Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●菅総理の内心

2010年11月30日 00時04分08秒 | Weblog


沖縄県知事選・・・、非常に残念な結果になりました。民主党の「おかげ」です。

 投票率が6割程度というのが、沖縄県民の絶望具合を表しているのでしょうか。自民党と一緒になって「暴力装置」ではバカ騒ぎするのに、県知事選の重要さにはマスコミもほとんど触れることの無いと言ったら過言でしょうが、それに近い状態だったと思います。こんな重要な選挙なのに。
 菅総理は内心小躍りしていることでしょう、これで県「内」移設の目途が立ったということですから。仲井真知事の言う「県外」で引き受けてくれるところはないでしょう。この「県外」は伊波氏の言う「国外」とは異なるわけで、知事の言う「県外」は実質上県「内」となり、辺野古あるいはその周辺ということに「落着」すると思われます。再選された知事は、直後に、「県外」堅持とししつつ、「議論の門戸は閉ざさない」としている訳ですから。

 
この件を含めて、政権をとる際の公約が次々と反故にされ、過剰な期待はしていなかったとはいえ、絶望感は広がるばかりです。
 どこ見て、誰のために政治をやってんでしょう?

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●ハマってしまう

2010年11月29日 00時00分35秒 | Weblog

『霊能力者 小田霧響子の嘘』①、甲斐谷忍著。集英社BJYJC、2008年2月第1刷発行。

 テレビというよりも、謎解き 超常現象』を編んだASIOS超常現象の懐疑的調査のための会、アシオス)[WPはhttp://www.asios.org/]のブログ取り上げられていて、興味を持つ。表紙的にも、タイトルからしても、普通なら買わないけれど、でも、実際に買ってみたら中身も絵的にも非常に好み。
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●『創(2010年11月号)』読了

2010年11月28日 00時26分33秒 | Weblog

『創』(2010年11月号)、11月に読了。

 
カラーグラビア「今年も行われた太地町のイルカ漁/映画「ザ・コーヴ」騒動は何を残したか」(p.22-23)。

 
中島岳志さん「被告人が語った動機の背景にあるもの/秋葉原事件・加藤被告の〝脱神話化〟の重要性」(pp.36-49)。最早忘れ去られている事件に・・・。かなり考えさせられる論文。当初バカ騒ぎしたものの、「派遣問題に還元するのは無理がある」。「つなぎ事件の直後に聞いたロックの歌詞」はかなりショック。「・・・バンプオブチキンの「ギルド」という曲の歌詞を書き込みしているのです。/それは「美しくなんかなくて、優しくもできなくて、それでも呼吸が続くことは許されるだろうか」「その場しのぎで笑って、鏡の前で泣いて、当たり前だろ 隠してるから気づかれないんだよ」という歌詞だった」。いや~、始終聞いているだけに・・・。「歌の始まりは、自分が相応の給料というものをはたしてもらっているんだろうかというような歌詞で、まさに労働と疎外の問題をテーマとして歌ったものですが、この歌の歌詞が、最後のところで、彼にメッセージが届きそうになったのです」。「「シングルイシュー」に原因を還元するのはやはり避けるべきですし、「あってほしい犯人像」を加藤に押しつけることは問題だと思います」。

 
篠田博之編集長「一体何故・・・再び〝地獄〟へ舞い戻ってしまうのか/田代まさしさん再び薬物逮捕の驚愕」(pp.50-56)。

 
佐高信さん「ニッポン文化低国を撃つ!/筆刀両断!/節操のない政治家 蓮舫」(pp.72-73)。石原慎太郎との共通点は、小沢一郎に批判的なことと外国人地方参政権に反対なこと。節操のなさは田原総一朗氏譲りらしい。「蓮舫が支持する菅は郵政民営化に賛成だった。それで私は菅を〝愛嬌のない小泉純一郎〟と名づけれいるのだが、いわゆる新自由主義の小泉・竹中(平蔵)「改革」のチョーチン持ちをしていたのが田原だった」。

 
香山リカさん「「こころの時代」解体新書/取調べ可視化でも虚偽自体は防げない」(pp.78-81)。村木厚子さん無罪判決。認知症患者のつめ切り出血でっち上げ事件について、福岡高裁は逆転無罪の控訴審判決。

 
森達也さん「極私的メディア論/第55回 上書きされた刑場公開」(pp.82-85)。二人の死刑執行を命じた千葉景子法務大臣が刑場を開示。しかしながら、「・・・きわめて多くの制約や限定の上・・・」。「そもそも法務省はつい十数年前まで、執行したことすら公開しなった。死刑の存在理由を犯罪抑止にするのなら、あきれるほどの論理矛盾だ」。「・・・処刑した死刑囚の名前を明かすように・・・。これも鳩山邦夫法相(当時)の(唯一の)英断だった)」。「情報を公開してもらうのではない。公開することが当たり前なのだ」。

