CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-March/007911.html)。
日本では死刑存置に8割近くの人が賛成しているそうである。フランスでは6割の人が存置に賛成していたにもかかわらず、死刑を廃止した。いつもはアメリカに追従することが多いにもかかわらず、もちろん、州による対応は異なりはするが、死刑制度廃止に関しては追従しないのはなぜ? それにしても日本では8割の人が死刑制度存置に賛成という数字は驚きである。
==========================================
【http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-March/007911.html】
[CML 008030] 米国のイリノイ州で3月9日、死刑制度を廃止
2011年 3月 10日 (木) 21:47:47 JST
(転載歓迎)
●全国のみなさんへ
米国のイリノイ州は3月9日、死刑制度を廃止しました。しかし日本は、なお
この野蛮な死刑制度(国家による殺人)を維持しています。死刑廃止の声を大き
くあげましょう。
死刑廃止を求める市民の声 井上澄夫(渉外部)
◆イリノイ州で死刑廃止法成立、えん罪相次ぎ「制度に欠陥」
2011.03.10 CNN
イリノイ州のパット・クイン知事(民主党)は9日、死刑を廃止し、死刑確定
囚を減刑する法案に署名、成立させた。同州では11年前に冤罪(えんざい)が
相次いで発覚し、当時の知事が死刑執行を中止していた。
クイン知事は、死刑制度には欠陥があり、過ちのない制度を作ることは不可能
だと指摘、「無実の人を殺してしまう死刑制度はこの州では容認できない。20
の事例においては、実際にそれが起こり得る重大な危険があった」と述べた。…
…
http://www.cnn.co.jp/usa/30002084.html.
==========================================
THE JOURNALの記事のコピペ(http://www.the-journal.jp/contents/takano/2011/04/post_204.html)。高野孟氏。
喉もと過ぎればですぐに忘れてしまわないか? 例え想定外でも、地震や津波によって次に一つでもレべル7規模の事故が起きれば、あとの祭りではないのか? このまま原子力発電所・関連施設を我が国で運転し続けて本当に良いのか?
==========================================
【http://www.the-journal.jp/contents/takano/2011/04/post_204.html】
高野尖報:「安全神話」に溺れた東京電力 佐藤優が自分のブログで言うように、「批判はあとからでも出来る」「東京電力の専門家が、専門的知見と職業的良心に基づいて活動できる環境をどうすればつくることができるかを考えることが不可欠だ」と言うのは、確かに1つの見識ではある。しかし、福島第一原発の事故勃発以来、20日余りの間に明らかにいなったことは、自ら創り出した「安全神話」に長きにわたり胡座をかいてきたこの企業が、初歩的な危機対応も出来ずにおろおろしている無様な姿であり、専門家と称する彼らに任せておいても、今後、事態沈静化だけでも数カ月、廃炉までには数十年はかかる安全確保のプロセスは完遂できる保証はないという冷厳な現実である。これまでの検証を通じて、政府と国民はこれからこの企業をどう扱うか、議論をし始めなければならない時が来ている。
毎日新聞4月4日付は、1面左肩と10・11面の2ページを費やして、震災検証取材班による「検証・大震災」の初回として、原発事故発生から2日間の政府と東電の動きを追った。またAERA4月11日号の「東電『原子力村』の大罪」も、東電側の対応ぶりを追っている。官邸はじめ政府のどの部署も東電も、みなドタバタなのは仕方がないとして、両記事を通じて改めて浮き彫りになるのが東電の余りの行き当たりばったりぶりである。
《電源車調達》
11日、電源喪失で炉心溶融の危険が予想される中、東電は「冷却作戦」のための電源車を東電及び東北電力管内からようやく6台、掻き集めて現地に向かわせるが、陸路の輸送は困難を極め、ようやく東北電力が提供した2台が国の現地拠点「福島オフサイトセンター」に到着したのが午後9時。バッテリーも切れて無電源に陥るタイムリミットまで2〜3時間しかない。ところがそこで分かったことは、電源の繋ぎ口が津波に使っていて接続できず、しかも、仮に接続できる状態であったとしても、毎日によると「高電圧の電源車を繋ぐための低電圧用のケーブルが用意されていなかった」ので、またAERAによると「ケーブルが短くて使えず、プラグも合わなくて、本社に「500メートルのケーブルが必要だ」と連絡が届いた。「そんな長いものは社内を探してもみつからない」。12日の午前0時を過ぎても幸いなことにバッテリーはまだ動いていて、危なかった2号機の水位も何とか安定を回復していた。その頃ようやく低圧ケーブルは調達できたものの「関東から空輸を準備中」という段階。そうこうするうちに、午前2時半、今度は1号機の格納容器内の圧力が上昇しはじめ、その3時間後には外部に大量の放射線物質が漏出した......。
《ベント》
このことだけを見ても、東電が非常用電源の喪失という事態をまったく想定しておらず、その場限りの対応に終始した様が見て取れる。ベントと呼ばれる弁を開けて格納容器内の水蒸気を外に逃す作業を始めるかどうかをめぐっても、毎日によれば11日午後10時の段階で早くも保安院は「必要」と判断したものの東電はその判断を採らず、午後11時過ぎの官邸の会議で首相はじめ斑目春樹=原子力安全委員長や保安院幹部らが「早くベントをやるべきだ」との意見で一致、12日午前1時半には海江田万里経産相を通じて東電に指示したが、午前2時20分の保安院の会見で中村審議官は「最終的にベントすると判断したわけではない。過去にベントの経験はない。一義的には事業者の判断だ」と、国が命令するものではないとの考えを示した。それを受けて午前3時過ぎに開かれた東電の会見では小森常務がようやく「国、保安院の判断を仰ぎ、ベント実施の判断で進めるべしというような国の意見もありまして」と、国が言うならやらないでもないがというような他人事の言い方をした。結局、1号機でベントが開始されたのは12日午前10時17分だったが、時すでに遅く、5時間後に1号機で水素爆発が起きた。もちろん「ベントとは毒ガスの放出」(東芝の元格納容器設計者=後藤政志:AERA)であり、ためらうのは当然だが、それにしても「国が責任をとってくれるならやってもいい」という東電の態度がありありである。
《海水注入》
海水注入でも同様で、12日の午後6時には菅首相が真水の注入を諦め海水を使うよう指示したが、東電が「炉が使えなくなる」と激しく抵抗した。AERAによると廃炉を前提とした海水注入は「株主代表訴訟を起こされるリスクがあるので、民間企業としては決断できない。政府の命令という形にしてくれないと動けない」(東電元幹部)というのが東電のホンネだと言う。数万人、ことによっては数十万人の命がかかっているというのに、それと、株主訴訟で自社が損失を被るのとを天秤にかけているのがこの会社である。
東電が「『安全神話』が崩れていく現実を直視できず、初動の対応を誤った」(毎日)が、惨事の致命的な原因であったことは疑いをいれない。と同時に、官邸が「政治主導にこだわりながら東電や保安院との緊密な連携を図れず、結束して危機に立ち向かえなかった」(同)のも事実である。しかしそれを首相側から見ると「東電も保安院も原子力安全委も(深刻な事態から目を背けようと)ぐるになっていたとしか思えない」(同、首相周辺)と映っている。官邸の危機管理態勢、原子力行政の仕組み、それらと電力会社とのトライアングルをどう再構築するか、もっと突っ込んだ検証が必要である。▲
==========================================
THE JOURNALの記事の一部をコピペ(http://www.the-journal.jp/contents/jimbo/2011/04/post_107.html)。元は、videonews.comからのリンク。
水道水の水質基準でも、人が一生涯飲み続けて10万人に1人がガンになるかどうかといったリスクが考えられていると思うが、その一人が身内や自分の子であれば、と考えると確率論で語っていいのかどうかに戸惑いを感じる。
ましてや100%安全であるべき原子力発電所が事故を起こし、狭い国土ゆえに、例え遠い場所でも被爆の確率はゼロでないかもしれない。アジアでも、世界でも。やはり使ってはならない技術だったと思う。
==========================================
【http://www.the-journal.jp/contents/jimbo/2011/04/post_107.html】
マル激トーク・オン・ディマンド
第522回(2011年04月16日)
なぜ「専門家」は信用できないのか
ゲスト:平川秀幸氏(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター准教授)
プレビュー
・・・・・・。
例えば科学者の「100万人に1人の確率でしか起こらないから安心だ」という説明は、全体を見てリスクを考える統治者側からの目線だ。リスクにさらされる一般市民の側は、その1人に自分や自分の家族が当たった場合どうするかを考えるため、到底受け入れられない。つまり、同じ「安心」にも統治者と当事者の目線の違いからくる対立が生まれる。
全体のリスクを考える視点は必要だが、確率的に起こり得なくとも心理的に恐怖を感じることも安心できない理由であり、市民感覚や当事者の意見がすべて非合理であるということにはならない。専門家の意見はそのようなバイアスが掛かったものだという特殊性に気付いたうえで、問題を考える必要があると平川氏は言う。
また、専門家の側には「一般市民は無知だから反対する」という考えがあり、正しい知識を与えれば皆が受け入れるはずであり、それでも反対する人は反体制のイデオロギーを持った人だとみなす構図があると平川氏は言う。日本での原発をめぐる議論は、まさにその典型だった。
これまで、原発を推進する産官学の「原子力ムラ」の研究者以外から様々な警告が出されてはいたが、その証拠が十分強くなかったことなどから無視された。原発に反対する一般市民の様々な意見も、反体制のイデオロギーを持つものとみなされて考慮されることはなかった。そもそも科学は不確実なものであり、科学だけで答えを出せるものではない。日本で原発が推進されてきたのは、科学的な政策決定に市民が参加する枠組みがなく、一部の専門家だけが原発のリスクについて価値判断をしてきた結果だと平川氏は言う。
・・・・・・。
==========================================
CMLに伊藤孝司さんの記事が載っていました(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/008946.html)。福島第一原発事故に対しての様々な情報がまとめられていました。
