小沢裁判についてのgendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/138841、http://gendai.net/articles/view/syakai/138875)。
検察と検察審査会の猿芝居にあれだけ大騒ぎしたマスコミや民主党・自民党が沈黙するのはなぜ? 本件に関しては非を認めるべきじゃないのか? これほどの黙殺とは。裁判所は、若干、信頼を回復しつつあるのに、ここまで政治状況を悪化させたマスコミは沈黙してていいのか? 多くの市民は冤罪に気づいていないし、それがどれほどこの国の政治を歪めてしまったかに・・・。「こうなった以上、検察は小沢にわびるべきだ。大マスコミも総ザンゲが当たり前だ。民主党も落とし前をつけるべきだ。検察が捏造した疑惑に乗っかり、小沢を党員資格停止にして、追放。その政治活動を封じ込めたのは野田を中心とした民主党の現執行部のメンメンだ。アタマを丸めるくらい当然なのに、コイツらは本当に腐っている」。
『●「暗黒捜査」による小沢裁判控訴審』
『●小沢裁判判決、福島瑞穂さんと郷原信郎さんの感覚』
『●小沢裁判東京地裁無罪判決: 魚住昭さんの〝魚の目〟』
『●常軌を逸した〝法治〟国家、そして、マスコミの始末の悪さ』
『●小沢裁判、控訴に対するマスコミの対応とやはり検察審査会制度の致命的欠点』
『●制度に欠陥: 小沢裁判、やはり控訴決定』
『●小沢裁判、検察の問題であると同時に、癒着したマスコミの問題』
『●小沢裁判、当然の結果を理解できない人たち』
『●小沢裁判、こういうお茶を濁す総括「社説」で良いのか』
『●小沢裁判、終わりの始まり?』
『●小沢裁判、安田好弘弁護士高裁判決での権威の失墜を取り戻す好機』
『●小沢裁判、無罪でしか裁判所の威厳は取り戻せない』
『●捏造された検察審査会、確信犯的にそれをバックアップするマスコミ』
『●小沢一郎氏陸山会事件判決を目の前に控え: 検察審査会の罪深さ』
『●小沢一郎氏裁判、司法の信頼回復の好機 ~大善文男裁判長への期待~』
『●水谷建設裏金問題、小沢一郎氏でなく自民党議員だった!?』
『●小沢一郎氏関連冤罪事件、推認に推認を重ねた裁判長』
『●小沢一郎氏検察審査会は機能していない』
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/138841】
小沢裁判ようやく結審でも一件落着とはいかない
2012年9月26日 掲載
ベストセラー「検察崩壊」の衝撃
<これほどデタラメ特捜部捏造の政治裁判が現代のこの国で行われている闇>
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、「国民の生活が第一」の小沢一郎代表(70)が政治資金規正法違反に問われた事件がようやく“決着”した。26日開かれた控訴審では、検察官役の指定弁護士が新たに請求していた元秘書の供述調書や証人尋問が却下され、結審。11月12日に判決となったからだ。
指定弁護士は10年以上前に辞めた高橋嘉信元秘書の供述調書を作成、証拠申請したが、これはムリ筋、嫌がらせのような話だ。
「選んだ人物が悪すぎます。高橋元秘書はかつて、小沢氏の“金庫番”と
呼ばれましたが、その後、小沢氏と距離を置くようになり、週刊誌などで
小沢批判の急先鋒になった。検察が西松事件や陸山会事件に
着手するキッカケをつくったのも、高橋元秘書の存在があった
と言われています。しかし、検察は結局、不起訴にしているから、
高橋元秘書の情報はいい加減だったということ。指定弁護士が
苦し紛れにしがみついたとしか考えられません」(司法ジャーナリスト)
そもそも指定弁護士は1審段階で、この元秘書を証人として請求できたのに、何もしなかった。この程度の反論しかできないのになぜ、指定弁護士は控訴したのか。つくづく異常な裁判だが、もとはといえば、事件をデッチ上げ、検察審査会(検察審)を騙(だま)す捏造捜査報告書を作って、強制起訴を“誘導”した東京地検特捜部こそが諸悪の根源だ。
そうした特捜検察のデタラメをあらためて浮き彫りにした本が話題になっている。元検事で、関西大特任教授の郷原信郎弁護士の著書「検察崩壊」(毎日新聞社)である。
中身は、検察の捏造捜査報告書作成を問題視し、「指揮権発動」を検討していた参院議員の小川敏夫・前法務相や、元秘書の石川知裕・衆院議員ら4人との対談をまとめたものだ。中でも、石川が聴取時の様子を語った内容は衝撃的である。
〈吉田副部長は『このままでいくと小沢さんは検察審査会で間違いなく
黒になる』と言うんです。参議院選挙の前、最悪のタイミングで
強制起訴が決まることは、プロのわれわれはわかっている。
そうならないことがあなたがたにとってプラスだから認めなさい、
という説得をさんざんしてきました〉
〈今考えると、検審で黒をとるために途中から様子が変わったな、
という感じがあります。終盤になるにつれて、何回も同じ内容を
取り直すんです。小沢さんは不起訴と決めているから、後はもう、
検審黒に向けていろいろ証拠固めをしていったな、ということを、今思います〉
いやはや、これが特捜検察の実態だ。国家権力を持っている分、ヤクザよりもタチが悪い。
郷原氏がこう言う。
「小沢裁判は、特捜部の謀略に検察審が騙されて強制起訴に
至ったとんでもない事件であり、読者からも『検察はこれほど
デタラメだったのか』という感想が寄せられています。事件そのものが
インチキなのはもちろんですが、それが明らかになっても適切な対応を
取らず、詭弁(きべん)やウソ、ごまかしを続けている検察のどこに正義が
あるのでしょうか。国民の信頼を完全に失っています」
<小沢代表控訴審を報じる大マスコミへ重大な疑問>
摩訶(まか)不思議なのは、大マスコミの報道も同じだ。
暴走検察と一緒になって謀略事件を騒ぎ立て、「小沢=悪」のイメージづくりに奔走した反省は全くなし。1審で16回に及ぶ公判を経て無罪判決が出ても、「完全無罪ではない」「グレー判決」とあれこれ難クセをつけていた。検察審の起訴議決や、指定弁護士の控訴だって、新聞・テレビの“洗脳報道”が後押ししたようなものだ。あらためて強調するが、控訴審で無罪判決なら、東京地検の2度の不起訴を含めて「4度目」の無罪である。
マトモな言論機関であれば、さすがに「司法権力の乱用」「政治弾圧」と検察批判の一大キャンペーンを張るべきだろうが、そんな姿勢は一切みられない。司法ジャーナリストの魚住昭氏はこう言った。
「小沢事件で、メディアは『違法』なことと、『モラル』を区別しないまま
報道を続け、これが裁判の本質を見えにくくしてしまった。あれだけ
大騒ぎしたにもかかわらず、結果は政治資金収支報告書の事務的ミス。
それを重大事件のように報じ、小沢氏の巨悪像をつくり上げたのです。
メディアは、この事件の強制起訴着手の段階から今に至るまでの報道を
自己検証するべきです」
きっちり落とし前をつけてもらいたい。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/138875】
そりゃないだろう! 無罪“確定”小沢結審をシカトした大マスコミと民主党
2012年9月27日 掲載
彼らに「人権」を語る資格はない
「いずれも却下します」――。26日開かれた「国民の生活が第一」の小沢一郎代表(70)に対する政治資金規正法違反事件の控訴審。開廷からわずか1時間後、小川正持裁判長が下した判断に、東京高裁102号法廷に張り詰めていた空気が一気に緩んだ。
案の定というか、検察官役の指定弁護士側が請求していた元秘書の証人尋問など計12点の証拠採用は一蹴され、ジ・エンド。審理はたった1日で終わった。指定弁護士がもくろむ逆転有罪の目は完全に消えたとみていい。
指定弁護士の大室俊三弁護士は閉廷後、「裁判所は証拠として調べる必要がないと判断しただけで、我々にとって特に不利になったとは思っていない」と強気だったが、だったら、なぜ証拠請求したのか。カラ元気というか、どこまでデタラメを続ければ気がすむのか、と言いたくなる。
東京高裁が即日結審したのは、これ以上、審理を長引かせても「意味なし」と判断したためだ。事実上の無罪確定。そんなことは司法のプロならば、誰でも分かることだ。
「小川裁判長は判決日について、当初、1カ月後の10月31日を予定し、
指定弁護士、弁護人双方に打診しました。普通は結審から判決まで
最低でも2~3カ月かかります。それが1カ月後ということは判決文の
原案がすでに出来上がっている可能性が高い。ズバリ、控訴棄却ですよ」
(傍聴した弁護士)
こうなった以上、検察は小沢にわびるべきだ。大マスコミも総ザンゲが当たり前だ。民主党も落とし前をつけるべきだ。検察が捏造した疑惑に乗っかり、小沢を党員資格停止にして、追放。その政治活動を封じ込めたのは野田を中心とした民主党の現執行部のメンメンだ。アタマを丸めるくらい当然なのに、コイツらは本当に腐っている。26日の結審をどう受け止めたのかというと、誰もコメントひとつ出しゃしない。それどころか、ある若手議員は「小沢氏に政局を左右する力はもうない。裁判の結果が大きな影響を与えることはない」とか言って涼しい顔だ。
彼らに良心があるのか。人間としてどうなのか。「シカト」はないだろう、いくらなんでも。しかし、マスコミも同罪だから、もちろん、一緒になって、判決無視。ヒドイ社会だ。ジャーナリストの魚住昭氏はこうした新聞テレビの報道姿勢について「病理なんですよ。だから、何度も繰り返している」と言った。いつも自分たちは正義漢ヅラ。今後、彼らに人権を語らせたら絶対にダメだ。
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gendai.netの二つの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/138622、http://gendai.net/articles/view/syakai/138689)。
福島第一原発3号炉に機材が落下したというニュースがあったが、こちらは4号炉の使用済み燃料プールの話。
例え未使用の燃料棒であったとしても、本当に取り出せるのかどうかを私には判断できないのだが、福島第一原発4号炉の危機をことさら無視しているようには感じる。4号炉の使用済み燃料プールが地震などで崩壊したら、大変な問題だと思うのだけれども・・・。
『●福島第一原発3号炉の使用済み燃料プールの問題』
『●原発人災は続いている: 小出裕明さん、日本は「お終いです」』
『●大飯原発、本当に再稼働などしている場合か?
