京事件はなかったのではないか」と発言するなど、バリバリの歴史修正主義者だ。松井代表から連絡を受けた河村市長は2日、「表現の不自由展・その後」を視察した後、「平和の少女像」の展示を即刻中止するよう大村秀章愛知県知事に申し入れると…》
 大阪市長を含め、元大阪「ト」知事や現「ト」知事など、本件でも、お維関係者のあまりの酷さ…。

   『●コノ「お維」話は際限が無いな…自民党のウルトラ差別主義者に
                      呆れつつ、お維の《差別主義者》も酷いね

   『●《○○しかいない》お維の《言論の自由…憲法に反する発言を
              言論府が放置することこそ自らの首を絞める行為》

 日刊スポーツの記事【大村知事、河村市長の展示中止発言は憲法違反の疑い】(https://www.nikkansports.com/general/news/201908050000369.html)によると、《河村たかし名古屋市長が求めたことに関し、「表現の自由を保障した憲法21条に違反する疑いが極めて濃厚ではないか」と批判した。知事は「公権力を行使する人が内容にいい悪いと言うことは検閲ととられても仕方ない」と市長の対応に苦言を呈した。また、「税金を使っているから(やっていいことの)範囲が限られるというのが最近の論調だが、全く逆ではないか」と指摘。公権力こそ表現の自由を守るべきだとした上で「気に入らない表現であっても受け止めるのが憲法の原則ではないか」と話した》。
 ならば、《中止》してはいけなかった。《中止》せずに、踏ん張っていれば、知事をもっと見直したのにな…。

   『●相変わらず辛辣な・・・
    「…〝影の内閣〟に取り込もうとしている「若い世代の論客」って、
     まさか小泉ジュニア山本一太氏、大村秀章氏…なんて言わないでしょうね?」

   『●正気ですか?
    《大村氏公約に「中京都構想」 県と市を再編 愛知知事選 
     …愛知県知事選に立候補するため自民党に離党届を提出した
     大村秀章衆院議員》

   『●小皇帝知事と連携を模索する政治家のセンスを疑う
    《また、石原新党が大阪維新の会を率いる橋下徹大阪市長や、
     大村秀章愛知県知事と連携する可能性についても…》

   『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?
   『●アベ様や自公お維も厭、小池氏やトファ・キトも嫌…
       民主主義・平和主義を愛する「こんな人」達が結集を!
    「東京新聞の記事【衆院選の連携で3知事が会見へ 
     30日夕、小池、松井、大村氏】…によると、《松井一郎大阪府知事
     大村秀章愛知県知事…。希望の党の細野豪志元環境相は日本維新
     ついて「政策的な部分での親和性は相当ある」と共同歩調を取る可能性
     に言及》。…それにしても、「親和性の相当ある」癒党お維や大村知事、
     ここに名前は出ていませんが、河村たかし市長…と共同歩調。先に、
     匂い・腐臭を嗅ぎつけて寄ってきた(あえて差別する…真の意味で
     「キ」「ト」な)中山恭子氏や中山成彬元文部科学相…。」

 根っこは一緒。リテラの記事【まるで戦争前夜! 安倍政権「韓国ホワイト国除外」に快哉叫ぶマスコミ、八代弁護士は朝日と韓国2紙を「反日三羽烏」と攻撃】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4882.html)によると、《「語弊があるかも」どころの話ではない。アメリカが仲裁に動いているという情報を伝えただけで反日呼ばわりとは、完全にネトウヨ脳みそが戦前に戻っているとしか思えない。が、さらに八代氏は続けて安倍政権を賞賛した》。
 韓国とのケンカでアベ様の内閣支持率は上がった模様。クダラナイ。北朝鮮のミサイル騒動では、Jアラートなどで支持率を集め、どこぞの誰かがおカネ儲けをしたのでしょう。アタマを抱えてしゃがみこまされ、竹やり的発想で笑いもの。今回は、北朝鮮から、ターゲットを韓国にチェンジ。なぜかって? トランプ様のご機嫌伺い。でも、韓国とのケンカでは経済的にニッポン市民やニッポン企業が痛い目にあうことでしょう。虚しい。愚かな政府。愚かな取り巻き連中。世界の物笑いだ。

   『●イラク人女性: 「自衛隊を派遣した日本にも、
           (この事態を引き起こした)責任がある」
    「『マガジン9』…【この人に聞きたい/綿井健陽さんに聞いた日本が
     支持したあの戦争はイラクに何をもたらしたのか】」
    《綿井 特に、「いまいる場所から声をあげること」、それが大事です。
     一事が万事だと思っています。
       今、仲間と「表現の不自由展」という催しを企画しています(来年1月に
     都内ギャラリーで開催)。映画でも写真でも、過去に上映中止、展示中止に
     なったさまざまな作品を集めて、それを公開しよう、という試み…》

 レイバーネットの記事【「表現の不自由展・その後」の一方的中止に抗議する〜実行委員会の声明】(http://www.labornetjp.org/news/2019/1564882888967staff01)によると、《あいちトリエンナーレ2019実行委員会会長の大村秀章知事と津田大介芸術監督が、「表現の不自由展・その後」を本日8月3日で展示中止と発表したことに対して、私たち「表現の不自由展・その後」実行委員会一同は強く反対し、抗議します。本展は、ジャーナリストである津田大介芸術監督が2015年に私たちが開催した「表現の不自由展」を見て、あいちトリエンナーレ2019でぜひ「その後」したいという意欲的な呼びかけに共感し、企画・キュレーションを担ってきました。今回、電話などでの攻撃やハラスメントがあり、トリエンナーレ事務局が苦悩されたことに、私たちも心を痛め、ともに打開策を模索してきました。しかし、開始からわずか3日で中止するとは到底信じられません。16組の参加作家のみなさん、そして企画趣旨に理解を示してくださる観客のみなさんに対する責任を、どのように考えての判断なのでしょうか。今回の中止決定は、私たちに向けて一方的に通告されたものです。疑義があれば誠実に協議して解決を図るという契約書の趣旨にも反する行為です。(実行委員会の声明) 続き日本ペンクラブ声明VAWW RAC抗議文中止への疑問MICの声明》。

 脅迫者・テロリストに便乗し、《圧力をかけ攻撃を煽った》醜悪な政治屋。
 再び、リテラの記事【「表現の不自由展」中止で謝るのは津田大介じゃない! 圧力をかけ攻撃を煽った菅官房長官と河村たかし市長だ】(https://lite-ra.com/2019/08/post-4884.html)より、《芸術監督を務める津田大介も会見を開き、こう謝罪した…「電凸で文化事業を潰すことができてしまうという成功体験、悪しき事例を今回、作ってしまった表現の自由が後退する事例を作ってしまったという責任は重く受け止めている」 一方、この突然の中止決定を受け、「表現の不自由展・その後」実行委員会(アライ=ヒロユキ、岩崎貞明、岡本有佳、小倉利丸永田浩三)が3日夜に会見。中止決定が「一方的に通告されたもの」と明かしたうえで、こう強く抗議した。「圧力によって人々の目の前から消された表現を集めて現代日本の表現の不自由状況を考えるという企画を、その主催者が自ら弾圧するということは、歴史的暴挙と言わざるを得ません。戦後日本最大の検閲事件となるでしょう。私たちは、あくまで本展を会期末まで継続することを強く希望します。」(声明文より)…。しかし、だとしても、一番の問題は大村知事や津田氏ではない。ネットでは、津田氏に対して「覚悟が足りない」などとしたり顔で批判する声が溢れているが、そもそも「ガソリンで火をつけられる覚悟や対策をしないと自由にものが言えない国」なんて、まともな民主主義国家ではないだろう。今回の問題でもっとも批判されなければならないのは、卑劣なテロ予告者であり、検閲をちらつかせてそうした動きを煽った、政治家連中ではないのか…■河村市長、菅官房長官の扇動、そしてテロ予告を放置した警察 …■テロを非難しなかった安倍、菅、逆に主催者に謝罪を要求した河村》。


