『創』(2011年2月号)、1月に読了。
カラーページ(pp.10-11)。「漫画家らの反対を押し切って都条例改定案可決!」、いわゆる「非実在青少年」問題。
「いまや検察批判のシンボルに元検察官・三井環さんの闘い/12月5日に2500人の市民デモ」。保坂展人さんも。
佐高信さん、「ニッポン文化低国を撃つ!/筆刀両断!/「検察神話」を作った「知の巨人」 立花隆」(pp.94-95)。「ロッキード裁判をめぐって、立花は渡部昇一の言いがかり的批判を完膚なきまでに論破した。残念ながら、いま立花は渡部のように思い込みで書いているのではないか」、・・・これは手厳しい。
鈴木邦男さん、「言論の覚悟/勇気ある告発」(pp.96-99)。「牛肉偽装告発」をした西宮冷蔵の水谷洋一社長。JR東労組元委員長松崎明氏がなくなる。「今はどこの労組も元気がない。JR東労組だけが闘っている。それだけに権力、公安からは狙われ、弾圧された」。
香山リカさん、「「こころの時代」解体新書/マンガ規制の問題を精神医学的に考える」(pp.100-103)。青少年健全育成条例改正案が可決されてしまう。「「青少年の健全育成」に役立つのか不明・・・」。マンガやアニメの暴力性などと実際の暴力行為等の因果関係についての信頼すべき研究など存在しない。上野千鶴子氏、「欲望を持つことと、欲望を行為に移すこととのあいだには、千里の径庭がある」。
森達也さん「極私的メディア論/第59回 空港での一時拘束」(pp.104-107)。入国審査で問題発生。「・・・モーガン・スパーロック(近年の作品はイスラム教徒への融和を訴える『30DAYS』や『ビン・ラディンを探せ!』など)インタビュー・・・」。
可決までの経緯。長岡義幸さん、「多くの反対の声を押し切って可決/都条例改定をめぐる最後の攻防全経緯」(pp.112-119)。「非実在青少年」問題。冒頭、「記者「昔のご自分の著書が有害呼ばわりされたんじゃないですか。その過去を忘れているんですか」/石原慎太郎「何ぃ。物を比べてみろよ。それがわからなければバカだよ、お前」」・・・だってさっ。どんな記者さんか知りませんが、偉いっ! 「ほんの1分ほどの雑な発言をして、取材を切り上げようとした石原に、フリージャーナリストの昼間たかしさんが質問を投げかけ、職員らとともに大名行列よろしく歩き出した石原は怒りの面持ちで振り返り、捨て台詞で応えた」。「」かつてバッシングされた当人が今度は規制を推進」。「いま現在の条例問題と相似形の出来事が半世紀以上前、石原慎太郎の小説と派生した映画をめぐって起きていた。異なるのは、民間よりも行政が全面に立ち、かつてバッシングを受けた当人である石原が大人の側の性道徳者に〝転向〟して、〝弾圧〟側に回っていたことだ」。「・・・都議らを不安にさせたのは、治安対策本部が警察とつながりがあること・・・。・・・倉田潤本部長は、選挙違反をでっち上げた志布志事件が発覚した当時、鹿児島県警の本部長を務めていた」。近年でまれなほどの多くの都議会の傍聴者の中に、規制賛成派の人はほとんどいないという現実、それが見えてない〝生活が第一〟党の都議員たち。
激論。「検察批判を続ける論者が激論!/〝最高権力〟検察をどうすれば変えられるのか」(pp.120-129)。辻恵・三井環・鈴木邦男・安田好弘・青木理さん。検察官適格審査会、検察審査会。千葉景子元大臣が座長の「検察の在り方検討会」は、「・・・ぬえ的というか、実行性がない・・・」。「安田 僕は可視化はぜひとも必要ですが、それだけでは足りない・・・。・・・一番重要なのは、例えば24時間以上は身柄拘束はさせない、それから弁護人が立ち会わない限り取り調べをしてはならない、弁護人が立ち会わないで行われた取り調べは証拠として採用してはいけない。そこまでやらなければ冤罪は防止できないと思います」。