 
「アフガン拘束事件の常岡さんと語る/ハイリスク・ローリターンの戦場取材になぜ挑むのか/座談会 常岡浩介・原田浩司・綿井健陽」(pp.90-101)。

 
今西憲之氏「検察内部腐敗の実態/証拠改ざん! 暴かれた検察庁の内部腐敗」(pp.102-111)。村木事件は、「宣告前から「無罪」が決まりきった、検察史上、類を見ないような判決公判。・・・いかにインチキでとんでもないものだったのか・・・」。全員が破棄した「取り調べメモ」。三井環口封じ逮捕と大阪検察。

 
佐藤潤一氏・鈴木徹氏「「グリンピース裁判」が提起したものは何か/「クジラ肉裁判」敗訴 地裁判決の問題点」

 「永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]のぢぢ放談/第16回 リーダーなんて知らない!」(pp.130-137)。
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●『わが孫育て』読了

2010年11月27日 00時08分16秒 | Weblog

『わが孫育て』、11月に読了。佐藤愛子著、文春文庫。2010年6月第1刷発行。

 江原啓之氏などオカルトに傾倒している姿に引いてしまい・・・、十数年ぶりの佐藤さんの本。

 「Ⅰ わが孫育て」、「Ⅱ じぐざぐ日記」、「Ⅲ 国を愛してどこが悪い」の3章立て。
 
Ⅲ章のタイトルには引いてしまいます。実際には、章のタイトルのようなエッセイは全く無く、最後に章と同じ名前のエッセイがあるのみ。中身も、戦前に回帰しましょうという話では、当然、ないのですが。このエッセイのみ初出が、今は亡き「諸君!」ですから、このタイトルは仕方のないことかも。

 
T文庫にて。
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●裁判員制度下で少年死刑判決

2010年11月26日 05時07分05秒 | Weblog

Asahi.com記事の一部。宮城県石巻市の事件で、裁判員制度の下で、被告の少年に対して初めての死刑判決が出ました。裁判員の方の感想などが記事に出ていました・・・。「死刑のスイッチ」を押すトラウマ・・・。

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【http://www.asahi.com/national/update/1125/TKY201011250518_01.html】

 ・・・・・・判決後に仙台地裁で会見した裁判員は、5日間にわたる審理の過程で感じた悩みを交え、「厳しかった」と振り返った。
 判決後、6人の裁判員のうち「4番」と「6番」の2人の男性が、匿名を条件に記者会見に応じた。4番の30代会社員は、カメラ撮影にも応じた。死刑判決に加わった裁判員が、撮影に応じたのは初めてのことだ。
 「自分の中で、この子に対して、何が一番良いのかと考えた」。年齢を公表しなかった6番の男性は、そう語った。4番の男性は「人の命を奪うのは年齢を問わず、大人と同じ刑で判断すべきだと思った」と話した。
 目の前の少年に、立ち直る可能性はあるか――。結論に至るまでは2人とも思い悩んだという。
 「心の言葉で話してほしい」。公判での被告人質問。4番の男性はまず、少年にそう語りかけた。少年の心に迫ろうと、母親への思いや社会復帰ができた場合の考えなどを続けざまに聞いた。「涙を流して答えてくれた。つくられた言葉ではなく、少年の思いの中から出してくれた言葉だと思った」と振り返った。
 法廷では少年のほかに、その母親、元交際相手、被害者の遺族といった、ときに涙しながら語る証人らに直面した。「それらを自分の中に収めて結論を出さなければならないんだと思ったとき、厳しかったです」
 死刑選択の基準とされる永山基準については裁判官から説明を受けた。だが、「基準より、被告、被告の母親、被害者の方々の思いを一番重視した。私は被告の心の言葉を求めたし、その時の自分の思いを重視した」と明かした。
 「どんな結論を出しても、被告と被害者、どちらからも恨みや納得できないという思いを持たれる。怖くて、一生悩み続けるでしょう」
 一方、6番の男性は、結審後の土日の休みは、友人や家族と一緒にいることが耐えられなくなった。「何かの拍子にしゃべってしまいそう」。そう思い、図書館にこもって裁判を報道する新聞記事を読んだり、公園で1人で求刑について2~3時間も思案にくれたりした。自分の中に判断基準が欲しかったが、時間がたつにつれ、どうしていいか分からなくなった。だから、判決の日を迎えることが「嫌で嫌でしょうがなかった」。
 「少年にかけたい言葉」を問われると、2人ともしばらく目線を落とし考え込んだ。6番の男性は、言葉を絞り出すように話した。「自分のやったことをまず反省してくださいと言いたい。なぜこのような判決になったのか考えてほしい」(篠健一郎)
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●無償化棚上げ