==========================================
【http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/008946.html】
[CML 009070] 記事「『レベル7』チェルノブイリからの報告」掲載のご案内
伊藤孝司 itoh-takashi at nifty.com
2011年 4月 17日 (日) 11:05:03 JST
伊藤孝司です。
私の友人・知人と、いくつかのメーリングリストに流します。転載歓迎。
私は1981年から、広島・長崎の被爆者や日本の原子力発電に関する取材をして来ました。2009年には、原爆投下後の広島市内へ入り内部被曝した平壌(ピョンヤン)在住の女性を描いた映画「ヒロシマ・ピョンヤン」を発表しています。
福島第1原発事故による放射性物質での汚染について、政府が内部被曝の深刻さを極めて軽視していることに危惧を抱き、取材を続けてきました。その一部を、講談社『週刊現代』2011年4月30日号(4月18日発売)に、「『レベル7』チェルノブイリからの報告-いずれ日本人に起きること」と題した記事で発表します。ぜひご覧ください。
なお私のホームページに、福島原発事故の予想される今後の事態に役立つ情報を集めています。お役に立てていただければ幸いです。
http://www.jca.apc.org/~earth/
==========================================
伊藤孝司さんのWP(http://www.jca.apc.org/~earth/)を見てみると、以下のような分類の下、多数の役立ち情報が出ています。小出裕章さんや今中哲二さん、矢ケ崎克馬さん、原子力資料情報室の多くの情報もまとめられています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【http://www.jca.apc.org/~earth/】
・・・・・・。
福島第1原発事故 参考情報
<内部被曝・低レベル被曝の危険性>
<被曝量を減らす方法>
<放射性物質の大気・海水への拡散状況・予測>
<食品の安全性>
<研究者・研究機関による調査・解説・見解>
<記事・映像>
<事故情報を発信するNGO・ホームページ・政治家>
<声明・意見書・呼びかけ・提言>
<原発推進機関のコメント>
<政府・自治体・東電>
<海外の反応>
<原発・原発事故・被曝>
<これからの原発・エネルギー政策>
<資料 プルトニウム・MOX燃料>
<スリーマイル島事故の資料>
<資料 チェルノブイリ事故>
<資料 セラフィールドとラ・アーグ再処理工場事故>
<メディアと原子力産業>
<独自の視点で発信するメディア/ジャーナリスト>
<参考データ>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
THE JOURNALに出ていた「高野論説」(http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/04/1_6.html)のこぴぺ。
都知事や元G監督の息子については納得いくんですけど、中西哲生氏にはちょっと失望。
それにしてもマスコミのだらしなさ。ジャーナリズムとしての矜持なんて、とっくの昔にかなぐり捨ててるのでしょうね。この期に及んでまだ原発擁護・電力会社擁護している芸能人か知識人か知らないけれども、その顔の面の厚さというか、心臓の毛の生え具合というか、FUKUSIMAの人たちにの姿を見て何も感じないのでしょうか? 自責の念にかられたりしないのでしょうか? 次の引用記事で、勝間和代氏は痛切に批判されています。勝間氏の「反省文」がネット上に出ていましたが、何をいまさら。
マスコミや原発タレントには多額のCM料金という毒饅頭が渡ってるわけなんですね。
==========================================
【http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/04/1_6.html】
マスコミが原発事故報道で腑抜けになるワケ(1)
3月25日25時半からのTV朝日「朝まで生テレビ」は、「福島第一原発の危機回避なるか?」「大地震、大津波から2週間、現状の問題点と復興への道とは?」と銘打って、島田保之=東京電力執行役員営業部長、放射線科学の専門家である松本義久=東京工業大学准教授、藤城俊夫=元日本原子力研究所大洗研究所長などの当事者や専門家もパネリストに招いていたので、ライターとしての出世作『原子力戦争』(講談社文庫、絶版)の著書もある田原総一朗の司会の下、相当突っ込んだ議論が展開されると期待したが、実際は、今なお続く事故の実態やその危険な見通しには全く触れることなく、むしろ勝間和代の「放射性物質が実際より怖いと思われていることが問題」「今回の原子力の問題でも、死者が出ましたか?」といった露骨な原発擁護発言が罷り通る有様だった。
田原に問うと、「まあいろいろあってね」と言葉を濁したが、周辺に取材したところ、当初、テレビ朝日首脳陣は「原発問題は取り上げるな」と番組サイドに宣告した。当然、田原も番組サイドも「今この時期に他に何をやれと言うのか」と反発したが、局は「何でそんなに原発問題にこだわるのか」と押し返す。何でと言ったって、今全国民がこれほど関心を持っている問題はないじゃないか。すったもんだの挙げ句、推進派中心の当たり障りない顔ぶれで、しかも原発問題に絞らずに穏健に行うことで妥協が成り立ったらしい。それでも局側は心配で、幹部が勢揃いして田原が暴走しないか監視し、CMの度ごとに「これまでのところは、まあ妥当だ」とかプロデューサーに圧力をかけ続けたと言う。
勝間なんてのは、中部電力の「原発は発電時にCO2を出さない」という原発のCMに出演して「原油価格は大きく変動するし、経済成長のためにエネルギーは量とコストと両方が安定していないといけない」「燃料価格に左右されにくいという(原発)のは、これはすごく大きな強みなんですね」とかしゃべっていた。
このCMには、勝間の他に、弁護士の北村晴男、タレントの薬丸裕英が出演していた。私の知り合いの評論家で、中部電力からこのCMに出ないかと誘われた人がいて、彼によると、当初「何を言ってもいいですよ」と言われたので、「今出来ちゃってる原発はしょうがないとして、これからは止めた方がいいですよと言いたい」と答えると、中電は「それはちょっと控えてほしい」と。提示されたギャラは500万円。フリーの身としては相当迷ったが、結局断った。「こうなってみると、断ってよかったですよ。500万円というのは、まともな出演料というより買収費ですよね」と。
勝間なんぞは中電から500万円貰っちゃっているから、「死者が出ましたか?」とか言わざるをないのである。
東京電力は、キャスターの草野仁やエジプト考古学の吉村作治を、関西電力はプロ野球の星野仙一を、CMに使い、また雑誌のPR記事では、茂木健一郎(脳学者)、弘兼憲史(漫画家)、石原良純(俳優)、長嶋一茂(元野球選手)、中西哲生(スポーツ・ジャーナリスト)、大宮エリ(演出家)などを起用している。東電は中電などとは格が違うから、出演料も倍くらいになるではないかと推測される。
投稿者: 《THE JOURNAL》編集部 日時: 2011年4月17日 21:33
==========================================
MY NEWS JAPANに出ていた原発タレント批判の記事の一部(http://www.mynewsjapan.com/reports/1423)。蟹瀬誠一氏や大槻義彦氏も、一体何を考えているのでしょう。非常に罪深い、と思う
==========================================
【http://www.mynewsjapan.com/reports/1423】
勝間、星野、草野 原発CMに汚染された黒いタレントたちの苦しい言い訳
佐々木奎一
福島第一原発事故を引き起こした原因の一端は、多額のカネを受け取って安易に原発の有用性をPRしてきたCMタレントたちにもある。出演者を過去5年間について調べ、その12名を影響力によってランキングしたところ、ダントツのワースト1位は、経済評論家の勝間和代氏だった。勝間氏は形だけ「お詫び」を表明したが、原発の毒饅頭を受けとったまま、中立な振りをして今後も評論家を続けるつもりだろうか。2位は、皮肉にも被災地・東北楽天で指揮をとる星野仙一監督、3位は中立的な立場が求められる司会者・草野仁氏。これら「不適切な人たち」に、原発の安全性をどこまで確認した上で出演したのか尋ねた。
【Digest】
◇原発CMワーストランキング
◇勝間和代のポーズだけの謝罪
◇原発推進の東北楽天監督
◇「語る資格ない」草野仁
◇玉木宏「無回答」
◇安全かは調べない北村晴男弁護士
◇「六ヶ所村へ行ってきた」岡江久美子
◇子役・美山加恋に出演させた関西電力
◇原発CMワーストランキング
政府と電力会社は「原発は安全」と呪文のように唱え続けてきたが、福島第一原発では、最悪レベルの事故が起こった。これまで原発安全神話のお先棒を担いできた連中のなかで見過ごせないのは、原発CMで主演を張ってきた著名人たちだ。中でも、発言力の大きいオピニオンリーダーであればあるほど国民に対する影響力は大きく、罪深い。
そこで、原発PRを目的とするCM(過去5年間のうちに放送されたもの)に出ていた著名人12人をピックアップし、「オピニオンリーダー度数」順にランキング化した。定量化にあたり、過去5年間2006年4月1日~2011年3月31日)の全国紙(朝日、読売、毎日、日経、産経)で記事の見出しに名前が出ている数(連載記事、特集記事、インタビュー記事)の合計を「オピニオン度」と定義した。以下が、その「原発CMワーストランキング」である。
順位 | 出演者 | オピニオン度 | 社名 | 放送期間 |
---|---|---|---|---|
1位 | 勝間和代 | 252 | 中部電力 | 2011/2/12~2011/3/11 |
2位 | 星野仙一 | 32 | 関西電力 | 2009/11/1~2011/3/11 |
3位 | 草野仁 | 31 | 東京電力 | 2010/12/13~2011/1/17 |
4位 | 玉木宏 | 13 | 四国電力 | 2006/7/1~2008/7/1 |
5位 | 北村晴男 | 6 | 中部電力 | 2011/2/12~2011/3/11 |
6位 | 岡江久美子 | 3 | NUMO | 2008/10/1~2011/3/1 |
6位 | 渡瀬恒彦 | 3 | NUMO | 2008/10/1~2011/3/11 |
8位 | 江口ともみ | 2 | 中部電力 | 2010/6/1~2010/9/1 |
8位 | 蟹瀬誠一 | 2 | 北陸電力 | 2005年3月~2006年12月頃 |
10位 | 大槻義彦 | 1 | 中部電力 | 2010/6/1~2010/9/1 |