「検察の罪を助長したマスメディアの罪」。「篠田 ・・・全国に警察裏金批判のキャンペーンが吹き荒れたとき、北海道新聞はその急先鋒で、・・・。・・・新聞協会賞をもらった。皆が拍手かっさいでしたよね。ところがその後どうなったかと言うと、警察側からものすごい報復を受けて、高田さんたちは飛ばされた」。安田さんは高田昌幸氏らの代理人。「安田 ・・・道新は佐々木元道警総務部長と手を打とうとするんです。・・・。出来レースをしようとするんですね」。ヒヨル道新。「安田 ・・・しかし、それに対して全国の記者が報道すらしてくれない、悲しい状況ですよ」。「青木 ・・・果敢な調査報道を続けた記者を守れないという新聞社は本当に情けない。でもそれが現実です。/三井 結局、大手メディア、司法記者クラブに所属しているメディアですが、マスコミと法務検察が一体になっているんですよ。だから法務検察の批判をかけないんです」。
「永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]のぢぢ放談/第19回 救急車なんて知らない!」(pp.130-137)。永さんのタクシー事故。有吉佐和子さんの『複合汚染』。「矢崎 ・・・最近あやしいと思うのは「産学協同」という言葉。要するに、学問としてやった研究を商売に結びつけようという話でしょう。・・・ノーベル賞だって、化学賞なんか、どれだけ産業の発展に貢献したかということが受賞理由になったりするでしょう。おいおい、学問って、企業のためにあるのかよって気がするね。/永 農業の世界でも、この日本でさえ、企業化がどんどん進んでいる。「農業文化」なんて言葉はすっかり抜け落ちていて、土もない工場で作られた野菜が出荷されている。それを喜んで食べる神経が、僕にはよくわからない」。
雨宮処凛さん、「ドキュメント雨宮革命/第36回 若者ホームレス白書」(pp.138-141)。
「月刊壊(こわす)/第91回大川興業アゲチン伝説」(pp.142-145)。アフガンで拘束された常岡浩介氏。「タリバンではなく、政府系のヤンキーな軍閥につかまっ」た際のコント的やり取り。拘束中に長崎の実家に3回も電話! 身代金が払われないときには殺害するという最後通告した相手が、なぜか毎日新聞の記者。「誘拐コント」。「犯人側が逆ストックホルムシンドロームのように、常岡氏のことが好きになってしまったのではないか、・・・。/・・・実は常岡氏はそれまでにロシアなどでも拘束されていて、これが3回目。拘束する側よりされる側の方が慣れていたと、オチまで・・・」。個人的にとても注目している畠山理仁さん。ゲリラフリージャーナリスト。先日読んだ『記者会見ゲリラ戦記』での記者クラブ批判はとてもわかりやすく、大手マスコミのダメさ加減を再認識させてくれる。亀井静香元大臣、死刑反対以外にも、記者会見解放という点でも評価できる。
『創』(2011年1月号)、1月に読了。
佐高信さん、「ニッポン文化低国を撃つ!/筆刀両断!/場当たり主義の総理大臣 菅直人」(pp.74-75)。第一の罪は、「まず、前原誠司を外相にしたこと」。「第三には、・・・一転して企業・団体献金の受け入れ再開を表明したことである。これではまさにサギだろう。オポチュニストどころか、完全に詐欺師である。/さらに、菅政権は「武器輸出三原則」の見直しを言いだした。経団連から金をもらうのと引き換えに彼らの言い分を聞くというわけで、宇都宮徳馬の弟子を自任していた往年の菅はどこへ行ったのだと驚きを通りこして呆れ返るばかりだ」。
鈴木邦男さん、「言論の覚悟/三島事件から40年」(pp.76-79)。鈴木さんなので仕方のない側面はありますが、なぜ三島由紀夫をそこまで評価するのか、理解に苦しむ。
「・・・かつては改憲論をリードし、自民、民主、読売新聞の改憲案の先導者だった小林節・慶応大学教授は「もうこんな連中とはやってられない」と降りてしまった」。
森達也さん「極私的メディア論/第57回 尖閣映像流出とポピュリズム」(pp.84-87)。安倍晋三氏のお笑いブログ、「誰が愛国者か?」。こっちが聞きたいよ! 石原慎太郎都知事も、「国家の英雄」だってさ!? 「・・・近代司法における最重要な原理である罪刑法定主義は否定され、この国の近代司法国家の看板を下ろさねばならなくなる」。
