レイバーネット日本のWP(http://www.labornetjp.org/)に出ていた木下昌明さんによる記事(http://www.labornetjp.org/news/2013/0125kinosita)。
『●木下昌明さん、『死刑弁護人』映画評』をアップした後、偶然、本件をツイッターで知りました。
本記事中で木下昌明さんは、吉沢正巳さん「は「意味のなくなった」町をたたかいの根拠地として、非道な原子力ムラの金の亡者たちに、挑戦の声をはり上げている」、と述べている。
『●大飯原発再稼働撤回に向けて、この熱気を見よ!』
この上記記事(OurPlanet-TV、http://www.ourplanet-tv.org/)では、「浪江町で酪農を経営していた「希望の牧場」の吉沢正巳さんは、「政府は福島の原発事故を過去のものとして蓋をして、再稼働でばんばんいってしまう。今回の事故で誰が責任をとっているのか、皆逃げている。言い訳をしてる。ごまかしてる。嘘ついている。もうたくさんだ。」と力強く話した」そうだ。
一方、酪農家の悲劇が忘れられないし、忘れてはいけない。森住卓さん、「その優しさ故に自ら命を絶ち、死後もそのことをわびるのだ。残酷だ。/なぜ、彼が謝罪しなければならないのか? 自殺に追い込んだ者達こそ、被害者に謝罪しなければならないはずなのに」。
『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」』
電力会社や自民党の議員ら、そういった原子力ムラ住人の一体だれが責任をとったのだろうか?
『●原発施設と断層、驚きを通り越して呆れる』
『●あさましいくないか!? 原発推進』
『●「暗闇の思想」か? 「豊かな」生活のための原発の恐怖か?』
『●厚顔無恥: 東京電力原発人災、一体だれが責任をとったの?』
『●「九電本店前ひろば」「経産省前テントひろば」の継続した抗議行動』
『●原発推進: 国民が見えているとは思えない政権』
『●「原発事故は終わっていない」』
『●原発をそんなところに建て、稼働してきた責任をどう取るのか?』
『●原発推進に反省なき党などダメでしょう!?』
『●東京電力原発人災の「つけ」と東電の無責任体質』
『●園子温監督の『希望の国』』
『●原子力ムラ完全復活宣言』
『●懲りない自民党議員、いまだに原発の安全神話の悪夢から覚醒せず』
『●原発人災、犯罪者を追求すべし:
なぜ自民党議員は口を閉ざし、マスコミは黙り込むのか?』
『●当該選挙民が責任を持って原発推進議員に落とし前を』
『●最高裁「原発安全性」研究会、過去の反省なくして意味をなさず』
『●戦争と原発: 伊丹万作さん「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」』
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【http://www.labornetjp.org/news/2013/0125kinosita】
被ばく牛と生きている牧場主の声を聴いてほしい!(木下昌明)
2013-01-27 13:35:03
被ばく牛と生きている牧場主の声を聴いてほしい!
ドキュメンタリー映画の『フタバから遠く離れて』をみて以来、気にかかっていた人がいた。それは浪江町で300頭の牛を一人で飼っている牧場主の吉沢正巳さん(写真)のことだ。時折、官邸前のデモにも姿を現している写真をみかけるが、わたしは一度も会ったことがなかった。その彼が1月25日の金曜夜の国会前でスピーチしたのに出くわした。力強いスピーチだった。
映画では「商品」でなくなった牛たちにエサを与えている彼の孤独な姿をみて、「どうするのだろう」と先が案じられた。その彼が近隣の牧場を案内していたシーンでは、牛舎の中でミイラ化した大量の牛の無残な姿があった。その光景は明日のわたしたちの姿ではないのかと思った。
また園子温監督の『希望の国』のラストで主人公が飼っていた牛たちを銃で殺し、自殺するシーンに、「希望」とは絶望の代名詞なのかと思ったが、吉沢さんは映画とは反対に、被ばくした牛たちも人間と同じ生きものとして育てている--そのエネルギーに感嘆した。彼は「意味のなくなった」町をたたかいの根拠地として、非道な原子力ムラの金の亡者たちに、挑戦の声をはり上げている。国会前でのこの声をぜひ聴いてほしい。(木下昌明)
→動画(5分) http://youtu.be/sWpfWNnZdBw
[※ブログ主: すいません動画を勝手に貼らせていただいております。]
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東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012690070255.html)。
「米国の水爆実験により被ばくした漁船「第五福竜丸」・・・元乗組員、大石又七さん(79)・・・福島第一原発事故後の日本を生きる若者たちに「原発も核兵器と同じ。なくさなければ安心して暮らせない。一人一人が考えて答えを出して」と訴えた」そうだ。
「怖いとも思わなかった。何も知らなかったから」とも語ったそうだ。
自民党の議員や彼らを支持する人たちは、東京電力原発人災で何も理解しなかったのか、知ろうとしなかったのか? 平気で原発を推進し、再稼働し、新規建設を進められる、その意識を理解できない。次に原発人災が起こっても「何も知らなかった」と答えるのだろうか・・・。
『●戦争と原発: 伊丹万作さん「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」』
『●『戦争の世紀を超えて』読了』
『●『だまされることの責任』読了(1/3)』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012690070255.html】
来館500万人の第五福竜丸 「ビキニと福島 つながっている」
2013年1月26日 07時02分
太平洋のビキニ環礁で米国の水爆実験により被ばくした漁船「第五福竜丸」=写真=元乗組員、大石又七さん(79)=東京都大田区=が二十五日、都内の中学校で講演した。四十年にわたり八百回近く体験を語ってきたが、昨年四月に脳出血で倒れ、この日は約一年ぶりの講演。福島第一原発事故後の日本を生きる若者たちに「原発も核兵器と同じ。なくさなければ安心して暮らせない。一人一人が考えて答えを出して」と訴えた。 (小林由比)
「怖いとも思わなかった。何も知らなかったから」。三輪田学園(千代田区)の講堂。中学二年生百七十二人を前に大石さんは、久しぶりの講演だからか、やや緊張気味に話した。
福竜丸の冷凍士だった大石さんは当時、二十歳。早朝の暗がりに突然、光と赤みがかった色が船を覆った。数分後、ドドドドーというごう音。しばらくすると、白い粉が落ちてきた。放射性物質を大量に含んだ「死の灰」。髪にも手にも付いた。
二十三人の乗組員に頭痛や頭髪が抜けるなどの急性症状が現れ、半年後には久保山愛吉さん=当時(40)=が亡くなった。
「あの時、放射能の怖さ、内部被ばくの怖さ、平和の大事さを、ちゃんと説明できたはずだ」。元乗組員の半数以上が亡くなった今、大石さんは、自分たちの体験や警告が顧みられず、今なお世界中に核兵器が存在することを憂える。原発事故後は、より精力的に全国を回り、放射能や原発の危険性を訴えた。
講演で大石さんは、A4判5枚の文章を生徒たちに手渡した。題は『ビキニの水爆と福島の原発はつながっている』。脳出血でリハビリ中、講演に行けなくても思いを伝えられるようベッドで書いた。
この日、福竜丸を展示する都立第五福竜丸展示館(江東区)が来館者五百万人を突破。「それだけの重みを一般の人も感じているからだろう。大事なことを忘れない人は何%かいて、そういう人たちが世の中を守ってるのかな、という喜びがある」
もう一つ、大石さんがうれしかったのは、展示館の学芸員市田真理さん(45)が共に舞台に立ち、対談形式で大石さんの言葉を引き出してくれたことだ。市田さんは大石さんの療養中、すでに予約が入っていた講演会で代理を務めてくれた。
「史料に基づいた語りをしてくれる人がビキニ事件を伝えてくれていること、うれしく思っています」と大石さん。
市田さんも「語り部・大石又七の、私は『語り継ぎ部』でありたい」と生徒たちに語った。
<ビキニ事件> 1954年3月1日未明、米国は施政権下にあったマーシャル諸島ビキニ環礁で、広島に投下された原爆の約1000倍の威力の水爆「ブラボー」を使った実験を実施。公海上にいた静岡県焼津市の遠洋マグロはえ縄漁船「第五福竜丸」の乗組員や島民らが「死の灰」と言われる放射性物質を強く帯びた砂を浴びた。その後も実験は続き、同年末時点で太平洋で操業中だった日本漁船が少なくとも856隻被ばく、全国で水揚げされた魚が破棄された。
(東京新聞)
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東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012890070741.html)。
最終的には断念したそうだし、「「悔やんでいる」と苦悩」しているそうだが、元長崎市長の本島等さんが長崎県五島への核燃料廃棄物の最終処分場誘致に動いていたそうだ。なぜなのか理由がよくつかめない。「過疎地の地域振興にと心を砕いたため」だそうだが、本島さんともあろう人が・・・。「原子力郷土の発展豊かな未来」・「原子力明るい未来のエネルギー」・「原子力正しい理解で豊かなくらし」とはいかないことは本島さんだからこそお気づきだったと思うのですよね。
『●「原発事故は終わっていない」』
『●最高裁「原発安全性」研究会、過去の反省なくして意味をなさず』
『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」・・・・・・いま、その〝少年〟は?』
『●何がメルトダウンしたのか?』
『●あさましいくないか!? 原発推進』
結局、今は「国が経済振興と引き換えに、地方に迷惑施設を押し付けることについては「そういう国の政策は、もう時代に合わないのではないか」と疑問を呈した」そうだ。
現実には日本のどこにも「死の灰」を100,0000年も保存できる場所などないし、一方、、「全国の原発五十基のうち約六割の三十三基が、数年間稼働させれば使用済み核燃料プールが満杯になり、動かせなくなる」にもかかわらず、安倍政権は原発推進へ邁進しようとしています。自民党は過去の原発推進に何の責任感も感じていないところが、さらに腹立たしさを増幅させます。まずは、すべての原子炉を停止して、廃炉に向けての作業を開始することで、もうこれ以上「死の灰」を増やさないことが第1歩だと思うのですが。
『●2030「年代」原発ゼロと原発建設再開』
『●使用済み核燃料プールが満杯になったらどうするの??』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012890070741.html】
05~06年 反核の本島元長崎市長 最終処分場誘致へ協力
2013年1月28日 07時07分
被爆地・長崎から世界に核廃絶を訴えてきた元同市長の本島等氏(90)が本紙の取材に、出身地の長崎県・五島列島に原発で使用を終えた核燃料廃棄物の最終処分場を誘致する計画に協力してきたことを明らかにした。過疎地の地域振興にと心を砕いたためだが、計画は地元の反対で頓挫した。福島原発事故で再び核の悲劇が繰り返されたのを受け、「悔やんでいる」と苦悩する胸の内を吐露した。(荒井六貴)
米軍の原爆投下で長崎では多大な犠牲者を出し、今も被爆後遺症に苦しむ人は多い。本島氏はカトリックの洗礼を受けており、自身の行為を公に“ざんげ”するのは初めて。
五島列島北部にある中通島の新上五島町で二〇〇五年、誘致計画が明らかになり、本島氏は推進する東京のNPO代表と接触し、協力を申し出たという。「五島に産業がなく、誘致すれば交付金が入り、雇用もできる。自分が中心になって、旗を振った方がいいと思った」と振り返る。
〇六年、国が処分場の安全性をPRするため福岡市で開いた会合にも出席。誘致計画のシンボルとして活動する意向を公表しようとしたが、親しい被爆者団体関係者らの反対もあり、断念した。
本島氏は「核と人類の平和が両立できないのは、はっきりしている。かといって科学の進歩は人類に必要で、どう是正し利用していくかも考えなければ」としながらも、原発事故の惨状に「後戻りできない悲しみを感じる。反省し、今も悩んでいる」と語った。
国が経済振興と引き換えに、地方に迷惑施設を押し付けることについては「そういう国の政策は、もう時代に合わないのではないか」と疑問を呈した。
本島氏は一九七九~九五年の四期十六年間市長を務めた。核兵器の廃絶を求めて国連軍縮特別総会で登壇し、八月九日の平和祈念式典で「長崎平和宣言」を唱えるなど、平和運動に取り組んできた。
<核燃料廃棄物> 青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場で高レベル放射性物質をガラスで固め、地下300メートル以深に最終処分する方針。国は2002年、100億円近い交付金を見返りに処分場候補地を全国の自治体から募集。高知県東洋町が07年に調査に応募したが撤回した。
(東京新聞)
