CMLの記事【[CML 026772] ふくいちは津波前にダウン】(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-September/026708.html)。
記事によると「地震で圧力容器に繋がる配管(小口径配管)から冷却水が漏れた」そうだ。
『●様々な意味で人災である』
「ブラックアウトと云う人災である。しかもそれを想定しもしなかった、
何も対処しようとしなかった二重三重の人災。でも、津波による浸水が
無くても、地震によって破断などの致命的な事故が発生していなかった
のだろうか。さらに、適切に避難させなかった地域に加えて、
避難させてはならないところに避難させて被爆させてしまっている。
原発など造ってはならない国に造ってしまった当然の帰結か。
原発をまだ動かし続けようとしているわが国は、輸出までも行おうと
している。地震など災害の多い我国でなくとも、こんな
制御困難で未完成な技術を行える場所がこの地球上にあるとは思えない」
当然だけれども、東電は知っていても報告するわけがない。いまも証拠は残っていないのか?
『●情報は統制される: 知らなかったでは済まされない、騙されたでは済まされない』
『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの重大事故だというのに、この国は・・・・・・』
「「東電は、昨年末から今年5月にかけて汚染水モニタリングを怠った
ばかりか、参院選が終わるまで、海洋への流出を隠ぺい」したとは、
一体どういう了見か! 信じられない!!」
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-September/026708.html】
[CML 026772] ふくいちは津波前にダウン
・・・・・・・・・
2013年 9月 26日 (木) 00:57:07 JST
市民のMLのみなさま
高知の松尾と申します。
木村俊雄さんが、フクイチ地震時のデータの解析を終えて、結論としては、地震で圧力容器に繋がる配管(小口径配管)から冷却水が漏れた、とのこと です。先日私も、このときのグラフを彼から見せてもらいました。極端に水量が下がっていたのです。
以下は、知人のブログです。
・・・・・・・・
拡散希望「ふくいちは津波前にダウン」
緊急にお知らせします。
拡散を希望します。
すでに朝日新聞「プロメテウスの罠」で随時連載され、「しんぶん赤旗」日曜版9月22日付けでも一部が報じられていますが、元東京電力社員で福島 第一原発で炉心設計(燃料棒を効率的に燃やすために、燃料棒の配置を設計する原子炉の中心を担う仕事)に携わっていた木村俊雄さんが7月の記者会 見以後に東電が公開した膨大なデータを解析していました。
「プロメテウスの罠」を引用すると「8月後半に東電が公表した過渡現象記録装置の100分の1秒刻みデータを木村が見始めたのは、10日前だっ た。最初にチェックしたのは炉心を循環する冷却水の動き。「不思議な動きをしていますね。逆流しているように見える」しかしそこから先が進まな い。1号機だけで436項目×21万個。データ量があまりにも多く、パソコンが円滑に動かないのだ。知人を介して能力の高いパソコンを探し、この 印刷会社に行き着いた」。
そこでの解析がこのほど終了しました。
先ほど木村さんから専門的なレポートと次のメッセージが寄せられました。「結論としては、地震で圧力容器に繋がる配管(小口径配管)から冷却水が漏れた。そのことが事故の進展を加速させるキカッケとなる。しかも運転員は気づかない。やがて津波がくる。3月11日17時19分(東電報告書P.125より)、原子炉建屋に入ろうとするがその時にはもうすでに放射能 が充満して入れない。津波無くとも、重大事故に進展していた。これでも再稼動新基準は妥当なのか? 気づかないなら、もう手のほどこしようはないです。マスコミに先駆けて情報流しませんか?」
いまは自宅であり、時間帯も夜なので明日、レポートについてはしかるべき方法でネット公開します(そのことはここでお知らせします)。
ただ、東電の公開したデータで「地震で圧力容器に繋がる配管(小口径配管)から冷却水が漏れた」ということをつかんだ事実はすごいことです。
国会事故調査委員会が知らなかった事実(東電は発表しなかった。求められなければ発表しないというスタンス)が明らかになりました。そして原子力規制委員会がつくっている新基準は、津波対策のみを求めています。本当の事故原因を究明してつくったわけではありません。
しかし、原発再稼働に前のめりになる委員会は、伊方原発の審査を優先して進め、来年にも再稼働を認めようとしています。とんでもないことです。伊方原発は日本最大の活断層・中央構造線のほぼ真上につくられている原発です。ふくいちの本当の原因である地震動を無視した新基準で再稼働させるなど、国家的犯罪です。
親愛なるブログ読者の皆さん。
真実を黙殺されないためにこのエントリーをあらゆる手段で拡散してください。
心からお願いします。
土佐高知の雑記帳
http://jcphata.blog26.fc2.com/
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『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
今週のブログ主のお薦めは、横田一さん【世界に大恥をさらした安倍晋三首相の「汚染水コントロール」発言】と伊田浩之氏【終わらない原発汚染水 これでもコントロールできているのか 福島原発事故 海洋汚染シミュレーション】。
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■①『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 阪上武氏【発足1年の原子力規制委 安全より再稼働優先に疑問】、「田中俊一・・「安全文化」を語っているが、それよりも目の前・・問題に・・これに集中することが先だろう」。原子力「推進」委員会(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8)
■②『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 星徹氏【高校教科書の採択妨害に抗議 行政側の異常な介入を批判】、「実教出版・・を妨害し、最終的に採択がゼロとなった」。ハタやウタを強制しておいて、「強制」と記述した教科書を妨害するとは!(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8adfc28e3a834d65c8088d41cd74d9cb)
■③『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / ローレンス・レペタ氏【特定秘密保護法案反対 この悪法は、政府の下半身を隠すものだ】、「日本は「秘密保護法」を制定してはならない」。盗聴法時と一体何が違うのか?(videonews.com: http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002953.php)
■④『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 【村岡和博の政治時評/IOC総会前に汚染水審議をしなかった国会は、内閣のコントロールを放棄したのか】、「状況はコントロール・・完全にブロック・・ニュース速報を読んでのけぞった」。同感(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/060c22aa9939913740ad6aaaa7acd5df)
■⑤『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 伊田浩之氏【終わらない原発汚染水 これでもコントロールできているのか 福島原発事故 海洋汚染シミュレーション】、「原子力規制委のずさんな対応」。「終わり」との声もあるというのに(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8)
■⑥『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 横田一さん【馬淵澄夫・・安倍首相がプレゼンした凍土による汚染水対策は不適切だ】、「東電の巻き返しで立ち消えになった」。「致命的欠陥対策にドブ金か?」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/214de1c2e7f5a62db982f6ec0058c6de)
■⑦『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 横田一さん【世界に大恥をさらした安倍晋三首相の「汚染水コントロール」発言】、「ドイツの公共放送が首相発言を一刀両断」「水俣病の教訓を忘れたのか」。ドイツの公共放送「ZDF」は、「安倍首相はウソをついている」と断言(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%A5%C9%A5%A4%A5%C4)
■⑧『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 木野龍逸さん【この期に及んでも 情報を直ぐに出さない東京電力の汚染具合】、「海洋流出認めたのは参議院選挙の翌日」「タンクの製造コスト公表を拒み続ける」。参院選が終わるまで、海洋への流出を隠ぺい(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8)
■⑨『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 矢崎泰久さん【発言2013】、「「美しい国」なんてちゃんちゃらおかしい・・恐怖ゾロゾロの災禍が日常的に襲ってくれば、もうひとたまりもなくなる。クソ安倍の無知に、殺される」。本当に怖い(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/060c22aa9939913740ad6aaaa7acd5df)
■⑩『週刊金曜日』(2013年9月27日、961号) / 山口正紀さん【報道全体を問い直す裁判に 実名報道被害訴訟】、砂川浩慶氏【メディアの役割が問われている「秘密保護法案」】。どちらの記事もメディアの論理、倫理、役割の問題
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山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事【東電と“原発フィクサー”の疑惑ーー水面下で、“報道潰し”に暗躍】(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、9月2日)。
田中稔さんの原発SLAPP(SLAPP、スラップ)。
『●原発スラップを許すな!』
『●原発SLAPP(スラップ)=原発恫喝訴訟による原発批判への委縮効果を狙って 』
『●『週刊金曜日』(2012年10月26日、917号)についてのつぶやき』
『●「差別を考える」: 『週刊金曜日』(2012年11月16日、920号)についてのつぶやき』
『●「二〇年後の日本を考えよう」『週刊金曜日』(2012年12月14日、924号)についてのつぶやき』
『●原発SLAPP続報: 原子力ムラを書いたら訴えられた』
『●「アベノミクスに騙されないための政治経済学」『週刊金曜日』(2013年3月29日、937号)』
『●「安倍晋三首相の本音」『週刊金曜日』(2013年5月31日、945号)についてのつぶやき』
『●田中稔さんへの原発スラップ: 核のヒカリあっての「東電の影」がようやく表に』
結局、田中さん側の実質的勝訴に終わったそうです。取りあえず、本当に良かった。
『●「ネットとデマと大震災」『週刊金曜日』(2013年8月30日、957号)についてのつぶやき』
ところが、ツイッターのダイレクトメールで教えていただいたのですが、『週刊金曜日』サイドに田中さんが随分と立腹されているそうです。折角の実質的勝訴が台無しになっていないのか・・・何が起こっているのか知りたいものです。
また、こちらもよくは理解できないのですが、以下の山岡俊介さんの記事にあるように、水面下での報道潰しが続いているようです。
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【http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、9月2日】
2013/09/02
東電と“原発フィクサー”の疑惑ーー水面下で、“報道潰し”に暗躍
執筆者: Yamaoka (4:55 pm)
「朝日」が、東電と“原発フィクサー”こと白川司郎氏の疑惑について1面トップで報じたのは7月16日のことだった(=冒頭左写真)。
詳細は同記事をご覧いただきたいが、東電が青森県むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設を巡り、立ち退かない周辺土地所有者との交渉を、東電は白川氏に依頼。その際、“立ち退き料”は契約額面の10倍以上が支払われ、それは「西松建設」の裏金と白川氏が立て替え、しかもこの裏工作疑惑には、一昨年3月の原発事故時に社長だった清水正孝元社長(冒頭右写真)ら東電の複数の首脳が直に関わっていたという疑惑だ。
「朝日」は以降、7月28~30日、8月28~30日と2度に渡り、「原発利権を追う」と題した連載も行い、そのなかで、中間貯蔵施設建設にゴーサインを出した当時のむつ市長(故人)、福島原発を誘致した地元前町長親族企業に西松建設がそれぞれ1億円、2億3000万円を融資していた疑惑なども取り上げている。
白川氏といえば、社会部記者の間では以前から“原発フィクサー”として知られた存在。本紙でも原発事故直後に報じた記事で触れているし、08年、東京地検特捜部が捜査していた時にも報じている。だが、提訴されることなどを恐れて大手マスコミは及び腰。報じても実名報道は皆無で、大手紙が白川氏の疑惑に真っ正面から切り込んだのは今回の「朝日」が始めてだろう。
それだけに、白川氏が危機感を持ったのは間違いない。
こうしたなか、本紙の元には“報道潰し”といってもいい水面下の2つの動きに関する情報が入って来た。
・・・・・・・・・。
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東京新聞の記事【田中正造 没後100年 「終焉の家」栃木・佐野 史跡指定】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090402000221.html)。
