東京新聞の社説【戦後70年談話 反省抜きで未来語れぬ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015012702000152.html)と、
コラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015012702000148.html)。
「いくら未来志向の言葉を重ねても、戦争への反省抜きでは、戦後日本の「平和国家」としての歩みを傷つけかねない」、「▼安倍首相は戦後七十年の談話では、村山談話や小泉談話で使った過去の植民地支配や侵略への「痛切な反省」「心からのおわび」の表現を継承しない可能性を示したが、この書き直しは勧められぬ▼村山、小泉談話に続く第三幕で、急にトーンを変えられても、日本国民や国際社会という観客はとまどうばかりである。反発も避けられまい」。
中東にて「死の商人」外交で、火に油を注ぎ、大変な大火傷をおったのですが、アベ様にはあまりその自覚が無いようです。そして、アジアの周辺諸国に、ここでも、「ケンカを売り」「火に油を注ぎ」そうな雰囲気を感じます。
『●「存立事態」: 他国(番犬様)の戦争にまで油を注ぎに行きたいそうだ』
『●「死の商人」外交: アベ様がケンカを売った代償、
火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎる』
アベ様達は、そんなに「戦争」したいものでしょうかね。そんなに「人殺し」させたいものでしょうか。不思議な人たちです。傍迷惑な人たちです。
『●日米ガイドライン:
アベ様達は、そんなに「人殺し」をさせたいものでしょうかね?』
『●「現実の戦争を知るベテランジャーナリスト」石川文洋さんの言葉に耳を』
==============================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015012702000152.html】
【社説】
戦後70年談話 反省抜きで未来語れぬ
2015年1月27日
安倍晋三首相は戦後七十年の今年、どんな首相談話を出そうとしているのか。いくら未来志向の言葉を重ねても、戦争への反省抜きでは、戦後日本の「平和国家」としての歩みを傷つけかねない。
太平洋戦争の終結から今年で七十年。日本国民だけで三百十万人もの犠牲を出した先の戦争から十年ごとの節目の年は、日本国民にとっては過去を振り返り、未来への誓いを立てる機会でもある。
戦後五十年の一九九五年、村山富市首相は八月十五日の終戦記念日に首相談話を閣議決定し、自ら発表した。いわゆる「村山談話」である。
この談話の特長は、過去の「植民地支配と侵略」に対して「痛切な反省」と「心からのお詫(わ)びの気持ち」を表明したことだ。
植民地支配と侵略の歴史を正当化しないこの談話は継承され、日本政府の歴史認識として定着している。二〇〇五年の小泉純一郎首相による戦後六十年談話にも、同じ文言が盛り込まれた。
戦後七十年の首相談話を出す方針を明言している安倍首相は、村山、小泉両首相談話を「全体として受け継いでいく考え」を重ねて表明してはいる。
しかし、二十五日のNHK討論番組では「今まで重ねてきた文言を使うかどうかではなくて、安倍政権として七十年を迎えてどう考えているかという観点から談話を出したい」と述べた。
村山談話を全体として受け継ぐといっても「植民地支配と侵略」に対する「反省」と「お詫び」という根幹に関わる文言を盛り込まなければ、談話を継承したことにはなるまい。
首相はかつて「侵略の定義は定まっていない」と国会答弁した。侵略を正当化する意図を疑われ、国際社会の一部から「歴史修正主義的」と厳しい視線が注がれていることを忘れてはならない。
首相が指摘するように、アジアや世界の発展に貢献してきた戦後日本の歩みや、どんな国際秩序を目指すのかという未来に対する意思も、談話に盛り込むべき重要な観点ではある。
しかし、そうした「未来志向」も、植民地支配や侵略という「負の歴史」と向き合う謙虚さがなければ、信頼は得られまい。
過去の反省に立った平和国家としての歩みこそが、国際社会で高い評価と尊敬を勝ち得てきた。これをより確固たるものにすることこそが首相の責任だ。いささかの疑念をも生じさせてはならない。
==============================================================================
==============================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015012702000148.html】
【コラム】
筆洗
2015年1月27日