~東京電力福島第一原発4号機問題~』
『●志賀原発訴訟第二ラウンド: 裁判所は信頼を回復できるか?』
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/138622】
元スイス大使が野田首相に突きつけた 痛烈批判書簡
2012年9月10日 掲載
「放射能汚染の加害国として罪悪感に欠ける」
世界の核廃絶を目指して国際的な活動を行っている元駐スイス大使の村田光平氏(74)が、5日に野田首相にあてた書簡が話題になっている。
村田元大使は今年3月の参院予算委公聴会で、使用済み核燃料プールがムキ出しになっている福島第1原発4号機の危機的状況を指摘。
「燃料プールが崩壊し、1533本の燃料棒が大気中で燃えだした場合、
果てしない放射能が放出される。もちろん、東京は住めなくなる」
「世界の究極の破局の始まりだ」
と警告した人物だ。
その村田氏の書簡は、米国の原子力技術者、アーニー・ガンダーセン氏(63)が先月31日に国会内で行った講演がきっかけだ。そこで明らかになった“2つの重要な事実”を野田にぶつけたのである。
1つ目は、〈世界が安全保障問題として注目する4号機問題について、経産省および東電の課長クラスの実務責任者が、事故後1年半を経て全く理解しておらず(中略)対策も考えていなかった〉ということだ。
2つ目は、〈ガンダーセン氏は、4号機の未使用の202体の燃料棒集合体、および、すでに放射線の低くなっている600体を合わせて1533体の3分の2は今からでも取り出せると指摘した〉というものである。
野田政権は来年12月から燃料棒を取り出すつもりだが、「今からでも取り出せる」し、それができないのは東電と経産省の理解不足ということだ。
書簡はさらに、海外からの4号機問題への関心は高まる一方で、日本が国として最大限の対応をしていないこと、放射能汚染による加害国としての罪悪感に欠けることに対し、海外から厳しい目が向けられているとし、野田政権を痛烈批判した。
野田は元大使の「声」も聞こえないのか、聞こえないフリをしているのか。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/138689】
4号機緊迫!! 野田政権のデタラメ対応には世界中が怒っている!
2012年9月14日 掲載
村田光平元駐スイス大使 インタビュー
<なぜ、今すぐ核燃料棒を取り出さないのか>
野田首相に書簡を送り、福島原発に対し、きちんとした対策を取るよう求めた村田光平元駐スイス大使(74)。今年3月、参院予算委員会でも「4号機問題は世界の安全保障問題だ。最大限の対応をする必要性がある」と訴えたが、野田は馬の耳に念仏だ。改めて、村田氏に政府の対応のデタラメぶりを聞いてみた。
「私は海外の学者らとの交流を重ね、世界が福島4号機問題に危機感を
募らせていることを痛感しています。でも、肝心の野田首相をはじめ政府は
重い腰を上げようとしない。今、福島第1原発に残されている燃料集合体の
総数1万4225本がメルトダウンすれば、果てしない放射能が放出されます。
米国の使用済み燃料プールの専門家であるロバート・アルバレス氏によれば、
チェルノブイリの85倍のセシウム137が福島第1原発に存在する。4号機だけでも
チェルノブイリの10倍です。ここが崩壊すれば、世界の破滅につながっていく。
それなのに、政府は今すぐ始めなければいけない核燃料棒の取り出しを
急ごうとしていない。考えられないことです」
村田氏によると、海外メディアはこうした危機を積極的に伝えているという。フランスの有力誌「ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール」は先月、4号機について「最悪の事故はこれから起きる」と題する記事を掲載した。
「北澤宏一・元JST理事長などの専門家を取材していて、北半球全体が長期に
わたって深刻な汚染にさらされ、日本は滅亡すると指摘していました。
米国の原子力技術者アーニー・ガンダーセン氏も先月、国会内で講演し、
同じような懸念を訴えましたが、ほとんど報じられなかった。世界が
注目している危機なのに、日本政府はその対応を東電に委ねて、
国として最大限の努力をしていない。放射能汚染の加害国という罪悪感がなく、
ここに海外からは非常に厳しい目が向けられているのです」
確かに政府がチンタラやっている間に、再び大地震が来る可能性もある。政府は全力を挙げて、核燃料棒の取り出しに取り組むべきなのに、マトモに情報を出さない“加害者”東電任せ。こりゃ、世界も怒るわけだし、国民もコブシを振り上げなければウソである。
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維新の会的手法の危うさについての東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012092302000102.html)。
大阪の方たちはそれでよいと判断されたのでしょうが、国政に進出させ、日本中をハシズム的世界にされたのではたまらない。こんな集団を国政に進出させて本当に大丈夫ですか。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012092302000102.html】
維新の会、手法に危うさ
2012年9月23日 朝刊
橋下徹大阪市長が設立を宣言した新党「日本維新の会」は二十三日、国会議員らとの二回目の公開討論会を開く。既成政党批判を前面に、次の衆院選に臨む構えだ。だが、選挙手法や彼らが掲げる「政治主導」は、国民の多様な意見が反映されにくくなる懸念も浮かぶ。 (金杉貴雄)
維新の会は、次期衆院選に三百五十人から四百人擁立するとしている。資金繰りが課題だが、橋下氏は「自分のお金で、自己責任でやってもらう」と自己負担を求めている。
選挙には事務所費や印刷代などで「少なくとも一千万円」(衆院議員秘書)かかるとされる。供託金も小選挙区で三百万円、比例代表に重複立候補すれば六百万円かかる。
自己負担だと、候補者は一定以上の資産や所得を持つ人に限られる。幅広い人材を確保できるかという問題とともに、社会的に弱い立場の人に配慮する候補者が集まりにくくなると心配されている。新自由主義の傾向が強い綱領「維新八策」と相まって、弱肉強食の政策が進むとの懸念もある。
維新の会の「政治主導」にも、危うさがうかがえる。八策では衆院議員を現在の半分、二百四十人に減らすとしている。八策は参院廃止の検討も掲げ、最終的に国会議員は衆院の二百四十人だけでいいとも読める。
この削減幅は現実離れしているとの指摘が多い。二百四十人の半分、百二十人が与党とする。現在、与党から政務官、首相補佐官を含め七十四人が政府に入っている。この人数を確保すると、残る与党議員は四、五十人。現在、三十近くある国会の委員会で法案審議し、野党と折衝するのは難しくなる。国会に人材を回すと、政府の人数が減りかねない。
維新の会は中央省庁の幹部に、外部から人材を登用する政治任用を大胆に導入するとしている。民主党も野党時代、脱官僚を掲げて同様の構想を持っていたが、実現しなかった。橋下氏は「同じ価値観を持つプロに行政組織に入ってもらう」と力説する。
だが、国会議員の大幅削減とセットで政治任用を導入すると、政府に入る議員が減る半面、選挙の洗礼を受けず国民の信任を得ていない省庁幹部が増えるという、いびつな構図になりかねない。
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WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)の記事(http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/09/22/sukisukitanemaki_2012sep9/)。
残念ながら「たね蒔きジャーナル」は終わってしまいました。というか、小出裕章さんに言わせれば、潰されてしまったようです。残念で仕方ないです。MBS毎日放送、しっかりしてくれ!