 以下は、弁護士・渡辺輝人さんの一連のツイート(午前10:04 · 2019年8月5日):

・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・
渡辺輝人@nabeteru1Q78
表現の自由は、本質的に、個人(国民に限らない)が国家に対して有するものだ。個人対個人や、権力を持たない団体対個人の言論の応酬は、むしろ、表現の自由によって守られるべきもの。

以下は事実関係が確定しない仮の話。
官房長官が支給決定済みの補助金についてあれこれ言う→表現の自由侵害
市長が展示内容にクレームを付け謝罪を求める→表現の自由侵害
脅迫を受けた知事が毅然とした対応をとらず主催者に中止を促す→表現の自由侵害の疑い

これに対して、民間人が展示内容を酷評したり、主催者にクレームを入れたり、反対するデモをしたり、ボイコットを呼びかけたりするのは、すべて表現の自由の範疇。しかし、ガソリンを撒くと予告するのは、脅迫罪という立派な犯罪。

特定の作家の作品の不買運動も、女性団体がミリタリー化した児童書について、出版社にクレームを入れるのも、全て表現の自由の範疇。

限界事例は、ヘイトスピーチのデモをカウンターが路上で圧倒する事例。正当な表現活動に対する抗議(これも表現活動)が度を過ぎれば、脅迫や威力業務妨害になる可能性はある。一方、ヘイトスピーチは違法行為なので、そもそも正当な表現行為として保護されない可能性が高い。

あと、派生する話題だが、自衛隊の広報展示には、表現の自由はない。行政=権力そのものだから。

一方、そういう展示をする自衛隊に対して市民がクレームを入れる表現の自由は最大限に保障される。

ヘイトスピーチについては、後ろに続けて書いてあるのでそちらを読んでください。ヘイトスピーチのヘイトスピーチたる所以は、それが違法行為であることです。名誉毀損にわたる作品と同様に、表現の自由の範疇から除外されます。もちろん、線引きは微妙なので、難しい問題を含んでいます。

我が国におけるヘイトスピーチの定義は「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」で以下のように定義されている。

「この法律において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。」

これ以外の文脈の言論を、自分が気にくわないからと言って「ヘイトスピーチ」と言ってみても、それはヘイトスピーチではない。
・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・ - ・


 最後に、東京新聞のコラム【筆洗】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019080502000156.html)によると、《▼革新的な芸術は世間に対し、いつだって挑発的で見る人によっては不快なものかもしれない。そうでなければ新しさも衝撃も生まれない。「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」。わずか三日で中止に追い込まれた▼旧日本軍の慰安婦を象徴する少女像などの展示への批判が続出。テロをにおわせる脅迫を前にし、幕を下ろさざるを得なかったか▼物議を醸す作品に対して見る者の賛否が分かれるのは自然なことである。気に入らぬ作品を批判するのも自由だが、卑劣な手段で展示そのものを妨害するやり方は一方的な口封じに他ならぬやすやすと表現の自由が傷つけられた。そういう時代が息苦しい▼この顛末(てんまつ)自体が日本という画布に描いた一つの作品なのだろう。不気味な色調の作品の題名は不寛容か。二度と見たくない。》
 醜悪な政治屋と脅迫者・テロリスト。あれだけアベ様に忖度するのに、今回、何もしようとしない警察。アベ様らの言論には大いに《寛容》で、警察が過剰に忖度して〝取り締まる〟。北朝鮮の「キ」の字、中国の「チ」の字、韓国の「カ」の字…でもニッポン市民が口にしようものなら、大変な《不寛容》な仕打ちが待っている、《二度と見たくない》醜悪な社会。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/454271

社説[愛知芸術祭 企画展中止]脅迫こそ批判すべきだ
2019年8月5日 07:27

 憲法が保障する表現の自由に不寛容な現在の日本の空気を映し出すことになった

 愛知県で1日から始まった国内最大規模の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の実行委員会は、企画展「表現の不自由展・その後」を中止すると発表した。

 企画展では元「従軍慰安婦」を象徴した「平和の少女像」や昭和天皇とみられる人物、憲法9条をテーマにした俳句など国内の美術館などで撤去されたりした作品群を展示。表現の自由を巡る現状を考え、議論のきっかけにしようというのが趣旨だ。

 2017年にうるま市で開かれたイベントで、米軍機墜落事故をモチーフにし、一時非公開になった「落米のおそれあり」も含まれていた。

 開幕から2日間で抗議の電話やメールは計約1400件に上ったという。主催する実行委会長の大村秀章愛知県知事は「テロや脅迫ともとれる抗議があり、安全な運営が危ぶまれる状況だ」と説明。「ガソリン携行缶を持って(会場の)美術館に行く」と、京都アニメーション放火殺人事件を連想させる内容のファクスも届いたという。

 抗議の半数が平和の少女像に関するもので、泥沼化に陥っている日韓関係が影響しているとみられる。

 表現の自由は民主主義を支える基盤だ意見の違いを尊重し合うのが民主主義社会のあるべき姿である

 暴力的な言葉を投げつけ、企画展を中止に追い込むのは卑劣極まりない。とうてい許されるものではない。

    ■    ■

 自由な表現活動を抗議や脅迫から守るのが本来の行政や政治家の責務である。

 逆に会長代行の河村たかし名古屋市長は企画展の視察後、大村知事に抗議文を出し、少女像などの展示中止を求めた。政治的圧力である。

 芸術祭は文化庁の補助事業で、菅義偉官房長官は慎重に判断する考えを示した。憲法の検閲は、これをしてはならないに反しかねない。菅氏はテロ予告や抗議に対してこそ強く批判すべきである。

 芸術祭の芸術監督でジャーナリストの津田大介さんが話すように、行政は「表現の現在を問う」という趣旨を認めたものだ。内容に介入するのは好ましくないとの大村知事の立場は当然である。

 津田さんは「物議をあえて醸す」と言っており、抗議は予想できたはずだ。警察に依頼するなど万全な対策をした上で、大村知事も毅然(きぜん)と対応すべきだったのではないか。

    ■    ■

 「表現の不自由展・その後」は15年に東京で開かれた小規模な展覧会「表現の不自由展」が原形である。日本の「言論と表現の自由」が脅かされているのではないか、との危機感から始まった。

 今回の企画展は、その続編の位置付けだ。中止になったことで不自由展がまた一つ重ねられ、日本における表現の自由の後退が国際社会に示されたと言わざるを得ない。

 主義主張は違っても、作品によって喚起される問題を自由闊達(かったつ)に議論すること。これこそが健全で民主的な社会だ。表現の自由を萎縮(いしゅく)させ、奪う社会は極めて危険だ
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/454268