尖閣映像流出問題とは対照的に、「・・・鯨肉横領が行われているとの内部告発を受けたグリーンピース・ジャパン(GPJ)は、業務上横領で船団乗組員12名を告発した。・・・。/しかし鯨肉横領について東京地検は、「嫌疑なし」として捜査をあっさりと打ち切っていた。さらにGPJによる検察審査会への審査申し立ても、結局は「不起訴相当」とされた」。
ベトナム戦争についての極秘報告書「ペンタゴン・ペーパーズ」を提供した「エルスバーグに対する政府の訴追も裁判所から棄却された。/ところが日本では同年、毎日新聞の西山太吉記者が政府の密約と国民への背信行為を暴く記事を紙面に掲載したが、国民はこの取材にまつわる不倫問題により強く関心を示し、結果として外務省密約はないものとされた。/・・・民意とジャーナリズムのあり方はこれほどに違うのかと、暗澹たる気持ちになる」。「・・・ところが日本における民意形成は、政府の説明責任や不正を追及する方向ではなく、一時の感情に煽られながら暴走する傾向が明らかに強い」。
映像は〝加工〟され、日本人を暴走させる。「・・・映像は、衝突の瞬間をコアにしながら編集されている。・・・。/映像が訴える力は、視点や編集によってまったく変わる。・・・。/・・・映像によって民意が恣意的に先導される可能性も増大することになる。/・・・この国は今、とても際どい状況にあることを実感する」。
可決されてしまいました・・・。長岡義幸さん、「推進側は12月半ばの可決狙い!? 性表現規制の都条例改定問題再び勃発」(pp.92-97)。いわゆる「非実在青少年」問題。
不用意な発言のツケで、取材テープ提出を神戸地裁に命令。即時抗告して、高裁では、テープ提出命令は却下された。田原総一郎・山川洋一郎氏、「「取材源秘匿」をめぐる重大事態/裁判所の取材テープ提出命令は誤りだ!」(pp.110-115)。こんな前例ができては危険。
裏金問題で、北海道警の猛烈な圧力と巻き返しで腰砕けの道新。高田昌幸氏、「10月の高裁判決に疑問を呈す! 「道警裏金本訴訟」当事者による中間総括」(pp.116-121)。道警元幹部による報復。「新聞記事は訴えず、書籍内の逸話を提訴」。裁判所もエコひいき。
大槻ケンヂ×森達也対談、「視点が変われば世界が変わる」(pp.122-131)。アイヒマンの法廷ドキュメンタリー映画「スペシャリスト」にみる「忖度」の世界。「森 ・・・『A3』・・・。/森 ・・・つまり側近が麻原のメディアだった。/・・・麻原は自らを「最終解脱者」と呼称してしまった。だから情報の確認ができない。何か言われたときに「それは本当か」と問うことができないわけです。・・・全肯定するしかない」。
「永六輔[放送タレント]×矢崎泰久[元『話の特集』編集長]のぢぢ放談/第18回 勲章なんて知らない!」(pp.132-139)。リード部分、「この時期話題になる秋の叙勲だが、お上が授ける勲章を唯々諾々と受け取る、あるいは積極的にほしがる人もいる。そんな現状に、2人がこれでいいのかと疑問を呈する」。文化功労者を和田誠さんや岸田今日子さんは拒否。
『紙の爆弾』(2010年1月号)、1月に読了。
山本常三郎氏、「「新滑走路」「ドーム球場建設」/「沖縄利権」を買い漁る読売グループの黒い野望」(pp.8-12)。普天間移設と沖縄利権。
西田健氏、「シリーズ「陰謀の血脈」日本支配を完成させた特権一族相関図/第7回「正力家」」(pp.26-29)。正力松太郎。
阿久根市で暴走気味の仙波敏郎さん、「裏金告発した元愛媛県警巡査部長/退職後も続く闘争/第六回『愛媛県警が犯人を逃した理由』」(pp.30-33)。
尾塚野形氏、「獄中の三井環(元大阪高検公安部長)仮釈放却下の裏の〝悪意〟/遠方地での収監、書かされた反省文は棚ざらし―――」(pp.34-41)。
ゲンダイネットに出ていた記事。タイガースやホークスにも同じような〝やり口〟の気配を感じて、両球団に対してのアンチのムシがうずくのですが・・・それはさておき、アンチGとしてこの種の〝やり口〟には無性に腹が立ちます。どっかの球団が喧嘩を売ってくれないですかね。ナベツネ氏への〝口撃〟でもオッケーなので。