明治の三大鉱毒事件の一つ、公害の原点、に立ち向かい、常に住民サイドに立った田中正造さん。足尾銅山鉱毒事件が「私欲と奸悪」が原因の人災」であったのと、東京電力原発人災も同様。
『●『城山三郎の昭和』読了(3/3)』
『●『松下竜一未刊行著作集4/環境権の過程』読了(8/8)』
『●『創(2010年2月号)』読了(3/3)』
『●『ぢぢ放談』読了』
『●『松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』読了(前半)』
『●『松下竜一未刊行著作集5/平和・反原発の方向』読了(後半)』
『●尊敬する人は田中正造』
『●反原発派の声に耳をふさぎ、歴史から何も学ばない愚かさ』
『●田中正造「「私欲と奸悪」が原因の人災」』
『●「韓と恨」と日本人/『週刊金曜日』(2013年1月25日、928号)、927号についてのつぶやき』
『●「原発と司法」、「大阪イジメ問題」、「小出裕章・佐高信対談本」などについての最近のつぶやき』
『●追われゆく坑夫と脇に追いやられた原発人災』
『●『DAYS JAPAN』(2013,MAR,Vol.10,No.3)についてのつぶやき』
『●田中正造さんと自公議員を比較しても仕方のないことだけれども・・・』
『●再稼働・輸出問題に続いて、東京電力原発人災下の五輪招致騒動: 「あろうことか」、の連続』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090402000221.html】
田中正造 没後100年 「終焉の家」栃木・佐野 史跡指定
2013年9月4日 夕刊
足尾鉱毒事件を告発した政治家の田中正造(一八四一~一九一三年)が亡くなって百年となる四日、出身地の栃木県佐野市は、正造が最期を迎えた家を市史跡に指定する。正造への評価がめまぐるしく変わってきた中、この家を四代にわたり守ってきた当主の庭田隆次(にわたりゅうじ)さん(79)は「見向きもされなかった時代もあったが、よく維持できた」と感慨深げだ。 (稲垣太郎)
「田中さんは非戦論者で反足尾鉱毒。軍国主義の時代に日本が武力で他の国を取ったり、鉱毒被害の示談金をもらったりした方が楽な暮らしができると思っていた人々から嫌われ、気の毒な人だった」
隆次さんは、生前は「嫌われ者だった」と正造に同情する。庭田家に対しても、そんな正造を「みとった家」という周囲の冷ややかな目線があり、終戦後もしばらく続いたという。
だが、成田空港建設に反対する一九六〇年代以降の成田闘争のころから見直され始め、「亡くなった部屋を見せてほしい」と人が訪ねてくるように。平成に入ると数が増え、近年は毎年百人は訪れるという。
正造は、鉱毒事件で活動するための資金調達に奔走していた一九一三(大正二)年八月二日、体調不良を訴え、支援者だった隆次さんの曽祖父、庭田清四郎宅に駆け込んだ。縁側から転がり込むように倒れ込んだという。庭田家は夏の農作業を放り出し、亡くなるまで三十四日間にわたり看病を続けた。
正造が亡くなった翌年、庭田家は河川の改修工事で二百メートルほど移転したが、正造が息を引き取った八畳間を含め、佐野市下羽田(しもはねだ)町の家屋はそのまま残った。以後、四代にわたり使い続けてきた。
隆次さんは子どものころから、祖母セトさんに正造の話をよく聞かされた。そんな歴史のある家で、隆次さんは四人の子どもを勉強させたり、家族で寝たりして「普通に使ってきた」という。
田中正造関連で佐野市が文化財に指定するのは初めて。指定により、固定資産税減免などの恩恵を受けるが、隆次さんが何よりうれしいのは、価値が見直されたことだ。
「曽祖父は(世間の評価に)だまされずに、『自分の家が偉人国士終焉(しゅうえん)の地になった』と喜んでいた。その家が史跡に指定されれば、曽祖父も田中さんも喜ぶだろうし、自分の喜びにもなる」と話している。
<足尾鉱毒事件> 明治時代初期から、栃木県足尾町(現日光市)の足尾銅山開発に伴い、鉱毒水や排煙などの有害物質が周辺や渡良瀬川下流域を汚染し、農業や漁業などに被害をもたらした国内初の公害事件。栃木県選出の衆院議員田中正造が帝国議会で追及し、辞職後、明治天皇に直訴も試みた。遊水池を造って鉱毒を沈殿させる案が浮上し、対象地の谷中村(現栃木市)が強制廃村となった。
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東京新聞の記事【「原発に依存しない 街づくり考える時」 東海村 退任の村上村長が「遺言」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013092102000128.html)。
原発立地の自治体首長としては異例かもしれない。大飯町や玄海町の首長と比較して・・・・・・?
その東海村町長を退任する際、村上達也村長が「遺言」を残したそうだ。最も印象に残ったのは「金のために魂を売ってはならない」。
『●大飯原発再稼働についての首相の酷い会見』
『●「核と人類は共存し得ない」』
『●原発再開、過ちを繰り返そうとしている』
『●終わらない原発人災の影響: 「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ・・・」』
「「震災さえ」ではなく、 「原発さえなければ・・・」である。
「原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー」
「原子力正しい理解で豊かなくらし」を信じ込ませた自民党議員や
電力会社幹部といった東京電力原発人災の責任者・「罪人・犯罪者」は、
誰一人として罰せられることもなく、まだのうのうと生活している」
『●何がメルトダウンしたのか?』
『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」・・・・・・いま、その〝少年〟は?』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013092102000128.html】
「原発に依存しない 街づくり考える時」 東海村 退任の村上村長が「遺言」
2013年9月21日 朝刊
「原発に依存しない街づくりを考えていく時が、既に来ている」。原発立地自治体の首長として脱原発を訴え続け、二十日に職を退いた茨城県東海村の村上達也村長(70)=写真。退任式では「遺言」として、原発のない街への思いを、時折声を詰まらせながらとつとつと語った。 (林容史)
村職員百五十人を前にした村上村長は、原発問題について「村の財源、利害関係者のことを考えると悩みは深い」と本音を吐露。「東京電力福島第一原発事故が起こった以上、早晩、村の方向を決めるときが確実にやってくる。広く知識を求め、そのときのために準備しておかねばならない」と語り掛けた。
「金のために魂を売ってはならない」。日ごろから職員に言ってきたという言葉をあらためて紹介した。その上で「原発の安全神話が崩れ、原発事故によって住民にもたらされた被害の過酷さを知った今、地域住民の命と健康、そして将来にわたる生活を守ることが何にも増して優先されるべきだ」と述べた。
さらに、原発依存からの脱却が「地方自立、人と環境重視の当然の帰結」につながるとの持論を展開。最後には、米陸軍元帥だったダグラス・マッカーサーの退任演説の一節を引用し、職員らに別れを告げた。
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【首相汚染水発言 福島漁業者ら批判 「あきれた」「違和感」】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090902000057.html)、
【東京五輪―原発への重い国際公約】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2)、
【「全部の水、ストップではない」 汚染水問題で官房長官】(http://www.asahi.com/politics/update/0910/TKY201309100112.html)、
【東京五輪招致委が“国際公約”した原発再稼動ナシ】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144476)、
【検察、東電幹部ら42人「全員不起訴」の姑息なタイミング】(http://gendai.net/news/view/110770)、
【(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)首相のスピーチ実現を】(http://www.asahi.com/culture/update/0912/TKY201309120440.html)、
【いくら止めてもムダ!汚染水「拡大再生産」という絶望】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144614)、
【汚染水の影響範囲知らず発言か 首相「0・3平方キロはどこ?」】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013092001002086.html)。
ウソとカネで五輪誘致に成功。「コントロールされていない状態」で「完璧にはブロックされていない」のに、安倍首相は世界に向かって国際公約してしまったのだから、「廃炉」「脱原発」までウソにしてしまったら、日本はお終い。それにしても、福島の人達、特に被災者・避難者はどう思っておられるでしょう。東京新聞の記事には「首相汚染水発言 福島漁業者ら批判 「あきれた」「違和感」」とある。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013090902000057.html】
首相汚染水発言 福島漁業者ら批判 「あきれた」「違和感」
2013年9月9日 夕刊
「状況はコントロールされている」。安倍晋三首相は、国際オリンピック委員会(IOC)総会で、東京電力福島第一原発事故の汚染水漏れについて、こう明言した。しかし、福島の漁業関係者や識者らからは「あきれた」「違和感がある」と批判や疑問の声が相次いで上がった。
「そんなことを言ってしまって大丈夫なのか」。福島第一原発で収束作業に当たる三十代の男性作業員は、こう指摘する。
地上タンクの設置に携わる作業員仲間からは「簡単に解決しそうにない。深刻だよ」と聞かされる。汚染水問題以外にも、敷地内では突然放射線量が上がるなど、細かいトラブルも絶えない。「廃炉まで、これから何十年もかかる。発言には違和感がぬぐえない」
原発事故のため、福島県の漁業は全面的に中断している。九月に事故後初の試験操業を始める予定だったいわき地区の漁協も、実施の延期を決定。福島県いわき市の漁師、吉田久さん(62)は「国の対策が後手後手だったから汚染水漏れは悪化した。『国を挙げて対応するので安全だ』との主張には違和感がある」としながらも「東京開催は世界から(福島を)認めてもらえたようで、多少は救われた」とも話した。
いわき市の別の漁師(64)は「汚染水の問題は、これから何十年もわれわれに付いて回るだろう。首相があのような発言をした以上、国が全面的に取り組んでくれるものと信じたい」と語った。
京都大原子炉実験所の小出裕章助教(原子核工学)は「何を根拠にコントロールされていると言えるのかが分からない。あきれた。安易な発言をしても、約束を破ることになるだけだ」と厳しく批判した。
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【http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit2】
東京五輪―原発への重い国際公約
福島第一原発事故の収束は、そもそも五輪とは関係なく取り組むべき問題だ。
ただ、東京開催の決定にいたる過程で、世界が日本の姿勢に厳しい目を注いでいることがあらためて示された。
安倍首相は招致演説で、汚染水問題に「責任をもつ」と表明した。記者会見では、原発比率を下げていき、今後3年間で再生可能エネルギーの普及と省エネを最大限加速させることも明言した。
世界に向けた公約だ。内外に「五輪誘致のための方便」ととられないよう、実行力が問われる。政権の最優先課題として取り組んでほしい。
「状況はコントロールされている」「汚染水の影響は原発の港湾内で完全にブロックされている」――国際オリンピック委員会(IOC)総会での安倍首相のプレゼンテーションと質疑応答は、歯切れがよかった。
必ずしも原発事故の問題に精通しているわけではないIOC委員には好評で、得票にもつながった。
だが、この間の混迷ぶりや放射能被害の厳しさを目の当たりにしてきた人には、空々しく聞こえたのではないか。
確かに、汚染水問題で国が前面に出る体制は整えたが、うまく汚染の広がりを食い止められるかはこれからだ。
すでに技術的な課題が多く指摘されている。汚染水が地下水に到達したとみられるデータも検出された。今後も想定外の障害が出てくる可能性がある。汚染水をうまく解決できたとしても、さらに困難な廃炉作業が待ち受ける。
「安全・安心」を強調するあまり、事態の深刻化を隠そうとしたり、批判を恐れて必要な措置に手をこまぬいたりするようなことは論外だ。
現状と自らの取り組みを率直に公開し、世界の知恵を借りながら対策を講じていく謙虚な姿勢こそが、国際的な信認につながることを忘れてはならない。
エネルギー政策についても、政権の発足以降、「原発回帰」をにじませる発言が出る一方、長期的なビジョンは何も打ち出していない。
事故からすでに2年半が経とうとしている。どのように原発比率を下げていくか。再エネ、省エネの普及をどんな手立てで実現するのか。将来像を語り、具体的な道筋を示すことが首相のつとめだ。
日本での五輪開催の決定は、そうした取り組みを促す契機になってはじめて、心から喜ぶことができる。
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【http://www.asahi.com/politics/update/0910/TKY201309100112.html】
2013年9月10日13時28分
「全部の水、ストップではない」 汚染水問題で官房長官
菅義偉官房長官は10日午前の記者会見で、東京電力福島第一原発の放射能汚染水漏れについて「全部の水をストップするということではない」と述べ、同原発の港湾の内外で汚染水を含む海水が出入りしていることを認めた。
安倍晋三首相が国際オリンピック委員会(IOC)総会で「汚染水の影響は港湾内で完全にブロックされている」と発言した真意を問われて答えた。ただ、菅氏は「港湾内でも大幅に基準値以下だ。汚染水の影響については完全にブロックされていると申し上げた」と強調した。
安倍首相は同日午前、首相官邸で記者団に「ブエノスアイレスでの約束はしっかり責任をもって実行したい」と述べた。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/144476】
東京五輪招致委が“国際公約”した原発再稼動ナシ
2013年9月11日 掲載
立候補ファイルでアピール
