Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●パンダの方が働いているとは!

2011年02月23日 04時51分59秒 | Weblog

これまたgendai.netの記事のコピペ。小皇帝石原慎太郎都知事絡みの笑える記事。

 「中国」と聞けば条件反射的に反応する都知事がお金を払ってパンダを借り受けるという屈辱。それにしても無駄遣いばかりしているかと思ったら、恐ろしいほどの退職金が支払われているんですね。都知事にしがみつく訳です。「パンダの方が働いている」、「ナマケ老人」、・・・言われてもしょうがないですね。

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http://gendai.net/articles/view/syakai/128952】  

 税金を払う価値あるのはパンダか石原老人か 

                                                                                                              【政治・経済】
                                                                                        
2011年2月18日 掲載

3期12年で1兆円のムダ遣い

 「ありがたがることないよ、パンダぐらいで」――石原慎太郎都知事(78)がブツクサ語っていた。中国から上野動物園が借り受けるジャイアントパンダ2頭の来日が今月21日と決まっても、不満ありあり。大キライな中国に年間約8000万円のレンタル料を払うのが、よっぽど嫌なのだ
 08年4月の「リンリン」死亡後も、石原は「ご神体じゃないんだから、いてもいなくてもいい」とパンダ獲得に難色を示してきた。高額レンタル料にも「友好の印で、カネを取るっていうのはどんなものなのか」と不平タラタラ。入園者減と地元の強い要請を受け、ようやく昨年2月に「レンタル料を5万ドル値切って」借り受けに渋々合意した経緯がある。
 それにしても大人げない対応だ。1頭あたりのレンタル料は約4000万円。パンダ人気で入園料収入回復に貢献すれば御の字だろう。
 都民にすれば石原に払ってきた報酬の方が、よほど高くついている
 石原の年間報酬はボーナスを含めて約2605万円。4年の任期を終えるごとに退職金も支給され、1期(99~03年)終了後に約4723万円、2期(03~07年)後に約4524万円を手にしてきた。今年4月の3期終了後も約4303万円が支給される。
 3期12年の間に退職金だけで計1億3550万円、総額4億5000万円を超える都民の税金が、石原の報酬に消えたのだ。それに対して、やってきたことといえば、税金をドブに捨てることばかり

   
「いまや破綻寸前の新銀行東京に1400億円を投入。
    150億円を使って招致失敗に終わっても、懲りずに五輪招致基金を
    4000億円も積んでいます。移転ゴリ押しで大モメの築地市場移転の総事業費は、
    4316億円に達する見込みです。
    これだけでも計1兆円のムダづかいです」(都政事情通)

 さらに、豪華海外視察で億単位の税金を使っておきながら、都庁に登庁するのは週2、3日程度。ちなみに、上野動物園の休園日は週1ペースだ。パンダの方が働いているぞ!
 こんなナマケ老人4選出馬期待する自民党も末期的だ。そろそろ都民もご神体じゃあるまいし、ありがたがることないよ、裕次郎のアニキぐらいで
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●TPP批判: 内橋克人さん

2011年02月22日 00時10分36秒 | Weblog

CMLに内橋克人さんのTPP批判に関する記事が出ていましたFEC(FEC)を推奨する内橋さんですから、批判は当然でしょう。TPP報道に見るジャーナリズム批判も。

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-February/007499.html

 

[CML 007616] 内橋克人さんのTPP批判講演録


・・・・・・                     


    http://www.jacom.or.jp/tokusyu/2011/tokusyu110208-12482.php

内橋さんは、「『国を開く』などといいますが、その行き着くところ、
質はまさに『国を明け渡す』に等しい」「MAI多国間投資協定)の狙
いがTPPに姿を変えていまに蘇った、と私は考えています。長い歴
史の連続性をきちんと認識できるジャーナリストがいなくなってしま
いました」と語っています。

[関連企画]
2
・16 緊急シンポジウム 消費者が問うTPP=食の安全が危ない!

   
http://home.e06.itscom.net/chemiweb/ladybugs/indexan.htm


2・26 あたり前に生きたい、ムラでも、マチでもTPPでは生きられない!座談会

  
http://www.geocities.jp/yaoyahyakusho/muramachi/home.html

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●靴を投げられたブッシュ氏のいま

2011年02月21日 00時01分25秒 | Weblog

CMLに出ていた前田朗さんによる記事をコピペさせていただきます。ブッシュ元大統領に関する記事です。日本語のリンク記事は期限切れのようです。

 大統領だった当時、靴を投げつけられるという屈辱を受けたブッシュ氏。大量破壊兵器を捏造してまでイラクに侵略したブッシュ氏。単純な石油利権とは言わないが、松嶋尚美・町山智浩著『松嶋×町山 未公開映画を見る本』で云うところの「新自由主義経済と、キリスト教原理主義という宗教保守の連合の暗黒面」をめぐる選挙対策だったのか? アメリカでは、氏は何と言っても「ペッラペラのブッシュ」・「ペラペラブッシュを本気で拝んで」もらえるほどの「神」ですもんね。

========================================== http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-February/007433.html

[CML 007550] ブッシュ“拷問”元大統領、スイス訪問をキャンセル、刑事告発に脅えて
                                    2011年 2月 10日 (木) 12:00:12 JST

前田 朗です。

2月10日

NGOのヒューマン・ライツ・ウオッチによると、スイスを訪問予定だったブッシュ元米大統領が、拷問被害者がスイス検察に告発する動きを見て、スイス訪問をキャンセルしたとのことです。

「米国:ブッシュ前大統領に告訴状 ジュネーブで 拷問の訴追が必要――ブッシュ前大統領 スイス訪問キャンセル 抗議運動と刑事告訴の恐れから」

日本語ニュースリリース
http://www.hrw.org/node/96257 

英語オリジナル
http://www.hrw.org/en/news/2011/02/07/us-geneva-case-against-bush-shows-need-prosecute-torture

2007年10月にはラムズフェルドがフランスから逃げ出したこともあります。その時に書いた私の文章「拷問犯人を追い詰める」をブログにアップしました。
http://maeda-akira.blogspot.com/2011/02/blog-post_09.html
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●『記者会見ゲリラ戦記』読了

2011年02月20日 13時00分01秒 | Weblog

記者会見ゲリラ戦記』、1月に読了。畠山理仁著。扶桑社新書、2010年12月初版第一刷。

 秀逸な「まえがき」(pp.2~5)、成長物語。記者会見オープン化騒動記。
 
大マスコミの記者は、「・・・フリーランス記者に名刺を渡すことは気が進まないようだった。椅子には置けるがフリー記者には渡せない」。名刺の「交換レートの違い」。「そうした差別を経験した記者が書く本書は、これまで「椅子以下の存在」だったフリーランスの記者が、徐々に「質問する椅子」へと成長して行く物語である」。
 随所に「椅子以下の存在」といった自虐的なフリーランス記者像。記者クラブ所属の記者から見ると、フリーランス記者は「二等市民」(p.95)、「人にあらず」(p.100)、「下々の者」(p.141)、「ボールを投げることもバットを振ることもできない」(p.281)、といったところか。

 記者会見オープン化のトップは、外務省岡田克也大臣(p.14、246)と金融庁亀井静香大臣(p.14、27、82、109、101、163、166、168、236)。この二人が推進。特に亀井元大臣が主催した、フリー記者対象の第二記者会見の方が圧倒的に有益で、「「特オチ」を恐れる記者クラブ側にとっては屈辱的な状況」を生むことに(p.94)。「中には死刑廃止論者である亀井大臣から、「(死刑執行は)当分は行われないと思う」という、現職大臣としては異例の発言を引き出す参加者もいた」(p.102)。第二記者会見は記者だけでなく誰でもよい、その根底には、亀井元大臣「「当たり前ですよ、主権者なんだから」という、ごくごく当たり前の考え方」(p.27)。
 世界の常識「フリープレスの原則(p.16)。海外の記者会見は例外なく「オープン化」。「日本のように「記者クラブ加盟者以外は取材できない」という奇妙な国はない。なぜなら世界のジャーナリズムには「フリープレスの原則」(報道に携わる者は誰もが自由に取材できる)という常識があるからだ」。