2010年11月25日 04時51分51秒 | Weblog

意味不明である。やってて恥ずかしくないのだろうか。自民党と同じじゃん。何のための政権交代? アサヒコムの記事です。

 

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http://www.asahi.com/politics/update/1124/TKY201011240154.html

朝鮮学校無償化、当面対象外に 官房長官「手続き停止」
                                                    
201011241414

 仙谷由人官房長官は24日午前の記者会見で、在日朝鮮人の子弟らが通う朝鮮学校への高校無償化制度適用について「昨日、今日の事態のなかで、現在進めているプロセスをいったん停止するという方向に動くと考えている」と述べ、北朝鮮による砲撃事件を考慮し、当面は適用対象外とする考えを示した。
 仙谷氏は会見で、無償化制度の適用見直しの検討について「現時点では制裁的意味合いではない」との認識を示す一方、「朝鮮半島(情勢)が緊張してくる中、現時点では手続きを停止することが望ましい」と語った。
 高木義明文部科学相も24日午前の衆院文部科学委員会で「今回の事態は正常な教育、平和を揺るがす根底にかかわる問題。重大な決意で臨まなければならない」と述べ、制度の適用をめぐり砲撃問題を考慮する可能性に触れた。
 政府はこれまで、朝鮮学校への制度適用について「政治、外交上の問題は配慮しない」との見解を国会で示していた。現在、文科省が10校ある朝鮮学校(高校段階)から適用申請を受け付けている段階で、締め切りは今月30日。教員数や授業時数など外形的な基準を満たしているかどうかの個別審査を経て、10校すべてが対象となる見通しだった。
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●年末まで忙しいというのに

2010年11月24日 00時06分51秒 | Weblog

年末まで忙しいというのに、いかんな・・・。11月に読了。

 『医龍』24巻、2010年11月初版第1刷発行。集英社、乃木坂太郎著。朝田龍太郎復活!
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●「理論社」倒産

2010年11月23日 00時16分19秒 | Weblog

不覚にも「理論社」が倒産していたことを知りませんでした。西原さんの、とある受賞スピーチで知りました。「・・・テレビドラマ化されたベストセラー本「この世でいちばん大事な『カネ』の話」の出版社・理論社が突然倒産(10月6日)し、「印税2000万円もらいそこねた」と自虐コメント」というもの

 毎日新聞に以下のインタビュー記事が出ていました。ちょっと長いのですが、コピペさせていただきます。

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【http://mainichi.jp/select/wadai/news/20101028ddm013040017000c.html】

ザ・特集:「理論社」の灯はどこへ 創業者・小宮山量平さん、出版「冬の時代」を語る
 ◇「兎の眼」「北の国から」--良書を世に出し、倒産
 出版人の良心は枯れ果てるのか? この秋、中堅出版社「理論社」が東京地裁に民事再生法適用を申請し、倒産した。灰谷健次郎さんの「兎(うさぎ)の眼(め)」など多くの児童文学、さらに倉本聡さんの「北の国から」などの名著を送り出してきた老舗である。創業者で作家の小宮山量平さん(94)に会った。【鈴木琢磨】