[大弦小弦]あらがう限り、自由は死なず
2019年8月5日 07:29

 「平和の少女像」のまなざしを、なぜこれほどまでに恐れるのか。日本軍「慰安婦」の加害に向き合う勇気さえあれば、その理由はない

▼名古屋市の河村たかし市長には不快だったようだ。作品の評価は人それぞれ、自由である。しかし、芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」会場から撤去を要求するのは鑑賞や議論の機会を根こそぎ奪う行為で、間違いだった

▼河村氏は税金投入を挙げ、「日本の主張と違う」と述べた。税金はみんなのお金で、公職はみんなを代表する。だから他者の人権を脅かさない限り、意見の多様性をむしろ奨励する義務がある。社会を時の政権の主張一色に染めるのは危険なだけで、公益ではない

▼事務局には匿名の脅迫が相次いだ。河村氏はそれを批判するのではなく、逆に唱和するように振る舞っ。少女像を含む企画展の中止が決まった後も、展示関係者に謝罪を求めた

▼企画展のタイトルは「表現の不自由展・その後」。権力と匿名の悪意が結びついた現代日本の息苦しい言論状況を可視化することになった

▼開催は無謀だったという論評もある。だが、予定調和の芸術が人の心を揺さぶることはまずない。批判や挑戦は芸術の大切な要素である。そして表現の自由は、圧迫にあらがう者がいる限り死なない何度でも声を上げよう生きるために。(阿部岳
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●同様に、「この28年間の変化は法人税が6兆円…所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ」

2019年08月05日 00時00分40秒 | Weblog

[※ 消費税が増えただけ… 《大企業や富裕層が受ける減税の恩恵を、消費税が穴埋めしている》にすぎない(東京新聞 2019年7月11日)↑]



2019年7月参院選前の東京新聞の小倉貞俊記者による記事【<参院選 くらしデモクラシー>首相「バブル期超え 最高税収」PRするけど… 主因は消費税 所得税は減収】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019071102000130.html)。

 《安倍晋三首相が参院選の演説でアピールする「過去最高の税収」が話題だ。「経済を強くした」という実績を訴えているようだが、専門家からは「安倍政権下で消費税率を8%に上げたことを忘れているのか」といぶかる声が続出。過去最高の税収の実態はどうか》?

   『●「この27年間の変化は法人税が9兆円…
      所得税が4兆円減り、消費税が14兆円増えたことだけなのだ」
    「週刊朝日のコラム【室井佑月「消費税の嘘」】…。
     《植草一秀さん…。税収規模、1989年度54.9兆円→2016年度55.5兆円。
     ただ、税収の内訳、構造が変わっている。所得税は21.4兆円→17.6兆円に。
     法人税は19.0兆円→10.3兆円。消費税は3.3兆円→17.2兆円と
     <この27年間の変化は法人税が9兆円減り、所得税が4兆円減り、
     消費税が14兆円増えたことだけなのだ>》」

 《この27年間の変化は法人税が9兆円…所得税が4兆円減り、消費税が14兆円増えたことだけなのだ》。同様に、この28年間の変化は法人税が6兆円…所得税が6兆円減り、消費税が13兆円増えたことだけなのだ

   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 安倍一強に赤信号」
        でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?

 斎藤貴男さん、(消費)税率を上げても「「スウェーデンのような高福祉国家を目指すんだ」なんて、誰も言わない」。だって、消費税で〝没収〟された血税は、大企業の法人税や大金持ちの所得税の埋め合わせに使われたにすぎないのですもの。《そもそも消費税の増税は、不足する社会保障費に充てるのが本来の目的だったはず》(鈴木哲夫さん)…これはどうなっているのか? 《荻原博子さんも「大企業や富裕層が受ける減税の恩恵を、消費税が穴埋めしている…」》と。
 「輸出戻し税」や「仕入れ税額控除」…どれ一つとっても、最悪な税制。
 消費税制についてあまり語られないこと…斎藤貴男さん《「仕入れ税額控除」の悪用により脱税。「正社員らに支払う「給与」」が仕入れ税額控除の対象。「いわゆる格差社会、ワーキング・プア問題の重要なテーマである非正規雇用は、他ならぬ消費税が拡大させたという現実をご存じだろうか」》? 非正規雇用は、《他ならぬ消費税が拡大させた》のだ。《派遣に切り替えると合法的に節税できる消費税》。大企業や金持ちにカネが集まるようにおプログラムされた最悪な税制。

   『●『消費税のカラクリ』読了
   『●オメデタイ発想=「輸出企業は下請けなどから部品を
         仕入れる際に消費税を支払っている」・・・訳がない?』 

   『●「政治献金は社会貢献だ」: アベ様が辺野古や
        原発の「地元」でやっていることを支持=「社会貢献」?

   『●しつこく消費税増税反対
   『●消費税増税、やってはイケナイ:
        斎藤貴男さん名著『消費税のカラクリ』から学ぶ

   『●内部留保と消費税増税:
       雇用「数」増加で誤魔化す雇用形態の「質」の劣化

   『●弱き者から税を獲れ!?
     「法人税を納めている企業が3割未満という現状」と消費税増税

   『●消費税増税: かたや大企業は「不労所得」を得ているわけ!
   『●消費税と朝日新聞:
        大企業の代弁者のようなことをマスコミがすべきではない

   『●消費税・・・「あってはならない税制、許されない税制、
             払えない人間は・・・死ねっていうような税金」
   『●《消費増税…2兆~3兆円を増税対策に計上する構想》
            …《企業救済策に消費税を流用》…《本末転倒》
   『●《きちんと怒り、過ちを正す。私たちは納税者としても
         プロになる必要があるのかもしれない。(阿部岳)》
   『●GDP600兆円へ忖度…《アベノミクスの成果が数字に出ない、 
                     ならば統計のやり方を変えればいい》!?
   『●GDP600兆円へ忖度…アベ様のドアホノミクスな
       ニッポン《GDP統計は鉛筆をなめなめつくっている》
   『●《経済の素人》ても分かる《無理筋な政策》…
      バ「ズ」ーカたちによるドアホノミクスの《虚像と実像》
   『●アホらしき税収不足! 日本の「報道の自由度」72位で、
               「パナマ文書を調査しない国は…と日本くらい」
   『●薔薇マークキャンペーン《消費税増税凍結
       (むしろ…5%に減税することを掲げる…)》…むしろ消費税制廃止を

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019071102000130.html

<参院選 くらしデモクラシー>首相「バブル期超え 最高税収」PRするけど… 主因は消費税 所得税は減収
2019年7月11日

     (4日、参院選公示の第一声で「過去最高の税収」とPRする安倍首相=福島市で)

 安倍晋三首相が参院選の演説でアピールする「過去最高の税収」が話題だ。「経済を強くした」という実績を訴えているようだが、専門家からは「安倍政権下で消費税率を8%に上げたことを忘れているのか」といぶかる声が続出。過去最高の税収の実態はどうか。 (小倉貞俊