 「マスのジャーナリズム」に対して、ユーストリームのようなネット生放送などの「マイクロ・ジャーナリズム」(p.21)が記者クラブ制度に穴をあける。

 枝野幸男行政刷新担当大臣に、神保哲生さんから「なぜ記者クラブは仕分けの対象にならないのか?」(p.45)。

 岡田克也外務大臣、密約問題(p.46)。
 大川興業大川豊総裁と異例の事態(p.83)。グラミン銀行、ブラック銀行。
 座談会「記者オープン化はいつ?」(マガジン9)、大川豊×岩上安身さん(pp。126-154)。「岩上 ・・・毎日新聞の記者だった西山太吉さんたちの時代は、ボスがあのナベツネさん(読売新聞主筆の渡邊恒雄氏)で、霞クラブでの記者会見では、ナベツネさんの席は記者席じゃなく、大臣の隣。記者の方を向いて座る。しかも会見の間中、自分は一言も質問しないで、パイプくわえて、大臣と後輩の記者たちに睨みをきかせていたそうだ。/・・・。/岩上 ホントだよ。西山さんが言っていた(笑)。本人から直接聞いた話。/大川 それ政治記者じゃなくて、フィクサーが表に出てるようなもんですよね。/岩上 そう、それが国民の目にさらされないだけ。・・・。新聞とテレビの情報が頼り。/大川 それ、中継してほしかったなー。/岩上 国民は実態を全然知らされない。どれほど異常な言論空間の中に、日本人はこれまで生きてきたか、ですよ。その象徴的な存在が、ナベツネ氏であったわけです」(p.131)。「畠山 ・・・本当は利益を追求する一私企業にすぎません。その上、権力側から無料の記者室など様々な利益供与を受けている。・・・。/・・・官房機密費がマスコミに流れたという疑惑」。つまり記者クラブは情報を独占することで「報じない」という権力を行使してきた。そして「報じられなかったことは、なかったこと」になってしまう。それは国民にとっても損失です」(p.154)。一方で捏造に乗せられ(乗ったふりをして)バカ騒ぎする小沢問題よりも、記者クラブの密室会見問題・利益供与問題は酷くはないか??
 官房機密費、便宜供与とマスコミ・記者クラブ・(都心の一等地でタダの家賃)記者室との癒着(p.154、161、173、198)。「官房機密費には「記者クラブを含むマスコミ関係者に渡っていたのではないか」という〝疑惑〟がある」(p.269)ことには、記者クラブ・記者室・大マスコミは当然消極的。
 都合のよい情報、捏造された情報をリーク(p.173)。特捜の会見では被疑者の弁解や供述を開示しないと言いつつ、「・・・小沢一郎前幹事長をめぐる「政治とカネ」の事件では、逮捕された石川知裕衆院議員の〝具体的な供述内容が洪水のように報じられていたよね? しかもまるで「取り調べの場にいたかのような内容」が、連日、新聞やテレビで報じられた」(p.173)。「関係者発言」(p.260)とは、どんな関係者?
 我々は騙されている。「マスコミは小沢氏のことを「雲隠れする」「逃げる」と報道し続けたが、小沢氏ほどオープンな形での記者会見を開いてきた政治家を私は他に知らないからだ」(p.264)。岩上さんのWPを見てみればこの点は明確。八丈島の釣り〝事件〟。「小沢一郎という政治家は、新進党、自由党、そして民主党と、記者会見に参加する記者に制限を設けてこなかった。・・・。/・・・。/それでもなお、国民の間には「小沢氏は情報公開に消極的な政治家」というイメージが定着している。それは記者クラブメディアによる国民へのマインドコントロールが成功したからにほかならない」(p.265)。小沢氏は、記者クラブの敵。小沢氏が不要な部分までの政治資金の公開をしていることや、毎週記者会見を開催してきたことなどは決して記者クラブは報じない。「関係者発言・情報」を基に捏造情報を垂れ流すばかり、プロパガンダ。小沢氏に比べて、「菅首相が本気で「自分はオープンな政治家だ」と思っているとしたら、それは極めておめでたい」(p.272)し、そう思わされている我々も同様に極めておめでたい。

 オープンな会見でも参加を断られる寺澤有さん(pp.160-161、178、267、272)。

 千葉景子法務大臣と死刑問題、(p.203、206、209、211)。民主党政権で初めての死刑執行。参議院議員としての任期満了前に駆け込みで執行書に署名。「死刑廃止を推進する議員連盟」に所属する議員だったのに、法務官僚にと取り込まれた哀しい人。しかも、「閉じられた「刑場公開」」(p.212)でフリー記者を騙し討ち。

 
「ボールを投げることもバットを振ることもできない」(p.281)グランドキーパーとして、記者クラブオープン化に向けてグラウンド整備に疲弊(p.282)。ようやくその第一歩、扉がわずかに開いた。記者クラブとフリー記者が対峙するなどナンセンス、なぜなら「本来、報道に携わる者が対峙すべきは権力者だからだ」(p.284)。「記者会見のオープン化がなされた時、ようやく権力と報道の本当の戦いが始まる。既に観客はガチンコ勝負を見るために、すこしずつスタンドに入り出した。記者会見が真剣勝負の場になれば、政治家も記者も技量が磨かれる。ファインプレーも出るだろう。/さあ、一刻も早く試合を始めよう。開かれた日本の民主主義のために」(p.285)。
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●『紙の爆弾(2010年2月号)』読了

2011年02月19日 00時47分20秒 | Weblog

紙の爆弾』(2010年2月号)、1月に読了。

 橋本玉泉氏、「新銀行東京による〈恫喝訴訟〉 〝請求放棄〟でも「目的は遂げた」/「和解」終結の裏に新銀行東京の高笑い」(pp.14-18)。元行員・横山剛氏へのSLAPPSLAPP)。「〈マイ・ニュース・ジャパン〉に掲載された烏賀陽弘道氏の記事によれば、横山氏は裁判費用として「クルマ二~三台分は使った」ということ」であり、疲弊。つまり、SLAPPの目的は達成。「「訴えた者勝ち」が公然と横行する日本の裁判制度」。久田将義氏がある訴訟で裁判所に赴いた際のやり取り、「裁判官「だいたい。現状の裁判は訴えたもの勝ちになってるの。折角訴えたんだから。それと、僕は新潮社の裁判もいくつか担当しているけど、全部負けさせているからね」と言われた。/裁判官の胸先三寸なんだ、と変に感心しながらその雄弁な裁判官の言う事を聞いていた」。

 仙波敏郎さん、「裏金告発した元愛媛県警巡査部長 退職後も続く闘争/第七回『裏金告発に対する群馬県警の報復』」(pp.30‐32)。群馬県警の裏金告白者、大河原宗平元警部補。現在、あの阿久根市役所に勤務。県警勤務時に偽装領収書に抗議したところ、報復人事・左遷。「その後も、時季はずれの嫌がらせ的人事は続き、さらに不当な行動監視」。「不倫事件」をでっち上げられ、減給。さらに、別のでっち上げ事件で強制捜査を受け、その際、〝転び公妨〟的な公務執行妨害をでっち上げられる。この強制捜査で、逮捕状を取られ、さらに10日間勾留。不起訴になるも、懲戒免職。「真相を知らない市民の方には、・・・マスコミに書かれた内容を鵜呑みにされ、誤解されたままです。これが、マスコミが権力(警察)の手先となって、事実を確認することなく、警察発表どおりに記事にするという悲しい現実です」。

 高須基仁氏、「東京オリンピック招致するための、たった十分間のPR映像の製作費が5億円だったという。かねてから招致費用として予算百五十億円を見込み、「(百五十億円は)痛くもかゆくもない」と言っていた石原慎太郎やりたい放題だな。/慎太郎は、自分のため、あるいは石原一族のためだけを考えているようで、どこにも公僕というイメージが感じられない。小泉純一郎にも同じ印象を受ける。小泉は金の香りはあまりしないが、プライベートすぎる。/・・・鳩山家の方が・・・慎太郎よりまだましだ。小沢一郎や大嫌いな亀井静香は、プライベートなことをやっているように見えて、意外と金は自分のためには使っていない気がする」(p.85)。
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●日弁連声明: 都教委を擁護する東京高裁

2011年02月18日 04時28分07秒 | Weblog

CMLに日弁連による東京高裁判決についての声明に関する記事が出ていましたので一部をコピペさせていただきます。

 これに関しては、都知事の顔色をうかがってばかりの都教委が問題でしょう。小皇帝都知事は、祝日に国旗を掲揚していないとの都市伝説があります。その一方で、教員に踏み絵させてるわけ。酷いものです。四選を阻止しなくていいんですか、都民の皆様。それじゃなくても、三度も、世界に恥をさらしたのですよ。出馬も許されるべきじゃないでしょう。