 ◇ベストセラー屋さんばっかり。読むべきもの、本当の作品とは何かを考えていない。
 ◇いまは第二の敗戦。若者の手でよみがえると信じている。
 「軍隊生活を終えて東京に戻ると、一面の焼け野原だった。新宿の山手線のレール上から隅田川のきらめきまで見えて。祖国喪失の悲しさ、むなしさ……、祖国は回復できるのだろうか? そんな思いが心の底にあったね」
 ここは本の街、東京・神田神保町。ベレー帽姿の小宮山さん、つえをついて歩きながら、ぽつぽつと語りだした。
  同胞(とも)よ/地は貧しい
  我らは/豊かな種子(たね)を
  蒔(ま)かなければならない
 ドイツ・ロマン派の詩人、ノバーリスの言葉を掲げて理論社を創業したのは、終戦から2年後の1947年である。
 翻訳でなく、日本人の作家による日本の子どものための創作児童文学を--。小宮山さんが種をまいたのは児童文学の世界だった。灰谷さんはじめ、「ぼくは王さま」の寺村輝夫さん、「赤毛のポチ」の山中恒さん、「宿題ひきうけ株式会社」の古田足日(たるひ)さん……若く無名の作家を次々と見いだしていく。「山のむこうは青い海だった」でデビューした今江祥智さん(78)もそのひとり。「とても残念です。理論社のおかげで60年代、新しい児童文学が幕を開けた。僕の作品の多くも理論社から。日本の出版の良心を支えていた大きな木の一本が倒れた感じです。ずっと一緒に走ってきたので……」
 ふと見れば、小宮山さん、キリンの絵柄のかばんを手にしている。「ハハハ、僕の熱烈なファンが贈ってくれたんだ。灰谷君らと児童詩誌『きりん』の刊行もしていたからね。子どもの詩に大人が教えられたよ」。たとえばこんな小学6年生の詩があった。<おとうさんが湯から/あがってきた/ぼくがそのあとに入った/底板をとったら/すこし砂があった/ぼくたちのために/はたらいたからだ>
 ひょっとして60年代の少年の詩が誰より無念をかみしめている生涯一編集者を励ましているのか。ただ小宮山さんは経営にタッチしていない。50歳代で会長に退き、89歳でふるさと長野県上田市に「エディターズミュージアム(小宮山量平の編集室)」を開き、遠く千曲川のほとりから東京の出版界の盛衰をながめてきた。今回の倒産について、これまであえてコメントは避けてきた。「出版界という川の流れについてならしゃべりましょうか」。そう言って、かつて作家と打ち合わせをした喫茶店のドアを押した。
 「日本の出版界はベストセラー屋さんばっかりになってしまったね」。コーヒーをすするおだやかな顔が見る見る険しくなる。「ベストセラーという合言葉で本をつくらないともうからない。みんなそう思っている。でもソロバンをはじけば、もうかるのは広告会社だけ。いくら売れても返本の山で出版社に利益はでない。そのリズムに巻き込まれたら……つぶれるしかないんだよ。理論社だって」。出版社の新刊広告は<たちまち重版!>の文句が小躍りし、書店にピラミッドのごとく本が積みあがっている。それも同じ著者ばかり、あの版元から、この版元からも。
 「あー、情けない。いやしくも編集者なら、本当の作品とは何か、読むべきものとは何かを考えないと。フランスで読み継がれているビクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』を想起する。あれを読んだか、読んだ気にならない限りはフランス人じゃない。そういう書物がいつしか彼らを統一体質にしている。パリで年金受給年齢の引き上げに抗議するデモが続いているでしょ。高校生までも参加して。祖国があるんだ。きずながね」
 さて、日本に「レ・ミゼラブル」はあるのか? 老編集者は半世紀前、ここ神保町の喫茶店で出版の打ち合わせをした五味川純平さんをあげた。戦争の悲惨さ、人間のおろかさを描いた「人間の条件」の原稿を手渡されたらしい。「ちょうど三一(さんいち)書房が新しく新書を出して勢いに乗っていたので、僕が仲立ちした。新書判で全6巻、1300万部を超える大ベストセラーになり、その印税で五味川君は戦史資料をかき集め、新書判18巻になる超大作『戦争と人間』を書きあげた。神保町の古本屋の間では『戦史資料は五味川さんへ』と言われたほどでした」
 ところが、その「戦争と人間」は絶版になって久しい。読もうにも読めない。「あの15年戦争と呼ばれる満州事変から、太平洋戦争にいたる長期戦争のすべてが俯瞰(ふかん)できる。どんな昭和史の評論も、碩学(せきがく)の研究もかなわないよ。リアルで、迫力があって。一気に読める。出版社が売れないからと尻ごみするなら、僕が出すしかないかなあ。大きな倉庫に本を保管し、注文を受け、読みたい人がいればいつでも届ける。食堂みたいな出版社だね。笑われるかもしれませんが、出版人はそこまで立ち戻らなければいけないでしょう」
 ときあたかも、尖閣問題で日中関係がぎくしゃくし、互いのナショナリズムに火がついている。夜の酒場で大人たちは臥薪嘗胆(がしんしょうたん)、日中もし戦わばなどと知らず知らず時計の針を逆回転させている。「ぞっとする。僕たちは視野狭さくに陥ってはいけない。流されてはいけない。20世紀はせっかちな時代でした。革命と戦争の時代でした。21世紀は漸進の時代です。再び祖国の喪失があってはいけない。まだ地は貧しい。いまこそ良書が必要です」。すると理論社の灯は消せませんね?
 「雨降って地固まる。自然の成り行きで、スポンサーが現れてくれて、編集者たちもまとまれば、新しい理論社として再出発できるんじゃないかな。お父さんはノンキでいいわね、とかみさんは言っていますがね」。そういえば、理論社で最近、話題になった本に人気漫画家、西原理恵子さんの「この世でいちばん大事な『カネ』の話」がありました。「皮肉だねえ。でもカネのことがわからない僕が社長のころはつぶれなかったんだが。ハハハ」
 この夏は信州もすごく暑かった。小宮山さんは戯(ざ)れ句を詠んだ。
 <石ひとつぽとんと落とす河川葬(おそうしき)>
 「ちっちゃな三つのつぼに僕の骨を入れ、ひとつは愛するかみさんに渡し、ひとつは庭に埋め、そして、もうひとつを千曲川に落としてくれたら、と願ってね。いまは第二の敗戦じゃないですか。出版界も若者の手でよみがえると信じています」
 コーヒーをすすり終えた小宮山さん、それじゃあね、とお気に入りのキリンのかばんを持って本の街を歩きだした。
毎日新聞 2010年10月28日 東京朝刊
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●蓮池透×森達也ロング対談