『●小出裕章さん、「たね蒔きジャーナル」への感謝と存続の呼びかけ』
『●「たね蒔きジャーナル」を潰すなんて・・・』
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【http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/09/22/sukisukitanemaki_2012sep9/】
9月19日 たね蒔きジャーナル打ち切り直後に発表された小出裕章さんのメッセージ
(すきすきたねまきの会)
9月19日(水)、MBS毎日放送が、たね蒔きジャーナルの打ち切りを発表しました。それを受けて「すきすきたね蒔きの会」が小出裕章さんのメッセージを発表しました。
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【小出裕章氏メッセージ】
「たね蒔きジャーナル」では、昨年三月一四日以降、大変お世話になりました。
国、電力会社などが一体となった原子力の大本営発表の元、少しでも事実に近い情報を流し続けてくださり、ありがたく思いました。
そして、私がありがたく思うだけでなく、「坂田記念ジャーナリズム賞」を受賞したことで、業界内部でも評価されました。
さらに、毎日放送が聞けるエリアだけでなく、世界の多数の視聴者から、これだけあいされた番組もなかったはず、と思います。
それをつぶすのであれば、しっかりした説明をしてくれるよう毎日放送にお願いしてきましたが、残念ながら私が納得できる説明は得られませんでした。
ジャーナリズム、報道の本来の仕事を守ってきた「たね蒔きジャーナル」が潰されたことを心から残念に思います。
2012年9月19日 小出 裕章
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asahi.comの記事
(http://www.asahi.com/national/update/0912/OSK201209110173.html)。
これまでの関西電力社長ら関係者の発言・行動は異常じゃないだろうか。「地元」民の反対を押し切って、大飯原発を再稼働したかと思うと、結局、原発再稼働は必要が無かったことが分かったにもかかわらず、この先も稼働を続けるというし、他の原発も再稼働せよという。
これまで何度も指摘してきたが、東京電力原発人災の際に、福島第一原発設置自治体だけが放射性物質で汚染されたのか? 10kmや30km圏内だけか? 日本中、世界中に飛び散ったのではないんか? 電力会社は、「地元」の定義を考え直すべきだ。日本中、世界中が汚染されるような懸念のある「地元」になるような重大な問題ならば、原発など稼働させるべきではない。
安全協定の「安全」というのも、原発と大きく矛盾。形容矛盾。
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【http://www.asahi.com/national/update/0912/OSK201209110173.html】
2012年9月12日7時8分
原発立地並み協定、関電など拒否 福井の4市町に回答へ
福井県に原発を持つ関西電力など3事業者が、原発立地自治体に隣接する県内4市町に、立地自治体並みの権限を持つ原子力安全協定を認めない方針を決めたことがわかった。3事業者は14日に4市町に伝える。
4市町は、小浜市、若狭町、南越前町、越前町。昨年8月、大飯、美浜原発を持つ関西電力、敦賀原発を持つ日本原子力発電、もんじゅを持つ日本原子力研究開発機構の3事業者に対し、安全協定を立地自治体と同等に見直すよう申し入れていた。
原子力安全協定は、原発を持つ事業者と立地・周辺自治体が結ぶ。特に立地自治体との協定は、原発の再稼働や新増設が自治体の同意なしにはできない内容で、自治体には原発への立ち入り調査や運転停止を求める権限などがある。一方、立地以外の周辺自治体との協定は、情報の共有などが主な内容で、再稼働などで同意を必要とする権限は認められていない。
・・・・・・。
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日刊スポーツに出ていた記事(http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20120923-1021680.html)。
深読みしすぎかもしれませんが、とても気になる記事。当時の道警の反撃は凄まじかったので、嫌がらせはまだ続いているのかと感じてしまいます。道警の裏金問題への意趣返しじゃないのかな? 記者を守らず北海道新聞も腰砕け、裁判所も道警の味方、・・・道警がやりたい放題やっているのではないのか・・・・・・? 考えすぎかな?
『●『創(2009年6月号)』(2/2)』
『●これ(裏金)はこれ』
『●『創(2011年1月号)』読了』
『●『創(2011年2月号)』読了』
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【http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20120923-1021680.html】
北海道新聞エース記者 夫婦ゲンカで逮捕
札幌・中央署は22日までに、妻をバッグで殴り軽傷を負わせたとして傷害の疑いで、札幌市中央区、北海道新聞社編集局編集本部記者、〇〇〇容疑者(49)を現行犯逮捕した。同署によると「妻が暴れたので当たっただけ」と容疑を否認している。逮捕容疑は、21日午後10時10分ごろ、中央区にある自動車販売会社の敷地で、妻(44)の顔をバッグで殴り、鼻に打撲のけがを負わせた疑い。助けを呼ぶ声を聞いた人が110番し、駆け付けた署員が逮捕した。
〇〇容疑者は同日夜に、買い物を終えた妻と合流。2人で酒を飲んだ後、口論になったという。妻は「この前の誕生日に何も買ってくれなかったじゃない! 実家に帰る」と激高。1人で歩き出した後、〇〇容疑者に止められ、手提げかばんで殴られたという。妻は警察に被害届を提出。「お金のことでもめた」と話している。
〇〇容疑者は93年に北海道新聞社に入社。03年5月から報道本部で道警担当キャップを務め、道警の裏金問題を追及するキャンペーンを担った。04年度の新聞協会賞を受賞した道警取材班の中心メンバーだった。同班で一緒だった高田昌幸デスク(当時)らと、04年に道警の裏金づくりを暴露する共著2冊を出版。2人は道警元総務部長に名誉毀損(きそん)で訴えられ、最高裁まで争った末、昨年6月に敗訴が確定した。高田デスクは同月末で退社。〇〇容疑者は現在、紙面のレイアウトを担当している。
北海道新聞社経営企画局は「社員がこのような容疑で逮捕されたことは誠に遺憾です。事実関係を把握した上で適正に対処します」としている。
[2012年9月23日9時9分 紙面から]
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消費税増税についてのヒッドイ政府広報についてのgendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/138721)。東京新聞の民主党街頭演説へのヤジの記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012092002000101.html)と脱原発閣議決定見送りについての社説・記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012092002000111.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012092202000098.html)。
経済を破壊し、原発を推進したのは自民党。そりゃそうだ。でも、それ以上に輪をかけて消費税増税という悪政、さらに、2011年3月11日の東京電力原発人災後のこの期に及んでもまだ原発推進、原発輸出。「2030年代までに原発ゼロを目指す」というユルユルな目標レベルのことさへ閣議決定できず、しかも、その裏にアメリカがいただの、経団連の米倉弘昌会長が喜んでいるだの、噴飯ものの話ばかり。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/138721】
ふざけるな!「消費税増税」を絶賛する2億円「政府広報」
2012年9月15日 掲載
何が「将来に希望が持てる」だ
<視聴者の感情を逆撫で>
テレビCMを見て、思わず「ふざけるな!」と口にした視聴者も相当数いるに違いない。野田内閣が、税金を使ってとんでもないCMを流している。かなりの頻度で放送されているから、目にした国民も多いはずだ。
テレビCMは、「社会保障と税の一体改革」を大々的にPRするもの。9月10日から16日まで、民放各局で1日10回近く流されている。もちろん、すべて税金である。
「CMは、いわゆる『政府広報』です。平日は、朝6~8時、昼12~14時、夜18~25時の時間帯に放送しています。土日は、朝6時30分~夜25時の間に、テレビ局の都合のいい時に流す約束になっています。ただ、日本テレビには放送を断られた。9月9日には、全国紙と地方紙あわせて70紙にも広告を出しています」(内閣府)
ふざけているのは、CMの中身だ。
まず、若い母親と赤ちゃんが登場し、母親が〈社会保障と税の一体改革って、子育ても支えてくれるんですね〉とうれしそうに語る。
次に、若者とおばあちゃんが出てきて、〈ばあちゃんたちも、僕たちも、支えてくれるんだね、一体改革って〉と感激。
さらに、パート風の女性が、〈ヘェー、私らでも将来、希望が持てるじゃない〉と声を弾ませる。
最後に〈はじまっています。社会保障と税の一体改革〉というナレーションで締めくくるというシロモノだ。
しかし、ここまで国民をバカにしたCMもないのじゃないか。消費税増税が強行されて、〈ヘェー、私らでも将来、希望が持てるじゃない〉と思っている国民が、どこにいるというのか。
〈はじまっています。社会保障と税の一体改革〉と胸を張っているが、社会保障はすべて先送りされている。よくぞ、〈はじまっています〉などと平気で嘘をつけたものだ。
しかも、こんなCMに2億円も使っているのだ。すべて国民の税金である。
野田内閣は、昨年末にも、消費増税の必要性を訴えるために、3億円もの税金を使って、新聞70紙に「政府広報」を出している。財源がない、と言いながら、いったい消費税増税のPRのために、いくら税金を浪費すれば気が済むのか。
「2億円も税金を使って『社会保障と税の一体改革』を政府広報するのは、
自信がない裏返しです。良いことをやっていれば、
いまさらPRする必要はない。しかし、このCMは逆効果ですよ。
テレビを見た視聴者は、例外なく『なにを言っているんだ!』と怒ったはず。
CMを引き受けたテレビ局も見識を疑われますよ。これでは、
年間40億円の“政府広報予算”が目当てで消費税増税を
バックアップしたとみられても仕方ありません」(政治評論家・山口朝雄氏)
こんな国民をナメた政権は、即刻、潰さないとダメだ。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012092002000101.html】
「原発ゼロはうそつき」 「増税ひとすじ」 民主演説に聴衆ヤジ
2012年9月20日 朝刊