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【http://gendai.net/articles/view/sports/128278】
「巨人に菅野の一本釣りを許していいんですか?」
【野球】
2011年1月8日 掲載
各球団スカウトに聞いてみた
●球団代表の“指名挨拶”でいよいよ強まる大学ナンバーワン投手との相思相愛関係
堂々の指名挨拶だった。
7日、巨人の清武代表が事前の予告通り、今秋ドラフトのナンバーワン投手の菅野(21)が在籍する東海大を訪れ、横井監督、宮崎野球部長に挨拶。菅野をドラフト1位指名することを伝えた。
巨人は、昨年12月に緊急会見を開き、菅野を1位指名することを発表した。球団の編成トップが年始めにわざわざスカウト2人を引き連れて挨拶に訪れるのは異例。清武代表は、「年始にこうして私が大学を訪れるのは初めて。巨人の意思をお伝えするということ。逸材を獲得したい意思は揺るがない」と、菅野への誠意を強調した。
菅野は原監督の甥っ子。そもそも巨人色が強い上に、球団挙げての菅野詣でだ。巨人は昨年、ドラフト直前になって沢村(中大)の1位指名を明言して、一本釣りを成功させた。すでに球界では、巨人が同じように菅野を一本釣りする、という噂が広がっているのも事実だ。
が、アマ球界の中でも菅野は頭ひとつ抜けた存在。10年に1人の大物といっていい。いくら巨人が1位指名を宣言したからといって、他の11球団が指をくわえて見ていていいのか。
●強気の広島、逃げ腰の阪神
この日は、巨人以外に阪神、西武など8球団のスカウトが東海大に集結した。広島の苑田スカウト部長は、
「巨人のことは何とも思ってません。1位指名宣言は、いいんじゃないですか。
欲しいとなれば、(広島は)なにも躊躇をすることはない」
と、巨人に対抗する意思を示したが、威勢がよかったのは広島だけ。横浜の稲嶺スカウトは、
「私個人としてはドラフト1位に推したい。でも、ああいう形(巨人が1位指名公表)になると、
球団同士の話になるので……」
と、苦い表情。阪神にいたっては、
「菅野を1位候補と考えている。ただ、(ビッグ3といわれる)東洋大(藤岡)、明治大(野村)もいる。
現場が左投手が欲しいというかもしれない。野手を、ということになるかもしれないし」
(菊地東日本統括スカウト)
と、どこか及び腰。早くも指名回避のための言い訳をしているようにも聞こえた。
ちなみに東海大の横井監督に巨人以外の球団が1位で指名した場合はどうするのかと尋ねると、
「クジについては私たちは操作できませんから。そういうのは流れですよね。
あくまで学生野球憲章に乗っ取ってやるということで……」
と、歯切れが悪い。
菅野は練習後、巨人の清武代表が挨拶に訪れたことについて、「自分自身もそういう選手になりつつあるんだと、素直にうれしい」と話すと、巨人以外の球団が指名した場合については、「きょうは9球団の方に来ていただきましたが、まだ大学の新チームが始まったばかりで実感がわいてこない。自分自身もその時になってみないとわからない」と答えるにとどめた。巨人に喧嘩を売る球団は、本当に現れるのか……。
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正月にまとめ読みしました。
『新 クロサギ』(9)(医療法人詐欺)、黒丸画、夏原武原案。小学館、2010年12月初版第1刷発行。
『チャンネルはそのまま!』(Vol.3)、佐々木倫子画。小学館、200年12月初版第1刷発行。
『QあんどA』(3)、あだち充画。小学館、2010年10月初版第1刷発行
『霊能力者 小田霧響子の嘘』(2)、甲斐谷忍画。集英社、2008年7月第1刷発行。
THE JOURNALの記事から。