10位 | 薬丸裕英 | 1 | 中部電力 | 2011/2/12~2011/3/11 |
12位 | 美山加恋 | 0 | 関西電力 | 2007/11/1~2009/4/1 |
ランキング上位の著名人に、以下の質問を試みた。「原発の安全性を確認した上で出演されたのでしょうか?」「確認していたなら、どのくらい調査した上で出演を決めたのでしょうか?」。
なお、入手できた原発CMについては、ユーチューブにアップしているので、是非ご覧いただきたい。ランキング上位から順にみていこう。
◇ポーズだけの謝罪、勝間和代
まず、ダントツの一位となったのが、経済評論家の勝間和代氏。勝間氏は、朝日新聞に「勝間式『自分ナビ』宣言」、毎日新聞に「勝間和代のクロストーク」、産経新聞に「人生戦略の立て方 経済評論家・勝間和代」など複数の連載を持ち、時代の寵児のようなオピニオンリーダーぶり。特に、シングルマザーや働く女性から高い支持を得ているのは周知の事実だ。その勝間氏が、弁護士の北村晴男氏、タレントの薬丸裕英氏とともに出演したのが、中部電力が事故発生まで流し続けた次のCMである。
・・・・・・。
このCMは、今年2月12日から放送されたが、3月11日の震災で打ち切りとなった。本当はいつまで流す予定だったのか。それについて、中部電力広報部に聞くと「第三者に契約内容について言うことはできない」との対応。他の原発CMと同様の扱いと考えると、半年、一年、二年といったスパンで契約していたと推測される。
ちなみに福島第一原発で事故が起きた後の2011年3月26日、勝間氏はテレビ朝日の『朝まで生テレビ』に、あたかも中立的な評論家であるかのような顔をして出演。電力会社のPRマンとしてCMに出ていることは視聴者に伝えられておらず、中部地方以外の視聴者は知る由もない。
番組内で勝間氏は、福島第一原発3号炉のプルサーマル炉について「プルトニウムが、たまたま濃いだけ。特に大きな危険の区別はないはずです」と発言していた。その後も、原発問題について「放射性物質が実際よりかなり怖いと思われていることに問題がある」「今回の原子力の問題について、死者が出ましたか。津波の死者に比べて、報道のされ具合と死者の多さの、バランスが悪い」などと原発擁護の発言を行った。
これらのCMやテレビ番組での、電力会社の代弁者のような発言ぶりが物議をかもしていた最中の4月15日、筆者は勝間事務所に対し、原発の安全性を自分で確認したうえでCMに出たのかを質問した。すると、次の回答が返ってきた。
「似たような取材がすでに何度もありましたので、本日17時に本件に関する回答に相当する内容の論考をReal-Japan.org上で公開する予定です。どうぞ、宜しくお願いいたします」
実際、そのサイトでは、謝罪文がアップされた。
だが、周辺住民への影響にとどまらず国際問題に発展した事態の深刻さから、そもそも謝って済むようなレベルの問題ではない。原発マネーを受け取っている以上、具体的なアクションで示すべきではないか。つまり、過去に受け取った原発マネーを公開して、まずは被害者に寄付するのが第一歩である。
お詫びの気持ちがあるなら、まずは電力会社との癒着を断ち切るべき。「断る力」とは、こういう時こそ必要だ。電力会社からCM料を受けとった状態のままで、中立的な立ち位置が確保できるはずがない。今のままでは、電力業界お抱えの御用評論家だと言わざるを得ず、政府や電力会社に「公開提案」する資格すらないといえる。
この謝罪文では原発対策について、東電の役員総辞職や、電力会社にいる天下り官僚の総辞職、原子力保安院の解体といった、組織を多少衣替えする程度の、国民の不満のはけ口・ガス抜きの話ばかりが並び、肝心の原発自身を今後どうするのかについては「全原子力発電所の徹底した調査」「全原子力発電所の冷却装置の改良」などとあるだけ。
だがたとえば、勝間氏が出演したCMである中部電力の浜岡原発で懸念されているのは、津波や停電ではない。直下型の大地震により、原発そのものが破壊されるリスクである。そのリスク対策を真摯に考えない限り、結局、原発の根本的な問題に目を背けることになる。
◇原発推進の東北楽天監督
第二位は、星野仙一氏。星野氏は、2007年1月に北京オリンピックの野球の日本代表監督に就任。それから翌年8月の本番にかけて、一挙手一投足が連日、報じられた。そして2010年10月からは、東北楽天イーグルスの監督に就任。
組織を統率する監督という立場は、企業経営者にも通じる。元スポーツ選手は知識人とは違う世界ではあるかもしれないが、星野氏がオピニオンリーダーの一角にいる影響力の大きい人物であることは間違いない。
その星野氏は、関電の原発CMに3つも出演していた。
・・・・・・。
原発を推進してきた星野氏が、津波と原発で被災した東北復興のため、楽天で指揮をとるというのは、歴史の皮肉、といえるのではないか。
その星野氏に質問をこころみた・・・・・・。
==========================================
gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/129970)。取材協力は横田一さん。
原発事故の被害を小さく小さく見せようとしたことが最大の間違いだと思われます。これまで原発推進してきた人たちが自分の責任を少しでも小さくしようとしてきたのでしょう。自民党だけでなく、民主党も電力会社から色々と美味しい生活をさせてきてもらったのでしょうか? 政権が代わっても原発を止めることも、エネルギー政策を転換することもできなかった民主党。そのつけがFUKUSIMAの人たちにまわされてしまった訳です。
上海のモーターショーでは車でさえが放射線量のチェックを受ける始末で、正確な情報を発信していないために、あらゆる日本からの輸出品に不審の目が向けられています。日本の「核の平和利用・原子力の安全利用」をあれだけ喧伝してきて、「想定外SOUTEIGAI」を理由にメルトダウンをレベル7で実際に引き起こし、しかも、FUKUIMA後にこの地震大国・津波危険国で未だに50を越える原子炉関連施設が何らかの形で動き続けている姿をアジアの国々、(アメリカやフランスの核・原発関係者を除き)世界の国々の人々は奇異に感じていることでしょう。(被爆労働者の皆さんの努力にもかかわらず)最悪の状態にジワジワと進みつつある現状を考えると、ここで、次の「想定外」な震災が起って50を越える原子炉関連施設のうちの一つでもレベル7クラスの事故を起こせば、もはや日本は世界のつまはじき者にされるでしょう。相馬市長の激しい怒りは、原発廃止派の怒り、世界の人たちの怒りとなり、日本という危険地帯でまだ原発を動かし続けている人たちに向けられることでしょう。
==========================================
【http://gendai.net/articles/view/syakai/129970】
桜井勝延南相馬市長が怒りの激白 許し難い「東電の非常識・政府の差別」
【政治・経済】
2011年4月15日 掲載
大津波と原発事故の二重被害に苦しめられている福島県南相馬市。福島第1原発から10キロ圏内の「避難」から「1カ月以内の計画避難」「緊急時の避難準備」「安全」まで、4つの区域が混在する唯一の自治体で、住民は政府と東電に振り回されている。桜井勝延市長(55)が日刊ゲンダイ本紙に怒りをぶちまけた。
●総務省の“規制”で郵便も届かず
桜井市長が憤るのは、まず、地震発生から1週間以上たっても、東電から一切連絡がなかったことだ。
「東電さんが初めて南相馬市まで説明に来られたのは11日後の
先月22日です。それまでは電話の1本、ファクスの1枚すら
ありませんでした。しかも、来るという連絡が入ったのは当日の朝。
事実上のノーアポです。時間的にはいくらも話し合いはしません
でしたが、今起きている問題とこれから起きる問題、さらに
復興については全責任でやってもらいますからね、と申し上げました。
東電側の責任者が張り付くようになったのは、それから4日後です」
東電との関係はマシになっても、相変わらず情報は入らなかった。空中の放射線量が減っているとか、海中に汚染水が放水されたとか、報道レベルの話は伝えられても、放射性物質の封じ込めや汚染水の処理についての見通しは全然示されなかった。
政府の説明も要領を得ない。猛毒のプルトニウムが検出され、MOX燃料を使う3号炉の損傷も疑われているが、南相馬市を訪問した原子力安全・保安院の担当者は「明確な事実は把握していない」と言うだけ。まるで他人事だったという。
住民も、政府の稚拙な情報開示に苦しめられた。
「汚染状況の発表が同心円状に描かれたため、屋内待避となった
20~30キロ圏内は兵糧攻めにされたのです。国が責任を
持って物資を届けることもありませんでした。われわれが
タンクローリーを動かしたり、支援物資を取りに行ったりした。
今はコンビニも開いてきましたが、金融インフラは元に戻って
いません。郵便も滞っています。総務省が“30キロ圏内に入るな”
と規制していたためで、友人の逢坂誠二総務政務官から
片山総務大臣に強く働きかけてもらい、何とか解いてもらった。
こんな縛りを掛けられているとは、思ってもいなかったことです」
文部科学省の汚染シミュレーションによると、高濃度の汚染地域は同心円状ではなく、細長く広がっている。これを見れば、汚染地域を回避しながら30キロ圏内に物資を運ぶことも可能だ。
「最初に発表した同心円状のデータは何だったのか、となりますよ。
そもそも、先月12日に政府が10キロ圏内に待避指示を出した
ときも、南相馬市には何の通知も来ませんでした。連絡が入った
のは双葉郡だけ。これには本当に驚きました」
地震大国の日本は何度も震災を経験している。いったい、政府は何を学んできたのか。
(取材協力=ジャーナリスト・横田一)
==========================================
岩上安身さんのWeb Journal(http://iwakamiyasumi.com/)にもインタビュー映像が出ています。
『南相馬市・桜井市長インタビュー 2011年4月19日』
【http://iwakamiyasumi.com/archives/8534】
CMLに小出裕章さんのラジオコメントに関する記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/009016.html)が出ています。ラジオの内容を文字起こししたもので、趣旨をつかみづらいところがあります。ただ、文字起こしして頂いたことは大変にありがたいことです。この一連のラジオコメントは、どこかを探せばYoutubeの音声ファイル(画像は別のニュース映像か何かでした)としてアップされているはずです。
「20ミリシーベルト/年」はとてつもなく高く、ましてや子供には危険すぎるらしい。放射線にかかわる技師でもない大人でも高いのですから、子供の体を弄んでいるとしか思えません。
「日本人は1ミリシーベルト/年」というのも敷居値ではないはずで(これ以下では影響なし、という値ではないはず)、出来るのならばゼロに近い方が良いはず。それが20倍に。しかも子供との区別もなし。そもそも、内部被爆はどうするのか?