民主党代表選の各候補は十九日、JR新宿駅前で初の街頭演説を行った。代表選で唯一の街頭演説。原発ゼロを後退させる閣議決定の日と重なったこともあり、聴衆からは激しいヤジが飛んだ。
街頭演説には、沖縄訪問のため欠席した原口一博元総務相を除く三人が参加。野田佳彦首相は原発に関し「過去に原子力行政を推進したのは、どこの政権か。自公政権ではないか」と自民、公明両党を攻撃。二〇三〇年代に原発ゼロを目指すことを盛り込んだエネルギー・環境戦略に触れ「政府として原発ゼロ社会を目指すと決めた」と理解を求めた。
だが、聴衆は「うそつき民主党」「増税ひとすじ」といったプラカードを掲げ「帰れ」などと怒号を飛ばした。最もきついヤジを浴びた首相の演説中は「原発ゼロ」コールが続いた。鹿野道彦前農相と赤松広隆元農相も「民主党は原発ゼロを目指すと決めた」と強調したが「だったら閣議決定しろ」という声も上がった。
民主党は当初、現職の首相を抱える警備の問題を理由に街頭演説を予定していなかった。しかし、自民党総裁選が全国十九カ所で街頭演説を行う日程のため、党内から「政権与党も国民と触れ合うべきだ」との批判が噴出。急きょ実施を決めた。 (清水俊介)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012092002000111.html】
【社説】
閣議決定見送り 脱原発の後退許されぬ
2012年9月20日
政府が「革新的エネルギー・環境戦略」の閣議決定を見送った。二〇三〇年代の原発稼働ゼロという目標すら後退しかねない。脱原発に本気で取り組む意気込みが野田佳彦首相にあるのか、疑わしい。
首相に原発稼働ゼロを実現する強い決意があるのなら、こんな結末にはならなかったはずだ。
政府は先週「三〇年代の原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」という戦略を決定した。
ところが閣議決定したのは、この戦略を「踏まえて、関係自治体や国際社会などと責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行する」ことだ。この場合「踏まえる」には「参考にする」程度の意味しかない。
原子力関連施設のある関係自治体や、日本と原子力協定を結んで核燃料を供給する国際社会と議論し、原発推進を望む経済界を含む国民の理解を得つつ、柔軟性を持って見直すのは、原発稼働ゼロを阻止する言い訳にも聞こえる。
藤村修官房長官は、実際に三〇年代に原発稼働ゼロを実現するかどうかは「総合資源エネルギー調査会が決める」と述べた。この調査会は原発推進の役目を担ってきた経済産業相の諮問機関である。
そこに最終判断を委ねるのは、原発稼働の継続を端(はな)から容認しているようなものではないか。
首相は民主党代表選の記者会見で「一時的な感情ではなく、原発に依存しない社会を目指すという強い覚悟が(国民に)出てきている。政府もそれを受け止め、覚悟を決めた対応をしなくてはならない」と述べた。
そもそも国民の多くが求めていたのは三〇年までの原発稼働ゼロ実現である。それを最大で十年間も猶予する甘い目標を定め、それすら閣議決定できずに「覚悟を決めた対応」とは聞いてあきれる。
できもせず、やる気もないのに選挙目当てで一時的に国民の歓心を買うことを言い、結局、欺くようなことが許されるはずはない。
きのう発足した原子力規制委員会の田中俊一委員長ら五人の委員人事でも首相は必要な国会での同意を得ず、規制委設置法の例外規定に基づいて任命した。
「原子力ムラ出身者」の起用に民主党内でも反発が広がり、党の分裂回避を優先させたのだろう。
あまりにも姑息(こそく)、党利優先で、国会軽視も甚だしい。こんな内閣には、もはや国民の生命と財産を守る役目を担う資格はない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012092202000098.html】
原発ゼロ「変更余地残せ」 閣議決定回避 米が要求
2012年9月22日 朝刊
野田内閣が「二〇三〇年代に原発稼働ゼロ」を目指す戦略の閣議決定の是非を判断する直前、米政府側が閣議決定を見送るよう要求していたことが二十一日、政府内部への取材で分かった。米高官は日本側による事前説明の場で「法律にしたり、閣議決定して政策をしばり、見直せなくなることを懸念する」と述べ、将来の内閣を含めて日本が原発稼働ゼロの戦略を変える余地を残すよう求めていた。
政府は「革新的エネルギー・環境(エネ環)戦略」の決定が大詰めを迎えた九月初め以降、在米日本大使館や、訪米した大串博志内閣府政務官、長島昭久首相補佐官らが戦略の内容説明を米側に繰り返した。
十四日の会談で、米高官の国家安全保障会議(NSC)のフロマン補佐官はエネ環戦略を閣議決定することを「懸念する」と表明。この時点では、大串氏は「エネ戦略は閣議決定したい」と説明したという。
さらに米側は「二〇三〇年代」という期限を設けた目標も問題視した。米民主党政権に強い影響力があるシンクタンク、新米国安全保障センター(CNAS)のクローニン上級顧問は十三日、「具体的な行程もなく、目標時期を示す政策は危うい」と指摘した。これに対して、長島氏は「目標の時期なしで原発を再稼働した場合、国民は政府が原発推進に突き進むと受け止めてしまう」との趣旨で、ゼロ目標を入れた内閣の立場を伝えていた。また交渉で米側は、核技術の衰退による安全保障上の懸念なども表明したという。
エネ環戦略は十四日に決めたが、野田内閣は米側の意向をくみ取り、「エネ環政策は、柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行する」という短い一文だけを閣議決定。「原発稼働ゼロ」を明記した戦略そのものの閣議決定は見送った。
大串、長島両氏は帰国後、官邸で野田佳彦首相に訪米内容を報告している。
政府関係者は「事前に米側に報告して『原発稼働ゼロ』決定への理解を求めようとしたが、米側は日本が原発や核燃サイクルから撤退し、安全保障上の協力関係が薄れることを恐れ、閣議決定の回避を要請したのではないか」と指摘している。
◆「判断変えてない」大串政務官
原発ゼロをめぐる米国との協議について、大串博志内閣府政務官は二十一日、本紙の取材に対し「個別のやりとりの内容は申し上げられないが、米側からはさまざまな論点、課題の指摘があった。米側からの指摘で日本政府が判断を変えたということはない」と話した。
◆骨抜き背景に米圧力
<解説> 「原発ゼロ」を求める多数の国民の声を無視し、日本政府が米国側の「原発ゼロ政策の固定化につながる閣議決定は回避せよ」との要求を受け、結果的に圧力に屈していた実態が明らかになった。「原発ゼロ」を掲げた新戦略を事実上、骨抜きにした野田内閣の判断は、国民を巻き込んだこれまでの議論を踏みにじる行為で到底、許されるものではない。
意見交換の中で米側は、日本の主権を尊重すると説明しながらも、米側の要求の根拠として「日本の核技術の衰退は、米国の原子力産業にも悪影響を与える」「再処理施設を稼働し続けたまま原発ゼロになるなら、プルトニウムが日本国内に蓄積され、軍事転用が可能な状況を生んでしまう」などと指摘。再三、米側の「国益」に反すると強調したという。
当初は、「原発稼働ゼロ」を求める国内世論を米側に説明していた野田内閣。しかし、米側は「政策をしばることなく、選挙で選ばれた人がいつでも政策を変えられる可能性を残すように」と揺さぶりを続けた。
放射能汚染の影響により現在でも十六万人の避難民が故郷に戻れず、風評被害は農業や漁業を衰退させた。多くの国民の切実な思いを置き去りに、閣議での決定という極めて重い判断を見送った理由について、政府は説明責任を果たす義務がある。 (望月衣塑子)
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いつも辛辣なgendai.netの二つの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/138649、http://gendai.net/articles/view/syakai/138600)。
ハシズムに批判的なのはgendai.netぐらいでは。「脱原発パフォーマンス」「やらせ公開討論会」「バカみたいなメディアが作り上げた虚像」なんて本質を言ってくれるのは、gendai.netぐらいしかないのでは。ブレインとしての竹中平蔵氏の名前が見えないのが残念。橋下徹 大阪元〝ト〟知事が新自由主義者であることの証左。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/138649】
【口先と裏切り 橋下徹新党の正体】肝煎り 「エネルギー戦略会議」を突然中止にした不可解
2012年9月12日 掲載
“脱原発”パフォーマンス決定的
「脱原発」における橋下大阪市長の“豹変”が決定的になった。口では「2030年までに原発ゼロを目指す」とか言いながら、一方で、肝煎りの「大阪府市エネルギー戦略会議」を雲散霧消させようとしているのだ。
大阪府市統合本部が設置した「エネルギー戦略会議」は、今年2月27日から今月4日まで既に20回開催。今月中に基本的な方向性を出し、11月に最終のまとめを策定する見通しだった。ところが、今月17日に予定されていた次回の会議が突然中止に。このまま会議を続けると“違法”になる恐れがあるからだという。大阪府環境農林水産部の担当者はこう説明する。
「条例で位置付けられていない有識者会議を問題視する判例が
相次いでいるため、今年に入って全庁的に会議規定の見直しを
行っています。府市にまたがる会議の規約はないので、
これから始まる府議会と市議会に規約を提案し、
議決をもらうことにしました。議決がもらえるまで、
エネルギー戦略会議は開きません」
なるほどもっともらしい説明だが、そもそも府市統合本部の存在自体が異例なのだ。条例などないことは最初から分かっていたはず。なぜ、戦略会議の最終盤という、このタイミングで手続き論が浮上するのか。
府と市の双方の議会で議決されるのは、早くても11月下旬だ。市議会は維新が過半数をもっていないので、簡単には通らない可能性だってある。戦略会議は、脱原発で踏み込んだ方向性を出し、まもなく出る政府のエネルギー戦略や年末の予算編成に影響力を及ぼそうとしていた。それにも間に合わなくなってしまう。
戦略会議のメンバーも困惑している。
「政府が原発を推進する中で、対抗する勢力は大阪の戦略会議しか
ありません。それをストップさせられたら、大阪だけじゃなく、
日本にとってもマイナスです」(元経産官僚の古賀茂明氏)
「違法になるかもしれないという話は5月からあったのに、
3~4カ月放置していた。なぜ今なのか。不自然です。
何百も要綱設置がある中で、エネルギー戦略会議が
狙い撃ちされている。“まとめ”を先送りしたい意図が
あるのではないか」(環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也氏)
橋下豹変の背景を「国政進出で総選挙を考えたら、関経連(関電)を敵に回しにくくなったから」と、ある地元記者は解説した。国会議員7人が参加した橋下新党は12日旗揚げする。だが、“国政病”に侵され、庶民より財界を大事にするようなら、橋下新党も野田民主党と同じ穴のムジナだ。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/138600】
公開討論会 単なる“やらせ”セレモニーに報道陣約500人が集まったアホらしさ