中国や韓国に後れをとるなとばかりにTPP推進に突っ走っているようですが、本当にそんなことをして大丈夫なのですか? 小泉純一郎氏が首相で、竹中平蔵氏が大臣の時代に我々の生活は大変に大きな痛手を受け、新自由主義の経済体制の問題点に気づいたからこそ、「生活第一」に共鳴し、(私は選挙で支持しませんでしたが)民主党へと政権を交代させたのではないでしょうか。最終的には、コモンズを売り払い、これ以上食料自給率を下げて、一体どうしようというのでしょうか・・・・・・。
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【http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/tpp_3.html】
世論調査の「TPP推進すべき」は本当?
NHKは11日世論調査を発表し、TPP(環太平洋経済連携協定)について、「交渉に参加すべきだ」が47%で「交渉に参加すべきでない」の9%を大きく上回った結果を報じた。調査は8日から3日間、全国の20歳以上の男女を対象に行ったものだ。
これまでもTPPについてはマスコミ各社がアンケートを行っており、11月の読売新聞社の全国世論調査では参加すべきだと思う人は61%、12月の産経ビズは「『参加すべきだ』が7割」と見出しを掲げて推進派が上回っていることを報じてきた。 一方、「大マスコミの情報洪水の中で賛成か反対かを問われれば賛成と言わざるを得ないけど、知っているか知らないかと聞けば半数は知らないと答えるでしょう」と指摘するのは《THE JOURNAL》ブロガーでもお馴染みの甲斐良治氏。甲斐氏が参考例にあげたのは宮崎日日新聞社が12月末に県内有権者1146世帯に実施した電話世論調査の結果だ。
■TPP反対28% 宮日世論調査
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=34056
調査からは「TPPを知らない」21.3%、「どちらでもよい」25.3%で、両方をあわせると全体の約半数が賛否に至っていないことがわかる。
日本は現在TPPに参加"検討中"で今まで計4回開かれた交渉会議にも参加しておらず、マスコミはもちろん政府、官僚も十分な情報を得られていない。情報不足の推進論に対する反対論と、「知らない」「わからない」に意見が集約される流れは当然の結果だろう。
世論調査についてはリベラルタイムが特集「『世論調査』の研究」(2011年1月号)を組むなど様々な視点から疑問が投げかけられている。
「輿論と世論」の著者で京都大学大学院の佐藤卓巳教授は「現行世論(セロン)調査は『国民総感情』調査である」(リベラルタイム)の中で、「このセロン調査が現状では「ヨロン」という理想的響きを帯びて、あたかも国民投票のごとく、政治的正当性の裏付けに利用されている」と警鐘を鳴らしている。佐藤氏は「明治維新の『公議世論』に私たちはいま一度思いを致すべきだろう。公に熟議する時間の中で生まれる輿論は、電話調査の数値とは別物である」と続ける。
冒頭のNHK調査でも37%が「どちらともいえない」と答えている。TPP推進で一色に染まる大手メディアが、今後「知らない」「わからない」という意見をどのように調査・分析・報道するのか。TPP問題でも"ヨロン調査"の意義が問われている。
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『自然と人間』(2010年2月号)、1月読了。「「公設派遣村」が映すもの」。
森達也さん、「第47回つぶやくニッポンの街角 誰が誰に何を言ってんの?」。 1999年、国旗国歌法。
森田実さん、「沖縄・普天間飛行場移設問題と鳩山政権の混迷」(pp.2-5)。脱日米同盟に向けて。
粟野仁雄さん、「出所間近! 高知白バイ事件/再審で警察の証拠ねつ造を暴く」(pp.6-9)。片岡晴彦さんの冤罪事件。警察調書の偽造。家族の苦しみ。
宇都宮健児さん、「「公設派遣村」は支援制度改善への出発点」(pp.14-17)。菅直人副総理(当時)も福島瑞穂議員や鳩山由紀夫総理(当時)とともに、支援していたはずなのに、今や、消費税増税だもんな・・・。