 裁判所(東京高裁)までがそれになびくのですから、救い難いです。

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-February/007431.html

[CML 007548] 「国旗・国歌」強制問題東京高裁判決に対する日弁連会長声明
                             2011年 2月 10日 (木) 11:36:37 JST

・・・・・・。

転送歓迎。

******************************
日本弁護士連合会会長声明(2011年2月9日)

「国旗・国歌」を強制する都教委通達を合憲とした東京高裁判決に対する会長声明

 本年1月28日、東京高等裁判所は、都立学校の教職員らが、東京都と東京都教育委員会(都教委)に対し、国歌斉唱・ピアノ伴奏の義務のないこと等の確認と、式典における国歌斉唱・国旗掲揚を事実上強制する通達発出による損害賠償を求めて提起した訴訟について、原判決を覆し、教職員らの請求をいずれも却下・棄却する判決を言い渡した。

 本件で問題とされたのは、都教委が2003年10月23日付けで、卒業式、入学式等の式典において、教職員に対し「国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する」こと、「ピアノ伴奏をする」ことを命じ、それに従わない場合は、服務事故として処分するとした上記通達の合憲性及び国歌斉唱などの義務不存在の確認の可否であった。

 一審の東京地方裁判所は、「起立したくない教職員、斉唱したくない教職員、ピアノ伴奏したくない教職員に対し、懲戒処分をしてまで起立させ、斉唱等させることは、いわば、少数者の思想良心の自由を侵害し、行き過ぎた措置であると思料する」として、国歌斉唱などの義務がないことなどを認め、憲法上の思想・良心の自由を尊重する判断を示していた。

 これに対し、今回の東京高裁判決は、国歌をピアノ伴奏する義務の有無が問われた最高裁判所の判決(2007年2月27日)を無批判に踏襲し、君が代斉唱などが「直接的にその歴史観等を否定する行為を強制するものではないから、客観的にはその歴史観等と不可分に結び付くものということはできない」として、教職員の思想・良心の自由は侵害されないと判示した。

 しかし、個人の内心の精神的活動は、外部に表出される行為と密接に関係しているものであり、自己の思想・良心を守るためにとる拒否の外部的行為は、思想・良心の自由の保障対象となるのである。そして、君が代については、大日本帝国憲法下において天皇主権の象徴として用いられた歴史的経緯に照らし、現在においても君が代を歌うこと自体が自らの思想・良心の自由に抵触し、抵抗があると考える国民が少なからず存在しており、こうした考え方も憲法19条の思想・良心に含まれるものとして憲法上の保護を受けるものと解されるから、君が代斉唱などを当然に受忍すべきものとすることは、憲法の思想・良心の自由の保障等の意義を没却するものと言わざるを得ない。また、教育とは、旭川学力テスト事件最高裁大法廷判決(1976年5月21日)も述べるように、「教師と子どもとの間の直接の人格的接触を通じ、その個性に応じて行われ」る「人間の内面的価値に関する文化的営み」であり、だからこそ、「教育内容に対する国家的介入についてはできるだけ抑制的であることが要請され」、子どもの学習権を確保するためにも、教師の自由な創意と工夫の余地が確保されなければならないのである。教師に対し国歌斉唱やピアノ伴奏を強制することは、結局のところ教師の自由な創意と工夫を大きく阻害することにつながるものであり許されないと考える(当連合会2007年2月16日付け「公立の学校現場における『日の丸』・『君が代』の強制問題に関する意見書」、2010年3月18日付け「新しい学習指導要領の問題点に対する意見書」)。

 当連合会は、上記のような観点から、国旗・国歌の強制に対し、上記意見書を発表するなどして、警鐘を鳴らしてきた。当連合会は、本件の上告審において、最高裁が、外部的行為が内心的自由の表出であることを受け止め、日本国憲法及び国際人権法の水準にかなう判断を行うよう求めるものである。

                                      2011年(平成23年)2月9日

日本弁護士連合会
会長 宇都宮健児
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●検察と大マスコミの癒着: 山岡俊介さんの視点

2011年02月17日 05時01分27秒 | Weblog

アクセスジャーナル(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/)の山岡俊介さんの記事。素晴らしい論考。

 先日のgendai.netの記事の際の繰り返しですが・・・、村木事件と同じ経過をたどっています。あの大冤罪事件・大捏造事件から何も学んでいな大マスコミ。検察の〝創った〟ストーリーを垂れ流すばかり。騙され続けて、大丈夫??

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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/

2011/02/08

<主張>改めていうーー何が何でも小沢一郎潰しで、米国追随、官僚政治を死守しようとする検察・大手マスコミの茶番
                                                執筆者: Yamaoka (2:00 am)

 昨日、小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金報告書に虚偽記載があったとして起訴されている石川知裕元秘書(現・代議士)らの初公判があり、全国紙は1面で「無罪主張」などと大きく報じている。(冒頭写真=「毎日」2月7日夕刊)
 その1週間前には、小沢氏が強制起訴され、全国紙は1面どころか、号外まで出した(下写真=「朝日」1月31日)。

 こうして見ると、小沢氏や元秘書の石川氏らは大悪党といいたいのだろう

 だが、冷静に考えれば、石川氏らが問われているのは「表」の献金の記載漏れに過ぎない。そして検察は小沢氏を起訴にさえできず、検察審査会による2度の「起訴相当」決定により自動的に強制起訴されたに過ぎない

 検察は、小沢氏が提供した4億円は未記載で、そのなかにはゼネコンからの裏献金分が含まれているといいたいようだ。だが、これは村木事件で一躍知られるようになった検察お得意の見込み捜査という奴で、裏はまったく取れていない。だから検察は小沢氏を起訴できず、石川氏らの容疑も政治資金規正法違反に過ぎず、贈収賄容疑ではないのだ。

 それどころか、石川氏らはそもそも検察が主張する小沢氏からの4億円は「記載した」として起訴内容を全面的に争うという。土地購入の記載を翌年にずらしたのは、「登記後に記載すればいいと判断したから」で、関連政治団体との資金移動は「身内間のやり繰りで記載の必要はない」と主張した。

 実はこうした主張に関しては、本紙ではとっくに報じている。4億円の記載については昨年1月11日、「小沢一郎政治資金規正法違反疑惑に驚愕の新事実ーーキチンと記載されていた!? 小沢氏個人からの4億円借入」というタイトル記事。さらに1月18日、「<主張>検察の暴走!? 本紙がいまも、小沢氏個人からの4億円はキチンと『記載』されていると考える理由」でさらにフォローしている。

 他の2点に関しては昨年1011日の「<主張>小沢一郎疑惑に見える、制度疲労を起こしている特捜部の捜査」において。

 後者の記事で記したように、今回の疑惑、検察は簿記の知識がないまま、誤った認識の元に、架空のストーリーを描き、それは大手マスコミにリークされ、裏金資金投入がさも既成事実のように世間に流布したようなのだ。

 誤解のないように断っておくが、本紙は小沢氏の不動産疑惑については率先して書き続けていたし、小沢氏がゼネコンから裏献金を受けていないなどとは思っていない。だが、起訴するだけの証拠がなければシロなのが法治国家だろう

 しかも、もっと疑問なのは、なぜいま、そんな代物の疑惑をここまで強引に手がけ、そして大手マスコミは村木事件ではあれだけ検察批判しながら、小沢氏については一緒になってバッシングするのか。

 答えは一つしかない。この疑惑が出なければ小沢氏が民主党代表に返り咲いていた可能性が高く、それを阻止したかったからだ。なぜなら、民主党は官僚打破を叫んでおり、検察も捜査の可視化などやられたら都合が悪い。もっと露骨にいえば、自民党政権に戻したいのだ

 そして、そのお先棒を担いでいるのが、これまた、記者クラブ制度などの既得権に胡坐をかいている大手マスコミなのだ。
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●いや~、ホントにうんざりです

2011年02月16日 04時20分28秒 | Weblog

これまたgendai.netから記事をコピペ。卑劣なこの都知事の挙動をあらわすお話。

 都知事選でも例の後だしジャンケンかな? 自民党などが、この小皇帝に四選出馬を待望してるんだそうです。全く酷い話。まさか、都民の皆さんも当選させたりしないでしょうね?それは、はっきり言って、世界に向けての恥の上塗り・重ね塗りでしょう。過ちを何度繰り返せば・・・。

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http://gendai.net/articles/view/syakai/128753

 