2012年9月10日 掲載
9日大阪で行われた維新の会の公開討論会。ぶったまげたのは報道陣の数だ。全国からナント100社以上、約500人が取材に詰めかけ、会場のホールには100台近いカメラがズラリと並んだのである。中には1社でカメラ5台、記者・スタッフ30人を送り込んだ社もあったほどだが、その討論会の中身のなかったこと。維新の会の人気なんて、バカみたいなメディアが作り上げた虚像なのである。
9日の討論会には民主党の松野頼久や自民党の松浪健太など国会議員7人に加えて、東国原・前宮崎県知事や大村・愛知県知事ら首長経験者6人が参加した。討論会は5時間に及んだが、論点がアチコチに飛ぶものだから、まったく、議論は深まらない。途中、参加者から「クーラーが効き過ぎじゃないか」という発言があったが、会場が“寒かった”のは決して、冷房のせいだけではない。
目立ちたがりの東国原や大村が維新との近さをアピールし、堺屋太一など有識者が大学の講義のように延々と持論を展開し、一方の国会議員7人は、突っ込まれないよう曖昧な意見表明しかしない。それでいて「政策という価値観はピタリ合った」(松浪健太議員)なんて言うのである。
「維新サイドと国会議員7人は、事前に政策のすり合わせをして臨んだ」(関係者)という。討論会は国会議員への“踏み絵”などではなく、完全なデキレースだ。5人の現職国会議員がいなければ、12日に新党「日本維新の会」を旗揚げできないのだから、セレモニーでしかない。
それなのに、これだけのメディアが集まったのだから、維新は笑いが止まらないだろう。
「8日の維新の全体会議の時は、共同通信が合計14本もの速報を
配信しました。内容は『いま会議が始まった』『会議が終わった』
というものもあった。橋下市長は首相並みの扱いですよ。
維新に関しては、とにかくマスコミ各社の報道合戦がハンパじゃない。
記者は口を開けてネタを待っている。維新幹部は適当にリークし、
大きな記事にさせる。その繰り返しです」(在阪記者)
討論会について橋下は、「これは第1回のお見合い。来週、再来週もやる」と言った。さすがに大メディアも、そのアホらしさに最近は気づきつつある。
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いつも辛辣なgendai.netの自民党、民主党の街頭演説ネタを2題(http://gendai.net/articles/view/syakai/138786、http://gendai.net/articles/view/syakai/138764)。
どうでもよい内容ですが、過去の人、三人、安倍晋三氏・麻生太郎氏・田母神俊雄氏についての記事。こんな軽薄3人に大きな顔をされたのでは、日本もお終い。安倍氏が党首となり、再び総理へ・・・なんて、想像しただけで私は耐えられません。自民党に相も変わらず投票し続けている人たち、本当に大丈夫ですか? 田母神氏の「トリクルダウン理論」もどき、小泉純一郎氏の盟友、そして、橋下大阪元〝ト〟知事の「ブレイン」竹中平蔵氏そっくりで、吐き気をもよおす。
『●『新版 悪夢のサイクル/ネオリベラリズム循環』読了(2/4)』
『●『創(2009年7月号)』』
『●懲りない自民党議員、いまだに原発の安全神話の悪夢から覚醒せず』
『●原発人災、犯罪者を追求すべし:
なぜ自民党議員は口を閉ざし、マスコミは黙り込むのか?』
『●12月25日「クリスマスは東電会長の家へ リアリティツアー」、
〝転び公妨〟に御注意を』
『●『創 (12月号)』読了 (2/2)』
一方、当選確実視されるムダ首相。ブッシュ氏のように、記者会見で記者から靴が飛んでこないだけ、マシな街頭演説です。福島の被災者・被爆者の方たちや、消費税増税で苦しむ人たちからは、罵声どころか物を投げつけたくなる気持ちをグッとこらえておられるのでは。さっさと退陣し、選挙でしっかりと落選させたいもの。民主党支持者の皆さんがきちんと落し前をつけてください。
『●『松下竜一未刊行著作集3/草の根のあかり』読了(2/2)』
『●靴を投げられたブッシュ氏のいま』
『●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了』
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/138786】
総裁選 麻生が失言安倍マッ青
2012年9月21日 掲載
“聖地”アキバで有頂天の末
この男の失言癖は少しも直っていなかった。
自民党総裁選(26日投開票)に立候補している安倍晋三元首相(58)が20日夜、秋葉原で開いた演説会に“助っ人”として駆けつけた麻生太郎元首相(72)。漫画やアニメ好きで、2年前の参院選以来の“聖地”での演説に気合が入りすぎたのか、安倍をさんざん持ち上げた後、こう口を滑らせた。
「安倍さんの健康がどうとか言っている人がいたけど、
言っていた人の方が倒れた。健康というのは、
人が(とやかく)言うんじゃない。自分が一番分かっているのだから」
安倍の体調を不安視しながら、18日に入院した町村信孝元官房長官(67)を痛烈に批判したのだ。その瞬間、笑顔を振りまいていた安倍の顔は引きつり、陣営スタッフは頭を抱えた。
「安倍さんは町村派の所属です。今回、一本化できずに両者、
出馬しましたが、もし安倍さんと石破さんの決選投票になった時は、
町村派の大半が安倍さんに投票してくれる。町村さんは
大切な“身内”なのです。それなのに大観衆の前でコケにした。
そもそも今回の総裁選は、お互いの批判はしないというルールが
あった。麻生さんは、相変わらず迷惑な人ですよ。本人は失言とも
思っていないので、さらにタチが悪い」(安倍陣営の中堅議員)
麻生の演説はニコニコ動画で生中継され、ユーチューブでもアップされた。町村陣営はカンカンで、すぐさま安倍陣営に抗議の電話をしたというから深刻だ。
おとといは、民間人が主催した「安倍を応援する会」でも失言が飛び出した。安倍の熱烈な応援団で知られる田母神俊雄・元航空幕僚長が壇上で「人権救済法案が閣議決定されました。弱者が権力を握ろうとしています。国をつくってきたのは権力者と金持ち。言葉は悪いが貧乏人はおすそ分けにあずかって生きてきた」と発言。参加者はドン引きし、ネット上では「右翼バカ」「こんなやつの支援を受ける安倍さんは応援しない」との声が広がっている。
「大本命だった石原伸晃さんの失速で、タナボタ2位に浮上している
安倍さんですが、今回の2つの失言が命取りになる可能性もある。
残りの期間は他人に頼らず、自力で戦うしかありません」(党関係者)
どいつもこいつも、レベルが低すぎる。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/138764】
野田首相初の街頭演説「人殺し」「辞めろ」コールに思わず涙目
2012年9月20日 掲載
<自宅にもデモをかけられ…>
野田首相は、自分がどれだけ国民から嫌われているか、身に染みて分かったのではないか。
19日、民主党代表選の街頭演説が東京・新宿で行われた。詰めかけた聴衆の手には「辞めろ」「ウソつき」などと書かれたプラカード。野田が登場すると、「帰れ!」「人殺し!」とヤジや罵声が飛び、最後は「辞めろ」コールの大合唱で演説がまったく聞こえないほどだった。
「反原発の官邸デモの件もあって、総理は街頭演説を嫌がっていた。
今回は反原発の左翼だけじゃなく、尖閣問題で右翼も
警戒しなければならない。それで、大阪と福岡で行われた
演説会も屋内開催になったのです。しかし、自民党総裁選が
各地で街頭をやっているのに、民主党が1回もやらないのでは
批判されると中央選管から泣きつかれ、急きょ投票2日前の
街頭演説会となった。新宿駅は聴衆と選挙カーの間に大きな道が
あって安全ということで、総理も納得してくれました。警視庁とも相談し、
警備しやすい安全な場所を選んだのですが……」(官邸関係者)
“演説力”が自慢の野田にしては意外な気もするが、街頭演説は首相就任後これが初めて。昨年12月に新橋駅前で予定されていた街頭は、直前に北朝鮮の金正日総書記死去の一報が入って取りやめになった。
今回は万全の警備態勢を取り、民主党関係者も動員したのだが、野田が演説を終えても拍手は皆無。怒号とヤジがやむことはなく、さすがに野田も涙目になっていた。これがトラウマになり、二度と人前に出てこられないんじゃないか。最初で最後の街頭演説かもしれない。
「右からも左からも、これだけ攻撃される首相は珍しい。
最近は、千葉県の野田首相の事務所や自宅でも『落選デモ』が
数回にわたって繰り広げられています。首相の自宅前をデモ隊が
通るなんて、自民党政権では考えられなかったこと。かつて
渋谷区松濤にそびえる麻生元首相の豪邸を見にいこうとした
市民団体は、渋谷駅前のハチ公広場からスクランブル交差点を
渡ったところで止められ、3人が逮捕された。警察も、野田政権は
長く続かないと考えているのでしょうか。もはや政権の体をなして
いません」(ジャーナリストの田中龍作氏)
こんなに嫌われている男が再選確実なんて、悪い冗談としか思えない。民主党が国民から見放されるのも当然だ。
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原発ゼロの迷走ぶりについての東京新聞の二つの記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012091602000116.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012091702000124.html)。もんじゅについての福井県知事の噴飯もののご発言についてのasahi.comの記事(http://www.asahi.com/politics/update/0918/TKY201209180180.html)。相変わらずの原子力安全委員会のデタラメ(斑目、班目)委員長のデタラメぶりに関するする東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012091801001277.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012091802000226.html)。
「枝野氏は会談で「経産省としてはすでに建設許可が与えられた原発について、変更することは考えていない」と明言」したそうだ。首相も「枝野氏の方針を事実上容認したもので、目標達成にこだわらない政府側の姿勢が早くも鮮明」に。一方、「再生エネルギーがどこまで普及するか確たる見通しがあるわけではない。見通しについては、柔軟性と謙虚さを持たないといけない」とムダノ経産相は述べたそうで、さんざん実現性や見通しも無いもんじゅや核燃サイクル、核融合にじゃぶじゃぶとお金を使っといて、「再生エネルギー」など他のエネルギー開発には一体どれだけのお金を使い、今後、使おうとしているのか? 相変わらずムダ首相やムダノ経産相は全くよく言うよ。3番目の記事にあるように、「高速増殖炉の研究も続けるとされ、文科省は「従来と大きな変更はない」」って、何枚目の舌でそんなことを言っているんだか? その金を新エネ開発に回してから、新エネの目途について言えっ、ていう話です。また、傀儡の原子力「推進」委員会に何でも丸投げして、ますます「原発推進」しようというのですから、無茶苦茶です。最後の、あのデタラメな斑目(マダラメ)氏も一体何枚の舌をお持ちなのか?