森住卓さん、「原発を拒み続ける祝島の「心」」(pp.21-24)。27年間の反対闘争。「祝島は海を売っちょらん」。いまや中国電力のやり口は、SLAPP化。
魚柄仁之助さん、「第七十四回魚柄仁之助の食文化情報局 台所の穴/「食糧難民」」(pp.32-34)。個人商店街。
大谷昭宏氏、「言いたい放題/「民主党政権は冤罪は生まない」と訴え、国民の信頼を取り戻せ」(pp.35-37)。布川事件、桜井昌司さんと杉山卓男さんは冤罪で29年間も獄中に。「訴える」どころか、死刑反対議連の千葉景子元法相が死刑執行する始末。
『犬たちへの詫び状』、12月に読了。佐藤愛子著。文春文庫、2005年12月第1刷。
「1 犬は犬らしく生きよ」、「2 犬の事件簿」、「3 動物たちへの詫び状」の3章。1970年代から90年代にかけての動物にまつわるエッセイをまとめたもの。「タマなしタロウ」が〝哀しい〟・・・。
T文庫にて。
CMLからのマゴヒキですいません。
税制改革について、やるべきことが他にあるでしょう。今回のミニ内閣改造、特に、〝老人党〟を離党して入閣した与謝野馨経済財政担当相の消費税増税の目的が明確なだけに、非常にまずい人事と感じます。法人税減税とセットでの消費税増税は、我々にとって最悪の未来でしょう。3%導入時、さらに、5%への増税時に何が起ったかを我々は知るべきである。
五十嵐仁氏が指摘している通り、事は単純なのです。民主党上層部はなぜそれを理解できないのでしょうか?
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-January/007107.html】
・・・・・・。
(貼り付け開始)
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http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2011-01-13
「五十嵐仁の転生仁語」
■1月13日(木) 民主党は「裏切りの政治」から抜け出すべきだ
[民主党]
与謝野さんが、たちあがれ日本を離党して入閣するというニュースが流れました。通常国会の開会を前に、政局が動き始めたということでしょう。私も、動き出すべき時が訪れたようです。
与謝野さんの離党と入閣には、二つの意味があるように思えます。一つは、消費税の税率アップに向けて本格的な取り組みを始めるということであり、もう一つは、国会の「ねじれ解消」に向けての工作に着手したというこでしょう。
菅首相は、社会保障改革と税制改革を一体として検討し、6月までに結論を出すといっています。その担当者に与謝野さんを据えて、消費税率の引き上げに向けての道筋を付けようというわけです。
それだけでなく、自民党や公明党にパイプのある与謝野さんを通じて、多数派工作を行うということも、当然、考えているはずです。与謝野さんが新党改革に入り、この工作に舛添さんを巻き添えにするということも、充分にあり得るでしょう。
民主党大会や全国幹事長会議で「民主党離れ」が指摘され、批判や不満が噴出しました。これに対して、菅さんは「反転攻勢」を宣言したそうです。
● 「民主党離れ」というのは間違いです。国民が民主党から離れたのではなく、民主党が国民から離れたからです。
「反転攻勢」という意味は何でしょうか。「国民の生活が第一」というマニフェストから「反転」し、国民生活に対する「攻勢」を強めようというのでしょうか。
NHKテレビの番組「クローズアップ現代」に岡田幹事長が出演し、「これまでやってきた成果が充分に伝わっていない。問題がなかったわけではないが、それ以上に多くの成果があったことを、民主党議員は胸を張って伝えていくべきだ」と話していました。菅首相も、情報発信力の問題だと考えているようです。
でも、これは大きな間違いです。菅首相も岡田幹事長も、事柄の本質を見誤っています。
実際には、「成果がなかったわけではないが、それ以上に多くの問題があった」と言うべきでしょう。だから、民主党議員は胸を張るに張ることができず、国民は成果を実感したくても、自民党時代と変わらないのではないかと思ってしまうのです。