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レイバーネット日本のWPの記事(http://www.labornetjp.org/Column/20120619)。
「木下昌明の映画の部屋」(http://www.labornetjp.org/Column/)より、齊藤潤一監督『死刑弁護人』の映画評。安田好弘弁護士についての映画。
『●木下昌明さんの新刊『映画は自転車にのって』』
『●『教育・研究分野での事業仕分け』』
『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(1/3)』
『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(2/3)』
『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(3/3)』
『●ドキュメンタリー『死刑弁護人』:
バッシングされ続ける「死刑弁護人」安田好弘さん』
『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(1/4)』
『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(2/4)』
『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(3/4)』
『●『死刑弁護人~生きるという権利~』読了(4/4)』
『●『特捜検察の闇』読了(1/3)』
『●『だまされることの責任』読了(1/3)』
「犯人もまた社会のひずみが生み出した被害者であり、彼の境遇を理解」・・・の部分は以下も。
『●『誘拐』読了(1/3)』
『●『誘拐』読了(2/3)』
『●『誘拐』読了(3/3)』
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【http://www.labornetjp.org/Column/20120619】
木下昌明の映画の部屋・第142回
●齊藤潤一監督『死刑弁護人』
「死刑弁護人」が見据える社会――民主主義の「最低の義務」とは
安田好弘弁護士については、凶悪事件の担当ばかりか本人まで逮捕されたりと、日ごろ新聞ダネになっているので、どんな人物か気になっていた。それが齊藤潤一監督の『死刑弁護人』をみて、彼の生き方や思想信条などおよそのことが理解できた。
映画は安田の日々の活動に寄り添って撮ったドキュメントで、『青空どろぼう』を作った東海テレビの製作だ。彼はのっけから「マスコミは嫌いです」と言う。取材に応じないのは、被告人をバッシングするための話題提供でしかないからだ、と明かす。
実際に彼が担当した事件は、オウム真理教事件の麻原彰晃、和歌山毒カレー事件の林眞須美、光市母子殺害事件の元少年等々、時々のマスコミを賑わし、“極悪”のレッテルを張られた人物ばかり。なかでも、1980年夏の新宿西口バス放火事件に強くひかれた。この時、巨人戦のナイター見物帰りの父子が焼死したが、筆者はその父とは顔見知りだった。真相は日々のニュースではつかめなかった。後に事件を扱った恩地日出夫監督の傑作『生きてみたい、もう一度』で被告女性のその後はわかったが、犯行の真相は依然つかめなかった。ただ全身にやけどを負った桃井かおりの熱演ぶりが印象に残っている。
これは安田の最初の担当事件で、彼は真相とその後の問題を語っている。それとともに、彼が「悪魔」や「鬼畜」とそしられようと、なぜ“凶悪犯人”の弁護を引き受けるのかも見えてきた。それは、事件を個人の罪に帰して片付けてしまうのではなく、犯人もまた社会のひずみが生み出した被害者であり、彼の境遇を理解し、彼にも「生きる権利」がある――という認識に立っていることからきている。(木下昌明/『サンデー毎日』2012年6月24日号)
*6月30日より東京・ポレポレ東中野、名古屋シネマテークにて公開。ほか全国順次 (c)東海テレビ放送
〔追記〕 映画をみても、新宿西口バス放火事件の真相がよくわからなかったという人がいた。そんな人には同名の原作(講談社文庫)がおすすめ。
それによると「犯人はバスで楽しそうに帰宅する人々をみて腹が立ってやった」――という検察のつくった動機とは違っていたこと。犯人の頭の中を占めていたのは「福祉さん」のことだった。彼には小さい息子がいたが、妻が育児放棄していたので福祉施設に預け、出稼ぎして月々施設に送金していた。しかし、息子を引き取りにいけなかったのでいつも自分を責めていた。8月、出稼ぎ先の飯場が盆休みに入って、その間、新宿で過ごすものの、いつも「福祉さん」に追われているという強迫観念にかられていた。いよいよ盆が明けたときロッカーに預けてあった荷物がなくなっていることにがくぜんとする。字がろくに読めなかった彼は、これを「福祉さん」の仕業と思い込み、逆上した。
犯人の頭の中では、相手はバスの乗客などではなかった。およそミステリーの小説世界などと違って犯行の真相はつじつまの合わないものだった。悲惨な事件をひき起こしたにもかかわらず、犯人の内面を占めていたストーリーは架空の「福祉さん」像との葛藤だったのだ。内面と現実とは、まるで噛み合っていなかった。そこにこの事件の不可解さがあった。その「真相」は、安田弁護人が根気よく面会しつづけたことでようやくみえてきた。その結果、「死刑」を「無期懲役」にすることができた。しかし、犯人は自分がしでかした犯行(自分の息子と同じような年の子まで死なせた現実)におののき、ついに刑務所内で自殺してしまう。自らの手で「死刑」を下したのである。彼もまた、この社会のひずみが生みだした「被害者」の一人だったか――
映画の『生きてみたい、もう一度』のなかで目に焼き付いているシーンがある。それはヒロインと愛する男とのラブシーンで、女が男の背に腕をのばして抱きしめる――その時、焼けただれて皮膚のなくなった黒い腕がニューッとのびてくる。これにわたしは戦慄した。甘いラブシーンを予想していたわたしのイメージを映像はひっくり返したからだ。
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『週刊金曜日』(2013年1月25日、928号)についてのつぶやき。
酷い2週間・・・。ようやく一息。ついでに、先週の分はブログ上に。
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『週刊金曜日』(2013年1月25日、928号) / 到着。「「韓と恨」と日本人」、「東北大学前総長の研究費不正問題が泥沼か」、「外務省が年末に公表したイラク戦争検証結果のひどい中身」。片岡伸行氏「規制委検討チーム、電力会社などから4500万円受け取る 4人のメンバー解任を要請」
『週刊金曜日』(2013年1月25日、928号) / 真野きみえ氏「大阪市民ががれき処理で監査請求 公権力行使に頼る橋下市政」。宇都宮健児さん「風速計 都知事選を闘って」。「谷村智康の経済私考 震災対策で、教訓が活かされているか 「鎮魂」報道の前に、現実を踏まえた報道を」
『週刊金曜日』(2013年1月25日、928号) / 平井康嗣氏選「本箱」の一つ、『僕たちの時代』青木理・久田将義=著、毎日新聞社。中嶋啓明さん「長官銃撃国賠判決 司法制度の根幹ゆるがす低劣なメディア」。投書のいくつかは、亡くなったベアテ・シロタ・ゴードンさんについてなど
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つぶやけなかった先週号。
『週刊金曜日』(2013年1月18日、927号) / 「本物のニセモノがやってきた 猪瀬直樹都知事に次ぐ」。佐高信さん緊急対談「尖閣を弄ぶな」。
編集部「安倍政権の民意無視の姿勢に危機感 「原発ゼロ見直し」は許されない」。粟野仁雄さん「大阪市体罰自殺事件で学校を擁護する保護者も 橋下氏、教育への介入強化か」。本多勝一さん「風速計 「尖閣」以上に「千島」こそ」。
半田滋氏「繰り返される安倍首相の「ごまかし」 集団的自衛権行使を突破、憲法はなし崩し、失われる自民党の矜持」。
「青島顕の政治時評 戦争体験者が少なくなった今 「戦争否定の切々たる志」をどう引き継ぐかが問われる」。
横田一さんによるインタビュー。桜井よし子氏「凄まじい卑劣さを監視する必要がある」・・・驚き(笑)の猪瀬氏批判! さらに、横田一さん「官僚や道路族議員に擦り寄った「偽りの民営化」 笹子トンネル事件を招き高速整備認めた〝改革派〟」。野中大樹氏「石原前都知事を継承しているようでしていない〝実務家〟 都知事の周辺に漂うこれだけの不協和音」。
「竹信三恵子の経済私考 アベノミクスは高度成長期の張りぼて 一皮むけば「お友達」への大盤振る舞い」。
きんようぶんか「本」、鈴木耕氏書評「未曽有の「うねり」 内部から率直に語る」、『金曜官邸前抗議 デモの声が政治を変える』、野間易通=著、河出書房新社。
企画・構成 矢崎泰久さん『話の特集』。小室等さんの「なまくらのれん/佐高節と小出節」、「福島原発事故の下、現在日本は非常時なのに、その認識が希薄な折も折、小出裕章・佐高信の対談本『原発と日本人』(角川oneテーマ21)がいい・・・」。同書のことは田中正造に絡めて、「金曜日から」で神原由美氏が。
青木理さん「司法を正す 第1回 三井住友銀行の元支店幹部を訴えている林秀子さん 「土地売買の21億円が知らぬ間に消えた」」。
山口正紀さん「大手新聞元旦社説 危険な〈安倍壊憲〉を無視」。高嶋伸欣さん「米国と同じ価値観? 安倍政権の暴走を指摘できない報道界」。
石坂啓さん「初めて老いった!? 第31回/ブラックジャックは年をとらない」。
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魚住昭さんの『魚の目』(http://uonome.jp/)に出ていた記事(http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2630)。
沖縄出身の「伝説の」報道カメラマン・石川文洋さんについての、魚住昭さんによる記事。衆院選でもほとんど話題にならず、争点にならない沖縄。米国侵略によるベトナム戦争取材で著名な石川さん、今も続く米軍基地問題、どう感じておられるのだろう? いまに始まったことではないが、米兵の犯罪やオスプレイヘリパッド問題・・・・・・。
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【http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2630】
わき道をゆくその7 県民大会行きのバス
2012 年 11 月 28 日
魚住 昭
石川文洋さん(七十四歳)は伝説の報道カメラマンである。
1964年4月、二十六歳で世界一周無銭旅行を計画して沖縄からオランダ船にタダで乗せてもらい、香港に渡った。所持金は27ドルしかなかったが、以前、勤めた「毎日映画社」で覚えたムービーカメラの撮影技術を買われ、香港の写真スタジオに雇われた。
その年8月、トンキン湾事件で米軍が北ベトナムを爆撃した。その反響を取材するためドイツテレビの仕事でサイゴンへ。これをきっかけにベトナムに4年も滞在することになる。彼がベトナムやカンボジアの激戦地などを駆けめぐって撮った写真の数々は、戦争の悲惨さと生命の躍動感を私たちの心に深く刻み込んだ。
その石川さんが沖縄北部のやんばるにやってきた。 “オスプレイパッド”(着陸帯)建設阻止の座り込み現場を取材するためだ。
小柄で銀髪。一刀彫の円空仏を思わせる、切れ長の大きな目。そして赤く日焼けした顔。首からオートフォーカスのカメラ(「キャノンの一番安いやつ」で4万円台だそうだ)をぶら下げている。
「今は長野に住んでるけど、私も沖縄出身だから」と言いながら、座り込みテントの空気に溶け込んでいく。迷惑をかけぬよう絶えず気配りしながら質問し、メモを取り、カメラのシャッターを切る。
誰とでも親しくなって雰囲気を和ませ、取材を終えると「じゃ、これで失礼します」と言って飄々と去っていく。
翌朝、思わぬところでまた石川さんに会った。那覇のバスターミナルだ。この日「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」が海浜公園(宜野湾市)で開かれる。彼は会場行きの無料乗車券を手にしていた。2日前の琉球新報や沖縄タイムスに掲載されたものだ。それを切り取って運転手に見せると、バス代がタダになる。
「無料券を持ってるんですか。いいなあ。僕は手に入らなくて」
私が言うと、傍らの中年女性が、
「あら、その切符1枚で2人まで乗れるんですよ」
と、親切に教えてくれた。私は石川さんの無料券のお世話になることにした。伝説のカメラマンと県民大会へ向かう、そんな機会に巡り会えたことに感謝しながら。
車内はほぼ満席。私は最後部窓際の石川さんの隣りに 座った。
「沖縄のどちらのお生まれなんですか?」
発車して間もなく彼に尋ねた。
「(那覇の)首里なんです。でも、五歳の時の1942年に大阪に出て、間もなく東京に移りました」
「それは、お父さんの仕事の関係か何かで?」
「父は沖縄の歴史小説や沖縄芝居の脚本を書いていましてね。それで(本土で)一旗揚げようとしたんですが、揚げられなかった」