自分が現場にいたら、「至急子供を避難させるべき」という小出さんの言葉にどのように対処するだろう? そもそもこの小出さんのコメントが現場の人々に届いているのかどうかが疑問。
やはり住み慣れた場所に止まりたいという気持ちも理解できます。それぞれの方の判断です。ただし、政府や東電による正しい情報が提供されること。何らかの十分なケアがあること。(「再臨界」のクロル38等の議論の際に、スペクトルのデータが公開されていれば、混乱をまねくことはなった)データが公開され、専門家の多様な意見が伝わること。「熊取6人組」の小出さんらのような真の意味での専門家が確率の高い真の結論にたどりつけること。
小出さんの「助かるために、逃げて欲しいのです」というコメントは届いているでしょうか・・・。
==========================================
【http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/009016.html】
[CML 009140] 小出先生、「至急子どもを避難させるべき」
2011年 4月 20日 (水) 23:16:38 JST
・・・・・・。
小出先生の「たね蒔きジャーナル」4月20日分です。本当に子どもが心配です。
==========
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、水野晶子さんと近藤勝重さんの司会で始まりました、タイガースの敗北で落ち込んで(巨人ファンの方ごめんなさい)聞きました(笑)。たね蒔きジャーナルで被災地支援のプレゼントもやっています。
小出先生のお話、福島の方から、情報を求めてこのラジオにたどり着いたというメールが来ています。福島で、情報を知りたいのになくて、関西のラジオにたどり着いたのです。しかるべき文脈で政府が情報を出さないのでなおさらです。また、小出先生のお話目当てにラジオを買った人もいるのです。小出先生の説明を近藤さん大変評価されていました。
ニュースキャスター、来栖アナウンサーによるお話で、水野さんと来栖さん、地震発生直後4時間津波警報を流した方なのです。原発のニュース、東電は2号機の汚染水の回収を行い、集中処理施設に10トン/時間を行い、トレンチの水位は1cmだけ下がった(いままで上がるのみ)のです。1日240トン、25mプールの半分にしかならないのです(泣)。汚染水は2号機だけで2.5万トン、つまり1/100しか1日移せないのです。
さらに、集中処理施設まで800mあり、途中で漏れたら大変なのです。格納容器への窒素注入は2週間、8500立方メートル(容積6000立方メートル)ですが、圧力が上がらず、また2,3号機へも窒素を入れることを検討(水素爆発の危険あり?)です。
IAEAは工程表を評価しています。事故原因の解明のため、IAEAの使節団が来る模様です(5月)。
住民の避難、枝野氏は20kmを警戒区域(強制立ち入り禁止)として検討、一事立ち入る人がいるからと枝野氏は言っています。20km以上のところは計画避難区域になります(1ヵ月後に別の場所へ避難)。飯館村他が当たります。
浪江町34ミリシーベルト(国の目安は25ミリ、そもそも1ミリなのに)・・・
で、小出先生登場、子供たちを守ることで、文科省は福島圏内の幼稚園、学校に放射線の量3.8マイクロシーベルト/時間としましたが、驚いた、通常の生活では0.05マイクロシーベルト/時間なので、76倍なのです。ほぼ100倍、とんでもない高さなのです。算出の根拠は、20ミリシーベルト/年から時間当たりで計算したのですが、この20ミリシーベルトがとてつもなく高いのです。
一般の日本人は1ミリ/年なのです。被爆が危険であり、この基準で日本政府は日本人を放射能から守ってきたのに、誰がこんな引き上げの権限があるのか、子供たちに対して20倍の我慢はなぜ許されるのかわからないとのことです。子供に屋外活動を制限していますが、被曝はあらゆる意味で危険であり、少しでも危険、しかし、子供は外で遊ぶべきで、放射線が高くて子供を外へ出せないのは異常、子供を外へ出せないほど福島は危険なのです。
また、土煙を防ぐなどの措置が検討されていますが、3.8マイクロは外部被曝(放射能が外部)前提で、内部被曝は大変で、口を洗う、窓を閉めるなどはやるべきなのですが、そんなことをしないといけなくしたのはどこの誰か(国だ)、国が責任を取らずに子供たちに被曝させるのは納得できないと言うことです。
前提の工程表、6~9ヶ月で収束させるものに基づくものの、工程表が甘い、これに基づいて子供を守るのは、事故の収束にもよる(事故、汚染の拡大があり得る)ので、子供に20ミリの我慢は、これも反故にされる可能性があるのです。
子供を守るために、疎開については水野さんが指摘すると、小出先生、被曝は微量でも危険、なおさら子供は危険で、避難させるべきということです。子供が重荷を負わなければならない、しかし、被曝を避けないといけないのです。
警戒区域、強制立ち退きについて、家にいたいという人も出てくるのですが、そういう人は必ずいる、自分の住んでいた土地に被曝してもいたい、実際チェルノブイリでもいた(お年寄り)、福島でもそうなる、こういう人の生活を支えるのは行政の義務(食料、水、電気、ガス、医療)、生活を保障しないといけないのです。しかし、助かるために、逃げて欲しいのです。
20ミリの計画的避難の基準ですが、小出先生の判断より甘く、これを変えるとどうしようもなくなる、そこまで政府が追い詰められている、原子力を許してきた大人が責任を取らないといけないのです。
この区域から出ることを避難している人にお願いするのに、生活の保障が必須なのです。
計画避難区域の、たった一人の人でも、ちゃんと説明しないといけないのです。
埼玉のメールで、日給3万で福島原発に行ってくれとの話が来た(知り合いに)、で、行くかどうかの判断として、再び水素爆発の疑いがどうかとの問い合わせに、小出先生、東電自体が水素爆発があると言っている、そのため窒素を入れている(のに格納容器が壊れて窒素が漏れている)、2,3号機はまだであり、1~3号機に水素爆発の可能性ありと、小出先生は判断されています。
子供たちの保護策も指摘されました。政府は、出せないでもがいている、日本の大人が知恵を出して、子供を守らないといけないのです。
この、子供の被曝のことは私もメールで問い合わせ、かなり厳しい話が来ました。今後もお知らせいたします。
==========================================
さらに、CMLの別の記事。
「[CML 009160] Fwd: [icti-ml:7351] 福島の子らを見殺しにするな」
(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/009034.html)
「[CML 009170] Fw:報告【政府交渉】子どもまで20ミリ!? 被ばく基準で政府交渉」
(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/009044.html)
「[CML 009105] 小出裕章先生の生の声」
(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-April/008981.html)
最後に、videonews.comの映像(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001827.php)。ただし、「再臨界」の件が決着する前(ここのコメント参照)の記事です。
==========================================
【http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001827.php】
ニュース・コメンタリー (2011年04月16日)
•福島原発最新状況分析
レベル7でも事態の矮小化に躍起な政府とメディア
解説:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)
今週も東京電力福島第一原発で大きな動きがあった。原子力安全・保安院は12日、福島第一原発の事故を、原子力施設で発生した事故の深刻度を示す国際評価尺度(INES)による暫定評価を最悪のレベル7に引き上げた。また、東京電力は13日の会見で、4号機の使用済み核燃料プール内の燃料棒が一部破損していることを認めた。
京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、政府や東京電力が事故をなるべく小さく見せようとして最初に「レベル4」とし、今頃になって「レベル7」にしたと言う。燃料棒の破損に関しても、3月15日に4号機が水素爆発を起こした段階で燃料棒は損傷していたのではないかと疑う。
再臨界については、クロル38とともにナトリウム24という放射性核種も検出されなければならないが、東京電力はナトリウム24の検出については、データを出していない。今後発表されるはずの核種分析の調査結果の中に、クロル38とナトリウム24があれば、再臨界が発生していると考えていいと述べる。
今週のニュース・コメンタリーでは、小出氏のインタビューをもとに、神保哲生と大阪大学准教授の平川秀幸が福島原発の現状とその現状を小さく見せようとする政府や東京電力、メディアのあり方について議論した。
==========================================
どうやら、クロル38の検出は誤解析だったらしい。kikulog(http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1303325186)に記事が出ていました。最悪を想定しておくという意味では、「再臨界」の指摘は無意味ではなかったと思います。今後の「再臨界」を懸念しなくてよいという意味ではないでしょう。燃料ペレットの溶融はほぼ確実ではないかと思います。小出裕章さんのご指摘は重要と感じています。
先週、FM東京の番組で知りました。『10,0000年後の安全』というドキュメンタリー映画が前倒しで公開されたそうです。放射性廃棄物の最終処分場〝オンカロ〟(フィンランド語で「隠し場所」「隠された場所」といった意味だそうです)についての映画。〝オンカロ〟、知りませんでした。NHKかどこかでも、〝オンカロ〟についての番組が放送されていたそうです。
いや~、それにしても10万年ですよ。生命体の誕生が約1億年前ですから、それに比べればとても短い。でも、現世人の誕生が2~3万年前ですよ。ヒトの歴史で数千年、産業革命から数100年。10万年って、ため息が出ます。遠い未来の子供たちの世代への〝負の遺産〟として、こんなトンデモない贈り物を押し付けてる。その間、絶対に「想定外Soutegai」は起こらないのでしょうか。
映画の公式サイト(http://www.uplink.co.jp/100000/)は以下。
========================================
【http://www.uplink.co.jp/100000/】
本作品はフィンランドのオルキルオトに建設中の、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場"オンカロ(隠された場所)"と呼ばれる施設に、世界で初めてカメラが潜入したドキュメンタリー作品です。