「裸足(はだし)で散歩」などの米劇作家ニール・サイモンさんは書き直しを厭(いと)わない人である。自伝の題名は「書いては書き直し」という▼ヒット作「おかしな二人」は苦労した。演出家と相談し、帰宅後、書き直し。翌日、演出家に読ませる。その時は絶賛するが、真夜中、書き直せばもっと良くなると電話してくる。これが八カ月続いた。問題は第三幕で直前まで書き直したが、劇評の見出しは「ああ、第三幕さえなかったら!」▼安倍首相は戦後七十年の談話では、村山談話や小泉談話で使った過去の植民地支配や侵略への「痛切な反省」「心からのおわび」の表現を継承しない可能性を示したが、この書き直しは勧められぬ▼村山、小泉談話に続く第三幕で、急にトーンを変えられても、日本国民や国際社会という観客はとまどうばかりである。反発も避けられまい▼首相には、「こまごました議論」なのだろうが、「痛切な反省」も「心からのおわび」も「戦後日本」という大舞台に込められた「主題」に相違ない。このせりふを抜かせば、七十年かかって書き上げた「作品」は崩壊し、別の物語に向かう▼サイモンさんには自信作があった。「書きながら笑い、初日でも笑った。だが、笑ったのは私だけだった」。上演は打ち切られた。その談話を笑うのは首相だけではないか。「ああ、安倍談話さえなかったら!」を心配する。
==============================================================================
nikkan-gendaiのインタビュー記事【注目の人 直撃インタビュー/青木理氏「朝日叩きは社会が変質する中で起きた歴史的事件」】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156642)。
「・・・・・・など誤報についての朝日側の対処に問題があるとしても、週刊誌やネットに「国賊」「売国」という言葉が飛び交い、記事を書いた記者が個人攻撃までされた・・・・・・青木理氏は、この問題を歴史修正主義がうごめく中での「歴史的事件」だと憂えていた」。
以前、青木理さん曰く「「国益損ねた」批判がジャーナリズムを殺す」・・・、でっ、本記事では「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」と。そして、結果として「アベ様の政権の「暴走」許す、批判精神無き、「牙」無きメディア」ばかりに。「アベ様のNHK・犬HK」をはじめ、酷いことになっている。オウンゴールの側面があるが、「吉田調書」という朝日の大スクープを読売や産経などに寄ってたかって潰されて・・・・・・潰される方も潰される方なら、妬みや嫉む方も大問題で、政権を擁護してどうするつもり!?
『●「若者に広がる〝新しい宿命観〟」
『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号)について』
「■⑩『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 青木理さん
【検証朝日叩き コラム「素粒子」の真っ当な反論 「国益損ねた」
批判がジャーナリズムを殺す】、「岡本行夫氏の〝歪曲〟・・・・・・
唖然とした。・・・・・・思いの向きに切ってはいけない。ただ、取材を
重ねた記者が鋭い眼でネタを切り、角を立たせ・・」
■⑪『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 青木理さん
【検証朝日叩き コラム「素粒子」の真っ当な反論 「国益損ねた」
批判がジャーナリズムを殺す】、「・・・・・・読者に届けるのは、
まさにメディアの責務。ミソとクソを一緒にするかのような風潮は、
この国のメディアとジャーナリズムを壊死させていく・・・・・・」
■⑫『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 青木理さん
【検証朝日叩き コラム「素粒子」の真っ当な反論 「国益損ねた」
批判がジャーナリズムを殺す】、「・・・・・・いや、もうほとんど
壊死しかかっているのかもしれない。焦燥ばかり募る」。
『朝日』叩きの陰で
(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0ad03769634c7f275309a1c6eac3a866)」
==============================================================================
【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156642】
注目の人 直撃インタビュー
青木理氏「朝日叩きは社会が変質する中で起きた歴史的事件」
2015年1月26日
(「薄っぺらで反知性的なタカ派が増殖している」/(C)日刊ゲンダイ)
昨夏来の朝日新聞をめぐるバッシング報道は、異常と言っていい。従軍慰安婦など誤報についての朝日側の対処に問題があるとしても、週刊誌やネットに「国賊」「売国」という言葉が飛び交い、記事を書いた記者が個人攻撃までされた。「抵抗の拠点から 朝日新聞『慰安婦報道』の核心」(講談社)を緊急出版した反骨ジャーナリストの青木理氏は、この問題を歴史修正主義がうごめく中での「歴史的事件」だと憂えていた。
――先日、朝日新聞が「信頼回復と再生のための行動計画」をまとめました。朝日としてはこれでひとつの区切りということでしょうが、どうご覧になりましたか。
一刀両断にはしにくいけれど、率直に言ってしまえば、くだらない話だよね。
――くだらない?