「(福島原発は)コントロール下にある」「完全にブロックされている」――。IOC総会で安倍首相が「国際公約」したことで、今まで以上に世界中から厳しい目を向けられることになった福島原発問題。東京電力はさぞ頭を抱えていることだろうが、東京五輪招致委員会が「国際公約」した東電がらみの案件は他にもある。原発を再稼働させないことだ。
立候補ファイルでは、電力の供給能力について〈既存の配電システムで対応することができる〉と説明していた。理由として〈火力発電所の増設や、火力発電所の新設〉〈東京ガスグループが、全部で198万キロワットの天然ガス発電所を建設・保有するなど、新たな電力供給も進んでいる〉ことを挙げている。見逃せないのは、わざわざ〈東京都内において、東電が所有している原発は存在しない〉と強調していることだ。これはウラを返せば、「電力は今の供給能力でも十分足りるし、東京は原発がないから大丈夫」とアピールしたようなものだ。
東電はシャカリキになって新潟県の柏崎刈羽原発を再稼働させようとしているが、招致委が「今の設備で電力は足りる」と言っているのだから、新潟県の反対を押し切ってまで動かす必要はない。仮に再稼働すれば、「東京招致委は『足りる』と説明していたのに原発を動かすのか」と非難の声が上がるだろう。
今夏の東京は過去に例を見ないほど「酷暑」だったのに、節電の呼びかけは一切なかった。原発が一基も稼働していないにもかかわらずだ。五輪の招致委が、原発再稼働ナシに“お墨付き”を与えているのだから、東電が柏崎刈羽原発を動かす理由は全くないのだ。
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【http://gendai.net/news/view/110770】
検察、東電幹部ら42人「全員不起訴」の姑息なタイミング
2013年09月11日 23:22
うっかりニュースを見落としていた国民も多いのではないか――。
福島第1原発事故をめぐって、告訴・告発されていた東電の旧経営陣や菅元首相など42人が全員、不起訴処分となった一件だ。
汚染水問題が深刻を極め、事故の元凶となった42人が起訴されるかどうかは、日本中の関心を集めていた重大ニュースだった。ところが、検察はとんでもないタイミングで不起訴処分を発表し、まんまと目くらましに成功したのである。大手メディアの司法記者がこう言う。
「検察が『不起訴』を発表したのは9日、東京五輪が決定した翌日のことでした。
日本中がお祝いムード一色で、新聞もテレビも五輪関連ニュースで
埋め尽くされていた。国を挙げたお祭り騒ぎで、不起訴のニュースは
完全にかき消されてしまったのです。おまけに、この日は休刊日。
各新聞社は、あふれるほどの五輪記事を夕刊用に準備していました」
検察は夕刊に間に合うかどうかのギリギリのタイミングである、午後1時30分ごろに発表をぶつけてきたという。
「結局、夕刊に掲載できなかった新聞もあり、翌朝の各紙の扱いもバラバラ。
全国紙が足並みをそろえ、『不起訴』を大きく取り上げる事態には至らなかった。
検察はこうなることはすべてお見通しで、都合の悪い発表をこっそり五輪騒ぎに
合わせてきたのです。東電本社を家宅捜索せずに不起訴とした検察は、
国民から批判されることを恐れていました」(前出の司法記者)
検察は過去にもメディアを巧みに利用し、時には弱みにつけ込んで情報操作を行ってきた。大マスコミは性懲りもなく、検察の悪知恵に加担したことになる。国民もつくづくバカにされたものだ。
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【http://www.asahi.com/culture/update/0912/TKY201309120440.html】
2013年9月13日9時40分
(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)首相のスピーチ実現を
こんにちは。2020年の東京オリンピックが決まりましただね。招致にかかわっていたみなさん、おめでとうございます。
オリンピックでは道路や交通機関、施設などの整備がすすむでしょ。だからインフラ整備がまだとちゅうの新興国でやるほうが意義ぶかいと思ってたので、東京に決まったことにはびっくりしましただよ。
びっくりといえば安倍首相の招致スピーチ。ふくいち君の汚染水について「完全に港湾内にブロックされている」「コントロール下にある」といっていたよね。
■海外の反応は上々だったけど
その数日まえの記者会見では、日本の招致委員会は汚染水問題についてさんざんつっこまれてしどろもどろだったの。
だからこそ、安倍首相はスピーチでその不安をとりさろうとしたんだろうね。スピーチ直後の反応は、たとえばオランダの記者さんが「総理が原発の問題を説明したことで東京が勝つチャンスは上がった」、イギリスの記者さんが「原発の問題について情熱を持って話をしていた。安全性を保証したのはよかった」などと上々だったみたい。
だけどいくらよいスピーチでも、中身がウソだと意味がないよね。
■シルトフェンスで放射能は防げない
安倍さんが世界に向けてはなった「大丈夫」発言について、もちろん国内では「ホント?」と疑いの声がおおきいんだ。だからわざわざ菅官房長官は「湾内にシルトフェンスを設けて外に出ないようにしている。『コントロールしている』というのは、ある意味で当然のことじゃないですか」とご説明したみたい。
だけどシルトフェンスというのは、そもそもは埋め立て工事などで土砂の広がりをふせぐためのカーテンのようなもの。そんなにガッチリしたものじゃないんだよ。
海底に起伏があればすきまもできてしまうし、事実、ふくいち君の港湾内の水は1日で半分が外の海水と入れかわっているみたい。水とよく似た放射性トリチウムなんかは、シルトフェンスを通り抜けることができるしね。
■ウソをホントにしていくしかない
ふくいち君の収束はけっしてオリンピックのためのものじゃないけれど、安倍首相が大見えを切った内容は、7年後の開催までに実現していくしかないよね。
国が指揮をとる汚染水対策だって、五輪開催都市決定の直前になってようやく出てきたの。8月31日がちかづいていきなり宿題をやりはじめる小学生のようだったよ。
「海外からの視線」を意識しないときちんとできないのは残念なことだけど、オリンピックというしめきりができたことで、今後7年間はおりにふれて政府がふくいち君について気合を入れるきっかけが生まれたのは悪いことじゃないよね。
■六ケ所村に国内最大級のソーラーが
最後に、すこしあかるいニュースを。
いつまでも完成しない再処理工場で知られる青森県の六ケ所村で、国内最大級のメガソーラー発電所の建設がはじまったよ。
工事は先月はじまって、およそ2年半をかけて2015年12月に完成予定。使われる太陽電池モジュールはぜんぶで51万枚で、3万8千世帯ぶんの電力をまかなえる規模なんだって。
六ケ所村は原子力のことでばかり有名だけれど、じつは自然エネルギーの集積地でもあって、国内最大級の風力発電所だってあるんだよ。青森県じたいが日本一の風力発電量をほこっているの。
のばしのばしになっている使用済み核燃料の再処理の問題がはやく解決して、六ケ所村がクリーンエネルギーの村になれればいいのになって思いますだよ。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/144614】
いくら止めてもムダ! 汚染水「拡大再生産」という絶望
2013年9月18日 掲載
【福島原発 現在の本当のこと】
福島原発でいま、何が起こっているのか。安倍首相はIOC総会で、「状況はコントロールされている」「港湾内に完全にブロックされている」と大見えを切ったが、ドイツの公共放送「ZDF」は強烈だ。東アジア総局長が何度も福島に足を運び、高濃度の汚染水が外洋に流れている可能性があることを指摘、「安倍首相はウソをついている」と断言した。そのうえで、「あそこまで総理大臣がIOC総会で言った以上は、これは国際公約になる。今後は国際社会からの監視の目が一層強化される」とリポートしたのだ。
東京電力の山下和彦フェローも「今の状態は制御下にない」と発言、首相のウソを事実上、認めた。しかし、その後、東電が修正の記者会見をしたため、大騒ぎになった。
「東電サイドに、首相の発言について見解を聞いたところ、『答えられない』と
いうので、それじゃあ、東電は国際会議で同じことを言えるのか、と聞いたところ、
『そのような状況になっていないので、その際に考える』と逃げてしまった。
つまり首相の発言を認めることはできないのです」(ジャーナリスト・横田一氏)
東電は汚染水をためているタンク周辺にいくつかの観測用の井戸を掘っている。そこから、1リットル当たり17万ベクレルという放射性ストロンチウムが検出された。遺棄できる法令上の基準値は1リットル当たり30ベクレル以下だから、とてつもない値だ。
「井戸から検出されたということは、その周辺一帯が平均して汚染されていることを
示しています。全然、放射能を制御できていないのですよ。断崖を30メートル
削って建てた福島第1原発は、山側から海へ向かって大量の地下水が
流れ込む。この地下水に原子炉建屋はさらされている。しかし、そこには
メルトダウン(スルー)した放射性物質が存在している。そうした放射性物質に
接触した高濃度汚染水があふれている。そこに地下水が流れ込み、汚染水が
“拡大再生産”されるわけです。東電はそれが海に出ていかないように
くみ上げてはタンクにためていますが、その林立するタンク群からも汚染水が
漏れて、周辺の地下水を汚染した。汚染水は側溝を通じて港湾外に
漏れ出ている可能性も高い。ドイツの放送局が『ウソ』と断じたように、
とても『コントロール下』とはいえません」(横田一氏=前出)
<こんなことをいつまで続けられるのか>
福島第1原発では、地下水が原子炉建屋に流入して1日400トンの汚染水が出てしまう。ドラム缶2000本分である。それを地上タンクに移すのだが、海から見ると、そのタンク群が原発建屋の向こう側、広大な敷地に整然と並んでいる。それを見れば、誰もが絶望的になるはずだ。いつまで、こんなことを続けられるのか、と。
しかも、タンクは急ごしらえで、耐久性がない。タンクが立っている場所も突貫工事で仕上げたもので、一部が傾いている可能性が指摘されている。
今年8月、タンクからの汚染水漏れが発覚した際、東電は震え上がった。漏れていたのは3基だったが、タンクの老朽化、耐久性、地盤などが問題だとすれば、他のタンクからも次から次へと漏れ出すのは必至だからだ。
放射能は閉じ込めるのが大原則。しかし、事態は2011年3月11日からまったく、好転していない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013092001002086.html】
汚染水の影響範囲知らず発言か 首相「0・3平方キロはどこ?」
2013年9月20日 19時50分
東京電力福島第1原発の汚染水問題をめぐり、安倍晋三首相が19日に現地を視察した際、放射性物質による海洋への影響が抑えられていると説明する東電幹部に、「0・3(平方キロ)は(どこか)」と尋ねていたことが20日、分かった。
首相は東京五輪招致を決めた国際オリンピック委員会(IOC)総会で「汚染水の影響は港湾内0・3平方キロの範囲内で完全にブロックされている」と説明していたが、実際の範囲がどの程度か理解しないまま発言していた可能性がある。
安倍首相は東電の小野明所長から放射性物質の海への流出や海中での拡散を防ぐ対策の説明を受けた際に「0・3は?」と質問した。
(共同)
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『DAYS JAPAN』(http://www.daysjapan.net/)の最新号について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
ブログ主のお薦め記事は、小出裕章さん【最大1800ミリジーベルト計測 高濃度汚染水、管理不能】。
『●広河隆一さん『DAYS JAPAN』の編集長公募』
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■『DAYS JAPAN』(2013,OCT,Vol.10,No.10) / 「本誌購読料の一部は原発被災地の子どもたちの健康支援に使われます」「一枚の写真が国家を動かすこともある」。小出裕章さん【最大1800ミリジーベルト計測 高濃度汚染水、管理不能】(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/70ea694eaba6c83b3973a0be001acbca)
■『DAYS JAPAN』(2013,OCT,Vol.10,No.10) / 尾崎孝史氏【汐凪(ゆうな)をさがして】、「3.11後、立ち入りが制限されている福島県大熊町で、行方不明の娘を探し続ける父親がいる」「原発事故が奪った救出の可能性」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3aa14f857a33a8df6740e40de8ab7b59)
■『DAYS JAPAN』(2013,OCT,Vol.10,No.10) / 斎藤美奈子さん(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0c58925fcace3ecc668bc445318ce9e0)【OUTLOOK 東京五輪で予想される原発事故への悪影響】、「しかしながら、原発事故より東京五輪誘致の方が大事な政府と東京都」「2013年に入ってからの五輪招致報道、その「国威発揚」「翼賛報道」ぶりはそもそも異常だった。7年後に事故が収束している保証などどこにもない。復興五輪の名目だ、福島がまた東京の犠牲になる。浮かれている場合だろうか」
■『DAYS JAPAN』(2013,OCT,Vol.10,No.10) / 写真・桑原史成さん【水俣事件】、「桑原氏が撮影した人びとに、昔の写真を手に並んでもらい、記念撮影をした。水俣湾埋立地船溜り。2011年5月1日」、文・西村幹夫氏「水俣とひとりの写真家」
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『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
今週のブログ主のお薦めは、横田一さん【田中委員長が首相プレゼンを擁護 「政治家の発言」は大問題】と【消費税増税に待った!/湖東京至さん 輸出大企業が喜ぶ欠陥税】。
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■①『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号) / 「「愛国」と戦争 安倍政権の軍事改革徹底批判」。ようやく今開封。伊田浩之氏【1年2カ月ぶりに原発全停止 再稼働反対運動は全国各地へ】。内原英聡氏【規制委前で抗議行動 原発再稼働審査の中止を】。大賛成!(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/de8a67c4ba9616f27397e4de52a2a5b8)