 参院選公示日の四日、安倍首相は福島市で臨んだ第一声で「経済を強くしていけば税収だって増えるんですよ。税収は今年、過去最高になった」「あのバブル時代も超えたんです」と左手を広げて強調した。

 確かに、財務省が二日に発表した二〇一八年度の一般会計決算概要では、税収総額は六十兆三千五百六十四億円と、二十八年ぶりに過去最高を更新。ピークだったバブル期の一九九〇年度(六十兆一千五十九億円)を超えている。

 これは「強い経済」によるものなのか。内訳を見てみると、消費税収入が増えた半面所得税と法人税はむしろバブル期よりも減っていた。九〇年度と比べると一八年度の法人税と所得税は六兆円ずつ低く低所得者ほど負担が多くなる消費税十三兆円も増加。税収の構成比は、四割だった所得税収が三割にまで落ち、一割に満たなかった消費税収が三割を占めるまで膨らんだ

 バブル期と違うのはそれぞれの税率だ。所得税は最高税率が九〇年の50%から45%に法人税も37・5%から23・2%に引き下げられた逆に3%だった消費税率は8%にまで引き上げられている


国税収入の内訳の推移
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/images/PK2019071102100069_size0.jpg

 第二次安倍政権が発足した一二年度と比較すると、税収の伸び率は所得税が四割強、法人税が三割弱だが、一四年に5%から引き上げられた消費税は七割の増加となっている。税収増は消費税頼みの実態がある。

 実際、一日発表の企業短期経済観測調査(日銀短観)では、大企業・製造業の業況判断指数が二期連続で落ち込んでいる。同じく一日に内閣府が発表した、消費者心理を示す消費者態度指数は九カ月連続で悪化しており、個人消費も冷え込んでいる。厚生労働省の九日の発表では、実質賃金も五カ月連続で前年同月比を下回っている。

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫さんは「統計不正をはじめ、安倍政権と関わる数値、データは根本的に問題が多い。数字自体は間違っていなくても、都合の良いところだけをPRする傾向がある」。安倍首相がこの選挙戦で、実質的な年金水準は減っているのに、本年度の年金支給額を0・1%増額させたと訴えているのも、その一つという。「そもそも消費税の増税は、不足する社会保障費に充てるのが本来の目的だったはず。それを『税収が増えた』などと自慢するならおかしな話だ」と話した。

 経済ジャーナリストの荻原博子さんも「大企業や富裕層が受ける減税の恩恵を、消費税が穴埋めしている。総所得が増えてはいるが、働かざるを得ない人が増えただけで、一人一人が豊かにはなっていない。安定して徴収できる消費税は不況にも強く、政権にとって都合がいい。『過去最高の税収』とは言葉のマジックにすぎない」と批判する。
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●《報道機関への圧力やどう喝…タイムスには個別に「情報源を明かせ」》とまで…《脅しに屈してはならない》

2019年08月04日 00時00分06秒 | Weblog


日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/排除、圧力、脅しに屈してはならない】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907260000130.html)。
沖縄タイムスの記事【自民党県連が会見で沖縄タイムスの報道に抗議 識者、報道圧力と指摘】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/449832)。

 《敗因のプロセスを報じる際に表に出ると都合の悪いことが明らかになることへのけん制にしか聞こえず、結果、報道機関への圧力やどう喝と同じ意味を持つ会見ではないか。ましてタイムスには個別に「情報源を明かせ」といったことまで言ったようだ…脅しに屈してはならない》
 《情報源の開示を要求した。特定の報道機関の報道内容に、政党が多数のメディアを対象に会見を開いて抗議するのは極めて異例。識者は「意に沿わない報道を制止させるものだ」として、報道機関への圧力だと指摘…》。

   『●2019年7月参院選、またしても今回も「眠り猫」だった皆さん…
                  〝上手く行った〟メディアコントロール
   『●次の国政選挙に向けて、先ずは脱メディアコントロール…
          2019年7月参院選「あとの祭り」を繰り返さぬために
    《――低投票率が懸念されています。
       ハッキリ言って、みんな政治どころじゃないんですよ。「立憲主義に
     基づいた政治を行う」っていくら訴えても、多くの人はそれどころじゃない
     生活が本当に苦しくて、目の前のことで精いっぱいという声を
     たくさん聞いてきました》

   『●2019年7月参院選、「あとの祭り」…消費増税10%へとなれば、
                   市民の生活は破壊され、同時に、監視社会へ
   『●《安倍首相は改選過半数を理由に改憲議論を…野党に提起》
                 …やはり、自公お維に投票してはイケなかった
    「「与党自公及び癒着党お維の議員をあわせても、参院では、2/3を
     下回り、壊憲の発議は、野党議員が「協力」しない限り出来なくなった
     ことは、良かった」…と思っていたら、キト国民民主党玉木雄一郎代表が
     「生まれ変わった」、アベ様と壊憲の「議論」したい発言と…暴走。あ~ぁ。
     山本太郎さんはやはり賢明だった。
     尊敬する森ゆうこ森ゆう子森裕子)さん、何とかしてほしい」

   『●自民党《2割に満たない支持で5割を超える議席を獲得》…
               「2/4」の眠り猫な皆さんの1/4でも投票に…
   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 
      安倍一強に赤信号」でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?
   ●2019年7月参院選「あとの祭り」…《3分の2割れは
      「独裁政治」を打破する大きな一歩》のはずが。キトが…


 自民党県連の皆さんには、まず、「辺野古とカネ」について御見解をお聞きしたいところ。ついでに、新基地建設の工期と工費も。

   『●「辺野古とカネ」再び…防衛省OB天下り:
      《公平》《公正》、与党・自公や癒着党・お維から最もほど遠い言葉

 《新聞記者はめんどうなことには触れず、避けて書くようになるデスクが物議を醸しそうなら削れと言い出しかねず、世の中の事なかれ主義を助長しかねない》、《意に沿わない報道を制止させるものだ》、《報道機関への圧力》、《報道への不当な介入》。自分たちは散々《事実誤認》、フェイクを振り撒いておきながら。記者に向かって、《情報源の開示を要求》って、正気か?
 アベ様のメディアコントロールを跳ね返す沖縄。沖縄の記者の皆さん、負けないでほしい。《脅しに屈してはならない》。

   『●アベ様の政で唯一〝上手く行っている〟
      メディアコントロール…「一人でも権力に立ち向かう」とはいうものの…

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907260000130.html

コラム
政界地獄耳
2019年7月26日9時23分
排除、圧力、脅しに屈してはならない

★街頭演説にヤジを飛ばしたりプラカードを持っていると警察に排除される。参院選の最中に北海道をはじめ幾つかの首相・安倍晋三の演説中に起きた出来事だ。冷静に見れば組織的なものではない国民の声を“安全上”封殺することの危険性や政府に異議があるだけで取り締まりの対象になる異常性を国民に示した。当然、さまざまな団体が抗議の声を上げたものの、別のニュースにかき消されてうやむやになっていくのだろう。だが、実行した側は「前例」として以前にも排除したが少し騒がれただけで、とりたてて問題はなかったと次の選挙でも同様に、いやそれ以上の実力行使に及ぶかもしれない