『●原発人災の犯罪者デタラメ委員長が評価・審査するなどデタラメ過ぎる』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012091602000116.html】
「原発ゼロ」早くも迷走 建設継続を経産相表明
2012年9月16日 朝刊
政府が自ら掲げた「二〇三〇年代に原発稼働ゼロ」が早くも迷走を始めている。青森県の三村申吾知事らと青森市内で十五日に会談し、電源開発大間原発(同県大間町)など建設中の三原発について、建設継続を容認する考えを示した枝野幸男経済産業相。これらの稼働が認められれば、運転から四十年で廃炉にする政府原則を適用しても、五〇年代までは原発が稼働し続けることになる。
枝野氏は会談で「経産省としてはすでに建設許可が与えられた原発について、変更することは考えていない」と明言。枝野発言は新しい原発の稼働に事実上のお墨付きを与えたといえる。
三〇年代に原発ゼロを実現するには、運転四十年の「寿命」を迎える前の原発を廃炉にする措置が必要だが、新たな原発が稼働すればその実現はますます困難になる。
全国で建設計画のある原発は十二基。このうち、着工済み原発の進行状況は、大間原発が37・6%、中国電力の島根3号機(松江市)が93・6%、東京電力の東通1号機(青森県東通村)が9・7%。いずれも東電福島第一原発事故を受けて、自主的に工事を中断している。
政府は十四日に示した「革新的エネルギー・環境戦略」で、原発は新増設しないことを明記したが、建設中の三原発の扱いについては明らかにしていなかった。枝野発言を受け、電源開発は「より安全な発電所となるよう全力を挙げる」とのコメントを発表し、大間原発の建設を推進する考えを示した。
会談後、記者団にゼロ目標との矛盾を問われた枝野氏。だが、「ゼロが可能となるよう、あらゆる政策資源を投入するということ」と述べるのみで、何の説得力ある方策を示すこともできなかった。 (岸本拓也)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012091702000124.html】
30年代原発ゼロ 首相「柔軟に対応」
2012年9月17日 朝刊
野田佳彦首相は十六日、フジテレビとNHK番組に出演し「二○三○年代に原発稼働ゼロ」を目指すとした政府の新エネルギー戦略について、実現の先送りもあり得るとの考えを示した。「課題はいろいろある。例えば再生エネルギーがどこまで普及するか確たる見通しがあるわけではない。見通しについては、柔軟性と謙虚さを持たないといけない」と述べた。
新戦略をめぐっては、枝野幸男経済産業相が十五日、電源開発大間原発(青森県大間町)など建設中の三原発について建設継続を容認する考えを表明。「三〇年代ゼロ」方針との矛盾が指摘されているが、首相発言は枝野氏の方針を事実上容認したもので、目標達成にこだわらない政府側の姿勢が早くも鮮明になった。
首相は「三〇年代にゼロにするという目標は堅持したい。それは目標だ」と強調した。
その上で、停止している原発再稼働や、建設中の原発を稼働させるかについては、今月発足する原子力規制委員会が判断すると指摘。「政府が予断を持って言ったらいけない」と述べるにとどめた。
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【http://www.asahi.com/politics/update/0918/TKY201209180180.html】
012年9月18日13時59分
もんじゅ「変更ない」 平野文科相が福井県知事に説明
平野博文・文部科学相は18日、福井県庁で西川一誠知事と会談し、野田政権がまとめた「革新的エネルギー・環境戦略」の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の取り扱いについて、「従来の取り組みから変更しているつもりはない」との方針を説明した。一時は研究炉にし、高速増殖炉実用化をやめることも検討されたが、結局は元通りとなった。
もんじゅは、14日のエネルギー・環境会議で、「年限を区切った研究計画を実行、成果を確認して研究を終了する」との方針が示された。「廃棄物の減容を目指した研究」など新たな方針が盛り込まれた。
一方、高速増殖炉の研究も続けるとされ、文科省は「従来と大きな変更はない」との立場だ。平野文科相が「引き続き高速増殖炉の成果を刈り取らなければならない」と説明し、西川知事は「本来の目的をぶれることなく達成してほしい」と述べた。
・・・・・・。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012091801001277.html】
原子力安全委18日廃止 委員長「反省多々ある」
2012年9月18日 13時04分
原子力安全委員会は18日、最後の会合を開いた。班目春樹委員長は会合で「振り返れば反省点は多々ある」と述べた上で「あらかじめの備えがなく、混乱の中、できることは限られていた」と強調し、東京電力福島第1原発事故への対応に限界があったとの認識を示した。
政府は事故で安全規制が機能していないことが明白になったとして、規制組織を刷新。19日に発足する新たな規制組織の原子力規制委員会が職務を引き継ぐ。経済産業省原子力安全・保安院も18日で廃止となる。
班目氏は会見で、在任中に原発事故が発生したことに「ある意味で運命と思い、重く受け止めている」と反省の弁を述べた。
(共同)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012091802000226.html】
原子力安全委 きょう廃止 委員長「反省点多々ある」
2012年9月18日 夕刊
原子力安全委員会は十八日、最後の会合を開いた。班目春樹委員長は会合で「振り返れば反省点は多々ある」と述べた上で「あらかじめの備えがなく、混乱の中、できることは限られていた」と強調し、東京電力福島第一原発事故への対応に限界があったとの認識を示した。
政府は事故で安全規制が機能していないことが明白になったとして、規制組織を刷新する。十九日に発足する新たな規制組織の原子力規制委員会が職務を引き継ぐ。経済産業省原子力安全・保安院も十八日で廃止となる。
班目氏は会合後の記者会見で、在任中に原発事故が発生したことに「ある意味で運命と思い、重く受け止めている」と反省の弁を述べた。また原発の安全基準を定めた指針の見直しが「(事故発生に)間に合わなかったのは残念だ」と話した。
安全委と保安院に分離された規制の在り方は「両者の間で緻密な関係があるとは言えず、実効的でなかった」と指摘。規制委の発足に関し「規制の一元化は重要で、改革が良い方向に向かっていると思う」と述べた。
原発事故では専門家として菅直人首相(当時)らから助言を求められたが、十分な対応ができなかったほか、安全基準の指針も欠陥が明らかになり、批判を浴びた。
安全委は一九七四年の原子力船むつの放射線漏れ事故を受け、原子力委員会の安全規制に関する機能を分離し、七八年に発足した。
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原子力「推進」委員会についての東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012091602000114.html)。
国会での議論や承認もヘッタクレもない私的原子力「推進」委員会に「規制」などできようはずもない。「推進側からは独立し、科学的事実に基づいて原発の安全を守るのが彼らの務め」とあるが、推進側から独立どころか、推進側そのもの。「規制」が聞いて呆れる。「原発の安全」も形容矛盾。
しかも、政府はそこに丸投げしようというのだから、正気じゃない。ムダノ氏の二枚舌は、建設中の原発は稼働させるなどというフザケタことを言い始めている。今すぐに廃炉にするという議論ではなく、甘々な議論ではあるが、この原子力「推進」委員会に「原発ゼロの行方を左右」などさせてはならない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012091602000114.html】
原発ゼロ 規制委次第 「再稼働」「廃炉」 政府は丸投げ
2012年9月16日 朝刊
新たな原子力規制機関として、原子力規制委員会が十九日に発足する。推進側からは独立し、科学的事実に基づいて原発の安全を守るのが彼らの務めだ。ただ、政府が十四日に示した新たなエネルギー戦略では、原発の再稼働や運転期間を四十年に制限するかどうかといった判断まで、規制委にゆだねる方針を示した。規制委の対応は原発ゼロの行方を左右する。 (小野沢健太、宮尾幹成、加賀大介)
委員長となる田中俊一氏(67)は、就任が閣議決定された十一日、「国民の厳しい目をしっかりと受け止めながら、規制の強化を行うことが責務」とコメントした。
まず注目されるのが原発の再稼働をどう判断するかだ。政府が関西電力大飯原発(福井県)を再稼働させた際は、安全性だけでなく、地域で本当に電力が足りないのかどうかも検証。両方の条件を満たしたときだけ、再稼働するのが約束だった。
しかし政府は、今後は電力需給の検証はせず、規制委が安全と判断した原発は「重要な電源として活用」する方針を打ち出した。
となると、規制委がお墨付きを与えた後に残る手続きは、基本的には立地する自治体の同意。これさえ得られれば、電力需給に関係なく再稼働していく公算が大きくなる。