■②『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号) / 横田一さん【田中委員長が首相プレゼンを擁護 「政治家の発言」は大問題】、生物濃縮に無配慮な首相の発言に対して「「政治家の発言として問題ない」と論点をずらした」そうだ。どこが「規制」委員会なのか?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/5249cf40b271f31f6c550bb75d9379a7)
■③『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号) / 片岡伸行氏【税理士たちが署名協力呼びかけ 消費増税ストップを】、「全国の国民から税金をとってオリンピックの公共事業? その前に福島でしょ。おかしいよ」。全く同感(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/756f2d383d0092164703b1fdf00e9bd5)
■④『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号) / 佐高信さん【風速計/護憲派列伝】、「城山三郎、佐橋滋・・野中広務、三國連太郎、美輪明宏、宮崎駿、吉永小百合、中村哲。むしろ、いわゆる保守派が多い。革新の常連だけでは、もう憲法は守れないと思うからである」。壊憲させるな(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b2a322ea2be40b0becb275fcb3a2931c)
■⑤『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号) / 「2020年東京五輪への違和感 放射能の海で「おもてなし」?」。永尾俊彦氏【ウソと欺瞞で勝ち取った招致】、「本音は「国威発揚」」。【西川伸一の政治時評/軍拡を目指し原発の汚染水は垂れ流し状態の日本での五輪ボイコットされませんように】
■⑥『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号) / 【消費税増税に待った!/湖東京至さん 輸出大企業が喜ぶ欠陥税】、「マスコミを利用した茶番劇のような「有識者六〇人の意見聴取」・・全国の税理士・・アピール・・マスコミ各社は見事に無視」。まさに茶番(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6e71f004152d6f4068606d81b9c84e3d)
■⑦『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号) / 【阪田雅裕元内閣法制局長官に聞く/解釈で「集団的自衛権行使」を認めることはできない】、「政治が必要なら憲法を曲げていいのか」「法律家が一人もいない「安保法制懇」」「このままではまた「いつか来た道」」
■⑧『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号) / 無関心につけ込む改憲派(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/63ae1160a669df27f0dd5ba09fd68e85)。浅井基文氏【憲法解釈の変更も堂々と提言/集団的自衛権と「安保法制懇談会」】、「「歯止め」は存在せず」「米国以外も「防衛対象」」。地球の反対にも行きたいらしい
■⑨『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号) / 屋良朝博氏【タカ派路線の首相を冷ややかに見る米政府中枢/政府は「日米同盟」をはき違えている】、「尖閣問題は個別的自衛権の範疇」「沖縄基地問題の本質は米海兵隊」
■⑩『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号) / 海渡雄一さん【こんな悪法を許したら『週刊金曜日』も処罰される/言論・知る権利抑制の「秘密保護法」】、「異様な重罰主義」「共謀罪が先取りされている」。一体誰のどんな「秘密」を、誰のために保護するつもりなのだろう?
■⑪『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号) / 星徹氏【教育があぶない2013/日本史教科書 現場教員、教育委員会、自民党/実教出版を排除! 選ぶ権利は誰にあるのか】、「神奈川県教委の過剰反応」「都教委の独善と退廃」「大阪にも危険な動き」「自民党のやりたい放題?」。「ト」教委(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8adfc28e3a834d65c8088d41cd74d9cb)
■⑫『週刊金曜日』(2013年9月20日、960号) / 中嶋啓明さん【ウソつき国家の被災地利用を許すな 五輪開催決定】、「放射能を世界中にばらまきながら「お・も・て・な・し」とは・・」、「在特会・・目的のために本音を封印し、裏の顔を押し隠す」。「おもてなし」=「表無し」=「裏が在り」
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山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事【<主張>麻生「ナチス発言」から1ヶ月――「権力の監視」の役割に無自覚な大手マスコミ】(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、9月6日)。
予想通り、有耶無耶になりました。野党もだらしないのですが、山岡俊介さんの仰る通り大手マスコミもだらしなく、既に忘却の彼方。五輪招致でバカ騒ぎするばかり。さて、麻生太郎氏の「ナチス発言」、世界は忘れているだろうか? 何よりの問題なのは、麻生太郎氏ご本人が無自覚なこと。「麻生氏が何の責任も問われずにいること」・・・原発でもなんでも、さすが無責任な自民党である。
「麻生発言は、いったいどういう場で飛び出したのか」?
『●麻生太郎氏「だれも気づかないでかわった。あの手口に学んだらどうかね」』
『●炭坑王一族の末裔による凄まじいまでの暴言・差別意識』
『●情報は統制される: 知らなかったでは済まされない、騙されたでは済まされない』
『●「言い過ぎを批判された政治家が自己弁護する、あまり効き目のない常套手段」』
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【http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、9月6日】
2013/09/06
<主張>麻生「ナチス発言」から1ヶ月――「権力の監視」の役割に無自覚な大手マスコミ
執筆者: Yamaoka (5:23 pm)
さる7月29日、都内で開かれたシンポジウムで麻生太郎副総理兼財務相(72。左写真)が、「(ドイツでは)ある日気がついたら、ワイマール憲法はナチス憲法に変わっていた。誰も気がつかないで変わった。あの手口を学んだらどうかね」と発言、ナチスを支持する暴言だと内外から批判を浴びてから、すでに1ヶ月が経過した。
この間、5野党党首が麻生氏の辞任または罷免を求める声明を出したが、麻生氏側は「発言は撤回した」と逃げ切り、安倍首相も内閣改造を見送ったため麻生氏はその地位を維持した。そして2人は、昨日5日からロシアで開かれているG20(20カ国・地域)首脳会合に出席している。
だが麻生氏が何の責任も問われずにいることを、かつてナチスに蹂躙された欧州諸国やユダヤ人が認めたと考えるのは甘すぎるだろう。安倍首相が今年4月、「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と日本の過去の侵略・植民地支配を否定するとも受け取れる発言をしたことと相俟って、国際社会の日本に対する視線は一層厳しくなっているのは間違いない。
麻生発言は、いったいどういう場で飛び出したのか。この点に関する報道はほとんどないが、財団法人「国家基本問題研究所」の主催するシンポジウムの席上のことだった。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が理事長を務める同法人(2007年設立)は、田久保忠衛氏(政治学者)、石原慎太郎氏(衆院議員、日本維新の会共同代表)、大原康男氏(國學院大學名誉教授)ら“右翼の論客”が名を連ね、設立以来、憲法(9条)改正や国防軍設立、TPP推進などを提言してきた。福島第一原発事故の発生した2011年の11月には、「選ぶべき道は脱原発ではない」と題する意見広告(上写真)を大手新聞に掲載し原発推進を訴えた。こうしたことから、同法人は、自民党をいわば右から牽引する位置にあると言えるだろう。
・・・・・・・・・。
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gendai.netの記事【一人200万円の“豪華旅行” 東京都議が大挙してIOC総会へ】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144313)。
誘致サイドもカネまみれ。そういえば、前の「ト」知事も、一応、作家センセでした。東京都民の皆さんのオカネで、そんなに大名旅行したいものですかね? 親分も親分なら、子分も子分。彼らに投票した都民の皆さんは何も感じないでしょうが、彼らに投票しなかった皆さんには、お気の毒様である。東京五輪が実現したから、結果オーラいなんでしょうか?
『●自腹を切れば』
「・・トンデモない石原慎太郎 都知事の“浪費ぶり”が暴露されていた。
08年から09年の東京五輪招致のための5回の海外出張すべて
(23泊中21泊)で、東京都の規定上限を大幅に上回る宿泊費が
使われていたのだ。・・・今回のムダ遣いで最もヒドいのは、
08年の北京五輪視察だ。たった1泊の滞在なのに24万3000円の
超豪華スイートルームに泊まっていた。それも夫人同伴である。
「知事夫妻が宿泊したのは、128平方メートルもの広さのある
『長城スイート』。部屋にはバス・トイレが2カ所、ウオークイン
クロゼットが2カ所もある。五輪でホテルが混雑し、価格が高めの
時期だったとはいえ、事前の旅行代理店からの連絡では、
1泊8万5000円のエグゼクティブダブルに空きがあった。
それなのに、都側はスイートを予約したのです。夫人には、
海外出張支度金4万3120円も支給されていました」・・・
昨年のローザンヌ(スイス)出張でも、12万2850円の部屋に
泊まっている。これは知事の宿泊費の規定上限3万3500円の
3.7倍だ。他の出張先でも石原の宿泊代は平均8万円だ。
・・・石原知事に至っては、「自分の泊まるホテルを指定した
ことはございません」と開き直る始末だった。石原の浪費は
ホテル代だけじゃない。航空機はいつもファーストクラスで、
現地では必ず専用車を使う」
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/144313】
一人200万円の“豪華旅行” 東京都議が大挙してIOC総会へ
2013年9月2日 掲載
どこまで税金を浪費すれば気が済むのか――。2020年五輪の開催地を決定する7日のIOC総会に、都議会議員団が大挙して行くことが分かった。費用は総額2000万~3000万円。全額、血税である。
IOC総会が開かれるアルゼンチンのブエノスアイレスに行くのは、都議15人(自民8、公明3、民主2、みんな1、都議会みんな1)。
驚くのは、旅費の高さだ。
「現地には都の職員40人も、自腹を切ってツアーで駆けつけます。
費用は1人20万円ちょっとです。ところが、都議団の旅費は、
まだ最終決定していませんが、1人200万円近くになりそうなのです。
さすがに、都の職員からは『税金を使うのに、なぜ20万円の安いツアーを
利用しないのか』と批判が上がっています」(都政関係者)
しかも、都議団は正規の招致団メンバーではないため、総会会場にも入れないという。開催地の決定発表は、会場外のパブリックビューイングで見ることになるそうだ。要するに、税金を使って現地に行く意味はほとんどない、ということだ。
都議会議会局は、「費用はまだ確定していません。招致委員会から依頼を受けたので行くことになった」と釈明するが、たとえ依頼されたとしても、議長と副議長が20万円の格安ツアーで行けばいいだけのことだ。
それでなくても、都議にはベラボーな税金が費やされている。議員報酬は月額102万円、ボーナス438万円、年収は1700万円にのぼる。さらに年間720万円の政務活動費など、年間2500万円もフトコロに入れているのだ。
そもそも、心ある都民は、五輪招致に反対している。日本は五輪開催のために4000億円も積み立てているが、カネが余っているなら震災復興のために使うべきだろう。
これ以上、税金のムダ遣いを許してはダメだ。================================================================================
未来工業について触れている東京新聞の社説【企業の人材投資 削減するばかりでは】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013082402000115.html)と東京新聞の【【私説・論説室から】頑張っても報われない国】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013082602000131.html)。最後に、gendai.netの記事【ワタミだけじゃない! あの有名経営者「ブラック発言」の数々】(http://gendai.net/articles/view/syakai/144202)。
未来工業という会社ついて、以前東京新聞のコラム『筆洗』でも触れられていた。
『●働くとは何か? 生業とは?』
「コストを削った利益を社員に回すためだという・・・「これだけ休みを
もらって、自由にやらせていただいていて売り上げが下がったのでは
申し訳ない」という営業社員の声が載っていた。「ムチがなくても
社員は働く。それを知らないのは無知」という思想の浸透を感じた
▼・・・社員がやりがいを持って幸福に働ける環境を築いてきた
経営者の言葉には、小さな企業が生き抜いてゆく知恵が詰まっている」
労働者の敵・経団連の米倉弘昌会長や新自由主義学者・竹中平蔵氏にはあり得ない発想。消費税増税で非正規化が加速することは明白なのに、安倍晋三首相は消費税増税・非正規労働化に向かって驀進している。それに対して、この未来工業を見よ!