1942年と言えば、県民の5分の1以上にあたる12万2千人余が亡くなった沖縄戦の3年前だ。
「そうですか。でも、おかげで命拾いされましたね」
私は当然「はい」という返事を予想していた。だが、彼は一瞬間を置いてぽつりと言った。
「沖縄戦のときに(沖縄に)いなかったという引け目をずっと、今も持っ てるんです」
ドキッとした。不用意に彼の心の深い襞に触れてしまったと思ったからだ。そこでごめんなさいと謝ればいいのに、私はまた軽はずみな言葉を口にした。
「ああ!その引け目が石川さんを戦場取材に駆り立てたんですか」
彼はその問いにはたしかイエスともノーとも答えなかったと思う。私の記憶に残っているのは次のような彼の言葉である。
「沖縄から遠く離れれば離れるほど、沖縄を思う気持ちが強くなるんです。だから沖縄に帰ってきたら、こうやってバスに乗るのが好き。だって乗客はみんなウチナーンチュでしょう。そのなかにいると、何だかホッとするんです」
石川さんは私の軽薄な言動を責めるでもなく、無視するでもなく、穏やかな言い方で大事なことを教えてく れた。それは、人の痛みをわがことのように感じる「肝苦(ちむぐり)さ」の感情と、それによって作られる沖縄の人々の強烈な一体感である。
この一体感は琉球王朝の昔から培われてきたものだ。薩摩藩による琉球侵攻、明治12年の琉球処分、沖縄戦後の米軍占領支配を経ても、それは変わらなかった。
「祖国復帰」から40年たった今も、沖縄は在日米軍基地の74%を押しつけられたまま「空飛ぶ恥」オスプレイを強行配備されようとしている。そんな不平等で危うい状況が沖縄の「肝苦さ」を極限に追いつめ、日米両国への不信感となって噴出しつつある。
バスは約30分で会場に着いた。運転手は無料券をろくに確認しようとせず、ゾロゾロと降りていく客たちにニコニコ顔で「いってらっ しゃい」と声をかける。その光景がいかにも沖縄らしい。
石川さんは「聞きました?運転手さんが『いってらっしゃい』だって。ふふ」と仄かに笑う。
広大な海浜公園は、炎天下にかかわらず10万1千人(主催者発表)の人波で埋め尽くされた。
石川さんと別れてあちこち歩いていたら、東京新聞の半田滋記者(五十七歳)に出くわした。防衛省詰め二十年、おそらく日本で一番軍事に詳しい記者だろう。
「これだけ多くの人が反対しても欠陥機を配備するのか」
と、聞いたら、彼が言った。
「ウン。岩国の試験飛行で安全性を見せつけてから普天間に飛んでくる。それは(米海兵隊の存亡がかかった)賭けだよね。でもサイコロ賭博で絶対に出ない目なんてないじゃない。必ずいつかオスプレイは事故を起こす」
海浜公園に近い普天間周辺の住宅地にオスプレイが墜ちる不吉な映像が頭をよぎる。2日前に会った琉球新報の若い記者は「僕らはオスプレイで死の危険に曝される。だから毎日必死で(反対の)記事を書いている」と言っていた。
編集局幹部は「このままだと米軍基地全体が敵意に囲まれ不安定化する。基地への電気・水道の供給を止めようという話も聞くが、敵意がどんな形で噴き出すか予測できない」と真顔で憂いていた。
沖縄はこれからどこへ向かうのだろうか。会場から見上げる青い空には、人々の肝苦さが満ちているような気がした。(了)
(編集者注・これは週刊現代連載「わき道をゆく」の再録です)
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東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013011501002282.html)。WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)の記事を二つ(http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/12/26/ibaraki_2012dec24/#more-4979、http://hiroakikoide.wordpress.com/2013/01/01/mbs1179_2012dec31/#more-5023)。
「活断層の直上禁止」、当たり前すぎて、何をいまさら言っているのだろう。それに、きっと「直上」の定義をあいまいにするにきまっている。「直上」じゃなければ大丈夫、と言うにきまっている。
これまでそんな危険なところに原発を建設してきた責任を、自民党と電力会社の一体誰がとったのか? 追求しないマスコミにも責任。騙された人々も責任を自覚しなければ、また、参院選でもきっと騙される。そうなれば、さらなる絶望感が広がる。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013011501002282.html】
活断層の直上禁止、明記へ 原発重要施設で新基準案
2013年1月15日 22時27分
原子力規制委員会(田中俊一委員長)は15日、7月施行予定の原発の新安全基準に、地盤をずらす活断層の直上に原子炉など重要な施設を設置してはならないと明文化する方針を決めた。今月末にまとめる骨子案に盛り込む。
国はこれまでも活断層上に重要施設の設置は認めていないが、根拠となる2010年改定の「安全審査の手引き」では「設置は想定していない」などと曖昧な記述にとどまっていた。
電力業界などは「ずれる量を計算して、小さいと予測できれば原子炉などを設置しても問題ない」と主張していたが、予測手法が実用化されていないため採用しない。
(共同)
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[※ブログ主: すいません、勝手に動画を貼らせていただいております]
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【http://hiroakikoide.wordpress.com/2012/12/26/ibaraki_2012dec24/#more-4979】
12月24日 「豆腐の上の原子力発電所」小出裕章さん講演/第二回 脱原発サミット in 茨城(文字起こし)
2012年12月24日に開催された「第二回 脱原発サミット in 茨城」に小出裕章氏が出演され、その動画がYouTubeに掲載されていましたので、このブログでも共有させていただきます。また、以下の通り文字起こししました。
▼文字起こしは以下。
◆質問者
小出さんにお聞きしたいんですけれども、東海第二原発というのがですね、実は調べてみるっていうと、え〜、あの〜、原子炉自体は、あの〜、非常に強固な岩盤の上に作らなければいけないと、そういう風にまあ決められている、え〜、で、実際にあの〜、え〜、あの〜日本原電が出しているようなあの安全、安心パンフレットを見ますというと、強固な岩盤の上にあるという風に書いてあるんですが、あの〜、ネットなどでですね調べてみたり、学者のあの論文等を読んでみたり、政府の発表物を見たりするっていうと、東海第二原発は、5メートルの、え〜とコンクリートの板に乗っていると、その下に8メートルのコンクリートを更に打って、人工岩盤という風にしてる、更にその下には、あ〜、泥岩というあの岩がある、で、え〜政府事故調などは、暗室岩盤と言って、え〜、既にあの強固な岩盤と言っていないのですが、こういう原発というのは、どういう風になるとお考えでしょうか?
◆小出
今、ちゃんとお話くださったけれども、東海第二原発だって、全然強固な岩盤じゃない、ですよね。でも、そんなこと言ったら、日本中強固な岩盤に建っている原発なんてない、んだろうと私は思います。浜岡だって相楽層とか言ってますけど、ボロボロですよね、あの手で持ったらパリパリと割れるようなところだし。
え〜、東京電力の柏崎刈羽原発、原子力発電所なんていうのは、砂丘の上に建てようとした、いくらなんでも砂丘はマズいだろうと言って何十メートルも穴を堀ったけれども、いくらやってもちゃんとした岩盤が出て来ないというとこで、そこに建ててしまった。
え、昔から「豆腐の上の原子力発電所」と呼ばれていた、そこが地震に襲われ、襲われたら、物凄い揺れになって、あちこちボロボロに壊れてしまったというのが、え〜つい何年か前にあったということで、この世界中の地震の、1割か2割が日本で起きるという、そんな国で安心して原子力発電所を建てられるような場所は元々無かったんです。
無いのに、とにかく建てたいということで、用地さえ買収できてしまえばもうどこでもいいと、あとは地盤が悪ければ人工岩盤だというようなことで、これまでやってきてしまった、という歴史があったと思います。
今、敦賀の、え〜、日本原電の、第二原発というところでも、原子炉の下に活断層があると、実はそれだってはじめから分かっていた筈だと私は思います。
でも、とにかくそこに建てるしかないということで、審査をする人たちが、これは活断層ではないと言ってしまえば、もう、そこに建ってしまうという、そういうことだった、と思いますし、え〜、東海第二原発も適地ではないし、日本中原子力発電所の適地はどこにもないのだという風に思っていただきたいと思います。
(拍手)
◆質問者
え〜、そうする…あの〜そのこととちょっと関連致しまして、小出さんにお伺いいたしますが、あの〜、私はあの学生時代に、あのたくさんの大学の学生が入る学生寮におりまして、あの〜、航空工学というものをやっている学生とよく話をしたんですけれども、え〜、その人と話して、工学上非常に重要であるのはフェールセーフであると、え〜、フェールセーフという思想が生きないっていうと、あの〜、そういうものは作ってはいけないんだと、あの〜、彼はすごく理想主義的であった、そういう風におっしゃった。
原子力発電所はいつまで経ってもあの熱が取れない、え〜、で、いつまでも永久に冷やし続けないっていうといけない、そういうのってフェールセーフって言えるのかな、人類の工作物としていいのかな、というのは感じるんですがいかがでしょうか?
◆小出
え〜、原子力発電所の場合には、フェールセーフという言葉、要するに何か間違えたことをやっても安全なんだというフェールセールという言葉もありますし、フールプルーフという言葉もありました。
それは、フール、バカですね、え〜運転員がバカなことをやっても、え〜、きちっと保証出来るような、するという、それが設計思想になっていると、ずうっと彼らは言ってきたわけで、設計思想としてそうするということは、むしろ当たり前のことでもあるのですね。
え〜、人間が間違えたことをするし、何か具合が悪いことが時によっては起きるというのは、当たり前なことなのであって、それに対して設計上対処しておくということは、当然の考えかた、です。
しかし、それが、原子力発電所の場合には成り立たない、のです。
皆さん、クルマで今日ここに来られた方がいらっしゃると思います。
例えば、時速40キロか50キロで、走っていて、走っている途中にタイヤが一つポロリと取れる、落ちてしまったと、といったら、みなさんビックリしてすぐにブレーキを踏んで、ある人はエンジンを切るかもしれない、そしたらまあ何十メートルかは走るかはしれないけれど、そこで時速0キロメートルになりますね。
必ず止まります。
しかし、原子力発電所という、ものは、ウランの核分裂を起こさせて、熱を発生させるわけですが、核分裂を起こさせる、起こさせた途端に、核分裂生成物という放射性物質が原子炉の中に貯まってくる、のです。
放射性物質はそのもの自身が熱を出す、というものが基本的な性質、です。
で〜、今日の原子力発電所は100万キロワットというのが標準になって、いますが、100万キロワットの原子力発電所というのは、電気になるのが100万キロワットと、いう意味です。
原子炉の内部では300万キロワット分の発熱をしていて、わずか3分の1だけが電気になって、3分の2、つまり大半の200万キロワット分は、使うことができないまま、海に捨てているという、そういう馬鹿げた装置、なんです。
で、その上に300万キロワット発熱しているというその熱のうち、7パーセントは、ウランが核分裂しているのではなくて、既に炉心に貯まってしまった核分裂生成物、そのものが出しているんです。
何か事故が起きて、ウランの核分裂反応を止めるということは、かなり比較的容易です。
たぶん福島の事故の場合にも止められたと私は思っています。
しかし、原子炉の中に、核分裂生成物が止まってしまっている限りは、7パーセント分のエネルギーは止めることは出来ないんです。
発熱は。
つまり事故があった、もうここで止まらなければいけないと思って、どんなにブレーキを踏んでも、エンジンを切っても、クルマが止まらないんです。
それが街中の人混みの中であろうと、山の中の崖っぷちであろうと、タイヤが外れたまま走り続けなければ、壊れてしまうというのが、原子力発電所というそういう機械なのです。
え、どんなフェールセールも、どんなフールプルーフも、もう成り立たないという、はじめからそういう基本的な性質を抱えた機械、です。
ですから、まあ設計思想として、フェールセール、フールプルーフということをやることは私は当然だし、いいことだと思いますけれども、(原子力発電所)というのは、それが成り立たない技術であると、思っていただきたいと思います。
(拍手)
▼動画
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[※ブログ主: 膨大な文字お越し作業、有難うございます。
音声ファイルは同所にありますので、下記アドレスに直接アクセス!]