2010年11月22日 00時00分19秒 | Weblog

少し古い(2009年7月)のですが、蓮池透さんと森達也さんの対談、今頃、気づきました。かなり長く、3回に分けられています。

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【http://www.magazine9.jp/taidan/006/index.php】

      マガジン9の【マガ9対談】

     蓮池透さん×森達也さん 「拉致」解決への道を探る
         (その1)硬直状態を何とか打破したい
         (その2)「拉致」の周辺にある北朝鮮の問題
         (その3)北東アジアの危機を救うべき方法を考えよう
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 拉致被害者家族連絡会の内部の状況や蓮池さんの孤立化と家族会からの離反の経緯、さらに後半では、遺骨からのDNA抽出の問題やマスコミ・安倍晋三氏などのバカ騒ぎとミスリードの問題など、非常に多くの事柄が対談の中に出てきます。対談から既に1年以上経過していますが、その間、対北朝鮮関係にはほとんど進展が見られません。対談の中でも語られていますが、まずは、国交正常化が変化の第一歩で、経済制裁を声高に叫んでも進展はますます遠のくものと感じました。
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●『東京番外地』読了

2010年11月21日 01時07分43秒 | Weblog


『東京番外地』、11月に読了。森達也著、新潮文庫。2009年8月発行。解説は重松清氏。

 第一弾「葛飾区小菅一丁目」から第十四弾「府中市多磨町四丁目」、および、番外編「千葉県浦安市舞浜一丁目」まで「」東京ルポルタージュ。「東京近郊のスポットを無目的に歩きながら、思い出したり触発されたこと、あるいは場の記憶に感応したことなどを随筆風に綴るという書籍の企画」(p.15)。

 下山定則氏の殺人。昭和史最大の謎。『下山事件シモヤマ・ケース)』(pp.10-11)。
 『放送禁止歌』(p.12、96、220)。『職業欄はエスパー』(p.13)。『』(p.14、66、284)。

 大道寺将司さん(p.21)。

 植草一秀氏と監視カメラ(p.43)。「・・・こんな理由で尾行されてはたまらない。・・・明らかな悪意・・・」。推定無罪原則のあまりの軽視。

 精神保健福祉法、少年法の改正(p.95)。「ところが実際のところは、少年事件増えてもいないし凶悪化もしていない。・・・事件の低年齢化も全く根拠がなく、統計はむしろ高齢化を示している。/ところが多くの人はこれを知らない。なぜならメディアが不安や危機ばかりを煽る。・・・その方が視聴率や部数が上がるからだ。つまり身も蓋もない市場原理の帰結。/同様に、精神障害者による事件も、実態とイメージとは大きなギャップがある」。

 「第六弾 「微笑む家族」が暮らす一一五万㎡の森/千代田区千代田一番地」(p.109)。「天皇版・電波少年」という企画趣旨。「・・・劇団「ザ・ニュースペーパー」・・・の風刺コント「さる高貴なご一家」をこの広場で、さらに天皇家の目前でやってもらい、その様子を撮影する・・・」〝危険〟で〝過激〟なドキュメンタリー。フジテレビが中止勧告。
 「NHKが・・・放送直前に強引に改編し、その背景には自民党政治家による圧力があったと報道して大騒ぎになり、さらに朝日とNHKとの泥仕合にまで発展」した、中川氏・安倍氏による番組改竄強制事件。
 「・・・自民党は憲法草案を決定した。・・・「日本国憲法を遵守して」と発言した今上天皇は、どんな思いで読んだのだろうか」。

 「立川反戦ビラ撒き事件」(p.124)。
 「狭山事件」(p.126)。無罪推定原則の著しい衰退(p.130)、「簡単に蔑(ないがしろ)にされては困る」。

 「Suica」(p.140)は誰何(すいか)。

 『あしたのジョー』と存在しない泪橋(p.149)。

 岡林信康さんの「山谷ブルース」(p.152)。佐藤満夫・山岡強一氏のドキュメンタリー映画『山谷 やられたらやりかえせ』。「監督二人が殺された映画など、他にはちょっと思いつかない」。

 「郵政民営化是か非か式の二者択一が焦点・・・単純化や簡略化には大きな副作用がある(小泉チルドレンを筆頭に、国会議員の質がとても低下した)」(pp.163-164)。

 杉原千畝さん(p.175)。

 ドキュメンタリー映画『フォッグ・オブ・ウォー』(p.184)。東京大空襲を実施した戦争屋ルメイに日本政府から勲一等旭日大綬章を授与、という唖然とするお話。「渡す側も渡される側も、記憶中枢に重大な欠陥があるとしか思えない」。東京大空襲「春季慰霊大法要」に興味なさげな石原都知事と(毎年靖国参拝の)小泉元首相も。大村益次郎と靖国神社。
 