石原得意の後出しジャンケン

【政治・経済】

201125日 掲載


「八百長は当たり前のこと」だって


かつては謝罪したくせに

 何を今さら言っているのか。東京都の石原慎太郎知事が、4日の記者会見で「八百長は昔から当たり前のことだ。今さら大騒ぎするのは片腹痛い」と得意顔で言い出したのだ。得意の後出しジャンケン。優劣が決まってから態度を鮮明にするのは、知事選出馬を決めるときと同じだ。

 ご丁寧に石原は、土俵に近い席で八百長を目撃したという話まで披露した。それなら、なぜ、これまで糾弾しなかったのか。かつては大鵬柏戸戦を八百長だと新聞紙上で指摘したこともあるが、名誉毀損で告訴されると慌てて謝罪。その後はパッタリと言わなくなった。大した根拠もないくせに口先だけで攻撃するから、沈黙するしかなかったのだ。

 それなのに、証拠を突き付けられた力士が「ごめんなさい」した途端、「当たり前のこと」と自慢げに話すのだから、ちゃんちゃらおかしい

 石原は日本の伝統や文化を大切に思っているのではないのか。相撲は日本の国技といわれている。しかも、国技館は東京にある。東京都の行政のトップとしても、何らかの働きかけができたはずだ。それをやらず、知らんぷりをしてきたんだから、エラソーに言えた義理じゃないだろう

 この男のたわ言には、ホント、うんざりだ
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●検察と癒着する大マスコミ

2011年02月15日 04時29分52秒 | Weblog

gendai.net記事

 村木事件と同じ経過をたどっています。あの大冤罪事件・大捏造事件から何も学んでいない大マスコミ。検察の〝創った〟ストーリーを垂れ流すばかり。

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http://gendai.net/articles/view/syakai/128789

大マスコミが報じない石川裁判の衝撃

【政治・経済】

2011年2月8日 掲載


初公判からボロボロ 検察シナリオ

 7日、東京地裁で開かれた石川知裕議員(37)らの初公判。これまで検察リークに乗っかって小沢捜査を報じてきた大新聞TVは、検察側の主張と元秘書らの「全面否認」ばかりをニュースにしたが、裁判で赤裸々になったのは検事たちの恐ろしい“素顔”だ。大マスコミが報じない石川裁判の真実――。

●「特捜部は恐ろしい組織だ」「別件逮捕もできるんだぞ」
 脅し、すかし、泣き落とし。法廷で暴露された検察の取り調べの実態には、改めて驚かされた。密室でヤクザ顔負けのすごみを利かせ、石川議員ら元秘書を限界まで追い込んで、ギュウギュウと締め上げていたのだ。
 その筆頭が、昨年1月の逮捕後に石川議員の取り調べを担当した吉田正喜・元特捜副部長である。弁護側冒頭陳述によると、吉田検事は石川議員に対し「自供しなければ、贈収賄で別件逮捕もできるんだぞ」と恫喝。石川議員の女性秘書が11時間監禁されて聴取されたこともあり、石川議員は「このままでは自分だけでなく女性秘書も逮捕されかねない」と、検察のデッチ上げ調書に署名したという。
 フザケたことに吉田検事は、石川議員に“別件逮捕”をチラつかせながら、「こんな事件はサイドストーリーだから」と贈収賄で聴取した供述メモを破り捨てるパフォーマンスまでやって、だから認めろ、と誘導したらしい。
 また、検察審の1回目の議決後の昨年5月、石川議員が検察のドーカツ取り調べを録音した内容も新たな事実が分かった。
 石川議員は、吉田検事に脅されて署名した前回の供述調書を翻そうとしたが、担当した田代政弘検事は「“(供述が変われば)何で変わるの?”ってなっちゃうからさ。めんどくせーからさ」などと言い、「石川さんを別の事件で逮捕しようと思ったら、できないわけじゃない。気持ち悪いよね?」などと脅していた。
 田代検事は「特捜部は何でもできる。恐ろしい組織で大変なことになる」とも言ったという。ちなみに、吉田、田代両検事はその後、特捜部から外されている。

●寄ってたかってヤクザ顔負けの卑劣な脅し
 大久保隆規(49)、池田光智(33)両元秘書へも、エゲツない取り調べが行われていた。
 大久保秘書を聴取した前田恒彦検事は、「石川さんはオヤジ(小沢元代表)を助けるために認めているんだ。大久保さんも認めたら」と迫り、「認めないと石川さんも困るし、池田さんはもっと困ることになるぞ」と、仲間を“人質”に恫喝していた。大久保元秘書は、「逆らえば何をされるか分からない」と恐怖感を覚えたという。
 言うまでもなく、前田検事は、大阪地検特捜部の証拠改ざん事件で逮捕されたフダ付きの悪党だ。かつて「特捜のエース」「割り屋」といわれた前田検事は、取り調べ中に号泣するなど不可解な言動も重ねたらしい。弁護側によると、大久保元秘書の供述調書は、前田検事がほぼ単独で作成したという。こんな調書を信用しろという方が無理な話なのである。
 池田元秘書の取り調べも似たり寄ったりで、担当検事は、「調書の内容を認めなければ保釈もされないし、量刑が重くなるぞ」「調書に署名すれば悪いようにはしない。署名しなければ、ほかの秘書の取り調べもきつくなるし、別件で再逮捕もできる」と脅していた。池田元秘書は抗議をしてもムダとあきらめ、「検事の作文と言うべき調書に心ならずも署名した」(弁護側)という。
 冤罪だった村木厚子・元厚労局長への取り調べと同じ構図だ。想像を絶する検察の無法、腐敗ぶりには法廷もどよめいたが、デタラメはそれだけではなかった。
 検察が「4億円虚偽記載の背景事情」と強弁し、裁判で立証するとしている「水谷建設からの裏金」も、早くも矛盾と論理破綻のオンパレードなのである。
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●9・11陰謀論: 〝嘘っぱち〟映画

2011年02月14日 00時00分20秒 | Weblog


菊池誠さんのkikulogの記事の一部をコピペ。詳しくは本文を。

 9・119.11陰謀論プロパガンダ。いい加減にしてほしいものです。
 kikulogには、スティーブン・ジョーンズ氏の〝論文〟の問題点を検証するスレッドもできています(http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1297307150)。EDXの結果のいい加減な解釈などについて。

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http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1297272746

ZERO 9/11の虚構』                      2011/2/11

行きがかり上、『911事件を検証する公開討論会』というのに出ることになってしまいました。だんだん、気が重くなってきました。
http://911social.net/
準備のための
wikiというのがあります。たくさん書きましたが、暗い気分になるばかりです
http://911social.net/wiki/index.php
この話はまた後日書きます。
興味のあるかたは、見に来てください。

また、討論会はたぶんustream中継されると思います。本当はニコ生での中継を考えたのですが、全員の同意は得られなかったので

さて、そんなわけで、暗い気分をさらに暗くする大デタラメ映画ZERO 9/11の虚構』を見ました。いや、こんな映画を見る必要なんかないし、そんなことは見る前からわかっていたんですけど。

頭から終わりまで、デタラメばかりの映画です。爆発音が実際の音じゃなくて効果音だったり、肝心なところは妙なアニメでごまかしたり、ドキュメンタリーの体をなしてない。
事実らしい事実なんかかけらもなくて、しかも、とっくに論破されつくした問題ばかりをあたかも未解明であるかのように並べるだけです。

でも、プロパガンダとしてはよくできています。

ネットを見ると、この映画を真に受けてしまった人たちも結構多いみたいです。映画館はそれなりに混んでいたし。メディア・リテラシーってやつの問題なんでしょう。困ったものです。

ダリオ・フォーが楽しそうに陰謀論を語るところを見ていると、なんとも言えない嫌な気分になります。この人は単なる「陰謀大好きおじさん」なのでしょう。ノーベル文学賞ですけどね。この人のしゃべりを見れば、この映画がいかに信用ならないか、すぐにわかりそうなものですけど、陰謀論を信じたい人たちはそうは思わないのでしょうかね。

一番許しがたいのは、配給したきくちゆみさんやパンフレットに解説を書いた童子丸開さんは「内容に誤りがあること」を知っていたのに、字幕でもパンフレットでもなんの注釈もつけていないことです。これはひどいよね。内容を信じているのならまだしも、間違いと知っていて隠すのはないよね。それって、もはや間違いじゃなくて「嘘」でしょう。それは、以下に書く「5mの穴問題」なんですけどね。