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【http://hiroakikoide.wordpress.com/2013/01/01/mbs1179_2012dec31/#more-5023】
12月31日 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生が出演/MBS1179 報道するラジオスペシャル(文字起こし)
2012年12月31日、MBS1179 報道するラジオスペシャルに小出裕章氏が出演され、その動画がYouTubeに掲載されていましたので、このブログでも共有させていただきます。 また、以下の通り放送を文字起こししました。
▼出演者
【パーソナリティ】
水野晶子
近藤勝重(毎日新聞専門編集委員)
【ゲスト】
小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)
【テーマ】
「来年」。政権も変わった日本の来年がどうなるのか、どうなってほしいのか。
▼文字起こしは以下。
京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんです。
◆水野
小出さ〜ん。
◆小出
はい。
◆水野
こんにちは、というかこんばんはになってまいりましたがね。
◆小出
はい、こんばんは。
◆水野
どうぞよろしくお願いします。
◆小出
こちらこそ。
◆水野
近藤さんは、お久しぶりとはございませんか。
◆近藤
いや〜ぉ、お久しぶりです、えっ。
◆小出
そうですね。
◆近藤
お元気ですか。
◆小出
はい、何とか生きています。
◆近藤
そうですか。
◆水野
は〜い、あの今日もこの大晦日という日に小出さんとお話させていただく、たいへんお忙しいのに申し訳ないんですが、やはり、どうしても、この、今年2012年にね、原発巡る動きがどうであったのか、そして、来年どうなって行くのか、というのは、何としてでも小出さんに伺いたいという思いがございます。
え〜、そして、小出さんに質問したいというリスナーの方もいろいろと、あの〜、送ってきてくださっているんです〜。
で、まず、一番多くのお声をいただいているのは、何かといいますと、今日、毎日新聞の1面トップ、近藤さん、これ、毎日新聞がドドンと掲げましたね。
◆近藤
えぇ。
◆水野
安倍首相、原発新設に意欲。つまり、新しく作るという意味ですね。
新たに作っていく原発は、40年前の古いもの、事故を起こした福島第一原発のものとは全然違う、何が違うのかについて、国民的理解を得ながら、それは新規に作っていくことになるのだろう、という風に安倍総理がおっしゃったと、つまり新しく作って増やしていくという意味ですね。
◆近藤
うぅ〜ん。
◆水野
で〜、これについてですね〜、聞いてくださっている方が多いんです。
笑顔が一番さんも、大掃除しながら聞いていますけど、え、え、そういうことなんですか、再稼働に向けて、どんどん、あの、動き出しているんですか?とかですねぇ、あの〜、ホンマに前とは違う、福島とは違うものなんでしょうかっていう風に聞いてくださっているんです。
ここのところからまず始めたいと思いますが(はい)、え〜、まず安倍総理の発言について、どうお感じになりますぅ?
◆小出
呆れた人だと思います。
◆水野
呆…、そおぅですか…。
◆小出
はい。
◆水野
あの〜、ジュンジイトイさんというリスナーの方もですね、今の原発は昔のものと全然違うと、お〜、安倍さん言いますが、じゃ具体的にどこがどう違うんですか?小出先生教えてください、とおっしゃっております。
いかがでしょう。
◆小出
え〜、まず日本で原子力というものを進めてきたのは、自民党なんですね(はい)。
え〜、福島第一原子力発電所も含めて、え〜、日本国内に50何基もの原子力発電所を建ててしまったのは、すべて自民党、のせいです(はい)。
福島第一原子力発電所の事故を起こしたのも、自民党のせいです(うぅん)。
え〜、その自民党が、また新しい原子力を作ると、いうようなことを言っているわけですが、福島第一原子力発電所だって、自民党が安全な原子力発電所で運転していいと許可を出した…。
◆水野
そうか、そういうことですね〜、自民党政権のときに政府が許可を出したわけですよね。
◆小出
そうです。
日本の原子力は技術が進んでいる、日本だけは事故を起こさないというようなことを、自民党がずうっと言いながら来て、事故を起こしているのです(はい)。
まずその責任というものを、安倍さん自身がきっちりと言わなければいけないし(う〜ぉ)、これから新しい原子力発電所を作ると言うなら、まずそれがどこがどう違っているかを、安倍さん自身が言わなければいけません(はい)。
そして、私から見れば、まったく変わってはいない(ん〜)のです(はい)。
今は、改良型の軽水炉、えぇ、改良型の加圧水型原子炉、改良型の沸騰水型原子炉といういうようなものをこれから造ると言っているわけですけれども…。
◆水野
改良型って名前が付いているんですね?
◆小出
そうです。
◆水野
そうすると、私たちは、素人は、あっ改良されたんだ(はい)、大丈夫なんだというイメージを持つわけです。
◆小出
はい。技術というのは、少しずつ進歩していくわけで(はい)、悪いところを見ながら改良していくというのは、当たり前のことなのであって、1年経てばまた少しずつまた改良されているということは(うふっ)、当たり前のことなんですね(はい)。
はい、特に日本の場合には、その改良ということが、例えば原子炉の大型化であったり(ふぅ〜ん)、経済性の追求であったり(はい)、そういうことで来てしまったわけで、改良というのはむしろ私からみると改悪になってしまっている、のです(はぁ〜)。
で、いかなる原子力発電所も、原子炉というものを使う限りは、放射能を作ってしまいますし、機械である以上は、壊れるということは、ときにはあるということは覚悟をしなければいけないものなのです。
え〜、そういう意味で言えば、まったく変わっていない、旧態依然としたものを、また自民党がやろうとしているという、ことです。
◆水野
うぅ〜ん。近藤さん。
◆近藤
はぁい。
◆水野
自民党、安倍政権は、その〜原発推進シフトで閣僚はかなり固めているんですってねぇ。
◆近藤
う〜ん、そうですよ。甘利さんとかね(はぃ)。
いずれにしても僕は12政党の中で、脱原発に最も消極的だったのが自民党だったわけです、近藤の選挙でも(そうですね)。
で〜、にも関わらず、それが政権政党になっちゃったわけです。
え、そこんところがね、自民党のものの言い方っていうのは、結構いろいろ曖昧な部分があって、原発に依存しなくても良い社会を目指すっちゅう予防線を張ったり、いろんなことを言って、なんとなく争点からボカしていったんですよ。
◆水野
選挙のときになかなか争点になりませんでした。
◆近藤
そう、ですからね、そういう争点外しを意図的にやった上で、今になってですよ、原発新設に意欲を見せるような発言をするっていうのは(うぅん)、それはやっぱり〜、1000年に一度と言われる未曾有の災害、そのことのいろいろな豊かさの本質とかそんなこと問う選挙ででね、原発の問題を本当に問う選挙でね、そういうことを外して、国民に投票させて、そしてその後にですよ、こういうことを言い出すってのはね(はぁ)、僕はある意味そりゃフェアじゃないと思うんだよね。
んん、んだから、ここはやっぱり公明党がね(はい)、一緒に政権作っているわけですけれども(えぇ)、その話にどう反応するのかってことをね、とりあえずそこんところをまぁ見なくちゃいけないなっていう気がしていますけどね。
◆水野
小出さん、今起こっていることのもう一つの側面でね、福島原発事故を巡って、検察当局が東電の幹部から、事情を任意で聞いているっていうそういう事実もあるんですね。
で、あの〜、このポイントがどこかって言いますと、津波の危険性を予測しながら、津波に対する安全対策を怠ったんじゃないか、ここがどうだったんだというのがポイントになっているということなんですよ(はい)。
これ〜について、小出先生、どう見ていらっしゃるか教えていただきたいんですが〜。
◆小出
もちろん津波に対しての対策を怠っていた、のですね(はい)。
で〜、それだけでなくて、原子力発電所が機械であって、え〜、さまざまな要因でその機械が壊れるということについて、十分な対策を取らないまま来てしまった、わけです(えっえっ)。
もちろん地震という出来事で、原子力発電所の一部が壊れたかもしれないということは、え〜、福島第一原子力発電所の国会事故調査委員会すらが指摘している、わけで、え〜、東京電力の責任は私は猛烈に重いと(ん〜)、思います。
え〜、例えば、皆さん考えていただきたいのですが、どこかの小ちゃな町の工場が、毒物を回りに何か漏らしてしまって、周辺の人に迷惑をかけた、というようなことをすれば、すぐに警察が踏み込んで、え〜、某かの法的な手続きを取る筈だと思いますけれども、福島第一原子力発電所の事故の場合には、何十万人もの人が家を奪われる(え〜)、そして、その中で命を落としていくというようなことが進行してきている、今でも進行しているわけですし(う〜ん)、何百万人もの人が、放射線の管理区域に指定しなければいけないようなところで、生活を強いられてしまっていると、いう事実があるのです(はい、はい)。
それなのに、東京電力の会長、社長以下、誰も責任をと、問われていないという、この国はいったいどういう国なのかと私は思います。
◆近藤
あの〜、刑事責任のレベルで言うと〜(はい)、やっぱり津波の高さをね、そのどの程度彼らが想定してたかが大きなポイントになる(ポイントになるんですね)。ん〜、だから、所謂6メートル説、15メートル説、いろいろあるけども、東電の現場では、例えば15メートルと見ていたとすればね、その〜そんなら対策をとってたかとってないっていうことになると大きな違いがあるわけですよね(はぁ〜)。
あの、地検が関心を持っているのは、まずとりあえず津波の高さをどの程度想定できてたかと…。
◆水野
あぁそこになるんですか、ただ…。
◆近藤
だから、出来てない…。
◆水野
ってことであれば次の問えなくなるわけですね。
◆近藤
所謂予見可能性の問題だよね。
◆水野
でも、そうしますとね、ある意味、津波の危険性をどう捉えていたかっていうポイントの、訴訟だからそれはしょうがないんでしょうけれども、告訴、告発になってのことだからしょうがないのかもしれないけども、じゃ、津波が無かったら、原発は安全なんだと、いう話にも繋がっていきやすい論理じゃないですか?
◆近藤
それはまたその話の別個の性格として出て来ますよね(ねぇ)。
とりあえず起きた事故は、その津波と無縁じゃないわけで(もちろんね)多いに関係あるわけだから、あのそこで過失を問えるか問えないかっていううのはやっぱそこのところは大きいって判断をあると思うんです…
◆水野
しかし、問えないって可能性もあるってことですよね。
◆近藤
あるでしょうね。
あの〜、刑事事件的に言えばね(ん〜)。そういう性格のもんでしょうね。
◆水野
小出さ〜ん、今年というのは、5月5日に、全ての原発がストップしたんですよね。
◆近藤
そうでしたね。
◆水野
あのときの小出さんの、その言葉、あたし覚えているんですよね。
◆小出
はい。
◆水野
あ〜、こんな日がやってくるんだと、いう、非常に感慨深いものがおありだったと思うんですが〜。
◆小出
嬉しかったです。
◆水野
ねっ、そうおっしゃった。
しかし、続きませんでしたね、その状況は。
◆小出
そうでしたね。
◆水野
その後、2ヶ月弱で、え〜、大飯の3号機が再稼働するという形、7月1日に再稼働しましたので、2ヶ月弱で、全ての原発が停止している状況は、日本から消えました。
◆小出
はい。
◆水野
で、その間ね、何があってそういう風になったのかっていろいろ見ていくと、例えば大飯の再稼働に反対していた関西広域連合が、ま、限定的だったら再稼働は認めざるを得ないという風に態度を変えたと、いうようなこともあります。
え〜、そしてどんどんどんどん雰囲気が変わっていったんじゃないかと思うんですけれども、小出さんはその辺り、どんな風に日本の人たちの気持ちの変化を見ていらっしゃいますか?
◆小出
え〜、大飯の再稼働ということは、再稼働をしないと停電になるぞと(えぇ)、脅しをかけられたのですね。
で〜、橋下さんなどは、コロリと再稼働反対から容認に変わってしまうと、いうことになりました。
しかし、事実で言うのであれば、大飯なんか再稼働させなくても、電気は十分足りたのです(えぇ)。
それを、国民が皆さん、騙された。
橋下さんも騙されたフリをして結局認めていくということになりました。
私は日本の電力需給の状況というのを、もっと皆さんがしっかり知らなければいけないと思いますし、国と電力会社が正直に現在の状況というものを説明すべきだと私は思います。
◆水野
実際、再稼働無しでもこの夏電力不足にならなかったというのは、まぁ、後で検証してみたら、はっきりしたんですよねぇ。
◆小出
もちろん後でしてもはっきりとしましたし、はじめから分かっていたことなのです。
◆水野
小出先生は、始めから分かっているとおっしゃって(そうです)、そのベースになるデータは、国が出しているとおっしゃていますよねぇ。
◆小出
あの、国がデータ、どこの原子力発電所が何万キロワット、火力発電所が何万キロワットというデータを公表していますし(う〜ん)、え〜、そのデータを見る限りは、現時点で、原子力発電所を即刻全て止めたところで、いついかなるときも停電にはならないのです。
そのことを皆さんどうして分かってくれないか、私はたいへん不思議です。
◆近藤
そこのところがね、あれなんでね〜、あの選挙の間、そこのところが浸透してたらまた話が変わっていたんだよねぇ。
◆小出
そう思います。
◆近藤
それとね、僕ね(はい)、先ほどあの自民党の責任案あんぬんかんぬんの話で、そうしても今日付け加えて、先生のことに付け加えて言いたいんだけど、その東通原発の問題で、学者の方全員でしょ、全員が活断層の危険を言うてますよね(はい)。
にも関わらず、東北電力はそれを豊潤だ地下水を吸ってんだということで、要するに安全なんだということでまかり通ったわけでしょ(はい)。
で、まかり通らしたのはそしたら誰の政権のときだったのかと考えれば、これは自民党ですよね(そうです)。
そうすると、この手の活断層を巡るいい加減な、ある意味いい加減な処理のしかた、あるいはそのとき何がどうでOKになったのかというその経過、ここらあたりをもう一回やることがですね、あの、すごく大事なことなんじゃないかと、僕、最近よく思うんですよ。
◆小出
はい。
◆近藤
こんないい加減な形でぼんぼんぼんぼん原発が出来ていったのかと、今ゾッとするような感じの所謂原発、原子力ムラというものはこういうことだったのかというのがね、実態すら何か私そこに感じるんですけどね。
◆小出
そうですね(ん〜)、マスコミの方、報道の方にもっとしっかりとそういう事実をキチッと調べて報道して欲しいと願います。
◆近藤
本当に、今になってねぇ、え〜、何かそういうことを言ってもむなしさあるんだけども、でも、追求する側として遅くない気はするんですよね。
◆小出
そうですね、はい。
◆水野
う〜ん、やらねばやらないことですよね。
そして、あたし、返す返すもあのとき何やったんやろと思い出すのは、民主党がね、2030年代原発ゼロって言っておきながら、閣議決定しませんでしたよね。
◆小出
はい。
◆水野
あの辺りのことを小出先生、どう見ていらっしゃいますか?