小泉純一郎元首相の靖国参拝に際してのノーテンキな発言。〝井戸〟の水を濁らせてばかり。「・・・小泉首相の二つの論拠は、「公約」と「心の問題」。・・・公約にあげるならそれはもう心の問題じゃない。心の問題と言い張るならば、それは公約になどすべきじゃない。とても単純なこと。・・・それは何よりも、・・・自民党の総裁選の際の公約だ。つまり国民一般は、彼とそんな約束をした覚えはない。この国には自民党員と自民党の議員だけが住んでいるわけじゃない」(p.263)。

 『いのちの食べ方』(p.223、231)。鎌田慧さん『ドキュメント屠場』(p.231)。

 
ジョージ・オーウェル(p.246)。

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●『冤罪File(No.10)』読了

2010年11月20日 00時28分16秒 | Weblog

冤罪File』(冤罪ファイル)(No.10)、11月に読了。2010年6月号。

 「冤罪で苦しむ人たちを支えたい」(pp.2-5)。足利事件の菅家さん。三人の裁判官が謝罪。集う冤罪事件の関係者の皆さん。「布川事件」の桜井昌司・杉山卓男さん、「東電OL殺人事件」、「富山・氷見事件」の柳原浩さん、「仙台・北稜クリニック事件」の守大助さんのご家族、「狭山事件」の石川一雄さん、「免田事件」の免田栄さん、「袴田事件」の袴田巌さんの姉・秀子さん、「名張毒ぶどう酒事件」の奥西勝さんの支援者の皆さん。

 映画『BOX 袴田事件 命とは』の高橋伴明監督インタビュー(pp.8-19)。裁判員制度熊本典道さんの苦しみ。「マスコミが作り上げた冤罪事件も少なくないと思います」。

 裁判員制度は冤罪を見抜けるか? 「・・・絶対に無実の者を罰しないこと。刑事裁判の目的は「無罪の発見」にあるといわれる。/・・・さまざまな原則が定められている。裁判官の「予断排除の原則」、被疑者・被告人の「黙秘権」、有罪の立証があるまで無罪と推定される「無罪推定」、起訴された犯罪事実の存否が不明な場合の「疑わしきは罰せず」・・・」(p.31)。

 三宅勝久さん、「知的障害者は陥れられたのか?/「東金女児殺害事件」に浮かぶでっち上げ疑惑」(pp.33-45)。指紋の不一致や、濡れた手でレジ袋に指紋が残るのかなど、数々の疑問。また、取り調べメモの破棄などの「出したいものだけ出す」検察。

 柳原三佳氏、「「被害者」が「犯罪者」に!? 白バイ冤罪① 最新インタビュー」(pp.46-59)。でっち上げで禁錮1年4カ月の実刑判決を終えた片岡晴彦さん。最初から最後までずっと独居房というイジメ。

 池添徳明氏、「「横浜事件」刑事補償決定で実質無罪/「やっと勝ち取った」遺族の思い交錯」(pp.80-81)。

 三井環[元大阪高検公安部長]さん、「〝悪徳検事〟が検察の実態を完全告発!/情報リークと冤罪のメカニズム」(pp.88-100)。

 粟野仁雄氏、「一体、どういう捜査をしたらこんなことになるのか?/厚生省 村木元局長冤罪事件」(pp.101-109)。

 池添徳明氏、「中川博之裁判長ってどんな人?」(pp.112-119)。多くがヒラメ裁判長の中、「中川さんが無罪判決を書くと目立つというそのことが、実は問題なんです」。「大阪地裁の裁判長は全体的に常識的」。一方、「大阪高裁はひどい裁判官がほとんどで壊滅的」。また、大阪の「検察官の立証活動に最近は荒っぽさが目立つ」。
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●『自然と人間(2010年1月号)』読了

2010年11月19日 04時38分22秒 | Weblog

自然と人間』(2010年1月号、Vol.1623)、11月に読了。「森の衰退 ――夏の立ち枯れ」。

 森達也さん、「第46回つぶやくニッポンの街角/誰が誰に何を言ってんの?」(表紙裏)。「テロ・ゲリラ警戒中/・・・」。

 村田くみ氏、「「炭」は森と地域を豊かにする/現代版“花咲じいさん”たちの奮闘」(pp.2-5)。

 篠田博之さん、「獄中で続く「検察の犯罪」との闘い/内部告発の当日に逮捕された元大阪高検公安部長」(pp.11-13)。三井環さん。「仮釈放への妨害」。

 編集部、「築地市場移転にひそむ巨大利権」(pp.14―15)。高濃度有害物質の隠蔽。

 佐藤文則氏、「引き裂かれるビルマ難民家族」(pp.21-24)。11月13日にようやくアウン・サン・スー・チーさんが解放。

 魚柄仁之助さん、「第七十三回 魚柄仁之助の食文化情報局 台所の穴/味覚について」(pp.32-34)。
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●袴田事件: いい加減に誤まりを認めるべき