★すると今度はその参院選の敗因の分析をした沖縄の琉球新報、沖縄タイムスの記事に対して、惨敗した自民党県連が記者会見まで開いて抗議した。県連会長・中川京貴は「事実じゃないものが多い」とするが敗因のプロセスを報じる際に表に出ると都合の悪いことが明らかになることへのけん制にしか聞こえず、結果、報道機関への圧力やどう喝と同じ意味を持つ会見ではないか。ましてタイムスには個別に「情報源を明かせ」といったことまで言ったようだ。

★県連は「報道に圧力をかける意図は全くない」というものの、会見を開いて抗議という手法を選択している限りその説明は通らない。同時に「そんなつもりはない」と言い続けて、今後は自民党にとって気に入らない報道に同様の抗議の会見を全国で展開する「前例」になりかねない。こんな会見が頻繁に起きると、新聞記者はめんどうなことには触れず、避けて書くようになるデスクが物議を醸しそうなら削れと言い出しかねず、世の中の事なかれ主義を助長しかねない脅しに屈してはならない。(K)※敬称略
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/449832

自民党県連が会見で沖縄タイムスの報道に抗議 識者、報道圧力と指摘
2019年7月25日 04:50

 自民党県連(中川京貴会長)は24日、記者会見を開き、21日に投開票された参院選に関する本紙報道の一部に事実誤認があるとして抗議し、訂正を求めた。また、出席した報道各社に対し、取材を受けた人物名を記事に明記するよう求めるなど、情報源の開示を要求した。特定の報道機関の報道内容に、政党が多数のメディアを対象に会見を開いて抗議するのは極めて異例。識者は「意に沿わない報道を制止させるものだ」として、報道機関への圧力だと指摘した。

     (会見で実名報道などを求める中川京貴会長(左)と
      島袋大幹事長=24日、那覇市久茂地の県連事務所)

 県連が誤認だとするのは、参院選を検証する23日付の本紙1面記事中の「もう、公認を取り消してもいいんじゃないか」との県議の発言。自民党公認の安里繁信氏が、名護市辺野古の新基地建設問題への賛否を曖昧にしていることへの不満が、県連の議員総会で表明されたと報じた。

 中川氏は「議員総会ではその話は出ていない」と述べた。しかし、本紙は議員総会後、複数の県議から発言を確認している。

 県連はさらに、幹部が安里氏の戦略を「大失敗だ」と発言したとの記事内容にも「一部の個人的な意見を掲載することに抗議する」と述べた。この発言は高良鉄美氏の当選が確実になった後、県連幹部が本紙記者に語っていた。

 沖縄タイムス社は「記事は複数の関係者への取材に基づき執筆したもので誤りはない」としている。

 県連の姿勢に専修大の山田健太教授(言論法)は「読者に有益な情報であれば匿名でも報じるべきで、それは報道機関が判断することだ」と述べ、報道への不当な介入に当たる可能性に言及した。

 記者団からは「報道への圧力ではないか」「各社を呼んで会見を開く妥当性はあるのか」などの指摘が上がった。

 会見には県内2紙とテレビ4局、県外3紙と通信社2社が参加した。会場では安里氏の選対関係者もやりとりを確認していた。


自民県連が抗議している記事

>>「公認取り消しても…」自民と公認候補者の溝 自民県連幹部「大失敗」 苦戦の背景 参院選2019沖縄(1) 掲載日2019年7月23日

自民県連との一問一答
>>発言は一議員の非公式的なもの「なぜ個人の意見が記事になるのか」 掲載日2019年7月25日
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●アベ様のノウ内では「壊憲すること」が目的化…飛んで火に入る夏の虫が「ユダの窓」から市民に毒矢を射た!

2019年08月03日 00時00分30秒 | Weblog


リテラの記事【国民民主党・玉木代表が民意を裏切って改憲協力へ! 選挙前から流れていた安倍首相との密約情報はやっぱり事実だった】(https://lite-ra.com/2019/07/post-4867.html)。
東京新聞の社説【週のはじめに考える 民意の「外」から見れば】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019072802000132.html)。

 《選挙が終わって1週間も経たないというのに、さっそくユダが現れた。25日、国民民主党の玉木雄一郎代表が私、生まれ変わりました!」「憲法改正の議論を進めていくと宣言したからだ》。
 《要するに、選挙結果、三分の二がどうあれ、とにかく改憲に突き進む腹づもりだった。だとすれば、もはや首相の視座は選挙-首相の言葉を借りるなら「国民の審判」や「民意」のにある、と考えるほかありません…なぜ国の大事をなすのに「私の任期中」なのか。もはや、なぜ改憲するのかという核心は溶融し、「どう改憲するか」ではなく、ただ自分の手で改憲すること自体が目的になっているように聞こえなくもありません》。

   『●《安倍首相は改選過半数を理由に改憲議論を…野党に提起》
                 …やはり、自公お維に投票してはイケなかった
    「「与党自公及び癒着党お維の議員をあわせても、参院では、2/3を
     下回り、壊憲の発議は、野党議員が「協力」しない限り出来なくなった
     ことは、良かった」…と思っていたら、キト国民民主党玉木雄一郎代表が
     「生まれ変わった」、アベ様と壊憲の「議論」したい発言と…暴走。あ~ぁ。
     山本太郎さんはやはり賢明だった。
       尊敬する森ゆうこ森ゆう子森裕子)さん、何とかしてほしい」

   『●自民党《2割に満たない支持で5割を超える議席を獲得》…
               「2/4」の眠り猫な皆さんの1/4でも投票に…
   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 
      安倍一強に赤信号」でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?
   『●2019年7月参院選「あとの祭り」…《3分の2割れは
      「独裁政治」を打破する大きな一歩》のはずが。キトが…


 キト残党(国民民主党玉木雄一郎代表が「生まれ変わった」、アベ様と壊憲の「議論」したい発言と…暴走。あ~ぁ。山本太郎さんはやはり賢明だった。尊敬する森ゆうこ森ゆう子森裕子)さん、何とかしてほしい。癒着党・お維とまで組むと言い始めているが、正気とは思えない。
 キト残党(国民民主党玉木雄一郎代表、日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え】に関する以下のブログをどうぞ。

   『●《○○しかいない》お維の《言論の自由…憲法に反する発言を
              言論府が放置することこそ自らの首を絞める行為》
   『●《「憲法の議論をする政党か否か」が参院選の争点》…
         アベ様の「壊憲」=「■■■食え」 ⇒ 《「嫌だ」でOK》
   『●《歴史に名前》? 憲法99条無視な違憲な壊憲…
      《この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ》はずのアベ様が…

 《やりたい放題の「独裁政治」》は止まず…。自公お維新やキトに投票してはイケなかったのだ…。
 アベ様の「壊憲」=「■■■食え」 ⇒ 《「嫌だ」でOK》だったはず。「■■■食」うつもり、玉木氏は?