◆小出
情けないことだと思いました。
え〜、元々民主党政権が、国民にパブリックコメントというのを求めて、2030年に0にするのか15にするのか25にするのかといって意見を求めたのですね。
◆水野
何%原発に依存するのかって話ですね。
◆小出
そうですね。
え〜、その政権の求めに応じて、多くの国民が意見を寄せました。
そして、その大部分はゼロにせよと、そして、2030年ではなくて、即刻ゼロにしろという意見が多かった、のです。
◆水野
そうでしたね、はい。
◆小出
それを受けて、民主党政権は、今度は30年代という、一つ代という言葉を付け加えて…。
◆水野
最初、2030年まででしたよねぇ。
◆小出
そうです。
2030年にと言っていたのですが。
◆水野
いや〜、まに〜もゼロにすると言ったら切ろと言ったら2030年代に10年も増えていましたよね。
◆小出
そうです、そうです。
2039年12月31日まで延ばしてしまった。
つまり10年そこでパッとさばを読んでしまった(えぇ)、わけで、それでもまあ一応はゼロと、を目指すと言ったのですね。
ただ、その閣議決定すらが出来ないという状態で、情けない政権だなと私は思いました。
◆近藤
これはあのすごく大きかったんですよ。僕は民主党政権の普天間の問題もおかしかった、そして、八ッ場ダムもおかしかった、そこに持って来て30年代でボヤケてしまって閣議決定しなかったでしょ(はい)。
こういう連続の中で民主党に対するイメージって言いますかね(はい)、ん〜、何かボヤけちゃったですね〜。
◆小出
そうでしょうね。こんな政権はやはり支持を失うと私は思います。
◆水野
その間ですね、株式市場で何が起こったか、東京電力の株価はですね、まぁ、あの事故後ずうっと落ちて行ったわけですけれども、ま、今やですね、一番低かった夏場の株価の倍以上に跳ね上がりました。
え〜、安倍さんたち自民党が圧勝と伝えられた直後の株式市場、東京電力はもうこれ以上値が付けれませんというストップ高にまでなるという、跳ね上がったんですよね。
で、小出先生ね、えっと更にこんなこと安倍さん言ってます。
福島第一原発の廃炉の作業を政府が全面支援すると、いう風にまぁ言っているんですねぇ(はい)。まあ、政府としてそれはやって貰わなあかんという気持ちもする一方で、ということは、東電が廃炉にしていく費用を、税金、つまり私らのお金で、負担していくってことになるんじゃ違うんですかね?
◆小出
そうですね。
え〜、私らのと水野さんのお金もある(みんながね)、私のお金、近藤さんのお金でもあるわけだし、何よりも、福島原子力発電所の事故で今家を奪われて(はい)、流浪化している人たちとして汚染地帯に捨てられてしまった人たち、そういう人たちのお金を使って、東京電力を救済すると…。
◆水野
そういうことになりますよね〜。
◆小出
いうことをやるのです。
◆水野
はぁ〜。
廃炉に、あのこの福島についてもね、廃炉にほんまにできるんですかと、これは和田さんという方も聞いてらっしゃいますけど、それぐらい思うような廃炉って、お金どのぐらいかかるんですか?
◆小出
分からないのです。要するに、人間が初めて遭遇したことなのですね、今、一度に4基もの原子炉が溶け落ちて、しまって、放射能がそこから吹き出してきていると、いう状況になってしまっているわけで、いったいどうやれば廃炉に出来るのか、そのこと自身が分からない、のです。
え〜、もちろん東京電力が自分でやろうとすれば簡単に倒産するという、それほど難しいことであって、日本の国家がなにがしかの財政負担をやらなければならないということは、当然なことなのですけれども、え〜、こんなことを引き起こした責任というものをまず、東京電力も、そして自民党という政党も、自覚をしなければいけないと思いますし、その全ての負担を国民、そして今苦しめられている人たちにまた負わせようとしている、のです。
◆水野
え〜、コマーシャル挟んでも少しお話聞かせてください。
☆☆☆
◆水野
今日は、京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんにお話を伺っております。
小出さ〜ん、引き続き伺いたいんですけれども、あの〜、多くの方たちが脱原発を望んだという事実がまぁあります。
しかしながら、今になったらですね、え〜、ま、選挙で大勝した政権のリーダーは、新しく造って行くということに意欲を示しているという、これが今日本の実情なんですよね。
◆小出
そうですね。
◆水野
何でこんなことになるのかと、いうこと、ま、いろんな見かたがあると思いますけれども、小出さんはどう思われます?
◆小出
また、騙された、ですね。
◆水野
また騙されたですか?
◆小出
要するに、近藤さん、先ほどキチッとおっしゃってくださったけれども、え〜、選挙のときには、自民党が明白に自分たちは進めるということは言わなかった。
◆水野
10年でいろいろ考えますの話でしたね。
◆小出
はい、でも始めから明白に進めるということは彼ら腹をくくっていたわけ、ですし、それを言わないまま選挙というものは行われて、国民がまた騙されたということです。
◆水野
あの〜、この、騙されたという感覚ね。
ん〜、確かにそれは騙されたかもしれないけど、あたしは〜こういう風に原発政策を自民党は考えているだろうということを、安倍さんがはっきりおっしゃらなくても、感じてましたよ。
◆小出
そうですね。
◆水野
小出先生ももちろん、小出先生はもちろんですけれども、感じている人は私だけじゃなくって、あっ、自民党はたぶんこうするんだろなって、感じてたんじゃないですか〜?
◆近藤
騙されたっていうかね、あの〜、要するに優先度が下がったんですよ。
国民の意識の中で。
自民党のものの言いかたで。
も、う〜ん。
◆水野
今すぐ株上げてほしい、自分の暮らしを良くしてほしいのが、上がったっていうことですか?
◆近藤
うぅ、そっちのほうがむしろ、ううん、所謂生活者レベルの感覚のほうが上へ上がっちゃったんだよね。
そやけど本当を言うと、主権者、主権者としての感覚が一番優先されなければならない総選挙だったんだわ。
◆水野
本当はね(うん)。
そこのところ、騙された、騙されてしまう私たちっていう、ところ小出さんは、どう見てらっしゃるのか、小出先生もね、子どもの頃は、騙されたっておっしゃっていたじゃないですか(はい)。
戦後間もない時代にね、子ども時代を迎えられて、あの戦争の話と原発の話って似てるとこありませんか?
◆小出
はい、私はずうっとそう言って来ましたし、え〜、私が関わり続けてきた原子力の歴史というものを見ると、戦争のときとそっくりだなと(え〜)、思い続けてきましたし、今でもそう思います。
◆水野
どういうことでしょう?
◆小出
え〜、要するに国家という存在が、戦争をやると決める、あるいは原子力をやると決めて、え〜、体制というものが全部でそれにのめり込んで行くという、そういう流れだった(う〜ん)、だと思います。
え、戦争はもちろんそうでしたし(はい)、原子力もそうでした。
えぇ、マスコミも含めて、みんなが原子力こそ夢のエネルギーで、事故など決して起こさないというような宣伝、流れを作ってしまって、国民の多くはそれをただただ信じて、きてしまったという流れだったと思います。
でも、少なくとも、原子力に関しては、福島第一原子力発電所の事故というものが起こって、今現在進行しているのです(そうですね〜)。
え、苦しみが何も軽減されないまま、人々の苦しみが続いているわけで、せめてしっかりと目を見開いて見てくださいと私はお願いしたいと思います。
◆水野
何で私たちは騙されてしまうのでしょうか?
◆小出
今まあ近藤さんおっしゃってくださったけれども、やはり生活、日々の生活、もっと景気が良くならないかとか、そうしたものにやはりどうしても引きずられてしまうということが一番大きな要因だと思います。
◆水野
う〜ん、あの〜、戦争についても近藤さん、あれですね、こう、責任をちゃんと取れているのかと、いうことをずっと問われ続けて来た日本ですよねぇ。
◆近藤
で〜、広島、長崎を見て、そして福島を見たわけですよ。
これはまさに核と原子力の負の連鎖ですよね。
こんな国ないですよ(んん)。
ないときに選挙があったんだけど、その答えが出なかった。
◆水野
私たちは出せなかった。
◆近藤
んん、そうですね。
そこがね、辛いところです。
◆水野
はぁ〜、自民党の得票率が、ね、決して上がっているわけではないという事実がそこにあるわけですね。
え〜、小出さん。
◆小出
はい。
◆水野
この番組は来年どうなっていくのかという話をまぁ皆さんに伺っているんですが、小出さんはこの原発問題に関して、どう見ていらっしゃいますか?
◆小出
まぁ少なくとも自民党が政権を取ったわけですから、え〜、脱原発、あるいはその原子力をゼロに目指して行くという流れは、大きく変えられてしまうだろうと、私は思います。
ただし、このまま、反省のないまま、また新しい、再稼働どころじゃないんですね、自民党の場合は。
◆水野
新しく造るですから。
◆小出
そうです。再稼働なんか当たり前で、更にまた新しく造ろうということを自民党という政党は言っているわけですね。
私はそんなことを到底させたくないと思いますし、え〜、次のまた次の参議院選挙があるわけですから、え、キチッと皆さん考えていただきたいと思います。
◆水野
そうですね。
また来年7月に、私たちが問われる段階がやってくるんですね。
◆小出
そうですね。
◆水野
でも、そのとき、またこの原発の問題、隠れるかもしれませんね。
◆小出
え、また、自民党はたぶん参議院選挙までは、あまり明確に進める進めると言わない作戦に出るんだろうなと思っています。
そして、また国民が騙されて、自民党を支持してしまうようなことになれば、もうそれで終わりということになると思います。
◆水野
はぁ〜、小出さん、またん〜来年希望のある話を聞かせてください、なんて簡単に言えないんですけれど、何とか希望のある話が出来ればという風に願っております。
◆小出
はい、思います。
◆水野
はい、どうもありがとうございました。
◆小出
ありがとうございました。
◆水野
京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんにお話をいただきました。
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松下竜一忌での小出裕章さんの講演が本になるという記事(http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/oita/news/20130115-OYT8T01487.htm)。
うかつにも、見落としていた!!