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013082402000115.html】
【社説】
企業の人材投資 削減するばかりでは
2013年8月24日
全日本空輸が二十年ぶりに客室乗務員の正社員採用を再開する。従来のコスト削減を目指した契約社員採用を見直す。経済界は人件費圧縮ばかりに走るが、人材投資に前向きな経営にすべきだ。
国内航空会社の客室乗務員(CA)は花形の職業でありながら、バブル崩壊後は賃金抑制のために契約社員採用になっていた。
全日空の場合、入社から三年たたないと正社員に移行できない。福利厚生や年金、退職金などの待遇面で正社員に劣ることから離職率は高い。格安航空会社(LCC)を含めて競争が激しくなる中、優秀な人材確保のために正社員採用の再開を決めた。
すなわち「コスト削減こそ競争力の源泉」とみていたのを改め、「人材こそ競争力の源泉」の戦略に大きくかじを切ったのである。
考えてみれば、企業が横並びで非正規社員を拡大させ、雇用の不安定化と賃金低下に歯止めがかからず、それがデフレ経済を長引かせてきたのである。人件費をコストとしかみず、労働者を大切にしない資本(株主)優先の安易な経営が、結果的に自らの首を絞めてきたということだ。
人を大事にする経営で知られる岐阜県の未来工業(電気・ガス設備資材)は、全員が正社員で定年も七十歳。昭和四十年の創業以来、赤字はなく、社員約八百人の平均年収は六百二十万円(四十三歳)。好業績は社員の提案に基づく商品開発力にあるという。かつてと違い、大手企業からヒット商品が生まれないのも人件費削減に躍起な経営と無縁ではあるまい。
ところが安倍政権は「世界一企業が活動しやすい国」を掲げ、解雇しやすい正社員といわれる「限定正社員」など雇用流動化に力を入れる。派遣労働についても規制緩和を一段と進める方針である。
厚生労働省の労働者派遣制度の見直しを検討した有識者研究会の報告書は、企業が派遣を利用しやすい内容だ。これまで企業が一つの業務に派遣労働を使用できる期間は最長三年だったルールを撤廃し、人を入れ替えれば派遣を使い続けられる。派遣会社と無期契約した場合には、派遣先で無期限に働けるルールも提言した。
これらは正社員の仕事が派遣に置き換えられたり、派遣労働の固定化につながる懸念がぬぐえない。年末に厚労省の審議会で詰められるが、「多様な働き方」の美名の下に低賃金・不安定雇用の非正規労働をこれ以上、拡大することは見過ごすことができない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2013082602000131.html】
【私説・論説室から】
頑張っても報われない国
2013年8月26日
今月初めに聴いた絵本作家、伊勢英子さんの講演が重くのしかかっている。
3・11と福島原発事故の痛ましさに、しばらく絵筆を取る気になれなかったという伊勢さん。考えて考えて、未来につながる希望を日本中の母子に伝えたいと、その年の夏、一冊の絵本を緊急出版した。『木のあかちゃんズ』(平凡社刊)は、モミジなど二十種余りの樹木の種子を人間の赤ちゃんに擬して描き、ほほ笑ましい作品。ただ「気がかりが一カ所あった」という。
原発事故で数十年も苦難が予想される地域に思いを寄せて描いた「メマツヨイグサ」。その種子は地中で三十年でも百年でも眠って芽吹きを待つ。だが、帰還困難地域などで先の見えない状態が現実となった今、種子の特性をありのまま描いてよかったのか-と自問するようになったのだ。
さらにショックが重なった。本来、内陸に生えるメマツヨイグサが、岩手県内の海岸で群生していることを知った。津波で種子が流されたらしく「移住を強いられた方々と重なって…」と声を震わせた。
安倍晋三首相は「頑張った人が報われる社会に」という。しかし、このどうしようもない格差固定社会では、いくら頑張っても非正規から抜け出せない人もいる。出自に恵まれた首相には、そんな「機会の不平等」は見えないだろう。古里を奪われ、無縁の地で毎日を頑張っている人はいつ報われるのか。 (久原穏)
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/144202】
ワタミだけじゃない! あの有名経営者「ブラック発言」の数々
2013年8月24日 掲載
<人権無視、法律無視のオンパレード>
「365日24時間死ぬまで働け」「いますぐ、ここから飛び降りろ!」――。いずれも今年の「ブラック企業大賞」に輝いたワタミの創業者・渡辺美樹参議院議員の発言だが、ほかにも企業トップのヤバい発言がいくつもある。24日発売の「ブラック語録大全」(合同出版)には、法律無視を得意満面に語る経営者の数々の語録がまとめられている。
〈過労死を含めて、これは自己管理だと思います〉〈祝日もいっさいなくすべきです。労働基準監督署も不要です〉〈格差論は甘えです〉――。こんな持論を主張したのは、人材派遣会社「ザ・アール」の奥谷禮子社長。奥谷社長は内閣府規制改革会議委員など政府の諮問委員を歴任した人物だ。
小平の格言になぞらえて、〈白い猫でも黒い猫でも利益を稼ぐのはいい猫だ〉と言い放ったのは、御手洗冨士夫・キヤノン会長兼社長。まるで労働者を犬猫扱いではないか。
“富士通の怪物”と呼ばれ、現在も相談役として同社に影響力を持つ秋草直之相談役は、「週刊東洋経済」(01年10月13日号)の取材で業績不振について聞かれ、〈くだらない質問だ。従業員が働かないからいけない〉と社員に責任転嫁した。
精密小型モーターの開発製造で世界一の日本電産の永守重信社長は08年4月の決算発表の場でこんな発言をした。
〈休みたいならやめればいい。社員全員が休日返上で働く企業だから
成長できるし給料も上がる〉
スズキの鈴木修会長も〈土曜休んで日曜も休む奴は要らない〉と言っている。ま、永守社長も鈴木会長も自分が休日返上で働くタイプ。それで会社が成長したのだから、言ってることはわからないではないが、法律には週40時間労働と書かれている。
他にも〈結果的にはブラック企業が社会を豊かにする〉(ITベンチャー・ジーワンシステムの生島勘富社長)、〈業界ナンバーワンになるには違法行為が許される〉(クリスタル創業者の林純一氏)、〈労働基準法なんておかしい。今は24時間働かないといけない時代なのに〉(NOVAの猿橋望元社長)といった仰天語録のオンパレードだ。ちなみに、猿橋元社長はこの発言後の08年6月に業務上横領で逮捕され、クリスタルはとっくに消滅した。
「ブラック語録大全」の法律監修を担当した佐々木亮弁護士(ブラック企業被害対策弁護団代表)がこう言う。
「本に載せたブラック語録は経済誌や大手新聞などの出版物、
ウェブサイトで経営者が臆面もなく語った表の情報です。彼らはそれが
経営哲学だと信じ、熱く語っているのでしょうが、いずれも、法律無視の
不当労働やパワハラを正当化するような発言ばかり。恥ずべき言動です。
そんな経営者をきちんと検証せず、カリスマ経営者みたいに持ち上げた
メディアにも責任があると思います」
若者を使い潰すブラック企業が社会を豊かにすることは絶対にない。法を顧みない悪質な企業はいずれ駆逐される運命にある。
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asahi.comの記事が二つ、【「ゲン」なぜ消えた 市教委の判断急変、議会意識し焦り】(http://www.asahi.com/national/update/0827/OSK201308270022.html?ref=com_top6)。【「戦争の残酷さ知らせねば」 ゲン描写へ中沢氏の思い】(http://www.asahi.com/national/update/0827/OSK201308270021.html)。
『●情けないオトナ達: コドモへの『はだしのゲン』閲覧制限事件』
やはりというべきか、〝とある暴力集団〟関係者が絡んでいたらしい。
『●「言論の暴力」の一線を超えた暴力を行使する〝とある暴力集団〟』
『●「日本の恥と呼ぶべき存在」』
『●「言論の自由」と、「言論の暴力」をも超える行為』
『●ヘイトスピーチ、自らの言論の自由を狭めている』
『●冷たい国: 国が経産省前テントひろばの撤去を訴え裁判を起こす』
議会は否決したにもかかわらず、教育委員会の委員に相談することもなく、事務局サイドが閉架した、という手続きの不備で「『はだしのゲン』閲覧制限事件」を矮小化して落着させたいようだ。あとで、教育委員会も知っていた、なんてことにならなければいいですけどね。それに、問題は手続き論じゃない、と思いますよ。
『はだしのゲン』を書いた中沢啓治さんの想いは、
「「きれいな戦争というのはないんだ。戦争の残酷な実態を
知らせなければ、子どもに戦争というものが伝わらない」。
戦争の恐ろしさに小さな頃から触れ、大人になって戦争を
防ぐ方法をじっくり考えてほしいというのは、死ぬまで変わらぬ思い」
だったそうです。
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【http://www.asahi.com/national/update/0827/OSK201308270022.html?ref=com_top6】
2013年8月27日19時1分
「ゲン」なぜ消えた 市教委の判断急変、議会意識し焦り
漫画「はだしのゲン」の閲覧制限は、松江市教育委員会事務局の手続きに不備があったという理由で撤回された。同市内の小中学校の図書室から「ゲン」が消えるまでに何があったのか、検証した。
■市教委、「重要な教材」から一転
「子どもに間違った歴史認識を植え付ける」
松江市教委が「ゲン」について「対応」を始めたのは、昨年4~5月、当時市内在住の自営業男性(35)が3回にわたり市教委を訪れ、小中学校の図書館からゲンを撤去するようしつこく求めたことだった。
うち1回は、京都市の朝鮮学校の授業を街宣活動で妨害した事件で有罪判決を受けた「在日特権を許さない市民の会」の元幹部らが同行。男性らはその様子を動画投稿サイトに投稿し、それを見た人たちから市教委に抗議電話が殺到するなど、「一時は業務がマヒ状態になった」(教育総務課長)。
だが、この時点では市教委事務局にゲンを問題視する考え方はなかったという。「はだしのゲンは平和学習の重要な教材であり、外部の圧力から守ることで一致していた」(当時の教育長)。市教委は警察にも対応を相談していた。
・・・・・・。
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【http://www.asahi.com/national/update/0827/OSK201308270021.html】
2013年8月27日23時46分
「戦争の残酷さ知らせねば」 ゲン描写へ中沢氏の思い
【聞き手・武田肇】松江市教委事務局が「暴力的で過激な描写」と問題視し、閲覧制限を求める理由としたのは「はだしのゲン」10巻に登場する旧日本軍兵士の中国戦線での行為にかかわる描写だった。昨年12月に死去した中沢啓治さんはこの場面をどんな思いで描いたのか。中沢さんのそばにいて、「ゲン」の背景描きを手伝った妻のミサヨさん(70)が朝日新聞に語った。
検証…「ゲン」なぜ消えた
兵士が中国人男性の首を面白半分に切り落とす。妊婦のおなかを切り裂き、赤ん坊を引っ張り出す――。今から30年近く前、主人がこの場面を描いたとき、私もショックを受け「残酷すぎるのでは」と言いました。主人の答えは「きれいな戦争というのはないんだ。戦争の残酷な実態を知らせなければ、子どもに戦争というものが伝わらない」。戦争の恐ろしさに小さな頃から触れ、大人になって戦争を防ぐ方法をじっくり考えてほしいというのは、死ぬまで変わらぬ思いでした。
自分が体験した被爆の場面でも、いろんな資料を集めて描いていましたが、体験のない戦場の場面を描くときは、特に多くの資料や文献を読み込んでいました。描けば批判が来ると覚悟していました。「ゲンはぼくの思いを託しているのだから、ヘンなことは描けないんだ」と言っていました。