 宮崎駿さんは喝破…《安倍政権について聞かれた宮崎氏は「憲法解釈を変えた偉大な男として歴史に名前を残したいのだと思うが、愚劣なことだ」と、これを厳しく批判した》。《なぜ国の大事をなすのに「私の任期中」なのか。もはや、なぜ改憲するのかという核心は溶融し、「どう改憲するか」ではなく、ただ「自分の手で改憲する」こと自体が目的になっている》…アベ様のノウ内、壊憲が目的化している。そこに、飛んで火に入る夏の虫(=玉木氏)が「ユダの窓」から市民に毒矢を射た!…もう醜悪で、悲惨。

   『●宮崎駿監督は「憲法解釈を変えた偉大な男として
        歴史に名前を残したいのだと思うが、愚劣なことだ」と批判
   『●アベ様は、「政治への強い志も知の蓄積の
      気配すらも見られなかった」(青木理さん)…原点回帰な9条壊憲
   『●壊憲「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、
                   そして、緊急事態条項を絶対に許してはダメ
   『●「改憲自体が目的…首相・安倍晋三が改憲を
       断行したという記念碑的目標」…《愚劣なことだ》
   『●憲法99条無視で、違法に「#選挙妨害を 
      暴力団に発注するアベ様」が9条壊憲を口にする資格はあるのか?
   『●首相の立場で国会で堂々と壊憲を主張…
      それを恥知らずな元防衛相が歯の浮く様な気持ちの悪いおべっか質問

 《さっそくユダが現れた》…『ユダの窓』を思い出した。(Wikipedia)《『ユダの窓』(ユダのまど、原題: The Judas Window)は、アメリカの推理作家カーター・ディクスンジョン・ディクスン・カーの別名義)による推理小説。発表は1938年。ヘンリ・メリヴェール卿ものの長編第7作目にあたる》。選挙前に、リテラが警告していたように、(キト残党+壊憲するではなく「議論する」)『ユダの窓』に気付いておくべきでした。

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https://lite-ra.com/2019/07/post-4867.html

国民民主党・玉木代表が民意を裏切って改憲協力へ! 選挙前から流れていた安倍首相との密約情報はやっぱり事実だった
2019.07.27 09:58

     (「文化人放送局」に出演する玉木代表)

 選挙が終わって1週間も経たないというのに、さっそくユダが現れた。25日、国民民主党の玉木雄一郎代表が私、生まれ変わりました!」「憲法改正の議論を進めていくと宣言したからだ。

 まずは、玉木代表が何を発言したのかを見ていこう。玉木代表が発言をおこなったのは、YouTubeの「文化人放送局」チャンネルが25日に配信した「【緊急特番】吠えろ!玉木雄一郎!!+感想編」という動画でのこと。「文化人放送局」というのは、あのネトウヨ御用達番組『報道特注』をはじめ、極右政治家や論客の動画を配信しているチャンネル。この緊急特番でも玉木代表とともに登場したのは、『報道特注』メンバーの生田よしかつ氏だ。

 極右の巣窟に嬉々として登場している時点で呆気にとられるが、問題の発言は冒頭から飛び出した。動画がスタートすると、開口一番、玉木代表はこんな話をはじめた。

「はいっ。参議院選挙終わってですね、えー、まあ、選挙期間中も私、いろんな声、聞きました。で、反省です! 我々モリカケ問題、これ国会でかなりの時間取りましたから、結果として国政の重要課題について議論する時間が少なくなってしまったこと。そして、それを国民のみなさんに示すことができなかったこと。これは本当に反省しなければいけないと思います。これは本当にお詫びを申し上げたいと思います」

 森友・加計問題は公文書改ざんに政治の私物化という権力腐敗を象徴する事件であり、国会での追及は当然のこと。だが、それを「お詫び申し上げたい」って……。

 そして、玉木代表は、こうつづけたのである。

「その上で、私ね、生まれ変わりました! 安倍総理、たしかに総理の考えと私、違いますけど、憲法改正の議論はしっかり進めていきましょう!」

 絶句とはこのことだろう。言っておくが、今回の参院選で国民民主党は立憲民主党や共産党、社民党など5野党・会派で13項目の共通政策に合意し、統一候補の一本化など共闘野党としてたたかった。そして、玉木代表も合意の署名をおこなった市民連合と5野党・会派の「共通政策」には、1番目にこう書かれている。

《安倍政権が進めようとしている憲法「改定」とりわけ第9条「改定」に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと。》

 つまり、この共通政策のもとで有権者は国民民主党を含む共闘野党候補に投票し、それによって今回の参院選で「改憲勢力」は改憲発議に必要な3分の2議席を割った。だというのに、玉木代表は選挙が終わった途端、「生まれ変わりました!」などと宣い、《改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと》という約束も破棄、よりにもよって自分から安倍首相に「憲法改正の議論を進めましょう!」と塩を送ったのである。これは共闘野党として国民民主党に投票した有権者に対する背信、あからさますぎる裏切り行為ではないか。

 当然ながら、問題の動画が公開されると、SNS上では玉木代表への批判が噴出。国民民主党の党内からも反発が起こり、翌26日には玉木代表も「いままでの考え方を変えて憲法議論に参加すると言ったわけではない」「私がイメージしているのは、まずはやっぱり党首討論」などと釈明をおこなった。

 しかし、この言葉を額面通りに受け取ることは難しいだろう。第一、考え方を変えていないなら、「生まれ変わりました!」などと口にするはずがない。また、国民民主党は選挙公約で〈憲法の議論を進める〉と謳ってはいたが、憲法「改正」の議論とは打ち出していない。玉木代表の「憲法改正の議論を進める」という姿勢の表明は、改憲を目指す安倍首相と同じ土俵に乗ることであり、前述した共闘野党による《改憲発議そのものをさせないために全力を尽くす》という政策に反するものだ。

 そもそも、国民民主党をめぐっては、選挙中からキナ臭い話が出ていた。本サイトでもお伝えしたが、安倍官邸は選挙中から「改憲勢力」の掘り起こしとして立憲民主党と国民民主党が唯一競合していた静岡選挙区で国民民主党から出馬していた榛葉賀津也氏の支援に回っていたと言われている。しかも、菅義偉官房長官は創価学会にまで榛葉支持を働きかけたと複数の関係者が証言(時事通信7月11日付)。榛葉氏は自民党候補とともに見事当選を果たした。

 このように、安倍首相が国民民主党の議員を釣り上げて改憲発議に必要な3分の2議席を確保しようと動いていることは指摘されてきた。だが、まさか党首自ら水を向けるとは……。


■安倍首相と玉木代表の「密約情報」は選挙公示前から流れていた

 実際、玉木代表は、問題の動画で唖然とするようなやりとりをしている。玉木代表が自分から「(安倍首相が)秋波を送ってくれてるのは新聞で見たんですけど」と述べ、そこで生田氏が「でも、下手するとさあ、秋波送ってくれてて、1本釣りされちゃうよ?」とツッコミ。すると、玉木代表は「あはは」と笑って、こんなことを言い出すのだ。

「1本釣りしても意味がない。細野(豪志)さんみたいになっちゃうんで。だから我々、組織として考えをまとめてね、それをきちんと党と党として、最終的には党首と党首として、きちんと話をさせてもらいたいですね」

 これはようするに、改憲に前向きな議員の1本釣りではなく、党全体で釣ってもらうということだろう。

 この玉木代表のわかりやすすぎる態度によって、一体なぜ、安倍首相が今回の選挙戦で「憲法の議論」を訴えつづけたのか、その理由がよくわかった。

 これまでの選挙戦では、安倍首相は街頭演説でけっして憲法改正の話をまったくしてこなかった。それが、今回の選挙戦では、「改憲勢力」3分の2議席確保は難しいのではないかという見方が強かったにもかかわらず、憲法改正の議論を進めようと一貫して声高に叫びつづけた。