高レベル放射性廃棄物は安全な状態になるまで、10万年間かかると言われています。フィンランドでは、固い岩盤を掘削し地下500メートルにまるで地下都市のような巨大な施設を、自国の原発から出る放射性廃棄物の最終処分場として作る事を計画しています。現在の段階では正式に運用されるのは2020年を予定しています。
アップリンクでは、本来この作品を今秋に公開する予定でした。しかし、福島原発の放射能汚染の事故が起き、原発に関する知識を得る事を必要としている人が多いと思い、2011年4月2日から緊急公開する事にしました。
共同通信が震災後(26、27日)行った世論調査では、原発を「減らしていくべきだ」と「直ちに廃止」の合計が46・7%、「増設」と「現状維持」をの合計が46・5%とほぼ同数でした。この映画の配給会社の代表である僕の個人的意見としては、自分は科学を信じているので、原発を人間が完全にコントロールでき、放射性廃棄物を安全に処理する方法を確立しているならばという条件付きで原発はあってもいいと思います。ただし、それが不可能ならば、要するに現状ではそうですが、新たに原発は作るべきではないし、今ある原発は停止していき、節電と代替エネルギーの技術的方法を考えるべきだと思います。
本作では、安全になるまで10万年を要するという高レベル放射性廃棄物を、果たして10万年間も安全に人類が管理できるのかという問題を、フィンランドの最終処分場の当事者たちに問うています。
本来映画を公開する前にマスコミ向けの試写を行い、その際に配布する映画を解説したプレスシート、また観客に映画の理解を深めてもらうためのパンフレットなどを作りますが、それらはまだ準備できていません。今回は映画の上映を行いながら、メディア関係者や専門家に作品を観ていただき、作品解説の資料を作っていきたいと思っています。また、公開後になりますが、監督の来日も企画しているところです。なお、この映画の入場料の内、200円を東日本大震災の義援金として寄付致します。
アップリンクでの上映は既に上映を決めていた作品などもあり、当初は1日朝1回の上映ですが、調整ができ次第回数を増やしていきます。従って、客席数40人の劇場で上映するので大変込み合う事が予想されます。整理券は上映開始の30分前(4月2日は9時45分から)配布します。当初は席に限りがあり観客の皆さんには不便をかけるかもしれませんが、ロングラン公開を予定していますのでご了承ください。
浅井隆(アップリンク社長)
2011年3月30日
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
《マイケル・マドセン監督の言葉》
10万年もの耐久性がある世界初の放射性廃棄物の最終処分場を造るオンカロ・プロジェクトは、建築学的にも哲学的にも、これまでのどの先人の試みをも越えるものです。現代の異様な解決法は新しい何かを表しており、我々の時代の象徴になると思っています。
記録しがいのある(暴きがいのある)現実が1つの実体のみで構成されているとは思いません。むしろ、現実とは、その解釈によって決まる、解釈の余地があるものだと信じています。つまり、私は、どのように現実が解釈できるか、解釈されているのか、その可能性とそれを構成するものに興味があるのです。
========================================
現政権も腹立たしいが、それ以上にほうかむりしている自民党の方がより一層腹立たしい。そんな政党に未だに投票する人々・・・、私は理解に苦しみます。
gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/129883)。この記事の通りでしょう。原子力・核開発のパンドラの箱を開けたのは自民党だ。FUKUSIMAに対して何の罪の意識も感じず、のほほんと政権批判している姿は、全く腹立たしい限りだ。現在稼働中の原子力関連施設の全てを今すぐ何とかしろ!
==========================================
【http://gendai.net/articles/view/syakai/129883】
歴代自民党政権こそが原発事故の加害者だ
2011年4月11日 掲載
谷垣総裁よ、いい気になるな!
●日本全国にボコボコ原発を造った大罪
「民主惨敗なら首相自ら退陣を決意すべきだ」――。統一地方選前半戦の民主大惨敗を受け、自民幹部が勢いづいている。震災後は「政治休戦」に応じてきたが、今後は「菅政権で国民は救えない」と政権批判を強める方針だ。しかし、未曽有の原発災害を招いた元凶は、自民党による長年の原子力推進政策にある。半世紀以上にわたって山積した負の遺産を民主党政権に押し付けるのは、責任逃れもはなはだしい。
自民党の原発推進のルーツは1954年にさかのぼる。中曽根康弘元首相が唐突に日本初の原子炉製造予算2億3500万円を議員立法で提出。たった3日間の審議で成立させて以後、官僚、財界、学会、メディアを巻き込み、「原発こそ、石炭や石油に代わる夢の新エネルギー」と国民に喧伝し続けてきた。
「60年代の日本に自前の原子炉を造る技術力はなく、原発先進国の米国の技術に
委ねたのですが、当時の米国には地震や津波への備えはなかった。
自民党が地震大国としてのリスクを軽視する形で原発導入を進めたズサンさが、
老朽化した福島第1原発で最悪の形で露呈したのです」(政治評論家・森田実氏)
自民党政権は70年代のオイルショックも原発推進のチャンスにした。石油依存の低減を掲げ、74年には「電源開発促進税法」「電源開発促進対策特別会計法」「発電用施設周辺地域整備法」と、いわゆる「電源三法」を制定。電力会社から吸い上げた税金を特別会計にプールし、そのカネを自治体にバラまく仕組みを完成させた。
原子力予算に投下される税金は年間4500億円以上。交付金やハコモノ補助などの利権も多く、そこに政治家と後援企業がブラ下がる構図だ。自民党の利益誘導で地方にムダな道路や空港がウジャウジャと造られたのと同じ原理で、全国津々浦々に54基もの原発が立ち並んだ。米国は「日本の領土はカリフォルニアと同じなのに54基も原発があるのか」と驚いている。
「自民党の政治資金団体は電力会社9社から組織的な献金も受け取ってきました。
本来、電力会社は企業献金を自粛していたのに、役員たちが自民党に個人献金を
していたのです。会長と社長が30万円、副社長が24万円、常務12万円と、
役職に応じて献金額に差があり、明らかに組織的。自民党との約束があったのは
確実です。その総額は06~08年の3年間だけでも1億円を超えます」(経済ジャーナリスト)
こうした献金の見返りに、自民党は原発事故やデータ改ざんの不正を見逃してきたのではないのか。原発のない沖縄電力だけが献金していないのだから露骨だ。
菅民主党の無能ぶりは論外として、自民党こそが原発事故の“加害者”なのである。
==========================================
以前も保坂展人さんのブログについて触れた際にも、紹介しました。いまだに全く反省なし。消費税増税のために呼ばれた元老人党・元自民党の与謝野氏だ。原発出身者(http://www.asahi.com/politics/update/0415/TKY201104150106.html)。よほど美味しい生活を送ったのでしょう。それにしても救い難い人です。
==========================================
【http://www.asahi.com/politics/update/0415/TKY201104150106.html】
「原発推進は決して間違いではない」 与謝野経財相
2011年4月15日10時54分
与謝野馨経済財政相は15日の閣議後の記者会見で、「今後も日本経済にとって、電力供給にとって、原子力発電は大事だ。(原発を)推進してきたことは、決して間違いではない」と述べ、東京電力福島第一原発事故を受けても「原子力は必要なエネルギー源」との認識を示した。
与謝野氏は日本原子力発電出身で、通産相などとして原発を推進してきた。原発の安全性について「言い訳がましいことは言いたくないが、最良の知見、最善の知識、最良の技術でベストなものをその当時は作ったと確信をしていた」と説明。「原発を推進してきた立場として今回の事故に謝罪をするつもりはないか」という記者の質問に対し、「ないです」と述べた。
==========================================
都知事選翌日のツルシカズヒコさんのブログ(http://www.kureyan.com/diary-kureyan/8022.html)。
==========================================
【http://www.kureyan.com/diary-kureyan/8022.html】
都知事選 2011-04-10
午後、コウとふたりで東大原小学校へ。
都知事選の投票をする。
石原でも東国原でも
ドクター中松でも渡辺美樹でもない候補者に投票した。
たぶん、コウもそうだと思う
その候補者に期待したのではなく、
あまりに候補者の面子が貧弱すぎて頭に来ているのである。
投票締め切りの夜8時直後に石原の当確の情報が流れ、
どうしようもない無力感に襲われる。
しかし、生きていかねばならぬ。
闘いだな〜、生きるって。
==========================================
20時ちょうどに当確速報。全くなすすべもない、といったところか。しかし、彼が4回も選ばれるのですから、滑稽な話です。
共同通信によると、何方かが「一方で4選実現の要因については、小説家としての人気や、果敢な実行力を備えているためだと指摘した」(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20110411-759523.html)そうです。御笑いです。 実行力の方向性! 非実在青少年など唱えられる作家センセの感性!!
石原慎太郎氏は、エネルギーを「「(福島原発と同じ量だ。日本の電気消費の形はおかしい。)必要ないものに使っている」と指摘」しつつ吠えた(http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20110411-759622.html)そうだ。素晴らしい。正論、賛成。でっ、これまでの都知事としての3期を振り返ってみてどうなんでしょう。税金やその他のことについては、「必要ないものに使ったりしてない」ですよね? 都政に御自分の時間を無駄なくお使いになっていますよね?
これまでの3期を反面教師に、180度反対のことをやられればよい訳ですから、4期目の都政に期待しています。「東京に原発を」という発想から、反面教師として真逆に、原発を全廃する方向に転換されれば、喝さいを浴びることができるはずです。そういった方向にこそ、都民の皆さんが期待する石原都知事の「実行力」を発揮してほしいものです。五輪とか銀行とか教育とか、頓珍漢な(確信的)差別発言・行動なでに「実行力」を発揮されたりしないようにしてもらいたいものです。パンダ以下の働きとまで揶揄されたのですから。そういえば、祝日にはちゃんと実行されていますでしょうか?
それでは、いつも引用させていただいている澤藤統一郎氏の記事の最終回を引用。都民の民主主義感覚とは、都民の民度は? これは最善の選択たっだのでしょうか、それとも最悪の選択だったのか?