なんでも、東京で上映したときには、「5mの穴」は誤りだというチラシを配布したそうですが、大阪ではそんなものはなかったし、たぶん他の地方でも配られてないのでしょう。東京だけはチラシを配るって、どういうことですかね。

この「5mの穴問題」は日本語字幕製作の時点でもはっきりわかっていたし、パンフレット製作の時点でもはっきりわかっていました。童子丸氏はパンフレットの解説にこれを「書かなかった」と認めています。でも、スペースの都合なんかじゃないのですよ。だって、その「解説」の下にはずいぶん広い「無駄スペース」があるのだから。だから、知っていたのに敢えて書かず、ただ、ごく一部の観客にだけチラシを配ったわけ。

これはひどすぎるよね

嘘だとわかっていることをそのままなんの注釈もなしに伝えて、「真相究明」もへったくれもないと思います。見て、真に受けちゃった人こそ怒るべきですよ。

いや、「5mの穴」以外にもたくさんの自明な誤りがあるので、たぶん童子丸氏はほとんど全部知ってるんじゃないかな。あれだけ911に詳しい人が知らないはずはないから。

そんなこんなで、暗い気持ちになるわけです。(1)嘘ばっかりの映画 (2)事実を隠蔽している (3)真に受ける人がたくさん、ですから。せめて、嘘や間違いは訂正するのが筋ってもんです

なにがどう間違っているのか、詳しくはmsqさんの解説

h
ttp://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/zerov.html

skeptics' wiki

http://sp-file.qee.jp/cgi-bin/wiki/wiki.cgi


奥菜さんの『陰謀論の罠』、
ASIOSと奥菜さんの『検証 陰謀論はどこまで真実か パーセントで判定』に収録された長澤さんの解説などを読んでいただければよくわかります。

以下には、『ZERO 9/11の虚構』から、5mの穴以外のペンタゴン関係の自明な間違いをいくつか列挙しておきます。ありていに言うと、ペンタゴン関係の話はほとんど全部間違いです。これはひどすぎる。

・・・・・・。

民間機を問答無用で撃墜するだなんて、いくらなんでもめちゃくちゃです。彼らの言い分を信じるなら、もっと頻繁に民間機が撃墜されているはずですよ。だって、レーガン空港が近いんだもの。

そんなことくらい配給したきくちゆみさんも解説を書いた童子丸さんもわかっていて当然でしょう。ひどいよね。

嘘ばっかりなのに、最後は被害者の父とか仲間をなくした消防士とかの声で終わる。最低です
もちろん、心に大きな傷を負った彼らが陰謀説にのめりこんだとしても、それはしかたないと思います。この人たちを責めるべきではない。

でも、楽しそうに陰謀を語るダリオ・フォーとかスティーヴン・ジョーンズとかは許せないよね。製作者も配給者も解説者も許せないよね。陰謀好きが被害者を利用してるだけだよね。
とにかく、嫌な気分しか残らない、最低の映画でした

でも、この映画を真に受ける人もたくさんいるらしいから、びっくりさせられます

お願いだから、こんな馬鹿な映画を見て、信じないでくださいよ

被害者の父には同情すればいいんです。でも、そのこととそれ以外の映画の内容とは、まったくなんの関係もない。

メディア・リテラシーの練習問題みたいなもんですよ。
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●GPJ「クジラ肉裁判」と検察審査会

2011年02月13日 09時23分25秒 | Weblog

『きっこのブログ』の2月7日の記事「「見ちゃう派」と「見ない派」」(http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2011/02/post-73c9.html)では、他人の携帯を無断で覗き読むかどうかにからめて、グリーンピース・ジャパン(GPJ)のクジラ肉裁判の件が語られています。GPJ職員の行為が違法であったとしても、まだしもクジラ肉横領者も有罪であったならば、職員たちも納得がいくだろうという趣旨。賛成。

 ただし、実際には、「クジラ肉裁判」でGPJ側は地裁で敗訴している(『創』2010年11月号)。面白いことに、森裕子森ゆうこ)議員が指摘するように審査員を恣意的に選出してまで(くじ引きソフト不正など)、小沢氏の件ではあれほど検察審査会が〝熱意〟ある活躍をしているのに、一方で、クジラ肉横領事件を東京地検はあっさりと捜査を打ち切り、おまけに、検察審査会も「おとがめなし」の極あっさりした結論を出している(『創』2011年1月号森達也さん)。検察審査会の運営が非常に恣意的、不平等、正義にもとる。森さんは、尖閣映像流出問題と対照的な事件として、日本の状況のある種の危険性について、私事に矮小化されてしまった「西山太吉記者の密約暴露」に加えて、「クジラ肉裁判」を取り上げてもいる。

 
星川淳さんの『創』文章を再度引用させてもらいます。
 
志布志事件と云う冤罪事件・捏造事件にも若干の関わりがある点が興味深い。小沢氏の件も、村木事件という大冤罪事件・大捏造事件に関係していますし。
 
GPJ職員に「形式上の罪を問うとしても過重な懲罰を与えてはならない」ことは当然としても、クジラ肉横領者を無罪放免にすることには非常に大きな問題があります。

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 星川淳さん、「[グリーンピース裁判]特別寄稿/「クジラ肉裁判」判決間近/税金ドロボーはどっちだ!?」(pp.122-127)。「・・・若い検察官(・・・志布志事件の担当・・・)は「NPOの分際で捜査機関さえ令状がなければできないことをやったのは絶対に許せない!」と啖呵を切った。私は〝正義の番人〟のはずの検察官が民主主義の真逆を口にする司法教育の崩壊ぶりに驚き呆れ、心の中で徹底抗戦を誓った」。「・・・青森地裁、仙台高裁、最高裁の全てが証拠開示の必要なしと判断した。原告側・弁護側が対等に争う条件である証拠の全面開示なしに、どうして公正・公平な裁判が可能だろう? 国策扱いの調査捕鯨を国家ぐるみで必死に守ろうとする姿勢は戦前・戦中を思わせる」。「・・・国際人権(自由権)規約に基づき、おおよそ次のように立論する。民主社会において一般市民やジャーナリストやNGO職員が公共の利益のために政府などの不正を明らかにしようとする際、やむを得ず法律の枠を踏み越えた場合は、その行為によって得られた公共の利益と、失われた法益とを秤にかけ、前者の方が大きければ許容(違法性阻却)されるべきだし、かりに形式上の罪を問うとしても過重な懲罰を与えてはならない。なぜなら、不均衡で過重な懲罰は市民による政府監視を委縮させるからだ、と―――。・・・西山事件や立川・葛飾ビラ入れ事件などについても同様なことがいえる」。
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●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了

2011年02月12日 00時06分22秒 | Weblog

『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了、1月に読了。松嶋尚美・町山智浩著。集英社、2010年11月第1刷発行。

 きらきらアフロ並みの松嶋氏の合いの手が笑える。
 『ビン・ラディンを探せ! ~スパーロックがテロ最前線に突撃!~』(Where in the World is Osama Bin Laden?)、「松嶋 ・・・『スーパーサイズ・ミー』で30日間・・・。/町山 そう! 観ました?/松嶋 観てないよ(きっぱり)。/町山 観てないかー(笑)。・・・。・・・ビン・ラディンは俺が見つけてやる!って言ってるんです。/松嶋 見つかるわけないやん! ・・・。見る前にわかるやん」(p.31)。
 いまニュースの中心、エジプトのムバラク大統領。「町山 ・・・宗教じゃなくて、貧乏のせいです。・・・そういう不条理な状況を許しているのはいったい何かというと、独裁政権・・・。そんな独裁政権を守っているのはアメリカなんですね。/・・・。/松嶋 30年間も同じ大統領?/町山 ・・・。そんなヤツにアメリカは大量に武器を与えたり、支援し続けてる。だからエジプト国民は、「アメリカがヤツをのさばらせてるんだ」って怒ってる。だから、みんなアメリカが大嫌いになっちゃう。/松嶋 よー嫌われてるよね、アメリカ」(p.32)。爆笑!!