田中氏は、八月の国会の所信聴取で「(再稼働の必要性を)判断する立場にない。安全かどうかの判断をしたい」と述べた。政府の「原発は重要電源」とのメッセージの間で、どう対応するかが大きな分かれ道となる。
原発ゼロに向け、目に見えた成果となるのが廃炉だ。新戦略は四十年廃炉を「厳格に適用」と書いてはいる。
ただ、問題なのは、四十年廃炉には二十年間の運転延長の例外規定があり、そもそも四十年の運転制限が適正なのか規制委が検討することになっている。
田中氏は、原発の老朽化に対しては危険になるとの認識をもっているとされるが、国会の聴取では「安全性に支障がなければ、機械的に適用するということではない」と含みを残している。
政府が、再稼働も廃炉も規制委にほぼ丸投げしたことで、同委の重要度は飛躍的に高くなった。どんな船出をし、どう進んでいくのかが注目される。
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東京新聞に載っていた東京電力原発人災復興予算流用の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012091690070712.html)。こちらも東京新聞に載っていた避難住民の支援についての記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012091602000100.html)。
本来被災者・被爆者、避難住民のために使われるべき復興予算が、復興とは無関係の原子力ムラの研究費などに流用されていたそうだ。出来もしない核融合技術に膨大なお金を使っていたそうだ。「復興とは無関係との指摘について、原子力機構は「被災地の研究拠点を通じて、復興を支える技術革新を促進できる」と強弁。文科省も「被災地の産業振興だけでなく、日本全体の復興につながる」と説明」。小出裕章さんは、復興予算以外でも、実用化の目途も立っていない核融合研究に予算をつけること自体が無駄、と切り捨てる。
日本だけでなく、世界中から集まった寄付金も心配になってくる。きちんと必要としている人たちのために使われたのだろうか・・・。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012091690070712.html】
復興予算 原子力ムラに もんじゅ運営独法 核融合研究、42億円流用
2012年9月16日 07時11分
政府の二〇一二年度予算の復興特別会計のうち、高速増殖原型炉「もんじゅ」などを運営する独立行政法人・日本原子力研究開発機構(原子力機構)の核融合エネルギー研究費に四十二億円が計上されていたことが分かった。文部科学省は一三年度予算の復興特別会計でも、四十八億円の研究費を概算要求している。東日本大震災の被災地復興のため、国民に新たな負担を求めた復興予算が復興とは直接関係のない「原子力ムラ」の事業に使われた。(中根政人)
原子力機構に対し、一二年度予算の復興特別会計からは百億円超が支出された。このうち、東京電力福島第一原発事故の収束や除染に関する技術開発費などを除く四十二億円は、日本や欧州連合(EU)、米国、中国など七カ国・地域が核融合エネルギーの実用化を目指して共同で進める国際熱核融合実験炉(ITER)の研究事業に充てられた。ITERは、日本国内では、青森県六ケ所村と茨城県那珂市に研究拠点がある。
復興とは無関係との指摘について、原子力機構は「被災地の研究拠点を通じて、復興を支える技術革新を促進できる」と強弁。文科省も「被災地の産業振興だけでなく、日本全体の復興につながる」と説明している。
京都大原子炉実験所・小出裕章助教は「被災地の復興を最優先に考えるならば、むしろ原子力機構の不要不急な研究事業を削減して財源を確保する取り組みが不可欠だ。核融合エネルギーは、実用化のめどが立っておらず一般会計も含めて研究予算を付けること自体が無駄遣いだ」と批判している。
政府は、東日本大震災の復興財源について、所得税や住民税の増税などで一一年度から五年間で計十九兆円を確保した。だが、津波で甚大な被害を受けた沿岸部の被災地へ十分に回っていないことや、被災地以外の公共事業などに使われていることに疑問の声が上がっており平野達男復興相は実態調査を財務省に要請している。
原子力機構は原発推進の経済産業省や文科省の幹部らが天下りしOBが再就職した企業・団体と多額の取引を行っていることなどに批判が集まっている。
◆省庁が分捕り合戦
災害復興予算の問題に詳しい宮入興一・愛知大名誉教授(財政学)の話 東日本大震災の復興予算は、被災地の復興に加えて「活力ある日本の再生」が編成の目的とされた。そのことで、復興を口実にした各府省の事業予算の分捕り合戦が起こり、復興とは無関係な事業にお金が回る事態に陥っている。
原子力機構が研究費を復興特別会計から計上したのもその一例で、被災地のためではなく、予算をより多く確保したいという姿勢の表れでしかない。
<国際熱核融合実験炉(ITER)> 太陽で起きている核融合と同様の状態を人工的につくり出し、発電に使えるかどうかを実験する装置。実験炉の建設地をめぐっては、日本と欧州連合(EU)が誘致合戦を展開したが、2005年にフランス国内への建設が決定した。実験炉の運転開始は20年を予定している。
(東京新聞)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012091602000100.html】
避難者自ら訪問支援 聞き役は同郷「気持ち楽に」
2012年9月16日 朝刊
東日本大震災と福島第一原発事故の被災地から、栃木県内に避難している人たちを支援する「とちぎ暮らし応援会」は、避難者が自ら避難者宅に赴き、悩みなどを聞く「訪問支援員」を7月から続けている。同じ境遇にある人が話に耳を傾けることで、避難生活が長引く人たちの心のケアに役割を果たしている。 (磯谷佳宏)
◆栃木で福島出身4人
支援員は、福島県から避難した四人。大山香さん(46)と青田理恵さん(38)は七月、同県浪江町から栃木県高根沢町に避難中の女性(52)宅に出向いた。
「同じ福島というだけで話せてうれしい。気持ちが楽になった」と喜ぶ女性は、昨年九月に一人で避難してきた。夫や息子二人とも離れ離れ。当初は「胸が苦しくて、眠れなかった」。今は少し落ち着き、応援会主催のお茶会にも参加した。
それでも「夜になると寂しくなる。福島に帰りたい」と打ち明ける女性の言葉に、大山さんと青田さんは大きくうなずいた。
大山さんは、福島市から宇都宮市に自主避難。「自分も孤立している。福島の人に会いたかった」と支援員になった動機を明かす。福島県双葉町から栃木県真岡市へ避難した青田さんも「福島に関わっていたかった」。
週三回、独り暮らしの年配者宅を中心に、約百軒を訪ねた。だが悩みは十人十色。同郷というだけで信頼関係を築くのは難しい。
「相手の心にどこまで踏み込めるか。人間不信の人もいる」と大山さん。それでも続けるのは「前向きに生きる姿に背中を押され、支援しているようで、されている」からだ。郷里を離れることを強いられた人たちの「絆」の物語は続く。
◆官民連携で交流支える
避難生活の長期化に伴い、個人情報保護が避難者支援の「壁」の一つとなっている。今も二千八百人以上が避難生活を送る栃木県では、避難世帯の名簿を県が支援団体に提供、情報提供や絆づくりに活用しており、支援のモデルケースとして注目されている。
栃木、福島両県など約六十団体が昨年十月に設立した「とちぎ暮らし応援会」は、提供を受けた名簿をもとに事務局の「とちぎボランティアNPOセンター ぽ・ぽ・ら」(宇都宮市)が行政と連名で交流会や就職支援相談、法律相談などの情報を郵送している。
四十カ所あった避難所も、昨年末で閉鎖。「避難者がアパートなどに移ったとたん、どこに何人いるのか分からず、一気に支援できない状態になった」と、ぽ・ぽ・らスタッフの石垣武さん。避難者にも「地元や避難先の情報が入りにくい」との不満がある。
今春から、避難者の電話帳作りにも着手。同意を得た約二百世帯の連絡先がまとまり、交流に生かされている。「訪問支援員」も、名簿を活用した活動の一つだ。
栃木県は「手が届かない部分を行政と民間が互いに補い合える」と強調。石垣さんは「支援のニーズは物資から精神的ケアに変わっている。避難者自身も支援し合い、自立や復興の一助になれば」と話す。 (神田要一)
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asahi.comの記事(http://www.asahi.com/politics/update/0913/OSK201209130115.html)。
「野田(佳彦)総理が6月8日の記者会見で原発は重要な電源だと訴えたからこそ、大飯原発の再稼働に同意した」という猿芝居を見せつけた、あの福井県知事の神経をまたしても疑う。もんじゅをも維持したい、とまで言う。それほど原発のもたらすオイシいおカネが大事か? 第一、経産副大臣は「2030年代」という随分甘々なお話をしているというのに。福井の貴重な環境や種々の資源をこそ大事にすべきじゃないのか。原発事故はそれを根こそぎ奪う、というのに。
「原発が好きか嫌いか。この程度の議論」だそうだが、福井県知事の議論は「原発のもたらすお金が大好き」という最低レベルの議論ではないのか?