 この背景にあったのは、安倍首相サイドと玉木代表の密約だったのではないか。実際、選挙前から安倍首相サイドが玉木代表に改憲論議への参加をアプローチし、好感触を得ているとの情報が流れていた。

 また、玉木代表も共闘野党として共通政策に合意しておきながら、選挙公示日を控えた6月27日公開の『報道特注』に出演。共闘野党の党首が安倍応援団のネトウヨ番組に出演するなんて……と呆れる声があがっていた。

 つまり、今回、国民民主党から申し入れるかたちにしたのは猿芝居で、公示日前の時点ですでに安倍首相サイドがと玉木代表は接触、国民民主党を日本維新の会のような安倍政権をアシストするゆ党にすることを約束していたのではないか。

 だからこそ、安倍首相は3分の2割れが囁かれるなかでも、安倍首相は選挙戦で「憲法改正の議論」というワードを展開し、3分の2割れが確定してもあれだけ余裕綽々な態度でいられたのではないか。


■世論調査で安倍政権に「憲法改正を取り組んでほしい」はたったの3%

 こんな卑劣な“詐欺的手口”で憲法改正の議論を進めていいのか。そもそも、国民が「改憲勢力」3分の2以上を望んでいなかったことは、明白な事実だ。

 現に、選挙後の22・23日に共同通信がおこなった緊急世論調査では、「改憲に賛同する勢力が3分の2の議席を割り込んだこと」について「よかった」と答えたのは29.8%で、「よくなかった」の12.2%の倍以上になった。これは同期間におこなわれた朝日新聞の世論調査でも同様で、改憲勢力が3分の2に届かなかったことに「よかった」と答えた人は43%にのぼった一方、「よくなかった」と答えた人は26%に留まっている。

 さらに、共同の同調査では、安倍首相の下での憲法改正に「反対」と回答した人も56.0%にものぼり、こちらも「賛成」の32.2%を上回っている。

 いや、これだけではない。「安倍政権に取り組んでほしい政策は?」という質問では、決定的な数字が叩き出されたからだ。

 共同の同調査では、「安倍内閣が優先して取り組むべき課題」(2つまで)という質問で、「年金・医療・介護」が48.5%、「景気や雇用など経済政策」38.5%とつづいたが、「憲法改正」と答えたのは最下位の6.9%

 朝日でも「安倍首相に一番力を入れてほしい政策」という質問(5択)では、トップが「年金などの社会保障」で38%、「教育・子育て」23%、「景気・雇用」が17%、「外交・安全保障」が14%とつづき、「憲法改正」はたったの3%でもっとも低い結果に。

 しかも、共同や朝日と同期間に読売新聞がおこなった世論調査でも、「今後、安倍内閣に、優先的に取り組んでほしい政策」(6択)という質問で、「年金など社会保障」41%、「景気や雇用」16%と並ぶなか、「憲法改正」は朝日と同じ、わずか3%。6択中6番目というもっとも低い数字を叩き出しているのだ。

 安倍首相に力を入れてほしい、優先的に取り組んでほしい政策という質問で、共同、朝日、読売で「憲法改正」を挙げたのはたったの1桁台で、すべて最下位を記録する……。この結果がすべてだろう。つまり、ほとんどの国民は、憲法改正の議論など、まったく求めてなどいないのだ

 こうして明確な国民の民意が示されているにもかかわらず、有権者や他の立憲野党を騙して寝返ろうとしている玉木代表……。この裏切り行為には恥知らずと声を大にして言いたいが、それは安倍首相も同じこと。今後、「改憲勢力」を3分の2議席以上に増やし、強引に任期中の改憲へと持ち込む算段だろうが、国民が求めているのは憲法審査会の開催などではまったくない、ということは世論調査によってはっきりした。安倍首相と玉木代表には、「憲法改正はどうでもいいから、社会保障の議論を早く!」という国民の声に真摯に耳を傾けていただかねばならないだろう。

(編集部)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019072802000132.html

【社説】
週のはじめに考える 民意の「外」から見れば
2019年7月28日

 見る場所によって、違うものに見える。そんな視覚トリックのアート作品がありますが、どう見えるかで、どこから見ているかが分かることもあります。

 先の参院選の結果は、安倍首相には、こう見えたようです。

 「少なくとも、(改憲の)議論は行うべきだ。それが国民の審判だ」

 あまつさえ、「この民意を正面から受け止めてほしい」と野党に呼びかけさえしました。


◆米紙「改憲の権限なし」

 根拠は、与党が「勝利」したから、でしょう。確かに、開票日翌日の朝刊各紙一面には、「与党が改選過半数」の大きな見出しが躍りました。

 しかし、もう一つの大見出しは「改憲勢力3分の2割れ」(小紙はそれが一番手)です。衆院に続いて、改憲勢力が三分の二以上を占め、国会での発議ができる勢力になるかどうかが最大の焦点でしたが、そうはなりませんでした。

 さらに、首相の主張の根拠である「勝利」の中身を見ると、少々微妙です。

 選挙区で、首相が率いる自民党は議席の五割以上を獲得しましたが、全有権者に占める絶対得票率は、18・9%にすぎません。しかも、前回参院選から2ポイント以上のダウン。第二次安倍政権発足後に行われた参院選三回、衆院選二回で、二割を切ったのは今回が初めてです。

 こういうデータもあります。

 参院選後の共同通信の世論調査によれば、安倍政権下での改憲に「反対」との回答は56%、「賛成」の32・2%を大きく上回っています。

 また、安倍内閣が優先して取り組むべき課題を二つまで選んでもらった問いでも、「年金・医療・介護」や「景気や雇用など経済政策」が上位を占め、「改憲」は実に、九つの選択肢で最も低い6・9%にすぎなかったのです。

 さて、これでも今度の選挙結果は、改憲議論を行え、という「国民の審判」であり、それが、野党が正面から受け止めるべき「民意」だと、自分にはそう見えると言うのでしょうか。

 「シンゾー・アベは勝利を宣言したが、改憲の権限はなし」。そう掲げた米紙の見出しの方が、よほど素直です。


◆選挙後に「3分の2」

 冒頭、見る場所によって見えるものが変わるアート作品のことを書きましたが、問題は、では、首相はどんな所から、この選挙結果を見ていたのかということです。

 キーワードは、恐らく「議論する」。

 思えば、首相は選挙中、率直に改憲したい、と訴えるより、「改憲を議論する政党・候補か、議論しない政党・候補か」と繰り返していました。仮に改憲勢力が三分の二を割っても、与党が勝ちさえすれば「議論は行うべきだ、が国民の審判」と主張できる-。そう平仄(ひょうそく)を合わせられるよう、周到に練った戦略的修辞だったことがうかがえます。

 要するに、選挙結果、三分の二がどうあれとにかく改憲に突き進む腹づもりだった。だとすれば、もはや首相の視座は選挙-首相の言葉を借りるなら「国民の審判」や「民意」のにある、と考えるほかありません。

 実際、記者会見で首相はこうも言っています。「国民民主党の中には、議論すべきだという方々がたくさんいる」。今後、議論するを誘い水に、何人か(あるいは丸ごと改憲勢力に取り込む戦略です。数議席足りなかった三分の二を、文字通り、選挙=民意ので達成してしまおうというのですから、いうなれば、首相の目に「国民民主」は見えていても、「国民は見えていないということになりましょう。