 新自由主義経済への鋭い批判(p.7、65、107、111、116、165、173、222)。それを通しての(内部からの)アメリカ批判。「・・・ブッシュは、80年代のレーガン政権から続いた新自由主義経済と宗教保守の連合の暗黒面を一気に加速させました」(p.7)。

 キリスト教原理主義の行きつく先。『ジーザス・キャンプ ~アメリカを動かすキリスト教原理主義~』(jesus camp)。「・・・説教に笑い、陶酔し、涙する子供たち。彼らは、「神の名の下に国を統一した大統領」であるブッシュを祝福し、・・・。・・・そんな子供たちのひとりだ。親の方針で学校には通わず、自宅学習する彼は、『物理学から見た天地創造』を学び、進化論を否定する」(p.11)。
 イワシの頭。「町山 ブッシュ大統領って、イラク戦争という、する必要の無い戦争をでっちあげて・・・。/・・・。/松嶋 すごいって言えば、すごいブッシュ(がキャンプに)出てきたね。/町山 等身大の書割ブッシュ(笑)。/松嶋 ペッラペラのブッシュやで。/町山 ペラペラブッシュを本気で拝んでんの、みんなで」(p.17)。
 相対的には低下。「福音派はブッシュの失政とともに政治から手を引いたかに見えたが、オバマ政権の支持率低下とともに再び勢力を取り戻しつつある。/・・・サラ・ペイリンはペンテコステ派で、進化論と人工中絶を拒否し、福音派から圧倒的な支持を集めている。聖書根本主義的な発言も多く、・・・。/とはいえ、福音派の人口比率は減りつつある。主な原因はアジア系やヒスパニック人口の増加だ。福音派の過激な政治参加は、支配者の座を追われるWASP・・・の最後の叫びなのかもしれない」(p.20)。

 意外。『ザカリーに捧ぐ』(Dear Zachary)。「町山 意外ですが、無理心中って、けっこうカナダやアメリカでは多いんです。なんかイメージ的には、日本の方が多い感じがするじゃないですか。/町山 私が死んでこの子が苦労するくらいやったら・・・とか。/町山 そう、そう。それって日本的な考え方だと思うじゃないですか。でも実はアメリカに多いんです、無理心中事件って」(p.27)。

 マッチ・ポンプが火に油? 負の連鎖の代償、因果応報。テロの本質とは。「町山 ・・・中東は貧富の差が信じられないくらい激しいんですよ。・・・一般の国民はめちゃくちゃ貧しい。・・・そんなひどい政府をアメリカは、石油のために支援している。・・・。だって自爆テロするとお金がもらえるんですよ。/・・・。/町山 アルカイダとかのテロリストグループから。・・・じゃあ、そのお金はどこから出ているのかというと、石油の利益が裏の裏で回ってくるんです。つまり、人々を搾取して儲けた金がテロの資金に回って自爆テロの代金になる。でも、もとをただすと、そんな石油資本を支えてるのはアメリカなんです。/松嶋 ひどいなー。/・・・。/町山 ・・・タリバンもアメリカが育てたんです。アフガンにソ連が攻め込んだときに、ソ連を撃退するためにムジャヒディーン(イスラム教徒のゲリラ)にアメリカが武器などを援助した」(pp.37-38)。

 「松嶋 へー。イコールだと思ってた」(p.45)。カソリックとプロテスタントの違い。『フロム・イーブル ~バチカンを震撼させた悪魔の神父~』(Deliver Us from Evil)。「町山 ・・・その法王までもが性的虐待をする神父たちの存在を実は隠していた」(p.44)。「・・・ローマカソリックの根幹にかかわることにまで疑問が投げかけられている。/・・・。/・・・40歳を過ぎても結婚しない一人娘が、30年以上前にオグレディ神父に犯された事実を知って泣き崩れる。/「私はもう神を信じない!」/そう、彼らはもう、神にすがることすらできないのだ」(p.51)。

 基本的人権としての「水」・「水へのアクセス」。『フロウ ~水が大企業に独占される!~』(Flow: For Love of Water)。「世界銀行は大規模なダム建設に年間200億ドルを投資。ボトル水の大手メーカー、ネスレ社は、全米中に取水工場を拡大している。だが、これらの事業によって潤うのは企業のみで、本当に水を必要とする貧困層は、しわ寄せを受けているのが現状だ。・・・そもそも水は自然の恵みであり、公のものではないか?」(p.63)。
 「水不足につけ込んで商売する」「水男爵」(p.64)。ウォーターバロン。「水道事業はどんどん民営化され」「特に貧しい国でそれをやっている」(p.64)。
 ブルー・ゴールド。世銀の構造改革要求と云うお決まりのパターン。「町山 絶対に営利団体の商売の道具にさせちゃいけないの。/松嶋 じゃあ、なんでボリビアは水道をアメリカの会社に任せたの?/町山 ボリビアは貧乏だから、世界銀行からお金を借りてるの。・・・ところが、世界銀行はボリビアに、水道を民間企業に任せなければ金を貸さないぞと言ったんです。/松嶋 何それ?/町山 世界銀行は、水道に関しては、世界水会議の方針に従ってる。・・・その水会議の役員は、さっき言った水男爵たちに占められてるんです。/松嶋 グルやー。/町山 グルですよ。世界銀行で日本やアメリカから集めた大金は、貧しい国が水道をつくるために貸し出されるけど、その水道をやってるのは先進国の水男爵。お金は彼らのところに入るだけ」(pp.66-67)。
 サッチャー元首相による新自由主義経済の下、ロンドンの水道がテムズウォーター(ドイツRWEに吸収)によって民営化。ところが、漏水防止のために水圧を低下。「下水処理場も、潰して土地を売っちゃった。金儲けのためにね」(p.68)。この辺の話は以前紹介した町山さんのブログに貼りつけてあるBSドキュメンタリーに詳しい。「町山 国民の最低限健康な生活を保障することが国家の義務なんだから、採算を度外視して水だけは守ってくれないと。「水は民営ですよ」というなら、国家の役割を果たしていない。ましてや外国企業に任せちゃ絶対にダメ。アメリカでもジョージア州が1990年代に水道をフランスの水男爵スエズに民営化したら、やっぱりすぐに水圧を下げましたもんね。浄水に汚水が混じったり」(p.68)。アメリカのボトル水の25%は水道水をろ過しただけで、しかも、水道水の100倍の値段で売ってる(p.69)。
 「町山 本当は小さな貯水池をいっぱいつくればいいんです。・・・。/・・・。/町山 でもそれでは儲からないんだ。大きなダムをつくれば、世界銀行とかがお金を出して・・・。だからダム、ダム、ダム!っていう方向に行く。・・・とにかく水は空気と同じで、人間が独占したり、水源を押さえたり、金儲けに使ってはいけないんですよ」(p.70)。
 「ボリビアでは国民が2000年に蜂起し、死者9名を出す大暴動の果てにベクテル社を追い出した。水道はまた国家管理に戻ったが、ベクテル社はボリビア政府に対して多額の賠償金を求めている。・・・。/・・・日本は・・・、水道が公営事業として続いている国だったが、2001年には世界の規制緩和への動きを反映して水道法が改正され、民営化が可能になった」(p.72)。

 唯一神教の偏狭さ。『レリジュラス ~世界宗教おちょくりツアー~』(Religulous)。「町山 ・・・そういう土着の神様達を、ユダヤやキリストやイスラム教は「みんな迷信」と言ったり、「悪魔だ」と言って蹴散らしてきた。だから唯一神教は強くなって、世界的に信者を増やしていた。そのいっぽうで、ほかの宗教への不寛容がひどい。自分の宗教以外は間違ってて、自分たち以外は救われない、と考えるから。/・・・。/松嶋 ああ、ビル・マーがすごい博物館を訪問してたね。/町山 ダーウィンの進化論を否定する創造説博物館ね」(pp.110-111)。
 「アメリカ南部の各州ではずっと学校で進化論を教えることが違法とされていた」(p.116)。

 マルコムX(p.131)。

 お笑いテロリスト。『イエスメン ~大資本と戦うお笑いテロリスト~』(The Yes Men)。以前、町山さんのブログを紹介。「町山 イエスメンっていう名前はね、彼らが敵とする大企業や政治家に対して、NO!と抗議するんじゃなくて、YES!って賛成して、その企業や政府の人になりすまして嫌がらせするの」(p.157)。
 市場原理主義・新自由主義経済信奉者への嫌がらせ! 『イエスメン2 ~今度は戦争だ!~』(The Yes Men: Fix The World)。(ミルトン・)フリードマン教の信者たち。

 サンタクロースは「コカ・コーラカラー」(p.203)。『イエスのショッピング ~買い物やめろ教会の伝道~』(What Would Jesus Buy?)。「神の名のもとに商売しているクリスマス商戦は、キリストが一番怒りそうなことなんですよ」(p.203)。