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【http://www.asahi.com/politics/update/0913/OSK201209130115.html】
2012年9月13日21時55分
福井知事「迷惑千万」 副大臣の「もんじゅ廃炉」発言で
野田政権が14日にも決定する新しいエネルギー政策について、牧野聖修・経済産業副大臣と神本美恵子・文部科学政務官が13日、福井県を訪れ、西川一誠知事らに説明した。牧野副大臣は、高速増殖炉「もんじゅ」(同県敦賀市)について「研究が進めば廃炉と考えている」と発言。西川知事は、政権の対応について「迷惑千万だ」と強く批判した。
牧野副大臣は「(大飯原発の)再稼働をお願いしておきながら、舌の根の乾かないうちに百八十度違うような報告とお願いをする」と切り出した。2030年代に原発ゼロを目指す▽原発を新増設しない▽運転40年で廃炉の徹底――などの方針を説明。もんじゅについては、時期は明言せず、一定の研究終了後に廃炉とする方針を伝えた。
これに対し、西川知事は「野田(佳彦)総理が6月8日の記者会見で原発は重要な電源だと訴えたからこそ、大飯原発の再稼働に同意した」と政権の姿勢を批判。意見聴取会の結果などをもとに原発ゼロを打ち出したことに、「原発が好きか嫌いか。この程度の議論ではとうてい納得ができない」と語気を強めた。
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山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、9月12日)。
以下は、ツイート。
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AS@ActSludge
高江のオスプレイヘリパッド問題。是非ご覧ください。
高江の問題には、沖縄でも関心が低いということに驚きました。
こっそり機材搬入していた問題も。 配信中! IWJ CH1 →
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1 …
#iwakamiyasumi @iwakamiyasumiさん
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上記岩上安身さんの映像資料も、是非、ご覧ください。
これまでさんざん沖縄県民を苦しめておいて、さらに耐え難い危険を我慢させようとしているのだから、米軍や、それを見て見ぬ振りする日本政府は一体どうなっているのか?
『●SLAPPと原発、沖縄』
『●山口県知事選、賢明な選択を!: 土建派暗躍・・・・・・恥ずかしい』
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【http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、9月12日】
2012/09/12
<現地取材2>沖縄・高江“オスプレイ・パッド”建設――住民の裏をかいて資材を搬入した工事業者に反発強まる
執筆者: Yamaoka (10:54 pm)
9月9日の「オスプレイ配備反対」沖縄県民大会取材の翌日、本紙記者は、在日米軍施設「北部訓練場」内のヘリパッド建設反対運動の現場を訪問した。
北部訓練場は、総面積約80平方キロメートルに及ぶ広大な森林地帯で、“やんばるの森”と呼ばれている。ここは米海兵隊が管理する「ジャングル戦訓練センター」だ。この地で今、計6つのヘリパッド(着陸帯)建設が進行しており、完成すれば東村・高江という集落がヘリパッドに取り囲まれてしまう。まして、ヘリパッドを利用するのは“構造的欠陥機”オスプレイだ。
高江の住民は2007年以後、ずっと座り込み等で建設工事に抵抗してきた。今年に入って、下地幹郎代議士(国民新党)の親族企業「大米建設」が沖縄防衛局から工事を受注してからは、ますます問答無用、手荒に工事を進めてきた。
9月7日、琉球朝日放送(QAB)は住民にとって衝撃的なニュースを配信した。ヘリによる空撮映像でわかったことだが、訓練場内にはすでに大量の砂利や重機が準備されていた。つまり、住民の裏をかいて別のゲートから工事資材が運び込まれていたのだ。
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videonews.comでの神保哲生さんの映像記事(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002526.php)。必見。タイトルは「「原発ゼロで電気料金2倍」の欺瞞とそれを垂れ流す無責任なメディア」で、神保さんが怒気をはらんでいるというより、ほとほと呆れたという感じ。
つまり、出だしの一文:
「「原発をゼロにすると電気料金が2倍になります」と言われれば、
「それは困る」と考える人は多いだろう。しかし、この表現には、
原発を維持しても1.7倍になることが隠されている。
「原発をゼロにすると2倍、維持しても1.7倍だったら、
あなたはどちらを選びますか」と問われたら、どうだろうか」
という点。しかも、繰り返し指摘されているのは、マスコミは知っているにもかかわらず、口をつぐんでいるように思われる点。意識的にマスコミは「原発ゼロで電気料金2倍」ばかりを強調し、原発ゼロを回避するべく努力している姿。原発を再稼働すれば、現状維持どころか、今よりも電気代が安くなるような雰囲気を醸し出していないか?
「それを監視すべきマスメディアも、問題点を指摘するどころか、
それをそのまま垂れ流し、お墨付きを与える報道に終 始し、
完全に3・11以前の状態に戻ってしまったようだ」
「1.7倍」というのも十分に作為的で、甘々の見積だと思われるのが、さらに腹が立つ。「バックエンド費用」をどう見積もっているのか?
『●今頃言ってらぁ』
『●総括原価方式:安ければよい訳ではないけれども』
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【http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002526.php】
ニュース・コメンタリー (2012年09月08日)
「原発ゼロで電気料金2倍」の欺瞞とそれを垂れ流す無責任なメディア
「原発をゼロにすると電気料金が2倍になります」と言われれば、「それは困る」と考える人は多いだろう。しかし、この表現には、原発を維持しても1.7倍になることが隠されている。「原発をゼロにすると2倍、維持しても1.7倍だったら、あなたはどちらを選びますか」と問われたら、どうだろうか。
野田首相が2030年に原発をゼロにした場合の影響を精査するよう指示をしたところ、経産省から枝野経産相名である資料が4日提出された。その内容は1年半前の原発事故以降、事故の反省の上に立って行ってきた様々な努力や改革をすべて無にするかのような欺瞞に満ちたものだった。
昨年の秋以降、原発依存に偏る日本のエネルギー政策を再検討するために、連日のように様々な審議会や有識者会議が開かれ、その模様はすべて一般公開される中で、原発を含む電源種別の発電コストや原発を減らした場合の経済や電気料金への影響など、エネルギー政策に関わるあらゆる論点について、口角泡を飛ばす議論が交わされてきた。
その結果、細かい問題はあるものの、ある程度バランスの取れた報告書がまとまり、それを元に政府レベルでまっとうなエネルギー政策の策定が行われるものと期待されてきた。しかし、この日提出された資料を見る限り、その淡い期待は根こそぎ吹き飛んでしまった。
4日の会議に経産省から提出された資料は「エネルギー・環境戦略策定に当たっての検討事項について」。原発の比率を0%にした場合、光熱費や電気代が2010年比で約2倍になり、再生エネルギーを導入するにあたって50兆円の投資が必要になると書かれていた。これらの論点はいずれも昨秋からの有識者会議で繰り返し議論され、その意味合いについても一定の決着があったはずのものだった。しかし、今回の「エネルギー・環境戦略策定に当たっての検討事項について」では、積み重ねてきた議論を無視したような表記が至るところに散見されるのだ。
まず、原発をゼロにすると2030年の電気料金が2010年の2倍になるという表記。確かにこの試算そのものは有識者会議でも合意済みだが、同時に原発15%の場合でも電気料金は1.7倍、原発を事故前と同等レベルの20~25%に維持しても電気料金は1.6倍を超えるという試算がシンクタンクから提出され、有識者会議で採用されている。原発ゼロにした場合の電気料金は2倍ではなく、原発を15%や20%とした場合の2割弱増にすぎない点で、「原発ゼロで料金2倍」の表記は明らかに恣意的であり、悪意に満ちている。
しかも、それらの試算の元になっている電源種別の発電コストについてみると、原発の発電コストはキロワット時あたり8.9円を前提に計算されている。8.9円には、現時点で不確定な廃炉、除染、賠償などの費用は含まれておらず、あくまで既に確定しているコストだけを元に算出した数値である。これが今後確実に増えていくことも、有識者会議で繰り返し指摘されてきた。だからこそ、他の電源種の発電コストには上限と下限値が書かれているのに対し、原発の発電コストだけは上限値のない「8.9円~」という表現になっている。賠償や除染、廃炉費用によっては、今後原発のコストが実際に幾らになるか、事実上青天井のため、書きようがないのだ。
にもかかわらず8.9円を前提に原発の発電コストを計算し、原発がゼロだと電気代は2倍、15%だと電気代は1.7倍になると言い切るのは、これまでの議論を全く無視するものと言わざるを得ない。同じような問題点が、再生可能エネルギーの発電コストや系統対策費用(送電線の増設・強化費用)についても指摘できる。
これまで日本の審議会制度は、役所が自分たちに都合のいい委員を人選し、会議も非公開、ほとんど誰からも注目もされない中で開催され、そこで役所から出された方針やデータが政府の政策に反映される形で運営されてきた。官僚主導政治の本丸が、御用審議会制度にあったと言っても過言ではないだろう。
ようやく審議会の多くが公開されるようになり、今回の原発事故でエネルギー関係の審議会には少数とはいえ「反原発派」の有識者が委員に任命されるようになった。3・11以前では到底考えられなかったことだ。しかし、今回エネルギー環境会議で出された報告書は、ことごとくその成果を蔑ろにするものだった。また、それを監視すべきマスメディアも、問題点を指摘するどころか、それをそのまま垂れ流し、お墨付きを与える報道に終 始し、完全に3・11以前の状態に戻ってしまったようだ。
もはやマスメディア報道のレベルはいかんともし難いが、公開されたこれまでの議論を踏まえ、それから逸脱した勝手な決定を政府がしないよう、われわれ市民一人ひとりが監視していく厳しい目が、今こそ求められている。
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