 そもそも、なぜ改憲しなければならないのでしょう国民から強い要請があるわけではない、どころか、反対が多いのに

 首相は九条に自衛隊を明記するという自民党案について、「それだけにとらわれず、与野党を超えて三分の二の賛同が得られる案を練る」とも言っています。さらに民放番組では、国会発議と国民投票を「私の任期中に何とか実現したい」と。

 なぜ国の大事をなすのに「私の任期中」なのか。もはや、なぜ改憲するのかという核心は溶融し、「どう改憲するか」ではなく、ただ「自分の手で改憲する」こと自体が目的になっているように聞こえなくもありません。


◆間違った立ち位置

 人々の多くが安倍政権に期待しているのは「改憲」、では決してありません。先にあげた世論調査で言えば、最下位の項目です。それが、最優先に見えているのだとしたら、やはり首相の立ち位置、見ている場所が間違っている。民意のにいるからです。
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コメント
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●2019年7月参院選「あとの祭り」…《3分の2割れは「独裁政治」を打破する大きな一歩》のはずが。キトが…

2019年08月02日 00時00分52秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



【金子勝の「天下の逆襲」/改憲遠のき…東京五輪レガシー執着で直面する経済危機】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/258881)。

 《ようやく安倍政権の終わりが始まる。参院選で自公与党と日本維新の会を合わせた改憲勢力が3分の2を割ったからだ》。

 《改憲勢力が3分の2を割った》…はずだったのに。「野党議員が「協力」しない限り」…のはずだったのに。国民の森ゆう子さん、玉木雄一郎氏の暴走を止めてほしい。

   『●2019年7月参院選、またしても今回も「眠り猫」だった皆さん…
                       〝上手く行った〟メディアコントロール
   ●次の国政選挙に向けて、先ずは脱メディアコントロール…
          2019年7月参院選「あとの祭り」を繰り返さぬために
    《――低投票率が懸念されています。
       ハッキリ言って、みんな政治どころじゃないんですよ。「立憲主義に
     基づいた政治を行う」っていくら訴えても、多くの人はそれどころじゃない
     生活が本当に苦しくて、目の前のことで精いっぱいという声を
     たくさん聞いてきました》

   『●2019年7月参院選、「あとの祭り」…消費増税10%へとなれば、
                   市民の生活は破壊され、同時に、監視社会へ
   『●《安倍首相は改選過半数を理由に改憲議論を…野党に提起》
                 …やはり、自公お維に投票してはイケなかった
    「「与党自公及び癒着党お維の議員をあわせても、参院では、2/3を
     下回り、壊憲の発議は、野党議員が「協力」しない限り出来なくなった
     ことは、良かった」…と思っていたら、キト国民民主党玉木雄一郎代表が
     「生まれ変わった」、アベ様と壊憲の「議論」したい発言と…暴走。あ~ぁ。
     山本太郎さんはやはり賢明だった。
     尊敬する森ゆうこ森ゆう子森裕子)さん、何とかしてほしい」

   『●自民党《2割に満たない支持で5割を超える議席を獲得》…
               「2/4」の眠り猫な皆さんの1/4でも投票に…
   『●《むしろ「自民、単独過半数割れ 
      安倍一強に赤信号」でしょーよ。》と報じられない…ズルズル消費増税か?

 《読売新聞はさっそく、安倍首相が、改憲派が存在すると言われる国民民主党に向けて、一緒に「憲法議論をしようではないか」と呼びかけと報じたし、これに呼応するような声も、国民民主党内から漏れ始めている》。お維とご一緒に、なんていう話まで出てくる始末。正気の沙汰ではない。
 キト残党(国民民主党玉木雄一郎代表、日刊ゲンダイのコラム【適菜収 それでもバカとは戦え】に関する以下の二つのブログをどうぞ。

   『●《○○しかいない》お維の《言論の自由…憲法に反する発言を
              言論府が放置することこそ自らの首を絞める行為》
   『●《「憲法の議論をする政党か否か」が参院選の争点》…
         アベ様の「壊憲」=「■■■食え」 ⇒ 《「嫌だ」でOK》

 《やりたい放題の「独裁政治」》は止まず…。自公お維新やキトに投票してはイケなかったのだ…、
 次回こそ、教訓を活かし、次の選挙に向けて一歩づつ。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/258881

金子勝 慶応義塾大学経済学部教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院 博士課程単位取得修了。 法政大学経済学部教授を経て。2000年10月より現職。TBS「サンデーモーニング」、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。『資本主義の克服 「共有論」で社会を変える』集英社新書(2015年3月)など著書多数。新聞、雑誌にも多数寄稿している。

金子勝の「天下の逆襲」
改憲遠のき…東京五輪レガシー執着で直面する経済危機
2019/07/24 06:00

     (やりたい放題の「独裁政治」を打破する大きな一歩/(C)日刊ゲンダイ)

 ようやく安倍政権の終わりが始まる。参院選で自公与党と日本維新の会を合わせた改憲勢力が3分の2を割ったからだ。

 安倍政権が衆参両院で絶対多数を握っていたことで予算委員会が3カ月も開かれなかったモリカケ疑惑で明らかになった国家の私物化、公文書や統計の改ざんもやりたい放題だった3分の2割れは「独裁政治」を打破する大きな一歩だ。同時に、安倍首相の悲願である憲法改正に向けた発議は事実上不可能になった

 安倍に残された目標は来年開催の東京五輪を盛り上げるほかなくなる。今後、公的年金の財政見通しを示す「財政検証」が発表されれば、年金給付削減は現実味を帯びる。金融庁報告書に端を発した老後資金2000万円不足問題は収まりがつかないし、年金受給開始年齢の引き上げもくすぶるだろう。

 アベノミクスの失敗は露見し、いよいよ経済政策は空っぽになる。何より、米中貿易戦争のあおりで、今年の輸出額は7カ月連続で減少し、名目賃金は5月まで5カ月連続でダウンしている。景気が後退局面に入っていることは明らかだ。頼みの輸出がダメになり、賃金は下がり、消費が落ち込む――。そのタイミングで、消費増税の悪影響を免れることができるだろうか。とりわけ重要なのが欧州の動向だ。英国のEU離脱期限が10月末、欧州最大のドイツ銀行は経営危機にあり、イタリアの財政危機も眠っている。消費増税はバッドタイミングとしか言いようがない。

 経済が落ち込めば、世論のみならず、国会も騒がしくなる。参院で3分の2を失った安倍は、解散カードをチラつかせてニラミを利かせることはできないだろう。ポスト安倍をうかがう自民党の岸田文雄政調会長や石破茂元幹事長も黙っていないだろうし、野党は政権構想を打ち出す可能性もある。

 安倍が五輪までしがみつけば、11月20日に在職日数は桂太郎の2886日を抜き、史上最長政権に躍り出る。しかし、延命すれば経済がますますひどい状態に突入するリスクがある。政権を投げ出せば責任を後継に押し付けて逃げられるが、さりとてレガシーにこだわれば、最悪局面に立ち会うことになる。To be or not to beだ。
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