2010年11月18日 00時04分56秒 | Weblog

袴田事件について、東京新聞夕刊の記事です。

 このような捏造まがいの証拠をいまだに主張する静岡地検や静岡県警って一体どうなっているのでしょうか? もういいでしょう。一刻も早く釈放すべきです。熊本典道さんの苦悩の告白、懺悔にもなぜ耳を傾けないのでしょうか?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/
                         news/CK2010111302000189.html


袴田事件 『衣類写真、ねつ造の証拠』
                                        
20101113日 夕刊

 清水市(現静岡市清水区)で一九六六年、一家四人が殺害された「袴田事件」の第二次再審請求審で、袴田巌死刑囚(74)の弁護団が、証拠の評価見直しを求める補充書を静岡地裁に提出する方針を固めたことが、関係者への取材で分かった。検察側が九月に初めて開示した袴田死刑囚のものとされる衣類のカラー写真に、不自然な血痕が写っているとして、証拠ねつ造を裏付ける「新証拠」に当たると主張するという。
 第二次再審請求審では、静岡地検が九月中旬、静岡県警の捜査報告書や関係者の供述調書のほか、犯行時に袴田死刑囚がはいていたとされるズボンやブリーフのカラー写真など、これまで未開示だった証拠を開示した。
 これらの衣類は事件発生から約一年二カ月後、被害者のみそ製造会社専務が営む工場のみそタンクから、従業員が偶然、発見したとされてきた。カラー写真には発見直後の衣類が写っている。
 弁護側関係者によると、みそタンクに長期間入っていたとされているのに、カラー写真の衣類には赤い血痕がはっきりと確認できるという。一方、弁護団と支援団体はさまざまな種類のみそを使って実証実験を続けているが、衣類に血液を付けてみそに漬け込むと、数日ほどでみその色と混じり合って不鮮明になるという。
 関係者は、写真と実験結果との比較から、「衣類は発見される直前に、みそタンクに入れられた可能性が高い。証拠がねつ造された疑いがより強くなった」と指摘している。

 <袴田事件> 1966年6月30日未明、清水市のみそ製造会社専務方から出火し、焼け跡から一家4人が遺体で発見された。静岡県警は強盗殺人の疑いで同社工場従業員、袴田巌死刑囚を逮捕。同死刑囚はいったん自白したが、公判で無罪を主張した。静岡地裁は68年、金目当ての犯行と判断し、死刑を言い渡した。80年に最高裁で死刑が確定した。
 同死刑囚は再審請求し、静岡地裁は94年に請求を棄却。東京高裁は2004年、最高裁は08年に抗告を退けた。姉の秀子さんが08年、静岡地裁に第2次再審請求を申し立てた。
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●裁判員の心を慮る・・・

2010年11月17日 05時09分54秒 | Weblog

裁判員制度が重大な刑事裁判を対象とする以上、早晩、「死刑のスイッチを押す」ことは避けて通れませんでした。それにしても裁判員の方々の心の中は・・・? 心のケアは必要ないのでしょうか・・・。

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http://www.asahi.com/national/update/1116/TKY201011160148.html