 イラク戦争推進プロパガンダ。『アウトフォックス ~イラク戦争を導いたプロパガンダTV~』(Outfoxed)。「・・・FOXニュースの顔みたいなニュース番組の司会者で、イラク戦争がはじまったとき、カメラを睨んで「反対する人は非国民ですって脅してた」(p.220)。

 どこ彼処にも。『クローゼット ~ゲイ叩き政治家のゲイを暴け!~』(Outrage)。「町山 ・・・アメリカの場合、同性愛に政治が介入しようとするから。例えばブッシュ。/松嶋 またかー!」(p.264)。
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●TPPは小泉・竹中路線への逆戻り

2011年02月11日 04時35分52秒 | Weblog

THE JOURNALに出ていた記事(http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/tpp_5.html)。長文なので、一部のみ。

 学ぶ必要もないと感じます。なぜTPPを受け入れる必要などあるのでしょう。民主党は、当初、小泉純一郎氏や竹中平蔵氏の新自由主義路線に反対だったのではないのですか? それを今更、舵をそちらにきり、TPPに参加しようとしていることに腹立たしい思いです。だから、自民党でも民主党でもない別の道を選ぶべきだったのに・・・。

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http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/tpp_5.html

中野剛志:TPPはトロイの木馬──関税自主権を失った日本は内側から滅びる

TPP反対論を展開する中野剛志氏にインタビューを行いました。10月以降政府・大マスコミが「開国」論を展開する中、中野氏は「日本はすでに開国している」「TPPで輸出は増えない」「TPPは日米貿易だ」と持論を展開してきました。
TPPの問題点はもちろん、今までのメディアの動き、そしてインタビューの後半には、TPP議論の中で発見した新たな人々の動きについても触れていただきました。

            *   *   *   *   *

中野剛志氏(京都大学大学院助教)

TPPはトロイの木馬」

TPP問題はひとつのテストだと思います。冷戦崩壊から20年が経ち、世界情勢が変わりました。中国・ロシアが台頭し、領土問題などキナ臭くなっています。米国はリーマンショック以降、消費・輸入で世界経済をひっぱることができなくなり、輸出拡大戦略に転じています。世界不況でEUもガタがきていて、どの国も世界の需要をとりにいこうとしています。1929年以降の世界恐慌と同様に危機の時代になるとどの国も利己的になり、とりわけ先進国は世論の支持が必要なので雇用を守るために必死になります。
このような厳しい時代には、日本のような国にもいろいろな仕掛けが講じられるでしょう。その世界の動きの中で日本人が相手の戦略をどう読み、どう動けるかが重要になります。尖閣、北方領土、そしてTPPがきました。このTPP問題をどう議論するか、日本の戦略性が問われていたのですが、ロクに議論もせずあっという間に賛成で大勢が決してしまいました。

TPPの問題点は

昨年101日の総理所信表明演説の前までTPPなんて誰も聞いたことがありませんでした。それにも関わらず政府が11月のAPECの成果にしようと約1ヶ月間の拙速に進めたことは、戦略性の観点だけでなく、民主主義の観点からも異常でした。その異常性にすら気づかず、朝日新聞から産経新聞、右から左まで一色に染まっていたことは非常に危険な状態です。
TPPの議論はメチャクチャです。経団連会長は「TPPに参加しないと世界の孤児になる」と言っていますが、そもそも日本は本当に鎖国しているのでしょうか。
日本はWTO加盟国でAPECもあり、11の国や地域とFTAを結び、平均関税率は米国や欧州、もちろん韓国よりも低い部類に入ります。これでどうして世界の孤児になるのでしょうか。ではTPPに入る気がない韓国は世界の孤児なのでしょうか。
「保護されている」と言われる農産品はというと、農産品の関税率は鹿野道彦農水相の国会答弁によればEUよりも低いと言われています。計算方法は様々なので一概には言えませんが、突出して高いわけではありません。それどころか日本の食糧自給率の低さ、とりわけ穀物自給率がみじめなほど低いのは日本の農業市場がいかに開放されているかを示すものです。何をもって保護と言っているかわかりません。そんなことを言っていると、本当に「世界の孤児」扱いされます。
TPPに入ってアジアの成長を取り込む」と言いますが、そこにアジアはほとんどありません。環太平洋というのはただの名前に過ぎません。仮に日本をTPP交渉参加国に入れてGDPのシェアを見てみると、米国が7割、日本が2割強、豪州が5%で残りの7カ国が5%です。これは実質、日米の自由貿易協定(FTA)です。
TPPは徹底的にパッパラパーの略かと思えるぐらい議論がメチャクチャです。

<迫り来る食糧危機と水不足>

TPPで困る人は?

国民全体です。農業界だけじゃありません。あるいは日本でデフレが進行すれば日本が輸入しなくなり、世界全体も困ります。
心配なのは食料価格の上昇です。世界各国がお金をジャブジャブに供給していて、お金の使い道がないから金や原油の価格が上がっています。食料価格は豪州は洪水と干ばつなどの影響ですでに上昇しており、投機目的でお金が流れてくるとさらに上がることが予想されます。

の問題は家庭の食卓にも迫ってくるわけですね
1970年代の石油危機がありましたよね。石油の問題はみなさん心配されますが、石油よりも危険なのは食料です。中東の石油は生産量のほとんどを輸出用に回していて、外国に買ってもらわないと経済が成り立たないため、売る側の立場は意外と弱いものです。ところが穀物の場合は、輸出は国内供給のための調整弁でしかなく、不作になれば売らないと言われかねません。
穀物はまず国内を食わせて余剰分を輸出します。当然不作になれば輸出用を減らして国内へまわすものです。もともと農業は天候に左右されるため量と価格が変動しやすく、特に輸出用は調整弁なので変動が大きいのです。変動リスクが大きいから、穀物の国際先物市場が発達したのです。
日本のトウモロコシはほぼ100%米国に依存しているので、僕らは米国の調整弁になっているということです。不作になったら安く売ってもらえなくなります。そのトウモロコシの大生産地である中西部のコーンベルトで起こっていることが、レスター・ブラウンが警告する地下水位の下落です。水不足の問題です。
米国は水不足がわかっているから、ダムのかさ上げ工事を始めています。例えばサンディエゴ市に水を供給するダムは、将来の水不足に備えて市民の1年分の水が追加的に貯められるようになる計画が進められています。米国のフーバーダムひとつで、日本の約2,700のダムの合計貯水量を上回ります。ところが日本は「ダムはムダ」とか言っています。世界が水不足になる中で、日本の水源地はどんどん買われていると聞きます。本当におめでたい国です。
このようにして国は外からでなく内側から滅びるんです。カルタゴを始め、歴史上別に滅びなくてもいいような国がバカをやって滅んでいきました。日本もそういうサイクルに入ったということかもしれませんね。欧州では「トロイの木馬」の教訓があります。それは「外国からの贈り物には気をつけよう」という言い伝えです。外国から贈り物を受け取るときはまず警戒するものですが、日本はTPPという関税障壁を崩すための「トロイの木馬」を嬉々として受け入れようとしているのです。
私は1996年に社会人になり、以来、一度も名目の成長を経験していません。私より下の世代はもっとひどい。この世代は「いい加減にしろ」という気持ちになっているのでしょうけど、へたっている上、少子高齢化で上の世代が多すぎて声が出ないんです。でも「最近の若者は元気がない」などと偉そうに言わせてる場合じゃないんです。

・・・・・・。

今回は地べたを耕している農家、ドブイタ選挙をやっている政治家、女性、この人たちの「危ない!」と思った直感を大切にしなければいけません。全体が賛成派の中で黙っていた人、発言の機会さえ与えられていない人、真剣に生きている人たちに声を上げてもらいたいと思います。(了)

インタビューの内容は中野氏個人の見解です。

2011年1月14日《THE JOURNAL》編集部取材撮影 
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●SLAPPと祝島

2011年02月10日 00時01分21秒 | Weblog


祝島での暴挙に関して、WP「情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)」の記事をコピペさせてもらいます。

 
記事でも指摘されているが明らかなSLAPPSLAPP)。祝島でもSLAPPが行われていることは、『週刊金曜日』で烏賀陽弘道さんが指摘。烏賀陽さんによると、沖縄でも同様な陰湿なイジメが行われているらしい。

 
エネルギー自給率100%構想についてはasahi.comにも同様な記事(http://www.asahi.com/eco/SEB201101190009.html)。是非、内橋克人さんらの提唱するFECFEC)を目指してほしい。
 
原発批判派に対する電力利用批判については、最近も再引用したが、再度、松下センセ松下竜一さん)の言葉を。

  
「「俺たちは電力を要求する。されど俺んちのそばにゃ発電所は
   
真っぴらごめんだ。―――さあ、あとどうするかはお国の方で考えろちゃ
   国っちゅうもんな、そんなこつ考えるためにあるんと違うんけ
?」
  開き直ってうそぶけばいいのである。それが現状況で、みずからの命と
  健康を守りわが里を守る住民側のしたたかな論理である。しかり、
   開き直ること以外に、虫ケラ住民われらに抵抗の論理があられようか」。

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http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/a27fb2ad6d261e85abb78689786e46f3

祝島の上関原発反対運動者に課された違反金は五人組の連帯責任思想!