・・・・・・・・・。
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magazine9に出ていた長編インタビュー【三上智恵さんに聞いた 日本国憲法に守られてこなかった沖縄】(http://magazine9.jp/interv/mikami/)。
あの『標的の村』を監督した三上智恵さんのインタビュー。米軍による事件や事故が頻発する沖縄。それに対して、我国は、易々と米軍基地やオスプレイを受け入れ、ましてや、子供にまでスラップ(SLAPP、SLAPP)する始末である。
『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督・映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』』
『●SLAPPと原発、沖縄』
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【http://magazine9.jp/interv/mikami/】
この人に聞きたい
三上智恵さんに聞いた
日本国憲法に守られてこなかった沖縄
今月から全国各地で公開される映画『標的の村』は、沖縄・普天間基地の周辺で、本島北部の高江で、米軍施設の建設やオスプレイ配備に反対する人たちの「闘い」を追ったドキュメンタリー。そこには、人々が警察によって強制排除され、メディアの立ち入りさえも阻止されるなど、県外にはほとんど伝えられない衝撃的な場面がいくつも収められています。人々は、どんな思いで闘いを続けてきたのか。『標的の村』が初監督作品となる、琉球朝日放送キャスターの三上智恵さんに伺いました。
みかみ・ちえ
琉球朝日放送キャスター、ディレクター。東京生まれ。大学卒業後の1987年、毎日放送にアナウンサーとして入社。95年、琉球朝日放送(QAB)の開局と共に沖縄に移り住む。夕方のローカルワイドニュース「ステーションQ」のメインキャスターを務めながら、「海にすわる~沖縄・辺野古 反基地600日の闘い」「1945~島は戦場だった オキナワ365日」「英霊か犬死か~沖縄から問う靖国裁判」など多数の番組を制作。2010年には、女性放送者懇談会放送ウーマン賞を受賞した。まもなく公開の初監督映画『標的の村』は、QABで放映された番組をもとにしたドキュメンタリー
普天間基地封鎖の大闘争を
伝えなかった本土メディア
編集部
映画『標的の村』を観させてもらいました。本当に、胸が詰まって目頭が熱くなるようなシーンがたくさんありました。対象に寄り添い、その人たちの心の中に入り込みながら撮影している…、そういう感じが強くしましたね。
三上
そうですか、ありがとうございます。
あの映画は、最初は30分の番組としてQAB(琉球朝日放送)で流したものです。そこで伝え切れなかった部分を補足して倍の時間のものを作りました。
でも残念ながら、テレビのドキュメンタリー番組を全国で流せる枠って、ものすごく狭いんですよ。これをどうしても全国に伝えたい、広めていきたい。そのためにはどんな方法があるか? そこでたどり着いたのが、映画にして全国で上映してもらう、という方法だったんです。91分に編集しなおして、テレビ番組では泣く泣く削らざるを得なかった部分もとり込んで映画化したんです。
QABは、ずーっと普天間飛行場の辺野古移設、オスプレイの問題に密着して取材してきました。その中で、沖縄県東村の高江地区というところに建設が進んでいるヘリパッド(ヘリコプターの発着場)が、オスプレイの訓練基地になるということがはっきりしてきたのです。この映画は、辺野古から高江へつながる基地反対運動、そして普天間へのオスプレイ搬入阻止の住民の闘いを追い続けた記録です。
編集部
映画の中では、普天間飛行場の住民による封鎖のシーンがものすごく印象的でしたね。
三上
オスプレイ配備に反対する住民たちの普天間基地封鎖闘争は、沖縄県史上でも初めての出来事でした。普天間基地の3ヵ所のゲート(野嵩・大山・佐真下)すべてがオスプレイ配備反対を訴える住民たちによって封鎖されたんです。
こんなことは、もちろん今までにありませんでした。米兵は、まったく基地の外へ出られなくなったんですよ。ほんとうに前代未聞の大闘争だったんです。それに怒った米兵たちと座り込み住民たちとの小競り合いも起きました。
次々に警官隊によって引き抜かれ、泣きながら連れ去られる座り込みの住民たち。「同じウチナー同士がなんで争わなくちゃいかんのか! お前らも一緒に座り込めーっ!」と叫びながら引っこ抜かれるおじいやおばあ。それをすべて撮影していたのは、残念ながら沖縄のメディアでもQABだけだったんですね。
編集部
ほんとうに熾烈な闘いの模様でした。たくさんの涙が流されました。車の中に立てこもり、涙を堪えながら歌う女性の『安里屋ユンタ』は、胸をかきむしられるようでしたね。でもなぜこれが、ほとんど一般には伝えられなかったんでしょう? 他のメディアはあまり現場にはいなかったんですか?
三上
沖縄の政治家たちも参加した野嵩ゲート前には、他のメディアもいたんですが、彼らが午前中で引き上げると、一緒にメディアも引き上げて行きました。だから、すべての模様を撮影していたのはQABだけだったんです。そんな行事のような抗議行動で何ができるか、と憤る人たちが大山ゲート前に集結していました。でも、そちらにはほとんどメディアは記者を配置しなかったんです。全部のゲートに記者を送ったのはQABだけだったんです。
しかも、こんな未曾有の大闘争が起きていたにもかかわらず、本土の大きなメディアはまったくといっていいほど伝えなかった。座り込みの模様をほんの少し流したテレビ局はありましたが、それもサラリと「オスプレイ配備に反対する沖縄の住民たちの抗議行動がありました」という程度。テレビ朝日が夕方のニュースで2分ほどの特集を組んでくれましたが、本土での扱いはそれが最大です。
なぜなんだろう、というのが私たちの本当に大きな疑問でした。それなら、その疑問をすべて画面にぶつけてみようと…。
「沖縄にオスプレイが来る」ことは
15年以上前から分かっていた
編集部
その想いが結実したのが、この『標的の村』なんですね。
三上
そうです。高江のヘリパッドが、実はオスプレイの沖縄配備と密接に関連しているという事実は、沖縄の記者たちの間ではもう常識でした。でも、防衛局はずっと「ヘリパッドとオスプレイは関係ない」と言い続けました。
取材していくと、すぐに分かることなんですが、オスプレイにとって高江のヘリパッドはどうしても必要なものでした。まず辺野古をオスプレイのホームグラウンドにし、高江を訓練地にするという計画。つまり、海からやんばるの森(高江地区を含む)へ向かってきて、高江のヘリパッドを目指す、というルートです。だから新しいヘリパッドが必要なんだ、ということです。
結局、オスプレイが高江に来ることは、96年のSACO合意のときから分かっていたことなんですね。ただ、ヘリパッドの位置が本当に高江の集落を囲むように6ヵ所も造られると分かったのは、2006年くらいでした。
編集部
すべては米軍と日本政府の了解の上だったんですね。
三上
そうです、すべては分かっていたことなんです。そのことを取材していくと、なんと「ベトナム戦争当時、あそこには『ベトナム村』があったんだよ」という話が出てきました。
最初は「えっ、何それ?」って感じでしたけど、調べてみたら、県の公文書館に「USCAR(ユースカー・琉球列島米国民政府)」が撮った写真が整理されていて、私たちもびっくりしたんです。映画にも出てきますけど、高台から米国高等弁務官が訓練を笑いながら見下ろしている写真があるんですが、ベトナム人の村人の役で配置させられているのが沖縄の住民、それを標的に米兵が訓練をしているわけです。
編集部
それが『標的の村』というタイトルに結びつくわけですね。
三上
ええそうです。でもね、それでこの地区の住民たちが怒っていたかというと、それは違うんです。
その当時、遥か遠い那覇にあった沖縄民政府なんて、山奥の高江に何もしてくれない、何の恩恵も与えてくれなかった。逆に、米軍は近くにいて住民を雇ってくれて、毛布や食べ物もくれたし、学校を作るときにはジャングルジムも寄付してくれた。怖いことなんてなんにもなかった、とおばあたちがみんな言うんです。そんな中で、私たちが取材とはいえ「ベトナム村で、ベトナム人役をさせられていたんですね」なんて訊いて回るのは、とても辛かったですね。
国に訴えられた
高江の住民たち
編集部
なるほど、そういう歴史がこの高江という集落にも隠されていたんですね。そして、この映画のもうひとつの側面は「スラップ(SLAPP)訴訟」です。
三上
それがこの高江では、本当に大きな問題なんです。あまり聞きなれない言葉ですけど、スラップ訴訟というのは、大きな権力を持った側、例えば政府や行政、大企業などが恫喝的に住民や個人を訴えるというもので、アメリカなどでは禁止している州(カリフォルニア州など)もあるという、問題のある訴訟です。
今回、高江では通行妨害という名目で、たくさんの住民が防衛局から訴えられました。なんとその中には、当時たった7歳の女の子まで入っていた。しかも調べてみると、訴えられた日の現場に、その女の子はいなかったということも分かった。つまり、何でもいいから反対するヤツは裁判にするぞ、という脅しなんです。
普通の人が裁判に訴えられる。こんな怖いことがありますか。裁判に呼び出されて時間もとられる。生活の破壊にもつながります。結局、ほとんどの訴えは取り下げられて、仮処分から本裁判にされたのはおふたりだけですが、それでも「恫喝」という防衛局(日本政府)側の目論みは成功したわけです。もっとも、住民側はまったくへこたれてはいないので、完全な成功というわけでもないですけど。
編集部
その訴えられた海月ちゃんという女の子は、この映画の中でも印象的でしたね。
三上
海月ちゃんは映画の最後では、小学6年生になっています。彼女は6歳のとき「オスプレイが来たら逃げる」って言っていたんですね。でも今は、「お父さんやお母さんがやってきたことを、今度は私が引き受けるんだ」と言っています。
小学6年生の女の子にそう言わせてしまったことに対し、沖縄のメディア関係者は総懺悔しなければいけない。だからこの映画は、海月ちゃんに象徴される次の世代に対する懺悔で作ったような気もするんですよ。私たちメディアは、結局世の中を変えられなかった、という…。
編集部
映画では最後に「(沖縄に)刃をふるっているのはいったい誰なのか…」というナレーションが入ります。沖縄の問題というのは、誰が敵なのか、分かりづらい面もありますね。
三上
大きな何かじゃないと思うんです。小さな無関心、小さな責任転嫁というか、小さな狡さの集積でこんな国になっちゃったんですよね。
米軍を歓迎したことはない。無理やり共存させられた基地と折り合って生きてきたところに、外から「それは問題でしょう」と言われても、「ほっといてほしい」という感覚は、確かに沖縄の中にもあります。自分たちなりに納得して乗り越えようとしてきたものを、内地から波風立てて、実は不幸なんでしょ? って言われても、大きなお世話だって。
ほんとうは現実にちゃんと向き合って、何かをやらなければいけないんですが、やっていない自分を弁護する論理として「傷つく人がいるから」とか「家族が基地で働いているから」ということで終わらせようとしてきたから、それじゃ沖縄は変われない。
そこへ投げ込まれた石として、オスプレイの普天間配備、辺野古移設、そして高江ヘリパッドの問題があったんだと思うんです。だから、沖縄へ捧げる私たちの想いがこの映画には詰まっている…。
憲法はまだ、沖縄では
きちんと適用さえされていない
編集部
その沖縄からは「日本国憲法なんて、これまで我々には関係なかったし、これからだって米軍基地が押し付けられている限り関係ないだろう」という声が挙がっています。やっぱり、沖縄から見える日本国憲法の姿って、我々本土の人間が認識するものとは違って見えますか?