裁判員裁判で初の死刑判決 「控訴勧める」と裁判長
                             201011161217

 東京・歌舞伎町のマージャン店経営者ら2人を殺害したなどとして、殺人や強盗殺人などの罪に問われた池田容之(ひろゆき)被告(32)の裁判員裁判で、横浜地裁(朝山芳史裁判長)は16日、求刑通り死刑判決を言い渡した。朝山裁判長は「犯行はあまりに残虐。更生の余地があるとも見られるが、極刑を回避する事情とは評価できない」と述べた。昨年5月に始まった裁判員制度での死刑判決は初めて。
 弁護側は起訴内容を争わず、強盗殺人罪の法定刑である死刑と無期懲役のどちらを選択するかが争点だった。
 判決は、「死刑が許される基準」として最高裁が1983年に示した「永山基準」をよりどころに検討。被害者とトラブルを抱えていた麻薬密輸組織の上役から殺害の依頼を受け、「自分の力を誇示するために引き受けた」などと、犯行の経緯はほぼ検察の主張に沿って認定した。
 その上で、量刑理由の説明に入った。犯行に計画性を認めたうえ、被告の役割も「主導して最も重要な行為をしている」と認定。「被害者と全く面識もないのに、覚せい剤の利権を得たいという欲にかられた身勝手なもの」と犯行の悪質性を指摘した。
 また、被告が命ごいする被害者を電動ノコギリで切りつけ、遺体を切断して捨てた殺害・遺棄方法について「最も残虐で恐怖や苦痛は想像を絶する。誠に残忍」と非難し、「酌量の余地がなければ、極刑を選択しなければならない」と述べた。
 一方で、自首や反省など被告にとって有利な事情にも言及。「遺族の意見陳述を聞き、遅ればせながら罪の大きさを感じるなど内面の変化が見られる」と一定の評価をしたが、「犯行はあまりに残虐で非人間的」「自首も過大評価できない」と無期懲役を求めた弁護側の主張を退けた。
 弁護側は、法廷で遺族の厳しい言葉に接した被告が反省や償いの姿勢を見せ始めたことを強調。「被告に人間性は残っている。わずかでも死刑をためらう気持ちがあれば死刑にしてはならない」と裁判員に訴えた。永山基準にも触れながら、「従来の量刑傾向にこだわらず、裁判員の良識、経験を」と求めていた。(太田泉生)
     ◇
■裁判長「控訴勧める」と異例の呼びかけ
 死刑の主文を言い渡した後、朝山裁判長は「判決は重大な結論となった。裁判所としては被告に控訴することを勧めたい」と、池田被告に異例の呼びかけをした。
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●「検察官適格審査会」に期待

2010年11月16日 04時48分43秒 | Weblog


THE JOURNALの篠田博之さんの記事【http://www.thejournal.jp/contents/shinoda/2010/11/1116.html】で「検察官適格審査会」のことを知りました。

   「この「検察官適格審査会」、60年以上も実体のないお飾りとして存続だけしていたわけですが、
    改選により11人の委員のうち民主党議員が4人となり、しかも辻恵議員ら検察批判の急先鋒が
    そのメンバー。そのほか宇都宮健児日弁連会長が同審査会の会長代理を務めているなど、
    委員の構成が変わったおかげで、一気に様相が変わったというのです。


 
そこでもリンクされているのが以下の日刊ゲンダイの記事です。日弁連会長らに大きな期待が持てそうです。森裕子議員は、小沢氏強制起訴の際の「検察審査会」の審査員候補者名簿管理システムソフトのいい加減さを追求してもいます。

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【http://gendai.net/articles/view/syakai/127335】

ダメ検事のクビをはねる「検察官適格審査会」がついに動き出した
                                 【政治・経済】
                                 2010118日 掲載

ウルサ型の民主議員がメンバー入り

 地に落ちた検察の信頼回復に、法務省は法相の私的諮問機関として「検察の在り方検討会議」を設置した。千葉景子前法相が座長で、検察の捜査手法や人事制度などを議論する。その一方で、郵便不正事件の証拠捏造については、最高検が引き続き、真相解明と捜査にあたるという。
 2つの組織を車の両輪として信頼回復を狙うのだろうが、法相の私的諮問機関や身内の最高検に検察改革が期待できるものか。
 それよりも、法務省が恐れているのが、「検察官適格審査会」なる組織だ。国民はこっちを注視するべきである。
検察審査会」(検審)と混同しそうな「検察官適格審査会」(検適)は、「検察官の罷免を含む絶大な権限を有する
 メンバーは衆議院議員4人、参議院議員2人。さらに最高裁判事、日弁連会長、学士院会員、有識者らが加わる。合計11人で、3年に1度、全検察官の適格性を審査するのだが、国民からの申し立てがあれば随時審査を開始することができる。これが動き出したのである。
 しかも、国会議員は民主党の森ゆうこ参議院議員、辻恵、川内博史、高山智司衆議院議員とウルサ型がズラリと並んだ。
 法務・検察関係者は声をひそめてこう言うのだ。

    「事件の不起訴を審査する検審とは違って、検適が動き出したら止めようがありません。
     長年、法務省の担当者は腫れ物に触るようにしてきたのが動き出してしまった」

 検適に詳しい保坂展人前衆議院議員も期待を寄せるひとりだ。

    「検察官適格審査会は、GHQが検察改革案で示した『検事公選制度』を、
     
当時の司法官僚が受け入れず、逆提案した制度です。つまり、検察改革を迫るGHQを
     納得させるために形だけの組織をつくったわけです。そのため、検適は長らく、
     飾り物だった。審査会の決定で罷免された検察官は発足以来、失踪した副検事1人だけ。
     年間予算は16万円。そのうえ、自民党議員との癒着もあった。
     検察とうまくやりたいベテラン議員は検適委員になりたがったものです。しかし、
     先月の国会で委員の入れ替えがあり、検察に厳しい目を持つ民主党議員が就任した。
     これは大きな変化です」

 新メンバーは検適の本来の機能を発揮するために議論を始めようとしている。法務・検察はビビりまくっているに違いない
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