『●第八回竜一忌、涙が出ました: 松下竜一さん「暗闇の思想」を語る小出裕章さん』
以下に再掲。
「是非、見てみてください。松下竜一さんを知る、その思想「暗闇の思想」を知るためにも。松下センセファンとして、本当に涙が出ました。短歌や緒形拳さんのこと、想聞のこと、松下竜一ファンであること、広河隆一さんのDAYS JAPANのこと、周防灘総合開発計画・豊前火力 環境権裁判、カン・キョウ・ケンのこと、伊藤ルイさんのこと、東アジア反日武装戦線〝狼〟と市民の敵というレッテルのこと、「底抜けビンボー暮らし」のこと、「暗闇の思想」を決意するということ、などなどを語る小出裕章さんの素晴らしさも、再認識させられました。百聞は一見に如かず、是非ご覧ください。」
『●いま「暗闇の思想」を: 朝日新聞(地方版?)社界面トップ』
『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う』
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【http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/oita/news/20130115-OYT8T01487.htm】
竜一忌の講演を本に 小出・京大助教 「今ある電力で生活を」信念忘れない
中津市出身のノンフィクション作家松下竜一さん(2004年死去)をしのぶ昨年6月の「第8回竜一忌」で、京都大原子炉実験所の小出裕章助教が原子力発電所の問題などについて講演した内容が「今こそ〈暗闇の思想〉を」(一葉社)として出版された。小出さんによる松下さんへの思いも記されている。(柿本高志)
竜一忌は、松下さんの活動を支えた人たちでつくる「草の根の会」(梶原得三郎代表)の主催で、毎年、中津市で開かれている。
小出さんは、早くから松下さんのファン。1986年のチェルノブイリ原発事故後、松下さんに招かれ話をしたこともある。反原発の立場から多くの本を出版し、2011年3月の福島第一原発の事故後は全国各地で講演を続けている。
昨年6月の竜一忌では約2時間講演。原発事故が日本に甚大な被害を与えたことや、既存の火力、水力発電所を活用すれば、原発に頼らなくてもいいことなどを、自らまとめたデータで説明している。
未来の自然環境や生活環境を守ろうと、貧しさにめげず、信念を貫いた松下さんのことを忘れないで、自分なりに生きて行きたいという決意で締めくくっている。
松下さんが約40年前「今ある電力で成り立つような文化生活を考えよう」と訴えた「暗闇の思想」について執筆した文章なども掲載されている。
梶原代表は「小出さんが講演してくれて、松下さんも喜んでいるだろう。本になって素晴らしい講演だったことを改めて実感した」と話している。
本は117ページ、1000円。問い合わせは一葉社(03・3949・3492)へ。
(2013年1月16日 読売新聞)
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gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/140536)および東京新聞社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012202000133.html)。
亡くなられた学生さん、遺族の方々には本当にお気の毒としか言いようがない。本当に報道されているような内容であれば、暴力教師に対する怒りしか湧いてこない。
それでもやはり、元大阪〝ト〟知事の言動や行動は異常だと思う。遺族がそれを望んでいるとは、私には、思えない。東京都教委(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C5%D4%B6%B5%B0%D1)といい、大阪市教委といい、元〝ト〟知事の言いなり。教育や教育者を支える、学生を守る矜持もないようだ(『桜宮高の体育系2科、募集中止 体罰問題受け大阪市教委』(http://www.asahi.com/national/update/0121/OSK201301210026.html)、『後味悪い“政治決着” 桜宮高体育系2科募集中止』(http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130122/dms1301221151011-n1.htm)、『橋下氏は真紀子氏そっくり!? 極論で注目集め改革進める共通点』(http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130122/dms1301221143008-n1.htm))。「ドン引き」しているだけで、批判もできないのだから大阪、関西のマスコミもだらしない。
『●対橋下元〝ト〟知事、どうすべきか?』
たかがハタやウタに対する異常な反応も同様(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C2%B4%B6%C8%BC%B0)。
「単なる思いつきのレベル」「パフォーマンス」「体罰容認派」「強いリーダーを演出」「底が透けて見える」、「政治的パフォーマンス」・・・・・・、正に。橋下元大阪〝ト〟知事に投票した人や支持者、喝さいを送る人たちの気が全く知れない。どちらが「大阪の恥」か?
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/140536】
大阪市民も呆れた 橋下態度ヒョー変のあざとさ
2013年1月18日掲載
全教員を異動させろ!
<かつては体罰容認だったくせに>
大阪市立桜宮高校バスケットボール部の主将(17)が顧問の教諭から体罰を受けて自殺した問題で、橋下徹市長が連日、高圧的な発言をしている。
問題発覚直後の1月10日の会見では「限度を超えた指導が常態化していた。最悪の学校だ」とボロクソに批判。15日は「こんな状況で募集を続けるとなれば、大阪の恥だ」と1カ月後に控えた体育系学科の入試中止を市教委に求めた。
さらに16日には「再生には、これまでの伝統を全て断ち切らないといけない」と校長を含む全教員(44人)の異動まで迫ったのだ。
「17日は『(教員が)13年度もいれば、人件費を払わない』とまで
言い出しました。さすがにやりすぎで、記者たちもドン引きしています。
教員総入れ替えは学校が混乱するだけだし、入試も今になって
中止となれば、入学を目指していた中学生が被害を受ける。
市に寄せられる意見も8割以上が『夢を潰さないで』『保護者や
受験生に不安を与えないで欲しい』といった橋下批判です」
(市政担当記者)
17歳の高校生が自ら命を絶ったことは重大な問題だが、かつては体罰を容認する発言もしていた橋下が、なぜここまでムキになって乗り出しているのか。
「最近、安倍政権ばかりが注目されるので、焦りがあったのでしょう。
何かを利用して再び浮上しようと考えていたのではないか。
本人は強いリーダーシップを発揮しているつもりでしょうが、
『全教員異動』も『入試中止』も単なる思いつきのレベル。
市長直轄のチームが調査をしているのに、結果を待たずに
発言するのはパフォーマンスと批判されても仕方がない。
それに、日本維新の会の共同代表の石原慎太郎氏は体罰容認派。
戸塚ヨットスクールを支援する会の会長でもある。党としての整合性は
どう取るつもりなのでしょうか」(ジャーナリストの斎藤貴男氏)
強いリーダーを演出したいのだろうが、底が透けて見えるから信用ならないのだ。 ================================================================================
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012202000133.html】
【社説】
桜宮高入試問題 子どもの夢が奪われる
2013年1月22日
体罰問題が持ち上がった大阪市立桜宮高校の体育系学科の募集が中止された。橋下徹市長の要請に市教育委員会が折れた形だ。大人の一方的な理屈で落ち度のない子どもの夢が奪われるのは残念だ。
体罰を受けて自殺したバスケットボール部主将の問題が子どもを苦しめる方向へと転がっている。市教委が二月に予定していた桜宮高の体育科とスポーツ健康科学科の入試を取りやめた。
全教員を異動させ、体罰を容認する伝統や校風を断ち切り、生まれ変わらせる。市教委が入試の中止を拒否するなら予算を出さない。橋下氏のそんな強硬姿勢が異論を封じ込めた。
入試本番を目前に進路の変更を強いられては、受験生の夢がついえてしまわないか。将来のスポーツ選手や指導者を目指して積み重ねてきた努力が水泡に帰してしまわないか。強く懸念される。
自らの実力ではなく、いわば大人の論理で未来への門戸が閉ざされたのだ。教育行政への不信感が募りかねない。
在校生は「人生の一部である新入生の受験の機会を奪ってほしくない」と訴えた。橋下氏も市教委も、子どもや保護者の声をもっと真摯(しんし)に受け止めるべきだった。
確かに、問題の背景に浮かんだ市教委や学校の閉鎖的で事なかれ主義の体質は看過できない。バスケ部を強豪チームに導いた実績を理由に周りが顧問の体罰を黙認した。市の公益通報窓口に寄せられた体罰情報を事実上放置した。
だからこそ橋下氏は弁護士らの外部監察チームをつくり、市教委と共に徹底調査に乗り出したはずだ。優先すべきは入試の中止ではなく、実態を調べて勝利至上主義の風潮を改め、責任を明確にして再発防止につなげることだ。
それがバスケを愛しながら自殺に追い込まれた男子生徒の思いに報いることになると考える。体罰の真相さえ判然としないのに、罪のない受験生や在校生に負担を与えるやり方は理解できない。
桜宮高では体罰が発覚したバスケ部やバレーボール部だけではなく、文科系を含めてすべての部活動を自粛している。子どもへのしわ寄せが大きすぎる。
市教委は体育系学科の定員百二十人分を普通科として募集し、試験科目は従来の体育系学科と同じにするという。入学後の子どもの意欲を低下させないよう配慮してほしい。政治的パフォーマンスが感じられる橋下氏に対し、市教委は見識を示せなかったのか。
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神保哲生さんのvideonews.comの記事(http://www.videonews.com/fukushima/0001_5/002621.php)。
危機を煽るつもりはないが、原発人災が収束したような言説はいかがなものか??
9・11陰謀論や「水伝」(「水からの伝言」)など、ニセ科学を批判してきたものとして、安全側に考えておくべきことは当然としても、3.11東京電力原発人災のニセ情報に踊らされないような対応を心がけたいのだが・・・・・・、なかなか難しい。「温度計」の問題や「放射線量急増」の問題など、過剰な反応も心情的に理解できるし、「予防措置原則」で対処すべきであるけれども、でも、揚げ足を取られて、反原発派・脱原発派が推進派に「付け入」られないようにしたいものだ。
その上でもやはり、危機を脱し、東京電力原発人災が解決したかのように、「「福島の安全が確認できれば、できるだけ早く自国に原発施設を建設したい」と考える出席者」が出るような現状認識、あるいは、IAEAや日本政府のその認識への誘導は間違っている。
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【http://www.videonews.com/fukushima/0001_5/002621.php】
福島報告 (2012年12月21日)
IAEA国際会議に福島の住民が反発
報告:藍原寛子氏(医療ジャーナリスト)
総選挙まっただ中の12月15日、日本政府とIAEA(国際原子力機関)による国際会議「原子力安全に関する福島閣僚会議」が原発事故の被災地である福島県郡山市で開催された。IAEA加盟120か国が参加した。福島県や福島県立医大、外務省が除染、放射線モニタリング、健康の3分野でIAEAの協力を受けることで合意。今後IAEAは福島県内に拠点を置いて、支援活動を展開する。
この国際会議は2011年5月、当時の菅直人首相が提唱。今年8月に佐藤雄平福島県知事がウィーンのIAEA本部を訪れ、天野之弥事務局長に福島への支援を要請して開催が決まった。表向きは原発震災に遭った福島県民への支援だが、実際には別の側面もあった。
会議に先立って、来日した各国の出席者は福島第一原発を視察したが、天野事務局長が「防護服は着ずに、マスクと手袋だけで回れるようになった」と話したことが報じられたり、日本産食品の試食会が開かれるなど、海外の出席者に安全性をアピールする内容も盛り込まれた。
福島県・福島県立医大・外務省とIAEAがそれぞれ取り交わした覚書の内容は、県民健康管理調査に関して、県民の個人情報保護やインフォームド・コンセント(説明と同意)の確認など不明確な点が多い。本来は県民の健康のために分析されるデータについて、どこまで第三者がチェックできるのか具体的な説明は行われていない。
もう一つの課題は、脱原発を決めた福島県が、「原子力の平和利用」を掲げるIAEAの協力を仰ぐことが、本当に県民の意思に沿っているのか議論の余地がある。原発に関する立場が異なる組織による協力関係は、「利益相反」の可能性もあるからだ。
会議には、今後、原発事業を導入したいアジアの新興国の代表、各国の電力会社の代表なども参加、新興国で電力不足が顕著になるなかで、「福島の安全が確認できれば、できるだけ早く自国に原発施設を建設したい」と考える出席者もいて、関係者による情報交換やロビー活動が盛んに行われた。
会場の外では、住民を中心として反原発を訴える人々による抗議活動が展開された。IAEAの活動をウォッチするグループ「フクシマ・アクション・プロジェクト」や、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウの代表者らは、「福島原発事故はまだ終わっていない。事故を過小評価しないでほしい」「福島県内の原発を全て廃炉にするよう日本政府に働き掛けてほしい」「子どもや若者の被害の最小化に努めてほしい」などとする要請書をIAEA報道官に手渡した。
会議の映像を交えながら、神保哲生とジャーナリストの藍原寛子氏がレポートする。
プロフィール
藍原 寛子 あいはら ひろこ
(医療ジャーナリスト)
1967年福島県生まれ。1990年千葉大学文学部行動科学科卒業。同年福島民友新聞社入社。マイアミ大学医学部移植外科、フィリピン大学哲学科などの客員研究員、国会議員公設秘書を経て、2011年よりフリー。
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山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、1月16日)。
いろいろな意味で、痛ましい・・・。陰謀論と批判を受けそうだが、小泉純一郎氏や竹中平蔵氏らが唱える新自由主義的な経済や政治に遠因がありはしまいか? 「シルバー産業」なんて云う言葉を聞くと、ゾッとする。企業の上層部が大金持ちになるためだけに、労働者が奉仕させられる。記事の「職員」も「業務上過失致死」を引き起こそうと思っていたのだろうか? それが引き起こされる可能性の高い労働を「職員」に強いるような労働形態になっていなかったのか・・・。山岡俊介さんの云う「今回の水死事故、施設側は「手が回らなかった」と釈明しており、職員不足=利益率の向上で起きたのだとしたら、渡邊会長の責任は重い」・・・、と私も思う。
『●3.5期の空白都政と都知事選候補達』
『●馬鹿馬鹿しく、そして無力感漂う』
『●働くとは何か? 死ぬために働く・・・・・・』
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【http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、1月16日】
2013/01/16
今度は介護施設入居者が水死ーー「ワタミ」渡邊美樹会長が続ける社員“奴隷労働”のツケ!?