三上
そりゃあねえ…(苦笑)。27年間のアメリカ統治時代の苦しみは、日本国憲法さえあれば全部終わるんだ、というイメージで、沖縄の人たちはずっと片思いしてきたわけですからね。
「憲法手帳」というのがあって、保革を問わず、沖縄の議員さんたちはいつも胸ポケットにその手帳を入れている、という話がありました。それほど、沖縄の人たちは焼け付くように日本国憲法の下への復帰を望んでいたということなんです。
でも、片思いのままにもう40年も過ぎてしまいました。憲法で保障されていることが、日本国内でさえきちんと行われていないという実態はあったかもしれませんが、でも沖縄では、教育の自由さえなかったわけですからね。日本の歴史を教えていいのかどうかさえ、アメリカの顔色を伺ってでなければ判断できなかった。教育基本法さえなかったんです。
思想信条の自由、表現の自由、教育の自由、何もなかったんですよ。日本に復帰した今、その自由を手に入れたかと言われれば、やっぱり実感はない。
日本人は憲法の下で、基本的人権は国家によって保障されるし、武器は持たないと言っている。しかし、沖縄は武器だらけです。戦争に巻き込まれた状態のままで、教育も平和的生存権も人格権も、そして何より財産権も保障なんかされていない。沖縄県民の財産権は、今も米軍基地というもので蹂躙されている。
『標的の村』も、最初の30分番組のときには、これが大きなテーマでした。もともとの自分たちの土地に入ったら、米兵に銃で追いかけ回されて、日本へ復帰したら「日本国の法律によって罰せられる」という看板で土地から追い出されたという状態は、今も続いています。
しかも、少女暴行事件のあとの97年には、軍用地特措法が改定されて、どんなに首長が反対したって「あんたの土地が必要だよ」と日本政府に言われたら取り上げられてしまう。だから、財産権なんて、いまだかつて沖縄では保障されたことなんかないんですからね。
編集部
それは、日本政府に対してだけではなく、「内地」で普通に暮らす一般の日本人に対しても鋭い批判になっています。
三上
何も日本人総体を批判するつもりはないんです。
でもね、日本国憲法で権利が保障されていない復帰前の沖縄から見ると、保障されている日本国の人はほんとうに羨ましかっただろうし、憧れという簡単な言葉ではなく、のどから手が出るほど日本国憲法がほしかったんです。ところが、日本国憲法がある日本国へ復帰すれば、その憲法によって沖縄県民の生活も一変するだろうと思っていたにもかかわらず、まったく何も変わらなかった。そのことへの恨み、というより哀しみは強いですね。
しかも、今度の参院選で、憲法を変えようという勢力が大勝してしまった。沖縄では今も、憲法を沖縄できちんと機能させよう、という運動を頑張ってやっているというのに、その憲法が沖縄できちんと適用される前に、「もう憲法が変えられちゃうんだってよ」と、沖縄の人たちは自嘲気味に、でも普通に言っていますよ。
編集部
適用されなかったからこそ、その意味がよく分かる。もらえなかったからこそ、その価値が見える。日本国憲法とは、沖縄にとってそんなものだったのかもしれませんね。日本国民に、憲法はきちんと機能しているかといえば、最近はことに怪しくなってきてもいますが。
三上
そういう意味では「日本国憲法を変えてしまうというのなら、まずその前に一度、沖縄でその憲法をきちんと施行してみてからにしてください」と、私は言いたいですね。
編集部
この映画もつきつめれば、「日本国憲法の保障がない沖縄」という現実を照射した作品といえるかもしれませんね。
ただ、そんな言葉の軽さではとうてい表現できない現実です。東村の明るい陽光と木々の葉のそよぎ、住民たちの普通の生活などが極めて美しく描かれているだけに、それらを踏みにじる理不尽さに体が震えました。
今日は、ありがとうございました。映画の成功を期待します。
三上
こちらこそありがとうございました。
映画は8月10日(土)から、東京・東中野の「ポレポレ東中野」を皮切りに、順次全国でロードショーです。沖縄の現実を、少しでもお伝えできればと思っています。
ぜひ、よろしくお願いいたします。
(構成/鈴木耕 写真/吉崎貴幸)
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毎日新聞の記事【検証・大震災:福島第1原発 汚染水対策、漂流2年半】(http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130907ddm010040006000c.html ~ http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130907ddm010040006000c15.html)。
東京電力原発人災での汚染水漏えい問題・地下水汚染問題は、当初から、小出裕章さんらにより指摘され、早くから原発を囲むように地下水環境を隔離するように提言がなされてきた。ところが、この毎日新聞の記事によると、結論として、これまた「泥縄の果て・・・」であったことが分かる。五輪誘致に際して、「状況はコントロールされていて」、「2020年までに解決する」と世界に向けて断言し、「公約」したわけだが、現実は、「コントロールされている」とは言い難く、「2020年までに解決できる」と断言できる根拠が見つからない。メルトダウン・メルトスルーした核燃料が今どこにあるのかが分からず、このまま冷却を数十年(ここも政府の見積もりは非常に甘く、田中三彦さんは30年かかると仰っている[http://www.videonews.com/on-demand/641650/002931.php])続けねばならない。猛烈に汚染された400トンの水が毎日、30年間発生するかもしれない。一方、一旦、水環境中に広く拡散した放射性物質を水環境から分離し、移染するためには、膨大な手間・時間・コスト・・・・・・。この2.5年の「泥縄の果て・・・」は命取りになってはいまいか?
『●原発の「国民的議論」を「アリバイ作り」で終わらせないために・・・』
『●日本は泥縄で溢れている』
『●泥縄: 「安全神話」に次ぐ「規制(委)神話」の創造』
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【http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130907ddm010040006000c.html】
~【http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20130907ddm010040006000c15.html】
検証・大震災:福島第1原発 汚染水対策、漂流2年半
毎日新聞 2013年09月07日 東京朝刊
東日本大震災からまもなく2年半。メルトダウンを起こした東京電力福島第1原発では放射性汚染水漏れが止まらず、事故収束がいまだに見えない。汚染水問題がここまで深刻化した背景は何かを検証した。
◆11年6月 「東電つぶせぬ」
◇しぼんだ遮水壁構想
「緊急措置として低濃度汚染水を海に流すことになりました」
枝野幸男官房長官は秘書官からの連絡に驚いた。2011年4月4日。細野豪志首相補佐官が事務局長を務める政府・東電の事故対策統合本部の決断だった。
福島第1原発1~3号機はメルトダウン(炉心溶融)していた。原子炉を冷却するため大量に注入された水が高レベル放射性物質に触れて高濃度汚染水になり、原子炉建屋に流出。海にも漏れ出している。細野氏は3日前の東電との会議で「汚染水の放出は絶対あり得ない」と主張し、その方針を決めたばかりだった。
しかしこれ以上の高濃度汚染水の流出を防ぐには限られたスペースに移して保管し、場所をとる低濃度汚染水を代わりに海へ流すしかなかった。全国漁業協同組合連合会は東電や経済産業省に「事前に連絡がなかった」と抗議し、不信を募らせた。
馬淵チームは5月11日付で作った「地下水汚染防止対策報告書」で「地下水が汚染水と混ざれば(建屋真下を通る地下水流が汚染水を洗い流し)早ければ半年で海に到達する可能性がある」と警告。海への直接の流出を防ぐため、すでに検討されていた海側の遮水壁に加え、建屋の四方を粘土の壁で囲う陸側遮水壁の設置を提言した。検討過程で、粘土式より施工期間が短く、初期費用が安い凍土式も俎上(そじょう)にのぼった。しかし、土を凍らせて壁にする凍土式の大規模な施工例は海外にもない。効果に疑問があるとして、候補から消えた。
当時、放射性物質による海洋汚染が判明し、漁業は県全域で自粛を余儀なくされていた。馬淵氏は6月11日、福島第1原発に入り、粘土遮水壁の配置計画を固め、14日に記者発表する段取りだった。だが、11年3月期に1兆2000億円を超える最終赤字を出した東電は遮水壁の建設負担を恐れた。政府に文書で「1000億円規模のさらなる債務計上となれば、市場から債務超過の方向と評価される可能性が大きい。ぜひ回避したい」と伝え、再考を迫った。
「東電が経産相に発表の先延ばしを求めているそうです」。13日朝、スタッフから報告を受けた馬淵氏は、海江田万里経産相の部屋に駆け込んだ。とはいえ、東電が債務超過と見なされて困るのは政府も同じ。国が東電の賠償を支援する「原子力損害賠償支援機構法案」にも影響する。財務省幹部は「東電が破綻すれば賠償責任を国がかぶることになる」と心配した。馬淵氏は「建設費は国が出すしかない」と考えたが、それには国民の厳しい批判が予想された。
「国が負担することになれば担当府省や予算費目を決めなければならない」。協議の結果、14日の発表は見送られた。事故収束に向けた工程表でも、実現の可能性を調査する「中期的な検討課題」にとどまり、着工時期や費用は明示されなかった。
「遮水壁は進めてください」。馬淵氏は東電を訪れ、武藤栄副社長に念押ししたが、確約は得られなかった。
馬淵氏は6月末、首相補佐官を外れた。
◆8月 予算措置、政府動かず
◇「国が主導」空回り
細野首相補佐官が原発事故収束・再発防止担当相に起用された6月27日、循環注水冷却システムが本格稼働した。原子炉建屋などにたまる高濃度汚染水をセシウム吸着装置など四つのプロセスで浄化し、原子炉の冷却水として再利用する。増え続ける高濃度汚染水への対応で当面の切り札になるはずだった。
しかし、システムは米仏日3カ国の企業が2カ月弱の突貫工事で構築したもの。初日から原子炉に注水するホースで水漏れが見つかるなどトラブルが続発した。
「汚染水の処理をきちんとしなければ、海が汚れて福島県の漁業が壊滅してしまう。すぐにでも(遮水壁の)工事をしてほしい」。7月11日の衆院東日本大震災復興特別委員会。福島県選出の自民党議員、吉野正芳氏は地下水の建屋流入を食い止める陸側遮水壁の着工前倒しを求めた。
これに対し、細野氏は「遮水壁は極めて重要なプロセス。(原子炉の冷温停止を実現する)ステップ2(期間中)の早い段階で検討を終了し、できるだけ早く着手できないか検討を始めた」と説明。14日の参院内閣委員会では、東電が遮水壁建設による負担で債務超過になる可能性も念頭に「国が一歩踏み出して予算措置する必要性はある」と踏み込んだ。
細野氏はこのころ、国の原子力政策を担う内閣府原子力委員会の近藤駿介委員長に原発廃炉に向けた中長期措置に関する検討を要請している。近藤氏は「(1979年に起きた)アメリカのスリーマイル島(TMI)原発事故を思い出せば、廃炉の仕事は大変だとすぐに分かる。見通しを立てておくべきだ」と5月末ごろから専門家を集めて勉強会を始めていた。細野氏もこの勉強会に参加しており、近藤氏から「政府が本腰を入れなければ、事故収束は望めない」と助言されていた。
近藤勉強会では、TMI事故処理対策を徹底的に分析。汚染水対策が廃炉に向けた大きなハードルになると認識していた。TMIでも汚染水からセシウムなど大半の放射性物質は除去したものの、トリチウム(三重水素)は分離できず、最終的には地元の了解を得て、大気中に蒸発させて処分した。
だが、日本の場合「湿度が高く放射性物質が拡散しにくいことや、風評被害を広げる恐れがあり、蒸発処分は困難」(原子力委幹部)だ。このため、近藤勉強会では、汚染水の処分について「トリチウムを規制値以下に薄めた上で海洋に放出するしかない」との考えが支配的だった。それには福島県など地元の理解が不可欠で、近藤氏は政府・東電が事故処理の進み具合などを地元に丁寧に説明し、対話ルートをつくるように進言していた。
しかし、国や東電と地元の対話ルートは細かった。近藤勉強会に参加した会津大(福島県会津若松市)の角山茂章学長は「TMIのケースでは米規制当局がタウンミーティングまで開いて地元の意見を事故処理に反映させたというが、福島の場合、意見を言う機会はあまりなく、議論がオープンでなければ不信につながる」と指摘する。TMIの教訓が生かされることはなかった。
政府・東電が7月19日に発表した事故収束と被災者支援の総合工程表には、遮水壁について初めて「設計・着手」と明記。細野氏は26日の参院内閣委で「政府の意思として前倒しした。東電がやるというよりは、政府として関与する体制だ」と強調した。東電は8月1日、遮水壁の工事をステップ2の期間中に始めると発表。海側=図中<1>=を陸側に先駆けて造り、陸側はステップ2期間内に検討することを盛り込んだ。
細野氏の周辺は遮水壁への国費投入について「必要があれば出せる仕組みは作った」という。しかし、政府が予算措置に動いた形跡はない。当時の政権幹部は取材に「なぜだか分からない」「経緯は知らない」と言うばかり。財務省にも「事故処理費用は事故を起こした企業が負担するのが原則」との慎重論が根強く、結局、遮水壁着工の是非は東電の判断に委ねられた。
◆12月 首相「事故収束」宣言
◇「何とかなる」過信
阿武隈山地の集めた豊かな伏流水は、福島県沿岸から10キロ沖合で海に湧き出ているといわれ、一帯は恵まれた漁場だ。原発敷地内を1日1000トンの地下水が流れ、そのうち400トンが原子炉建屋に流れ込む。この地下水流入が汚染水対策の最大の障害であることは誰の目にも明らかだった。
汚染水からセシウムなど一部の放射性物質を除去して再び原子炉への注水に利用する循環注水冷却システムは9月から安定して稼働した。東電は、トリチウムを除くほとんどの放射性物質を取り除ける新装置「アルプス」=図中<6>=の導入計画も進め、事故収束への道具立ては一応そろっているかに見えた。