==========================================
【http://www.news-pj.net/comment/2011/sawafuji-20110410.html】
石原慎太郎「震災は天罰」発言
弁護士 澤藤統一郎
民主主義とは何だろう
(2011年4月10日)
先日学生時代の同級会があり、気のおけない昔の仲間と楽しいひとときを過ごした。その圧倒的多数が都立高の出身者。彼らが高校生の時代には、「都立の自由」が横溢していた。都立の出身ではない私などにはまぶしいような、自由のエピソードの数々に、羨望の念を禁じ得なかったものだ。
ところが今、事情は様変わりである。「都立の自由」は、教育行政によって根こそぎ奪われた。かつての自由の土壌は、管理主義の放射能に汚染されている。放射線の線源は「震災は天罰」と言ったあの知事。事態はその2期目からのことである。
2003年4月、この知事は308万票を得て再選された。その直後から、都の教育行政は暴走を始めた。都の教育委員は知事の「お友だち」で固められた。本来、「人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有する」(地教行法4条)者から選ばれるはずの委員が、およそ人格高潔とは言い難く、右翼的識見で凝り固まった人物で占められた。
同年6月、教育庁内に「卒業式・入学式対策本部」が設置され、その年の10月23日、悪名高い「10・23通達」発出にいたった。各校で工夫を凝らしたこれまでの個性的な卒業式は全面禁止となり、式の主役は生徒ではなく「日の丸・君が代」となった。以来、全校長が全教職員に、文書による「起立・斉唱」の職務命令を手交するという異常事態が続いている。
「日の丸・君が代」の浸透度は、学校の自由度のメルクマールである。文科省の調査では、1998年度入学式における都立校の「国歌斉唱実施率」は3.4%に過ぎない。もちろん、起立・斉唱の強制などはありえない。その以前、60~70年代の都立校出身者は、高校生活で「日の丸・君が代」のカケラと出会うこともなかったであろう。
今、「日の丸・君が代」実施率は100%。かつて行われていた、「憲法19条によって起立しない自由も保障されます」という、出席者への「内心の自由」についてのアナウンスも禁止された。日の丸の貼り方、参加者の椅子の並べ方までこまごまとした指示がなされる。そして、起立斉唱の職務命令違反者には、過酷な懲戒処分である。昔々の話ではない。どこかの独裁国の話しではない。日本の首都の公立校の現在進行の事態なのだ。
この異常事態は、知事の308万票獲得から始まっており、都民の意思によるものとの擬制が可能である。謂わば、民主主義がもたらした異常事態なのだ。民主主義は衆愚政治と紙一重である。ファシズムもナチズムも、熱狂的な大衆の支持によって成立した。天皇制の侵略戦争も国民の支持あればこその側面を否定しがたい。今、またナショナリズム鼓吹者を都民が支持し、この知事が教育現場で「日の丸・君が代」を強制している。放射線被害にも似た危険このうえない事態である。
民主主義が正常に作動しないとき、司法は「人権」侵害を救済する立場から、これに歯止めをかけなければならない。10・23通達関連の訴訟は18件に及ぶ。提訴者数の合計は延べ726名(都立校702名、小中校24名)である。
先陣を切った訴訟が、懲戒処分前に提訴した「予防訴訟」(原告数402名)である。2006年9月21日にみごとな一審全面勝訴の違憲判決(難波判決)となり、知事をはじめとする都庁内右翼の心胆を寒からしめた。「日の丸・君が代」強制を違憲・違法という根拠は、憲法19条(「思想及び良心の自由はこれを侵してはならない」)、憲法20条(「信教の自由の保障」)、教育基本法10条(「行政による教育内容に対する不当な支配の禁止」)である。
しかし、この流れは10・23通達以前の事件である、「ピアノ伴奏強制拒否訴訟」最高裁判決(2007年2月27日)によって断ち切られた。君が代のピアノ伴奏強制を合憲としたこの最高裁(第3小法廷)判決は、オーソドックスな憲法論からは極めて評判が悪い。「ロースクールの学生がこんな答案を書けば、到底合格点をやれない」という憲法学者もいるほどの代物。ところが、その後の下級審判決は、ピアノ判決のコピペ同然の言い回しで、教員側の請求を棄却するようになった。今度は当方が切歯扼腕する事態。
長い暗闇を抜けて、本年3月10日、東京高等裁判所第2民事部が168名の懲戒処分を全部取り消すという勇気ある判決を言い渡した。震災前日のことであり、あの知事が4選出馬の正式表明に先立つプレゼントでもあった。
周知のとおり、現実の司法は行政に甘い。行政裁量の範囲を極端にまで寛く認める。行政に対しての批判に過度に臆病であるというべきであろう。しかし、東京都の「日の丸・君が代」強制は、その大甘の裁判所から見ても見過ごせない。少なくとも、良心的な裁判官は、これを断罪している。知事と教育委員会、その事務局である教育庁は猛省すべきである。
都は、敗訴判決を不服として、上告(受理申立)をした。10・通達関連の訴訟については、これで6件が最高裁に係属している。最高裁判決で確定した訴訟は、まだ一件もない。憲法訴訟として、そして教育訴訟として、その成り行きが注目される。
とは言え、「震災は天罰」と言った知事の乱暴さは、「日の丸・君が代」強制をして恥じない乱暴さと結びついている。人権感覚欠如のしからしむるところなのだ。このような人物を4期も知事に据え置いた都民の民意を理解しがたい。いったい、民主主義とは何なのだ。
【http://www.news-pj.net/comment/2011/sawafuji-20110411.html】
再び、民主主義とは何なのだろう
(2011年4月11日)
私は、1971年4月に弁護士となった。実務法律家としてちょうど40年の職業生活を送ったことになる。この間の私の幸運は、日本国憲法とともに過ごしたことである。人権・平和・民主主義を謳った実定憲法を武器に職業生活を送ることができたことは、なんという僥倖。
しかし、私の不運は日本国憲法の理念に忠実ならざる司法とともに過ごしたことにある。憲法に輝く基本的人権も、恒久平和も、民主主義も、法廷や判決では急に色褪せてしまうのだ。何という不幸。
裁判所が、毅然と 「日の丸・君が代」 強制を許さずとする明確な判決を言い渡すのなら、石原教育行政の出番はない。裁判所に、「歌や旗よりも子どもが大切」、「国家ではなく人権こそが根源的価値」という教科書の第1ページの理解があれば、そもそも行政が憲法を蹂躙する暴挙を犯すことはないのだ。
もうひとつ、右翼の知事に出番を提供したのは都民である。震災は天罰と言ってのけ、思想差別を敢行するこの右翼的人物に知事の座を与えたのは都民である。恐るべきは石原個人ではなく、敢えて石原に権力を与えた都民の意思であり、日本の民主主義の成熟度と言わねばならない。
それにしても石原4選である。東京都の人権と教育は、あと4年もの間危殆に瀕し続けねばならない。「人権や憲法に刃を突きつける民主主義とは、いったい何なのだ」と問い続けなければならない。問い続けつつも、他にこれと替わり得る制度がない以上、絶望することも、あきらめることも許されない。心ある人々とともに、東京都の反憲法状態を糾弾し続け、都民に訴え続ける以外にはない。
そのような決意を自分に言い聞かせて、しばし擱筆する。
・・・・・・。
==========================================
THE JOURNALに出ていた篠田博之さんによる記事(http://www.the-journal.jp/contents/shinoda/2011/04/post_70.html)。
東日本大震災以前に既に原発反対派は日々駆逐されつくし、いまや、マスコミで原発廃止など発言できる識者や研究者はほぼ居ない状態。各地で行われている原発廃止のデモなど、ほとんどマスコミでは報じられることは無い。国内のこの〝惨状〟。
==========================================
【http://www.the-journal.jp/contents/shinoda/2011/04/post_70.html】
震災・原発報道とメディアについて上杉隆さんと話しました。
上杉隆さんがキャスターを務める朝日ニュースターの「ニュースの深層」にゲスト出演し、震災・原発報道とメディアについて話しました。放送は初回が4月12日(火)夜8時からです。
http://asahi-newstar.com/web/22_shinsou/?cat=18
控室で上杉さんが先頃、TBSラジオ「キラキラ」を突然降板させられた話が出たのですが、まあこれについては機会を改めて書くことにして、番組で話した私の震災・原発報道についての感想を、ポイントのみ紹介しておきます。詳しくは来週の番組を見て下さい。
ちなみに今回の原発報道については、朝日ニュースターは本当に健闘しています。というか、地上波がダメなので、この番組の独自性が光っていると言うべきか。こういう時こそ大切な「言論の多様性」の確保におおいに貢献しています。先般、ビートたけしさんが「原発については地上波とCSと全然違ったことを言っているので、何が正しいのかわからない」と言ってましたが、違った言論がきちんとメディアで伝えられることが大事なんですね。
で、その番組でも話した、私がこのところの震災・原発報道について思う事柄なのですが、ポイントのみ簡単に紹介します。
(1)今回の震災を「国難」だという指摘が多く、それは間違っていないのですが、そういう状況下で報道機関はどんなスタンスをとるべきかが問われています。政府は国民がパニックになるのを回避するために「安全」「安心」「直ちに危険はない」と強調し、それが原発事故については次々と「事実による反撃」を受けているという、危機管理においてはほとんど破綻状態なのですが、問題は報道機関もそれに引きずられていること。昨日言ったことが今日になると間違っていたという現実を次々と見せられることは、市民の政治不信とともにメディア不信を増幅することになっており、報道機関が国家ないし政府との距離をきちんととれないというのは、致命的なことです。非常時といえど、メディアが我を忘れて政府と一体となって「安全」「安心」だけを広報する機関になってはいけないのです。
(2)原発問題については、20年ほど前、「朝まで生テレビ」でよく賛成・反対両派のディベートをやっており、こういう立場の人がこういう発言をしているのだと、見ている方はリテラシーを働かせて受け取ることができていたのですが、今回の報道ではそれができていません。この10〜20年ほど日本社会から批判勢力、カウンターパートが放逐されることで、いつのまにか「原発反対」の論者は、大手マスコミでは見かけなくなってしまいました。今回の事故報道では、学者が各局登場していますが、それぞれの人がどういう立場から発言しているのか明示されず、ただ「教授」とかいう肩書きだけで解説を行っています。市民にすれば問題は「事実は何なのか」ということなのですが、今の地上波の報道は、解説者のスタンスが明示できていないことも含めて、その市民の欲求に応えられる報道になっていないのです。これはもしかすると、この20年、日本から社会的な批判勢力がパージされていったことのツケが現われているということかもしれません。
海外だと原発反対運度が盛り上がり、「フクシマ」は国際的キーワードになっているようなのですが、肝心の日本では浜岡原発など一部を除けば、そういうリアクションが目立たない。これ、よく考えると深刻なことかもしれません。つまり日本ではこの20年、大政翼賛化と画一化が進んだということなのですね。
(3)このところの「自粛」ムードの高まりは、昭和天皇死去の時とよく似ているのですが、これもよく考えると怖い現象です。節電に協力するといった合理的な自粛はよいのですが、演劇やらスポーツ大会を中止することが、被災者への配慮になるわけがないのに、自粛の連鎖が急速に拡大しています。8月の花火大会まで中止になっていくようなのですが、復興支援に逆行するようなこういう現象がなぜ起きてしまうのか。突出したことをやって「不謹慎」との非難を浴びると、まさに「非国民」扱いされかねないという、そういう風潮を皆が怖がっているわけです。昭和天皇の過剰自粛の時は、当の天皇家が「過剰自粛を避けよう」というアピールを行うという、ジョークのような展開になりましたが、今回もそれに近い状況です。
上記3つの事柄について問題なのは、政府の危機管理が破たんしていくのが同時に、政府広報を垂れ流すだけのマスコミの不信、破綻にそのまま連動していっていることです。マスコミはそろそろ独自のスタンス、国家との距離のとり方を考えないと、メディア不信が一気に爆発することになりかねません。これ、すごく深刻な問題なんですが、日々の報道に追われている大手マスコミがどれだけそれを認識しているのか。
4月7日、月刊「創」5・6月合併号が発売されました。特集は地震以前から進めていた「マンガ市場の変貌」についてですが、それ以外は「震災とメディア」について様々な論者が論及しています。例えばノンフィクション作家の吉岡忍さんとTBS「報道特集」のキャスター金平茂紀さんの対談など、相当読み応えある内容です。作家の柳美里さんが原発事故に対して家族ともども大阪に「疎開」した話など、『創』ならではの記事が満載です。ぜひご購読していただいて、震災・原発報道について一緒に考えて下さい。お願いします。
==========================================
nikansports.comの記事(http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20110331-755022.html)の引用。
東日本大震災の前とはいえ、普段からこんなことをやっていて、マスコミは東電や国のエネルギー政策、原発推進研究者を批判できる訳がない。報道の使命を忘れている。癒着と呼ばずして何と呼ぶのか?