執筆者: Yamaoka (1:44 am)
1月12日、大手マスコミで一斉に報じられた、居酒屋チェーンなどを展開する「ワタミ」(7522。東証1部)グループ会社「ワタミの介護」が運営する有料老人ホームで起きた入居女性(74)の入浴中の水死ーーもちろん、単に不幸な事故ならこれほどは報じられなかった。(冒頭写真=「毎日」1月12日)
ワタミ側は遺族に対し、10分程度目を離した間に病死した可能性が高いと説明していたが、実際は1時間半も職員が現場を離れ、水死していたことが防犯カメラ映像から判明。虚偽説明で、業務上過失致死の可能性もあるとして警視庁が捜査をしていることがわかったからだ。
ワタミの介護事業は後発組にも拘わらず、M&Aを経てわずか7年余りで業界4位。グループ全体に占める売上高は2割程度だが、営業利益では過半数を越えている。
その原動力は、いまもメーンの居酒屋チェーン同様、ともかく創業者で会長の渡邊美樹氏(横写真)が説く「お客様第一主義」。低価格や盛りだくさんのサービスが利用者の支持を得ている面があるのは事実。だが、それが職員の“奴隷労働”のような犠牲の上に成り立っているのだとすればこれは問題だし、回り回って利用者にもそのツケが来る。今回の水死事故、施設側は「手が回らなかった」と釈明しており、職員不足=利益率の向上で起きたのだとしたら、渡邊会長の責任は重い。
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mynewsjapanの記事(http://www.mynewsjapan.com/reports/1743)。
「大企業・大組織・権力・資金のある者が、資金力に劣る一般人や個人、市民団体などを名誉毀損で訴えて言論封殺を狙う訴訟」の典型、田中稔さんについての原発SLAPP(スラップ、SLAPP)の続報。
『●SLAPPと原発、沖縄』
『●原発SLAPP(スラップ)=原発恫喝訴訟による原発批判への委縮効果を狙って』
「田中氏は、各界の重要人物を結ぶ橋渡し役を白川氏が務めた一例として、ゴルフコンペに言及。コンペ参加者のキーワードは、パチンコ・原発・特許である、と指摘」したそうだ。「パチンコ機器メーカー代表の熊取谷稔、警察庁の黒澤正和、原発推進の資源エネルギー庁で総務課長を務めた元特許庁長官の吉田文毅…と、関係者の実名を法廷の場で明かしていった」そうであるが、資源エネルギー庁との関係がいまいちよく分からない。「西松建設」「新銀行東京」「水谷建設」、原発警備の会社「(株)ニューテック」、「監査役に東京電力立地部長」・・・・・・、う~ん、何なんだろう?
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【http://www.mynewsjapan.com/reports/1743】
原発SLAPP(口封じ訴訟)被害者が法廷で明かした実名――熊取谷稔(パチンコ)、黒澤正和(警察)、吉田文毅(資源エネ、特許)・・・・・・
林克明
13:07 12/25 2012
「最後の大物フィクサー」白川司郎氏、東電利権に食い込む――。週刊誌にそんなタイトルの記事を書かれた白川司郎氏は、執筆者の田中稔氏(ジャーナリスト・『社会新報』編集次長)個人に対し、名誉毀損であるとして今年3月、6700万円の損害賠償を求め、訴えた。12月10日の第5回口頭弁論で被告席の田中氏は、各界の重要人物を結ぶ橋渡し役を白川氏が務めた一例として、ゴルフコンペに言及。コンペ参加者のキーワードは、パチンコ・原発・特許である、と指摘。パチンコ機器メーカー代表の熊取谷稔、警察庁の黒澤正和、原発推進の資源エネルギー庁で総務課長を務めた元特許庁長官の吉田文毅…と、関係者の実名を法廷の場で明かしていった。
【Digest】
◇原子力村を追及したら訴えられた
◇北軽井沢接待ゴルフに集まった重要人物の名前
◇熊取谷稔・黒澤正和・吉田文毅氏らが集った
◇新銀行東京の内田泰司取締役もコンペに参加
◇1%を守るための名誉毀損という罪
◇原子力村を追及したら訴えられた
この裁判は、スラップ(SLAPP=恫喝訴訟・口封じ・いやがらせ訴訟)であると、被告の田中氏が反論しているのがポイントだ。大企業・大組織・権力・資金のある者が、資金力に劣る一般人や個人、市民団体などを名誉毀損で訴えて言論封殺を狙う訴訟を、スラップという。
訴えられた個人は、訴訟のために時間をとられ、仕事も日常生活にも支障をきたし、精神的にも金銭的にも疲弊し、言論活動をすることができなくなる。こうして相手の言動を抑えるのが目的だから、訴えること自体で目的を達成し、勝ち負けは関係ない。米国にはこうした訴訟を規制する法律があるが、日本は野放しとなっている。
田中氏側は、「フィクサー」と書いた大手新聞・週刊・月刊誌記事19本を含め、計約60本もの記事リストと解説書も提出している。これはつまり、本訴訟が個人を狙い撃ちにしたSLAPPであることを示している。
関係者の実名を挙げた口頭弁論を再現する前に、田中稔氏が訴えられた対象の記事の概要を確認しておこう。
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『週刊金曜日』2011年12月16日号の概要
「WANtED “原発裏金”運搬人」と題する1枚の怪文書が衆院議員会館にばらまかれたのをきっかけに、怪文書で批判されている白川氏について調べた。
東京渋谷区神山町の敷地約300坪の白川邸については、土地建物の所有名義が、白川氏の中核企業㈱ニューテック100%出資の日本テクサ㈱である。この土地と建物に、西松建設を抵当権者とし㈱ニューテックを債務者とする40億円の抵当権が設定された。
その1年半後に西松建設の抵当権が抹消され、あらたに権利者を㈱新銀行東京、債務者を㈱ニューテックとする7億円の抵当権が仮登記されている。
白川氏が会長を務める(株)ニューテックは原発警備の会社であり、監査役に東京電力立地部長などを歴任した小菅啓嗣氏が就いていた。
さらに110億円の脱税で逮捕された水谷建設の水谷功元会長の事件に絡んで特捜部が動いた。そして最後に、白川氏が関係する企業一覧を記して記事は終わる。
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この記事に対して白川司郎氏は12年3月16日、名誉毀損だとして版元の週刊金曜日は訴えずに、執筆者である田中稔氏個人のみに総額6700万円の賠償を求める訴訟を起こした。
原告・白川氏の主張を大きくわけると、「フィクサーと表現されたこと」「東電利権に関係していると書かれたこと」の二点。訴状からピックアップすると以下のようになる。
≪「『最後の大物フィクサー』白川司郎氏」との見出しについて(中略)この用語で原告を表現すること自体、読者が上記見出しを一瞥しただけで、原告の人物像に悪印象を持つ恐れがあるのであり、原告の社会的評価を低下させるものであり、原告に対する名誉毀損であることは明らかである≫
≪「東電利権に食い込む」との見出しについて、原告は、当該利権なるものに関与した事実はない≫
◇北軽井沢接待ゴルフに集まった重要人物の名前
12月10日の第5回口頭弁論では、被告の田中氏が、白川氏が各界の有力者をつなぐ仲介役であることを示す新事実を陳述したのだ。具体的には、田中氏が裁判所に提出した第三準備書面の概要を口頭で述べるかたちである。
≪平成24 年9月2日、群馬県内のゴルフ場で原告を会長とするニューテックグループによるゴルフコンペが行なわれました。コンペ招待者には次のような人物が含まれていました。
パチンコ機器メーカーの代表である熊取谷稔(いすたに・みのる)氏、元警察庁生活安全局長の黒澤正和氏、元特許庁長官の吉田文毅(よしだ・ふみたけ)氏などです。
熊取谷氏は政財官をつなぐ仲介役として知られ、黒澤氏はパチンコ業界の監督官庁である警察庁のOB。吉田氏は原発政策の推進官庁である資源エネルギー庁の総務課長も歴任していました。
つまり、この3人と白川氏を関連付けるキーワードは、第一に「特許」、第二に「パチンコ」、第三に「原発」です。
コンペにはニューテックに対して13億3千万円もの貸し付け融資を実行した新銀行東京の現職の取締役や元海将らも含まれていました。原告がニューテックグループの陣頭指揮を執っている様子、原告が業界と官僚OBをつなぐ仲介役(フィクサー)と呼ぶのにいかにふさわしいかを確認しました。『週刊金曜日』11月16日号に詳しく掲載されていますのでご参照ください≫
法廷における上記の陳述に加え、後日、田中氏に、ゴルフコンペを取材するため北軽井沢に乗り込んだときの生々しい実態を語ってもらった。・・・・・・
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「森住卓のフォトブログ」(http://mphoto.sblo.jp/)より(http://mphoto.sblo.jp/article/60261936.html)。古くなったが、大間原発建設再開について、asahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20121003.html)と西日本新聞の記事(http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/328346)。大間原発付近の活断層について、asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/1018/TKY201210180772.html)。
大間原発建設再開に反対。こんなことが許されていいのか? あさましすぎないか??
3.11以降中止されていた大間原発建設が、とうとう、再開されてしまった。東京電力原発人災からわずか1.5年。原発を推進してきた最大の責任者・自民党、そして、大飯原発の再稼働、加えて大間原発建設再開を認めてしまう、今は〝亡き〟・民主党。自公政権が復活し、原子力ムラの嗤い声が聞こえるな。
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【http://mphoto.sblo.jp/article/60261936.html】
2012年11月24日
大間原発のど真ん中にある あさこハウス1
大間原発は熊谷あさこさんがガンとして土地を売らなかったために建設予定が大幅に遅れた。しかも、熊谷さんの土地は原発の炉心予定地だったからだ。「この土地を売れ」と、ほぼ毎日町長、町議会議員。親し友人などが押し寄せ、人権無視の執拗な説得が続いた。
「原発が出来ればこの海がよごれる。海の恩恵を受けて漁師の暮らしがダメになる」「お金はいらない、この海の恵みを受けて暮らしたいただ」と。結局電源開発は原子炉予定地の計画変更し建設を強引に進めている。
2008年建設に着工し,2012年運転開始予定だった。だが、福島第1原発の事故で建設がストップしたが、先月工事再開が決定した。
現在工事は4割近くすすんでいる。
いまはあさこハウスは娘の厚子さんが母の意志を受け継いで運営している。
あさこハウスまでは国道からおよそ1キロの道をゆかなければならない。
国道からの入り口には監視員が出入りする車をチェックし、両側を有刺鉄線のフェンスが威圧的だ。
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【http://www.asahi.com/paper/editorial20121003.html】
2012年10月3日(水)付
大間原発―建設再開に反対する
Jパワー(電源開発)が、東日本大震災の後、中断していた大間原発(青森県)の建設再開を決めた。
だが、新しい安全基準も防災計画の見直しもこれからだ。なにより原発依存を減らしていくのが国民的な合意である。
同様に建設途上にある中国電力・島根原発3号機(松江市)を含め、拙速な工事再開に強く反対する。
Jパワーが工事の再開に踏み切るのは、枝野経済産業相が容認する考えを示したからだ。
枝野氏は「すでに設置・工事許可を与えた原発」と指摘し、実際に稼働にこぎつけるかどうかは原子力規制委員会の判断次第だという。
規制委は原発の安全性を厳格に判断するのが仕事で、脱原発という政治的な課題を背負う組織ではない。政治の責任を、安易に規制委に押しつけるのは筋違いだ。
そもそも野田政権がまとめた新しいエネルギー戦略は「原発ゼロ」を目指しながら、個別政策とのちぐはぐさが目立つ。
「最たる矛盾」と海外からも指摘されているのが、使用済み核燃料の再処理を続ける点だ。
ことは余剰プルトニウムの扱いという核不拡散問題に直結するだけに、米国をはじめとする世界の安全保障の専門家は、合理的な説明を欠く日本政府に不信を募らせている。
核不拡散への強固な協力姿勢を示すうえでも、原発ゼロという全体戦略と整合性のとれた再処理事業の閉じ方を、一刻も早く示すべきだ。
大間原発は、再処理でつくるプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料ですべてをまかなう世界初の「フルMOX原発」だ。再処理事業をやめれば、必要性は薄れる。
もとより新しい原発を動かせば、そのぶん放射性廃棄物の量が増える。負荷は大きい。
Jパワーにすれば、過去の投資を無駄にできないとの思いがあるだろう。
しかし、安全規制や過酷事故への備えで原発は今後、よりコストのかかる電源になる。30キロ圏内にある対岸の北海道函館市も建設に強く反対しており、訴訟も含め調整は難航必至だ。
Jパワーは高効率な火力発電に関するノウハウを蓄積してきた。海外展開の実績もある。風力などの自然エネルギー開発にも前向きだ。
原発に伴う新たな負担を背負いこむより、むしろ原発ゼロの電力会社というメリットを生かした経営戦略を講じる好機ではないか。
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【http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/328346】
電源開発、大間原発の工事公開 鋼板を搬入
2012年10月10日 11:25
電源開発(Jパワー)は10日、1日に建設を再開した青森県大間町の大間原発の工事現場を報道陣に公開した。大間町と隣接の佐井、風間浦両村の町村長らも工事を見学した。
作業員約70人が午前9時すぎから20分ほどかけて、原子炉格納容器の内側に張る鋼板を大型クレーンで40メートルの高さまでつり上げて、原子炉建屋内に搬入した。
鋼板は格納容器内の密閉性を保つためのもので、重さが約200トン。厚さ約6ミリで高さ9メートル、直径約29メートルの円筒形。建屋内には既に高さ21メートルの同様の鋼板が据え付けられており、仮溶接する。
大間原発は工事進捗率が約38%。
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【http://www.asahi.com/national/update/1018/TKY201210180772.html】
2012年10月23日14時59分
津軽半島沖に海底活断層 大間原発の南西40~50キロ
【瀬川茂子】建設中のJパワー大間原発(青森県)から南西40~50キロの津軽半島東海岸の沖合で、これまで知られていなかった海底活断層が見つかった。産業技術総合研究所の粟田泰夫主任研究員らが日本地震学会で発表した。
新たに見つかった海底活断層は長さ約14キロ。約12万年前以降に活動したとみられる。撓(たわ)んだような地形になっているため「平舘(たいらだて)海峡撓曲(とうきょく)」と名付けた。総延長は不明で、粟田さんは「今後調査する必要がある」としている。
その西には長さ9キロの平舘断層が知られていたが、北西の海域と南の海域にも続き、陸上部分とあわせ30キロ以上に及ぶこともわかった。約1万5千年前以降に活動したとみられる。青森市街地から青森湾へと延びる「青森湾西岸断層帯」(計27キロ)も確認した。
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asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/intro/TKY201211270944.html)。東京新聞のコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013010702000121.html)。最後に、飯塚事件について、朝日新聞記事のCMLからの孫引き(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-January/021864.html)。
死刑存置がこんなに多い国って他にあるのか? 「死刑容認85%って本当?」 フランスかどこかでは1件の無実者の死刑で、死刑廃止を決断した、と聞いた。我国は、飯塚事件の久間三千年さんにどう責任を?