● 問題はハッキリしています。やってきたことがちゃんと伝わっていないのではなく、やってきたことが間違っているのです。
★それ以上に、これからやろうとしていることは更に大きな間違いを生み出す可能性が高いという点に、最大の問題があります。間違ったことをやっている限り、それを正確に伝えれば伝えるほど、国民の失望は高まるだけでしょう。
国民が民主党に政権を委ねたのは、自民党のような政治から脱却してもらいたいと願ったからです。この願いをしっかりと受け止め、自民党政治からできるだけ遠くに離れていくことが民主党の歴史的使命でした。
民主党に託されたこの使命を実現できなかったから、国民は裏切られたと感じているのです。自民党政治への回帰は国民を失望させるだけで、期待に応えるものとはなりません。
こんな簡単なことが、民主党中枢の幹部連中にどうして分からないでしょうか。民主党の中でも、国民に接触している前線部隊は、このことを充分に分かっているはずです。
だから、地方や下部組織、1年生議員などから、不満や批判が噴出するのです。「小沢問題」を解決して党がまとまったとしても、一丸となって自民党政治に回帰するなどということでは、このような不満や批判がなくなるはずがありません。
★民主党の生き残る道は、「裏切りの政治」から抜け出すことにしかないのです。日米同盟の強化、消費税の増税、新自由主義の復活などではなく、自民党政治からの可能な限りの離脱と脱却こそが、「反転攻勢」を可能にする唯一の道なのです。
自民党政治は失敗したからこそ、政権を失いました。成功への第一歩は、そのような失敗から教訓をくみ取り、その失敗を繰り返さないというところから始まるのですから……。
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(貼り付けおわり)
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kikulogに載っていた記事です。まだまだ、おカネ儲けに勤しむ人々がいるようです。信じることが目的化した人々がいる限り、続くのでしょう。どっちが虚構やら。でもそれに最高学府の人々までが騙され続けてるんですから、救いようがないです。
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【http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1293682129】
「ZERO・9/11の虚構」(いまさらですが)
9.11陰謀論映画「ZERO」
http://zero.9-11.jp/index.html
もうとっくに上映されているし、911関連のエントリーでも以前からコメントがありますが、大阪はなんとテアトル梅田での上映が決まっているとのことで、あらためて、ちょっとだけ。
一般的評価はなんの新味もない焼き直し映画というところでしょうか。スティーブン・ジョーンズがインタビューに答えているところが、僕には興味深いです。
この映画についてはすでにmsqさんのサイトに「ビデオ『ZERO:9/11の虚構』について」という詳細な分析が掲載されています。例によって労作です。
http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/zerov.html
まずはこれを読むところからはじめればいい(というか、普通はそれで充分)でしょう。
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魚住昭さんの『魚の目』に「安倍晴彦元裁判官独占インタビュー」(http://uonome.jp/movie01)が載っていました。
5つのYouTube映像。
(1)差別を生み出す構造・・・「安倍元裁判官が受けた勤務地差別の実態」、
(2)検察官との癒着・馴れ合い・・・「検察官による法廷外弁論の実態」、
(3)給与体系による選別・ヒエラルキー・・・「裁判官の給与における3号俸問題」、