「一部負担」・・・どうとでも解釈できる言い方ですね。
メンバーと所属、行程、費用を公けにすべきである。マスコミはダンマリを決め込まず、自身で明らかにすべき。記者会見での日本インターネット新聞社の田中龍作記者(http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/193272961.html)の質問に対して東電会長は氏名などの情報を明らかにしていない。ネット上を探してみましたが、見つけることができませんでした。
==========================================
【http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20110331-755022.html】
「東電とメディアが癒着」会長認める
東京電力の勝俣恒久会長(71)が、東日本大震災発生から20日目の30日、ようやく会見し、福島第1原発が深刻な状況に陥っていることを謝罪した。
会見では、勝俣会長が地震発生の11日に中国を訪問していたこと、その際、メディア関係者を同行していたとの一部報道に質問が及んだ。勝俣会長は訪問を認め、メディア関係者の渡航費用を東電側が一部負担したことを明らかにした。「全額ということではない」「詳細はよく分からないが、多分多めには出していると思う」などと述べた。同行者の立場は「OB」「勉強会の方々」としたが、「癒着を認めるのか」と突っ込まれる場面もあった。
[2011年3月31日8時23分 紙面から]
==========================================
上記記事とは直接的には関係は無いかもしれませんが、背景には以下のようなこともあったのかもしれません。
アクセスジャーナル(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/)の山岡俊介さんの4月4日の記事の一部を以下に引用させて頂きます。
==========================================
【http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/】
2011/04/04
執筆者: Yamaoka (9:40 pm)
「日本広報学会」会長に就いていた東電・清水正孝社長
「日本広報学会」(本部。東京都千代田区)なる団体がある。
「国際社会に通用する広報マインドの醸成に貢献する」ことなどを目的に約15年前に設立され、昨年3月現在、個人会員475名、法人会員 62社、法人登録者(代表者除く) 163名といった具合(法人は年会費1口10万円から)。
福島原発事故の対応でそれどころでないということで4月1日付で会長代行が選ばれたが、それまで東京電力の清水正孝社長(冒頭写真)が会長に就いていた。
清水氏は副社長時代に広報を担当。その時、旧江戸川でクレーン船が東京電力の送電線に接触(横左写真)し、大規模停電が発生。また、新潟県中越沖地震で柏崎原発(横右写真)が被害を受けるなど経験した。そして、特に後者に関しては「対応が遅かった」と記者の間でも評判が良くなかった。こうしたなか、何か期するものがあったのだろうか。
だが、日本広報学会の目的は企業広報の質の向上だけではない。先に紹介したACジャパン同様、マスコミの取り込みも重要な目的のようだ。
・・・・・・。
==========================================
さらに、天下り。記事には、安全監視体制の欠如によって「国民は放射能モルモット」という言葉も出てきます。My News Japan(http://www.mynewsjapan.com/)に出ていた3月26日の三宅勝久さんによる記事(http://www.mynewsjapan.com/reports/1416)「経産官僚10人が電力会社天下り 官業癒着で機能しない監視体制」というもの。
リードの部分を引用すると・・・。
==========================================
【http://www.mynewsjapan.com/reports/1416】
経産官僚10人が電力会社天下り 官業癒着で機能しない監視体制
三宅勝久 10:08 04/08 2011
東電の福島第一原発の事故は、放射能汚染水を海中投棄するにいたって深刻な国際問題に発展しはじめた。これほどの大事故になる前に防ぐ手立てはなかったのか。背景に浮かぶのは、監督官庁である経済産業省と電力会社との癒着による安全監視体制の欠如だ。原発を持つ電力会社9社に、役員として天下った経産官僚は、過去数年に限っても分かっただけで10人。天下り後は猛スピードで常務や副社長に昇格するのが通例で、年収は推定2000万円~5000万円+退職金。無責任な官僚の豊かな老後と引き替えに、国民がモルモットにされている。
【Digest】
◇原発電力会社9社に経産官僚10人
◇東電白川氏の年俸推定4000万円
◇「福島プルサーマルごり押し男」を雇った関電
◇島根原発の末廣氏は中電で「上関」強行
◇志賀原発事故隠しと北陸電の荒井氏
◇官僚は肥え国民は放射能モルモットに?
==========================================
最後に、とある雑誌の今週号の表紙。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
養老孟司 幸田真音 吉村作治
茂木健一郎 北村晴男 星野仙一
勝間和代 渡瀬恒彦 中畑清
大前研一 岡江久美子 浅草キッド
弘兼憲史 森山良子 アントニオ猪木
草野仁 三宅久之 北野武
住田裕子 堺屋太一 木場弘子
荻野アンナ 大宅映子 藤沢久美
「私は干された」
ジャーナリスト 上杉隆の証言
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
雑誌は『週刊金曜日』(843号、2011年4月15日)。タイトルは「電力会社に群がる 原発文化人の罪」。北野大氏を含めて25人に、「この期に及んでも原発は必要か? その理由は??」という緊急アンケートも。約半数は無回答。堺屋氏に至っては、「どういう雑誌かわからない(ところには返事は出せない)」というお笑いなお話。
下の方の上杉隆氏の件は別の機会に。
THE JOURNALの高野論説に「原子力事故対応マニュアル」(http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/04/post_752.html)という記事が出ています。長いので引用はしませんが、一読しておく価値があると思いました。
原子力発電についての、小出裕章さんによる古い資料(http://www.scribd.com/doc/52684311/%E6%84%9A%E3%81%8B%E3%81%AA%E6%A0%B8%EF%BC%9D%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E5%88%A9%E7%94%A8)がリンク先にあります。2007年7月7日の学習会の資料文章のようです。タイトルは「愚かな核=原子力利用」です。「原子力は即刻やめても困らない」など、これまで紹介したYouTubeなどでのお話と共通するものが多い資料です。
さらに、少し時間が過ぎてしまいましたが、岩上安身さんによる小出裕章さんのインタビューの第2段(http://iwakamiyasumi.com/archives/8211)。第1弾はこちらに(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b4f689c5708ac4157ad72c84f4cb7dec)。
小出裕章助教(京大原子炉実験所) 2011年4月11日
【http://iwakamiyasumi.com/archives/8211】
本日のブログのタイトルは最悪を想定した上で議論をしておくべき、という趣旨。videonews.comのこの記事(http://www.videonews.com/on-demand/511520/001784.php)の趣旨と同様、大マスコミにはまったくそういった議論が無いことは大きな問題。本インタビューの中でもその話題が出てきます。ネット上に溢れる小出さんが発した情報は、マスコミでは全くと言っていいほど、取り上げられていません。
原子力工学の知識がなく、ブログ主の無知・誤解・間違いが予想され、以下は不正確・誤りを含む可能性のあるメモですが、印象に残った点をメモにしておきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
賛否両論で真偽は定まらないが、インタビューの主題は「再臨界」について。
いまや、「被爆無しの労働」は不可能。原発労働者は、労働時に皮膚をさらしたりせず、また、内部被爆を絶対に避けるべき。
圧力容器も漏れてるし、格納容器も漏れてる。後者の破損はどうしようもない。原発下部のサプレッションプールから汚染水をくみ上げて、格納容器そのものに循環させて、中途に熱交換器を設ける策を提案。冷却水のかけ流し、汚染水の垂れ流しにならないように、早く循環系・冷却回路の構築が必要。
岩上氏「破損が最悪の一歩手前の危機ならば、最悪の危機は再臨界でそれは破局を意味するのか」との問い? 一度止めたウランの核分裂が再度起こることが「再臨界」。「再臨界」の発生を疑わせる根拠の一つは、天然の塩素に中性子が衝突することでしか生成され得ないクロル(塩素)38が検出されたこと。その寿命は三十数分なので、3月の末に東京電力がその存在を公表しており、そのデータにミスがあるとの訂正がなされてはいないことから、震災後ある程度時間が経っているにもかかわらず、半減期の短いクロル38が生成されたことは「再臨界」の発生を疑わせる。ウランの核分裂が続いていることを意味する。東京電力のその公表データが正しかったかどうか、そこはポイント。
ここで言う「再臨界」が、すぐさま破局につながる、とまでは言えない。ウランが一カ所に高濃度に集積されて初めて臨界に達する。その例が、JOCの臨界事故。
ジルコニウムの被覆管が溶けてしまうと、小指の先ほどのペレット(「ウランで作った瀬戸物」)が崩壊してきて(プルトニウムが検出されているので、ウランの瀬戸物が溶けたこと・損傷が起ったことは確実)、ウランが「ぶすぶすと燃え続ける」、それを小出さんは「再臨界」と呼んでいる。現状では、激しくウランの核分裂反応が起こる、爆発するという意味では言っていない。小規模に各所で「ぶすぶすと燃え続ける」といったイメージ。
2800℃以上でペレットの溶解が起る、したがって、原子炉内がそのような高温になっていることを東電は認めたくない。もし圧力容器の底に水がたまっていて、メルトダウン時に溶融したペレットが水に触れると、水蒸気爆発が起こることを小出さんは最も恐れている。それは避けなければならない。メルトダウンと水蒸気爆発が最悪の事態。そうなると発電所の中では何の作業・対処もできないので、福島第一原発・第二原発のすべての原子炉が連鎖的にメルトダウンと水蒸気爆発を起こすことに。使用済み燃料プールまであり、これも破壊。影響は、チェルノブイリの数倍規模では収まりそうもない。チェルノブイリでは風下700kmでも高濃度汚染地域が・・・。国土の狭い我が国では?