野田佳彦首相は12月16日の記者会見で「原子炉は冷温停止状態に達した。事故そのものは収束に至った」と事故収束を宣言する。政府・東電の対策本部は廃止され、細野担当相と枝野経産相を共同議長とする「中長期対策会議」を設置。国の役割は東電の廃炉工程表に基づく作業をチェックすることへと変容していく。
バイパス計画や海側遮水壁はまだ計画段階だったが、東電や経産省は楽観論に傾いた。「アルプスが完成すれば海に流せる」(東電幹部)との思いは共通していた。当面は、汚染水をためる地上タンク=図中<5>=を造ってしのぐ。
しかし、翌年の稼働をめざした頼みのアルプスは動かなかった。
◆今年4月 「推定120トン漏水」
◇貯水槽、破れた信頼
汚染水をためる地上タンク増設が追いつかなくなる中、東電は12年4月、地下貯水槽=図中<7>=の建設に着手。同時に、地下水が建屋に流れ込む前にくみ上げて海へ流すバイパス計画を実行する準備に入った。
地下貯水槽は穴を掘ってポリエチレンやベントナイトでできた3層の防水シートを敷く。東電が設計し、ゼネコンの前田建設工業が施工した。アルプスで浄化した低濃度汚染水を入れる予定だった。しかし設備の強度不足などで本格稼働できず、地下貯水槽には高濃度汚染水が約2万7000トン流し込まれた。東電は「貯水槽の安全性は鋼鉄製タンクと差はない」と説明した。
「こんなもので、本当にいいんですか」。汚染水対策に今も携わる東電協力会社の会長(72)は貯水槽の耐久性に疑問を感じ、東電の技術幹部に何度も尋ねた。「時間の余裕がない」−−そんな返事ばかりで、納得できる答えはない。「タンクは納期があってすぐに増やせない。造っている業者もくたびれていた。東電は相当に切羽詰まっていた」
協力会社の会長は貯水槽の構造を「コイを飼う庭の池」だと言う。「池も水が減らないようにシートを敷く。あれに毛の生えたようなもんだ」
もう一方の地下水バイパス計画で、東電は流入量を1日100トン減らせると計算。漁協の組合長を集め補償問題を話し合う定期的な会合の場で、6月から計画の進み具合を説明した。海へ流すのは汚染前の地下水であり、反対の声はおろか質問すら出なかった。10月、地下水をくみ上げる井戸を掘った時も、異論は出なかった。東電や経産省は「汚染水対策の一筋の光明」と期待をかけた。
バイパスの実現まであと一歩というところで、協力会社会長の不安が的中する。東電は今年4月5日、地下貯水槽から汚染水が推定120トン漏れたと発表した。「あれだけの(大規模な)貯水槽をビニールシートで造るのは普通じゃない」。原子力規制委員会の田中俊一委員長は現地を視察し、東電へのいらだちをあらわにした。東電は貯水槽をあきらめ、2カ月間で地上タンクにすべて移し替えることを決めた。
漁業関係者の不信感は一気に高まった。前月に、配電盤にネズミが入り込んだことによる第1原発の大規模停電があったばかりだ。
福島県漁連の野崎哲会長ら幹部は苦悩した。地下水の海への排出を認めず、このまま汚染水が増え続ければ最後は汚染水自体の海への放出を迫られかねない。「自分で自分の首を絞めることになる」。4月26日の組合長会議で、野崎会長がバイパス計画容認の姿勢を示すと、翌日新聞やテレビが「漁連が放出合意へ」と大きく報じた。漁連事務所は組合員からの抗議電話が鳴りっぱなしになった。
漁連幹部は進退窮まった。「もう理屈じゃない。地下水は国の排水基準を下回っていると伝えてもだめ。組合員は濃度ゼロ、放出ゼロを要求している」。バイパス計画は事実上、頓挫した。汚染水の漏えい量はわずかだったと修正されたが、地元の信用を取り戻すすべはなかった。
東電の現場は批判にさらされ、疲弊していく。地元出身で、第1原発の収束作業に当たる男性社員は「社員がどんどん辞めている。同じ職場の仲間は10人が辞めた」と声を落とす。11年夏から月給は5%カットされ、夏冬のボーナスはなし。自分は養う家族がいるので辞められないが、会社のロゴ入り制服を洗濯した時は、ロゴが見えないよう裏返して干す。妻も病院に行くのを嫌がる。健康保険証に社名が入っているからだ。
「士気が下がり続け、汚染水対策も廃炉作業もやり遂げられるのか」。不安を抱えながら働いている。
◆7月 後出しの「海洋流出」
◇泥縄の果て、遮水壁
「汚染水問題が重大局面です。政府が対策委員会を作るので、トップを引き受けていただけませんか」
地下貯水槽からの汚染水漏れが発覚した今年4月上旬。地下水に詳しい京都大の大西有三名誉教授の携帯電話が鳴った。汚染水対策の破綻を心配した経産省資源エネルギー庁担当者からのSOSだった。
ためていた汚染水が漏れたことで地下貯水槽7基の使用停止が決まり、エネ庁幹部は「これは決定的な痛手だ」と嘆いた。対策は大幅な見直しを迫られた。
結局、地中の土を凍らせて1~4号機を土の壁で囲う「凍土式」=図中<3>=が採用された。くいを打ち込む大規模工事が必要な粘土式と違い、土を凍らせるため、地中にある複雑な配管も施工の支障にならない。工期も18~24カ月と短く、コストも数百億円で済むとされる。一度は見送られた工法だ。効果は確かなのか。大西委員長は毎日新聞の取材に「ベターだがベストではない」と語った。
その後、事態は一段と悪化する。東電は「可能性は考えていない」としていたが、汚染水は、対策で工事を進めていた水ガラス=図中<2>=による壁の上を越えた。東電は参院選投開票日の翌日の7月22日に海洋流出を認め、タンクからの汚染水漏れもほどなく明らかになった。
福島県漁連が9月上旬に計画していた相馬双葉漁協といわき市漁協の試験操業延期を決定した8月28日。茂木経産相は、佐藤雄平知事と面会した。
茂木経産相「タンクの増設は急がせるよう指示しています」
佐藤知事「分かりました。しかし本当に、こうやって会談している間にも汚染水が海に流れていますから……」
茂木経産相は佐藤知事の話を遮るように「ですから(海側だけでなく)陸側に凍土遮水壁をまず造り、それから建屋内をしっかりやり、そして……」と対策を並べ立てた。いらだちが明らかに見て取れた。
政府はこれまでの失敗を取り戻そうと「前面に出る」とアピールし始める。自民党幹部は「司令塔機能が弱かった」と悔やんだ。
9月3日、政府は陸側遮水壁整備などへの国費投入を柱とする汚染水対策の基本方針を発表した。だが党内には「国費ではなく、あくまで東電の責任でやるべきだ」という声は少なくない。財務省幹部は「税金を使って対策に失敗したら誰が責任を取れるのか」と冷ややかだ。
国の迷走はいつまで続くのか。このままでは廃炉計画全体に大きな影響が出るのは必至だ。
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この特集は竹川正記、上野央絵、田中泰義、尾中香尚里、井上英介、清水憲司、大久保渉、鳥井真平、奥山智己、袴田貴行、乾達、栗田慎一、中尾卓英、神保圭作、笈田直樹が担当しました。(グラフィック 菅野庸平、編集・レイアウト 藤沢宏幸)
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『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
今週のブログ主のお薦めは、石坂啓さん【初めて老いった!?/やったねアベちゃん!!】と明石昇二郎さん【東電福島事故「刑事告訴&告発」はなぜ「不起訴」なのか】。
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■①『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / ようやく開封。「福島県浜通りエコツアーガイドブック 今、福島の森と川で何が起きているのか」。もちろん、横田一さん【東京五輪開催決定と放射能汚染水問題 世界に嘘をついた安倍首相】。ウソ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/060c22aa9939913740ad6aaaa7acd5df)
■②『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / 武馬怜子氏【排外主義デモにカウンター攻撃 新宿大久保公園でデモ隊が激突】、「憲法で保障された「表現の自由」に則ったデモを、警察が止めることはできない」。う~ん・・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f00bcec5ab16103b4852ed458cc72bf3)
■③『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / 根津公子さん【「君が代」不起立・不伴奏処分訴訟 最高裁が全員一致で上告棄却】。最高裁「裁判官全員一致の意見」だそうだ。最高裁国民審査「最高裁を裁く」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/847fa3c946d3f82f2514522b061ab670)
■④『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / 真野きみえ氏【大阪がれき脱原発派の裁判初公判 逮捕は「狙いうち」と主張】、「市民への不当な弾圧がなかったかが、今後の裁判の中で争われることになろう」
■⑤『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / 永野厚男氏【会議傍聴者の言動を記録 都教委が異常な監視】。本当!? 「ト」教委は何をやってんだ?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8adfc28e3a834d65c8088d41cd74d9cb)
■⑥『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / 明石昇二郎さん【東電福島事故「刑事告訴&告発」はなぜ「不起訴」なのか】、「告訴団が暴いた「汚染水」の新事実はどうなる?」。五輪で浮かれる最中の9月9日に発表(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/5249cf40b271f31f6c550bb75d9379a7)
■⑦『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / 【大村アスカの政治時評/大阪都構想を支持するか否か 堺市長選での市民の選択が橋下徹氏の未来も左右する】。【竹野三恵子の経済私考/安倍政権による雇用規制の緩和は「ナチス流だ」 唯一の公約実現は「世界一企業が活躍しやすい国」】
■⑧『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / 宇都宮健児さん【主権を脅かすISD条項】、「TPP・・投資家対国家紛争解決条項・・外国企業(投資家)が損害を被った場合・・世界銀行傘下の・・に提訴して賠償を求めることができる」。メモ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/ffeb37f2332f233ad4b25e13236e914d)
■⑨『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / 永六輔さん【無名人語録】、「美しい国日本、総理が近頃よく使うけれども、美しい福島って言えるかい?」。浅賀行雄氏のイラストが秀逸、聖火リレーをしている人が完全防備?、あるいは、作業員が走者??
■⑩『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / 矢崎泰久さん【発言2013】、「それにしても安倍・猪瀬のペテン師コンビにも私は唖然とさせられた。放射能列島日本を安全・安心と喧伝し、赤字国債一千兆円を抱えながら財政危機は無いと主張する」。ウソ吐(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/060c22aa9939913740ad6aaaa7acd5df)
■⑪『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / 根岸恵子氏【今夏、森村誠一氏とともにロシア公演 加害を歌い続ける「悪魔の飽食」合唱団】。「戦争できる国」の現実(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7408a0a5477439ac334576823e23618c、http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cbf304c495f35f9e47c7032e10872883)
■⑫『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号)/山口正紀さん【全力で反対キャンペーンを 特定秘密保護法案】、「メディアは、「戦争の出来る国」に向けた「新・国家機密法」と存在をかけ、全力で闘う時だ」。城山三郎さん曰く「日本が戦争で得たのは憲法だけだ」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7408a0a5477439ac334576823e23618c)
■⑬『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / 高嶋伸欣氏【不勉強と自主規制! 問題点だらけの教科書採択報道】、「東京都と神奈川県の教育委員会が、強引に採択から排除」。ハタとウタを強制しておきながら・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8adfc28e3a834d65c8088d41cd74d9cb)
■⑭『週刊金曜日』(2013年9月13日、959号) / ピョンタ、再登場!、石坂啓さん【初めて老いった!?/やったねアベちゃん!!】、「・・『金曜日』のみなさんがどうせシケた顔してるんじゃないかと思って励ましにさー。だから言ってたじゃん、早いとこ転向してこっち側においでって」。笑読
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