 祝島の島民が反対している上関原発について、中電側が求めた反対運動禁止の仮処分が認められ、これに違反すると、一日500万円の違反金を支払うよう命じる判断が昨年11月、最高裁判所によって確定した。ちょっと、古いが、この判断のなかで、裁判所が、500万円の支払いについて、連帯責任としているので、記録に残しておきたい。

 中国新聞によると、【山口県上関町への原発建設計画に伴う海面埋め立て工事をめぐり、中国電力が、反対派の祝島住民たち39人と住民団体の妨害行為に制裁金を科すよう求めた間接強制で、最高裁は22日までに、妨害を受けた場合の中電の制裁金請求を認め、住民側の特別抗告を棄却した。妨害行為1日につき制裁金500万円を科す山口地裁岩国支部の決定が確定した】という。

    http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201011230089.html


 この判断について、あまり、触れられていない問題が、連帯責任となっているということ。39人のうち一人でも違反すれば、残りの38人も含む全員に500万円を中電に支払うよう命じているのだ。

 山口地裁岩国支部の主文は次のように書かれている。

1 債務者らは、自己又は第三者をして、別紙物件目録の区域のうち、別紙図面の青線で囲まれた範囲の公有水面に漁船、シーカヤック等の船舶を侵入・係留させ、あるいは同水面において工事関係船舶及び施設等へ接近、接触及び侵入する等、債権者の同水面に対する使用を妨害する一切の行為を、債務者による同水面における埋立てに関する工事が竣工するまでの間、してはならない。

2 本件決定送達の日以降前項記載の義務に違反し、債務者らが前項の行為をしたときは、債務者らは、債権者に対し、各自、違反行為をした1日につき金500万円の割合による金員を支払え

 ちょっと、聞きなれない言葉だけど、各自~支払え、というのは、連帯して~支払え、という意味。つまり、39人は、だれかが違反したら、自分が支払わない限り他の人にも500万円の借金を負わせることになる。もし、自分だけだったら、破産してもいいから反対行動を続けたいという人も、ほかの人にも迷惑をかけるとなると、躊躇せざるを得ない。

 これは39人が非常に固い関係だったらまだ、納得のいくところもあるが、単に原発反対運動を一緒にしているだけの39人にこのような連帯責任を課すことは、市民の抵抗運動を圧殺するに等しい。

 表現の自由の侵害につながりかねない危険性を秘めているように思う。

 SLAPP(“Strategic Lawsuit Against Public Participation”)というのは、言論封殺・住民運動封殺を図る訴訟のことをいうが(通常は高額訴訟)、今回、少なくとも、「連帯保証」の部分はまさにSLAPPといえるのではないだろうか。

 ところで、上関原発に反対する祝島の島民は、【太陽光など自然エネルギーで同町祝島の電力の自給100%を目指すプロジェクトを始める】のだという。

  
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201101150035.html

【当面は島内に現在約300戸の民家のうち、100戸への太陽光発電機の設置を進める。太陽熱温水器、し尿を使ったバイオマス発電なども導入。
10年程度かけ、島内で必要な約千キロワットの発電ができるようにする】といい、【資金確保のため、企業や芸術家に売り上げなどの1%寄付を募る】らしい。

 企業ブランドを売る絶好の機会?!

 冗談はおいておいて、再生可能エネルギー100%の島、ナウシカみたいでいいね~。
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●魚住さんの最高検報告書批判

2011年02月09日 04時22分03秒 | Weblog

魚住昭さんのWPに出ていた記事http://uonome.jp/feature/1045)。

 最高検自らの検証結果はやはり意味の無いものだったようです。
 
日弁連会長や森ゆう子森裕子)議員らによる検察官適格審査会」の方はどうなっているのだろう? がんばってほしい!

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http://uonome.jp/feature/1045

最高検の検証結果を検証する                 2011 1 18 魚住

 
最高検が村木厚子・厚労省元局長の無罪事件についての内部検証報告書を昨年末に公表した。最高検の総力を挙げた検証結果だというから、特捜検察の病理に迫る内容を期待したのだが、読んでアホらしくなった。

 
最高検の言い分はこうだ。大阪地検の大坪弘道・前特捜部長が前田恒彦・元主任検事に「これ(元局長逮捕)が君に与えられたミッションだからな」と強いプレッシャーをかけた。このため元主任検事は上司の意向に沿う成果を挙げなければならないと感じ、元局長逮捕を「最低限の使命」と考えてしまった。

 
また大坪前部長は日ごろから部下が消極的な意見を言うのを好まず、自分の意向に沿わない検事に「特捜部から出て行ってもらう」などと理不尽な叱責を加えることがあったため、大阪特捜では前部長の方針に異を唱えるのが困難になっていた…。

 
要するに最高検はただ「大坪が悪い」と言いたいのである。
 
大坪元凶説は最高検が犯人隠避容疑で彼の取り調べを始めた昨年9月末に作った筋書きと何ら変わりない。大坪氏の言い分を無視して、ひたすら最高検を初めとする検察上層部の責任を免れようとしているだけだ。

 
自分たちに都合のいいストーリーに沿った供述を集めて特定の人物を悪者に仕立て上げる。これは言わずと知れた特捜のお家芸だが、最高検も同じ手口で報告書をまとめたにすぎない。

 
もしも彼らが真剣に内部検証していたら、大坪前部長の言動よりはるかに深刻な組織の病理に突き当っていたはずだ。

 
村木事件で検察が組み立てた構図は、政治家の働きかけを受けた村木企画課長(当時)が部下の係長にニセの公的証明書を作らせたというものだった。
 
しかし村木課長は証明書の最終決裁権者だったから、形式さえ整えればいくらでも本物の証明書を発行することができた。

 
カネをくれると言っている人の家にわざわざ盗みに入る人間はいない。それと同様に本物を出せる条件がそろっているのに、わざわざ法を犯してニセの証明書を出す役人もいない。

 
つまり事件の構図自体に矛盾があったのだ。村木氏逮捕の前に大阪特捜から上がってきた報告を精査していれば、大阪地検・高検や最高検の幹部らは当然それに気づいていただろう。

 
村木事件で明白になったのは、一線検事から上層部に至るまで検察全体の思考能力が極端に劣化したことだ。

 
ではなぜそんなことになったのか。理由はもう言うまでもない。デタラメな検事調書を作文し、脅しや利益誘導で署名押印させれば一丁上がりという特捜方式の捜査が常態化し、まともな思考力や想像力を持つ検事がいなくなったからである。

 
私は先日、増井清彦・元大阪高検検事長(77歳)に会う機会に恵まれた。増井さんは23年前、東京地検次席検事だったころから「検察は目立たないところでコツコツと仕事をすべきで、特捜検事をヒーロー視するような風潮は危ない」と言っていた。当時の私は彼の真意を理解できなかったが、その後の事態は彼の予言通りになった。

 
その増井さんに証拠改竄事件の感想を聞いたら「偶々起きたのではなく、問題の根はもっと深い」と言い、検事の能力低下について次のように語った。

   
「若い検事に相手の立場になってみる想像力がない。彼らは携帯なら話せるが、
    面と向かって人と話せないから本当の調べができない。決裁官(上司)も
    チェックせず、大物ぶって捜査を任せっぱなしにする。彼らも部下の叱り方が
    分からないんですよ。実際、調べは密室で行われるから決裁官の目が届かない
    という事情もありますけどね」

 
ならば取り調べの全過程を可視化すればい。一部可視化では脅しや誘導による調書のでっち上げは防げない。国会で全面可視化法案を通すことが、幼稚化した検察の建て直しに不可欠と私は思うが、読者の皆さんはどうお考えだろうか。(了)

                   
(編集者注・これは週刊現代「ジャーナリストの目」の再録です)
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