小出さんの言う現状の「再臨界」を止めるには、ホウ素の注入。キチンと「再臨界」の場所にホウ素が到達していれば効果あり。海水の塩分の影響で、ホウ素注入に何らかの支障をきたした可能性を小出さんは疑っている。ホウ素自体も析出する。
「機械は壊れる、人間は間違う」、したがって、「事故は必ず起こる」。「全電源喪失・ブラックアウトは絶対起きない」と言ってきた、「想定不適合事故」と云ってそういった事故を想定することを避けてきた。「割り切ってきた」訳だ。原発では絶対に事故は起きないと思ってはならない。事故は、必ず起きるという覚悟が必要。その覚悟が無いのならば、原子力発電を選択すべきではなかった。
プルトニウムをどんどんと生みだすもんじゅの危険性。比熱1の水は冷却材として素晴らしい。放射能も生みださない。もんじゅでは水を使えない。大変危険なナトリウムを冷却材に使う。一方、六ヶ所村の再処理工場には使用済み燃料を大量に抱え込んでいる。冷却のための循環ポンプが止まれば、火事・水蒸気爆発が起こる。
政府・電力会社の公開データを基に、インタビューの1時間3分以降に、原子力が無くても大丈夫な理由が述べられている。是非見て欲しい。「需要のピークに合わせないとダメだ論、だから、原子力を選択論」について、水力+火力で十分足りる。電力需要ピークとは、夏場の数日のある数時間に過ぎない。対処法はいくらでもある。
原子力を選択するかぎりバカげた揚水発電所が必要というアホらしさ。揚水発電所を考慮に入れると、原子力はコスト的には全く割に合わない。それを考慮に入れなくても、水力や火力よりも同等か、むしろ高い。揚水発電所を考慮に入れないだけでなく、放射性廃棄物処理のコストが元々考慮されていない。アホらしい。日本人は、ずっとマスコミや電力会社の洗脳に騙されてきた訳。
この期に及んで、「いまだに、電力が必要だから、原子力をやるという発想があることが信じられない」という小出さんの嘆き。
経済や雇用問題も含めても、原発は最悪の選択。原子力を選んだがために、電気料金が高くなり、新自由主義経済に走り、経済や雇用が空洞化した。
最後に、即刻原子力は止めるべき、と小出さんは強く主張。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
綿井健陽さんのWP『逆視逆考PRESS』(http://watai.blog.so-net.ne.jp/)の4月9日の記事(http://watai.blog.so-net.ne.jp/2011-04-09)を紹介させていただきます。記事中のテレビ放映は既に終わっています。
タイトルは「10年後ガンだな」。このつぶやきに、やり切れなさを感じます。それに寄りかかり、他人の命を危険にさらして安全な生活を営んでいる自分自身に自己嫌悪。原子力発電というパンドラの箱を開けさせた人々に激しい怒りを感じる。このような悲惨な「背負うべき“運命”」に支えられる社会であってはならない。「この国の原子力“安全”行政・運営・宣伝の虚構体制でつくられた“犠牲者”」を生みださなければ成り立たない社会とは一体何だ。一部の地域や一部の労働者に犠牲を強いることでしか成り立たない社会はおかしい、との松下竜一さんの数十年前の指摘はやはり正しかったのだ。
やはりボタンの掛け違えは、FUKUSIMAというあまりに過酷な結果を生んでしまった。原子力という選択は、最悪の選択だったのだ。過去に遡れずボタンを正しくかけ直せないのだから、いまは、せめて、せめて、他の原子力関係の施設を即刻停止させるだけでも、すぐに実行すべきである。
『原発ジプシー』著者の堀江邦夫さんは今どこで、どうされているのだろう? お元気なのか? とても気になる。
==========================================
【http://watai.blog.so-net.ne.jp/2011-04-09】
『10年後ガンだな』
今日(4月9日・土)午後5時からTBS系列「報道特集」で、地震発生2日後(3月13日)に入った福島県双葉町の映像が放送されます。
http://www.tbs.co.jp/houtoku/
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会会員(森住卓、豊田直巳、山本宗補、野田雅也、綿井健陽)と広河隆一・DAYSJAPAN編集長が取材しました。番組編成の都合で約3分の本当に短い企画ですがご覧ください(通常よりも放送開始時間が30分早くなって5時からです)。
いったん東京に戻って、3月26日からはドキュメンタリー映画の安岡卓治プロデューサー、森達也監督、松林要樹監督らと一緒に、岩手・宮城・福島を1週間回りました。4人それぞれがビデオカメラを持って撮影して、これから編集作業に入る予定です。
そのほか以下も合わせてご覧下さい。
月刊「世界」5月号(岩波書店) http://www.iwanami.co.jp/sekai/
「ジャーナリストたちは何を見たか──日本ビジュアル・ジャーナリスト協会取材記」 文・豊田直巳 (フォトジャーナリスト)
-------------------------------------------------------------
自衛隊による放水や電源復旧作業が行われていた3月22日~4月1日の間に、福島第一原発敷地内で作業をしていたTさん(27歳)が「一時休暇」で福島県内のある避難所に戻ってきた。彼は高校卒業以来、地元の原発の中で毎日働いてきた。 以下の「アワプラネットTV」で以前に何度かインタビューをした彼だ。
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/921
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/942
普段は計器類のメンテナンス作業を担当するTさんだが、今回の作業は持ち場を超えて、高い放射線量の中で電源復旧に関わる様々な作業を行っていた。その現場で作業にあたっているのはほとんどが東電の関連・下請け会社の社員だという。 そして、彼は4月3日から再び第一原発に入っている。
その前日に会ったとき、彼はこう話していた。
「第一原発敷地内のトイレの中で誰かが同僚の人に対して、『10年後ガンだな』と言った後、誰もそれに答えなかった。こんな作業と生活があと10年ぐらい続くんじゃないか。東京あたりでの普通の生活はもう十数年送れないんじゃないかという不安はあります」
このところのテレビの原発報道では、原子炉の図面や汚染水の状況分析・解説が多く、大学教授や記者会見でいつも出てくる人たちばかりで、実際の作業を現場でする人間の姿がどんどん見えにくくなる一方だ。
今回のインタビューで彼は、「自分の運命だと思って作業をやり遂げるしかない」と話していた。だが、それは彼が背負うべき“運命”なのだろうか。この国の原子力“安全”行政・運営・宣伝の虚構体制でつくられた“犠牲者”ではないか。
10年以上前に古本屋で買った講談社文庫「原発ジプシー」(堀江邦夫著)をいまめくってみると、以下の一節が染みわたる。
http://www.amazon.co.jp/%E5%8E%9F%E7%99%BA%E3%82%B8%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%BC-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%A0%80%E6%B1%9F-%E9%82%A6%E5%A4%AB/dp/4061833545
『近代科学・技術の最先端をいくといわれている原発だが、そうはいっても実際に原発を動かしているのは人間なのだ。それも、中央操作室で計器類を監視し、スイッチを押す電力会社社員は、そのほんの一部であって、人数面からも仕事量からも、下請労働者の方が圧倒的に多い。つまり原発は、下請労働者の存在があってはじめて原発として稼働することが可能なのである。言いかえれば、現場の最前線に送りこまれ、放射能にまみれて働くことを強いられている労働者たちの存在を無視して原発を語ることはできない、ということなのだ。』
あの危機的状況の福島第一原発の敷地内で、放射線量の不安とともに“運命”を背負いこまされるTさんのインタビュー映像を近々放送(ないしは配信)したいと考えている。
…………………………………………………
綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai
映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.tongpoo-films.jp/littlebirds/
DVD発売中
月刊「創」『逆視逆考』
http://www.tsukuru.co.jp/
…………………………………………………
==========================================