(4)最高裁による監視体制・・・「裁判官第三カードから見える人事統制」、
(5)検察官の怒鳴り込みによる良心的裁判官のつぶし方・・・「勾留請求を却下した安倍元裁判官」。
勾留請求を却下する確率のはコンマ以下。安倍元裁判官や熊本典道さんは〝犬〟になれなかった裁判官ですので、松下竜一さんのガサ入れに見られるような捜査令状の乱発を止められない裁判官のような〝犬〟ばかりなのでしょうか? 司法改革の名の下に、裁判員制度のように確実に司法制度が腐っていっています。これも、マスコミの創りだした〝民意〟の反映なのでしょう。宇都宮健児さんや安田好弘さんら良心的弁護士が少々頑張っても、どうしようもないのでしょうね。
すいません、宜しくないマゴヒキですが・・・一部コピペさせてもらいます。オリジナルは『小田嶋隆のア・ピース・オブ警句』、2011年1月14日(金)、「「善意が」がマスクに隠されなければならないワケ」(http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110113/217919/)。
満腹感と、何とも言えない違和感。「売名」とまでは言いませんが、「愉快犯」の香りは感じてしまいます。テレビを中心としたメディアの「劇場型の善意」というところ、大きくうなずかされます。内閣改造で消費税アップ(昨日のニュースの解説者によると、2025年までに消費税を18%にアップだそう)など、確かに世間は「白いマットのジャングルに・・・今日も嵐が吹き荒れ」てはいるのですが・・・。
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【http://blog.goo.ne.jp/ximegat3231/e/5610fbbf1c79ca5baf3489e8081b6119?fm=rss】
・・・・・・。
さよう。愉快犯だ。動機と結果が善であるのだとしても、振る舞い方は電車の側面にグラフィティーを描きこむ連中とそんなに変わらない。伊達直人はニュースを弄んでいる。フィクショナルな自己顕示欲。それだって売名の一種ではないのか?
とはいえ、状況を鑑みるに、21世紀の伊達直人が、あえて自己流の寄付を貫徹した気持ちもわからぬではない。
きちんと実名を伝えて寄付をしつつ、その一方で、寄付をした人間の名前を安易に報道しない形で処理する穏当な枠組みがあれば、伊達直人とて、こんなに芝居がかったことはせずに済んだかもしれない。
が、われわれの社会には、寄付の文化が根づいていない。宗教的な背景も希薄だし、習慣としても税制上も、寄付は軽んじられ、異端視され、日常から「浮いて」いる。
でなければ、スタジオの面々は、一種の愉快犯である伊達直人を思い切りおだてあげることで、模倣犯の出現を促したのかもしれない。
別の見方もできる。伊達直人の善意をスタジオの善意が賞揚して、その善意の連鎖が新たな伊達直人を召喚しているというふうに考えれば、これらの善意の連鎖は、もしかして、あたらしい何かを生むのかもしれない。
でも、私は釈然としない。もっとはっきりいえば、非常に白々しいものを見た気持ちになっている。
ヤラセだとは言わない。インチキだと断ずるつもりもない。でも、薄気味が悪いのだな。どうしても。
理由は、伊達直人の「善意」が「劇場型の善意」で、それを伝えているメディアの温かい口調も、モロにディレクター目線の賞賛だからだ。
この度の「タイガーマスク運動」のニュース原稿には独特のいやらしさがつきまとっている。強いて言うなら、毎年沖縄から送られてくる「荒れる成人式」の取材映像とちょっと似ている。ヤラセではないものの、「実行役と取材側(メディア)の共犯関係」を感じさせるお約束ニュースの気配があるのだ。
全国のタイガーたちの善行は、「荒れる成人式」の蛮行がそうであるように、メディアがカネと太鼓で報じることをやめれば、じきに沈静化すると思う。
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