『●手遅れ!! ~死刑のスイッチを押すことと死刑執行~』
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【http://www.asahi.com/national/intro/TKY201211270944.html】
2012年11月28日03時00分
死刑容認85%って本当? 「設問に偏り」日弁連検証
【田村剛】死刑制度について、国民の85%が本当に容認しているのか――。政府の世論調査の質問の仕方について、日本弁護士連合会が27日、2人の専門家を招いて意見を聞いたところ、「設問の表現に問題があり、85%が死刑を容認しているとするには無理がある」との結論が報告された。
政府は1956年か…
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013010702000121.html】
【コラム】
筆洗
2013年1月7日
想像するのも難しいが、少し考えてみていただきたい。あなたは独裁政権によって、あらぬ罪を着せられ、死刑判決を受けた。重い病にも苦しんでいる▼監禁先の病院を突然、外国人が訪れて言う。「ここに、あなたを死刑にするなという趣旨で、世界中から集めた署名があります」。地獄に垂らされた糸を見る思いになるだろうか。いずれにせよ冷静ではいられないはずだ▼反骨の哲学者・鶴見俊輔さん(90)が言っている。「もし私だったら、サンキュー、サンキューぐらいが関の山でしょう」。だが、その無実の死刑囚は違った。彼は思わぬ訪問者に驚きつつも片言の英語でこう語ったという▼「あなたたちの運動は、私を助けることはできないだろう。しかし私は、あなたたちの運動を助けるために、署名に参加する」▼鶴見さんが一九七〇年代、独裁政権下の韓国を訪れた時に、体験した話だ。どんなに絶望的な状況でも、冷静に、こびずへつらわず、礼儀と相手を思いやる心を忘れない。この死刑囚こそ、韓国民主化運動を象徴する抵抗詩人・金芝河(キムジハ)さん(71)であった(鶴見俊輔著『戦争が遺(のこ)したもの』)▼その詩人が死刑宣告から三十九年ぶりに、再審で無罪を勝ち取った。かつて自分を弾圧した朴正熙(パクチョンヒ)大統領の娘、朴槿恵(パククネ)さんが新大統領に選ばれた直後の無罪判決。怨讐(おんしゅう)から和解へ。時代の針が進んだのだろう。
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【http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201301100504.html、
http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-January/021864.htmlからの孫引き】
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死刑、法相ら13人が決裁 執行、命令の2~4日後 34人の手続き一部開示/朝日新聞11日朝刊
過去5年間に執行された死刑について朝日新聞が法務省に情報公開請求したところ、法相や同省幹部ら13人が決裁し、法相の命令から2~4日後に執行されていたことが分かった。対象者の選定や執行状況などは「(今後の)執行に支障を及ぼす恐れがある」として黒塗りにされたものの、執行手続きの主な流れが明らかになった。
2007年12月~昨年9月に自民、民主両党の計6人の法相が決裁して執行された34人の死刑囚について、「死刑執行命令書」など10種類の文書計1137枚が開示された。
開示文書によると、死刑判決の確定から1~6カ月程度で、検察庁が法相あてに執行を求める「死刑執行上申書」を提出していた。「執行命令は確定から6カ月以内」と刑事訴訟法が定めているためとみられる。
だが実際は、確定から執行までは最短で1年10カ月、最長で15年2カ月。法務省刑事局が執行対象者を選び、法相や省幹部が審査・決裁することから、執行手続きが動き出していた。
決裁文書は2種類。「死刑事件審査結果(執行相当)」と題する文書には法相と法務副大臣の署名と、事務次官や官房長、刑事局長ら省幹部5人の押印があった。「死刑執行について」という文書もほぼ同じ日に決裁され、矯正局長や保護局長ら別の幹部6人の印が押されていた。
文書の多くは黒塗りだったが、同省幹部によると、死刑確定までの裁判の経緯や再審請求の有無、執行を停止すべき理由がないことなどが記されている。省幹部と副大臣の決裁後、最後に法相の署名を得るという。
法相が署名すると、その日のうちに法相名の「死刑執行命令書」が作成され、検察庁に送られていた。その1~3日後には、死刑囚を収容している拘置所長に検事が「死刑執行指揮書」を送り、執行日を指定。法相の決裁から2~4日後に執行されていた。
法相の公式な命令となる「死刑執行命令書」には、法相は自ら署名しておらず、印字された法相名の横に公印があるのみ。事務担当者が押しているという。「死刑事件審査結果」への署名が、法相による執行前の最終確認となっている。
一方、決裁文書の一部には記載ミスも見つかった。
09年1月に4人が執行された際、当時の森英介法相が署名した「死刑事件審査結果」の決裁日は、「平成20年(08年)1月26日」と年が誤って記されていた。署名・押印した法相ら7人はミスに気付いていなかった。08年2月の執行分では矯正局長らが押印した文書の決裁日が漏れていた。
執行の審査について法務省はこれまで「慎重に慎重を期している」と説明してきた。
同省刑事局は「単純ミスで、文書の効力は変わらないと考えているが、誤りがあったことは申し訳ない」としている。
●再審請求 飯塚事件、経緯黒塗り
08年10月28日に福岡拘置所で執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚(当時70)の文書も開示された。92年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」の犯人とされたが、遺族が再審請求で「元死刑囚と真犯人のDNA型が一致しない」と訴えている。
死刑確定後の07年2月7日付で福岡高検が当時の長勢甚遠法相あてに提出した「死刑執行上申書」には、「捜査の端緒及び検挙に至った経緯」が3枚にわたり記載されているが、すべて黒塗りとされた。
「死刑事件審査結果」は、当時の森法相らが執行4日前の08年10月24日に決裁。氏名や生年月日、犯罪事実の大半は開示されたが、それ以降の8ページ半はすべて黒塗りだった。
執行後、福岡高検から法相に送付された報告書には「死刑執行始末書」が添付されていたが、「執行経過」の欄はすべて黒塗り。拘置所からの報告文書にある「本人の刑に対する心情、遺言等」は1行に満たない記載があったが、これも黒塗りとされた。(田村剛)
◆キーワード
<死刑と情報公開> 法務省はかつて、死刑執行の事実自体を公表していなかったが、1998年11月から執行した事実と人数だけ公表を始めた。2007年12月に当時の鳩山邦夫法相の意向で死刑囚の氏名と犯罪事実、執行場所を公表するようになり、それ以降はこれに付随する情報が開示されるようになった。
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gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/140395)。
格差社会の推進者の再登場。しっかし、竹中平蔵氏、安倍晋三首相、麻生太郎財務相・・・・・・すごい面子だ。自公に投票した人たち(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C3%AF%A4%CE%CC%BE%C1%B0%A4%F2%BD%F1%A4%AF%A4%CE%A4%AB)は何も感じないのだろうか?
『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」』
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/140395】
国民も仰天! 麻生財務相も激怒 競争力会議 竹中が安倍内閣の命取りになる
2013年1月8日 掲載
また、あの男が戻ってきた。テレビを見ていて、「ゲゲッ」と思うのが竹中平蔵氏だ。安倍内閣は7日、内閣官房に「日本経済再生本部」を新設し、看板を掲げた。再生本部には全閣僚が参加し、その傘下に民間人による「産業競争力会議」を設ける。竹中は、この「競争力会議」のメンバーに選ばれた。で、TVに出てくる出てくる。例によって、立て板に水でしゃべりまくり、さながら、安倍内閣の閣僚みたいだ。しかし、この男が過去に何をやったか。決して忘れてはならない。
竹中といえば、小泉内閣で金融・経財相や総務相を歴任。経済政策の司令塔として、格差を拡大させた張本人だ。
金融相時代は日本振興銀行を異例のスピードで認可し、郵政民営化に代表される「民営化」や「規制緩和」を推し進め、外資をボロ儲けさせた“売国奴”でもある。揚げ句が参院議員任期を4年も残して、トンズラした無責任男だ。評論家の佐高信氏も驚いていた。
「そんな人物を経済政策を担う会議のメンバーに加えるということは、
安倍内閣は内外に『再び格差を拡大させる』と宣言したようなものですよ。
まして、竹中氏には数多くの疑惑が積み残されている。日本振興銀行を
つくった木村剛氏は逮捕された。認可した竹中氏はなぜ、無傷なのか。
学者時代は日本と米国を行き来することで、課税を逃れている“逃税”も
指摘された。さらに規制緩和で儲けた外資の手先ともいわれました。
そんなこんなで、しばらくは表舞台から消えていたのに、選挙前に
維新の会の候補者選定に関わり、ちゃっかり安倍内閣で復活した。
自民党のいい加減さ、ケジメのなさの象徴です」
<安倍はナーンにも人事がわかっちゃいない>
竹中抜擢の背景には菅官房長官の影がちらつく。竹中総務相のときに菅は総務副大臣として仕えた仲だ。「で、当初は経済財政諮問会議のメンバーに入れようという動きもあった」(事情通)という。しかし、麻生財務相が反対して潰し、その結果、産業競争力会議に回ったとされる。
「こうした経緯を見ても分かるように、竹中さんは内閣の火種になりますよ。
麻生さんとは犬猿の仲だし、内閣官房参与になった飯島勲・元首相秘書官とも
折り合いが悪い。大体、国土強靭化でバラマキをやろうとしている安倍政権と
新自由主義者の竹中氏とは路線が違う。この人事は整合性がないのです」
(自民党関係者)
それなのに、安倍内閣が竹中を起用するのは菅の薦めだけでなく、安倍のお気に入りだからだ。「一種のお友達。安倍さんはまだ人事が分かっていない」(同)とこき下ろされているし、今後、竹中がでしゃばれば、必ず、軋轢(あつれき)を生む。月内にも経済戦略の議論を始めるというが、発足前から空中分解しそうな雲行きだ。
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