今回の「朝日バッシング」の原因を考えれば、確かに朝日側のミステークがあった。吉田証言の記事を長年放っておいたミス。その記事を取り消したのに謝罪しなかったミス。バッシングに対処する過程でも池上コラムの掲載見送りなどの致命的ミスがあった。だから朝日に責任がないとは言わないけれど、そもそもこの騒動は朝日を叩きたい連中が仕掛け、じわじわと強まった圧力に朝日が屈してしまった色彩が濃い。その“総括”として朝日がいくら「行動計画」なるものを作ったって大した意味はない。朝日の人たちにしてみれば、「何とかこれで許してください」ということなんだろうけれど。
――一連の朝日バッシングを「歴史的な事件」とおっしゃっています。
なぜこの時期に朝日がこれだけ叩かれたかといえば、まずは安倍政権の存在でしょう。現首相は朝日を露骨に敵視してきた。きっかけのひとつは、たとえばNHK問題(編集部注=NHKが放送した慰安婦問題に関する番組で、安倍らが事前に政治的圧力をかけたと朝日が報道、朝日VS安倍・NHKのバトルになった)。失敗に終わった第1次政権期、朝日に激しく批判された恨みもあるだろうし、根本的には、戦後民主主義的な価値への憎悪もある。この本の取材で朝日の若宮啓文・元主筆も言ってたけれど、彼は政界のサラブレッドでありながら、妙なコンプレックスみたいなものがある。つまり東大とかリベラル、あるいは進歩的知識人や文化人が大嫌い。その牙城のような朝日にガツンと言わしてやりたいとの思惑があった。
――安倍VS朝日の延長線上で、ここまでバッシングが拡大したということでしょうか。歴史修正主義の広がりという点ではどうでしょう。
現政権の背後にはもちろん、歴史修正主義のうごめきが横たわってます。かつての戦争にはいろんな見方があるんだろうけれど、基本的には悪いことをしたという反省の下、迷惑をかけた隣国に申し訳ないと思い、二度と海外で武力行使しないというのが戦後70年の歩みだった。かつての自民党だってそういう立場が主流だったのに、過去はもう忘れたいという連中が増えた。保守的というより、薄っぺらで反知性的なタカ派みたいな連中が増殖し、その極北が現首相です。しかも冷戦体制が崩壊し、いわゆる55年体制が過去のものとなる中で政治的なリベラル陣営はほぼ壊滅し、労働組合だって息も絶え絶え。そういう状況下、戦後民主主義的な価値をいまも表象している代表格が朝日だとみなされ、誤報というミスに乗じて一斉に攻撃が襲いかかった。逆にいえば僕は、そうした圧力に耐え切れなくなった朝日が慰安婦問題の一部記事取り消しに追い込まれたという方が正確だと思っているけれど、いずれにせよ、日本社会が戦後70年経って歪んだ変質を遂げつつある中で起きた歴史的事件だと考えています。
青木理氏「吉田調書問題は戦後ジャーナリズム史に残る敗北」
――それにしても、「売国」とか「日本をおとしめている」など、言葉の使われ方が異常です。それもメディアがメディアに対してそうした言葉を使っている。
メディアの報道は、権力の監視を大きな役目とする以上、常に“国益”を損ねうる。しかし、政治の不正だろうが社会の問題点だろうが、あるいは自国の恥部だろうが、メディアがそれを果敢に暴くことで問題が顕在化し、改善に向けた議論が活性化し、将来的には“国民益”とか“市民益”につながっていく。これがメディアの仕事です。こんなこと、保守も進歩もリベラルも関係なく、メディア人共通の常識だったはずですが、そのタガが完全にハズレてしまった。
――メディア自身に病巣があるという見方もできますね。
メディアに誤報はつきものであり、それに気づいたら速やかに訂正するのは大原則ですが、もっと悪質な誤報に頬かぶりしているケースなんて山のようにある。例えばイラク戦争。当時のブッシュ政権は「大量破壊兵器の脅威」をあおって侵略戦を繰り広げたけれど、そんなものはなかった。つまりブッシュ政権の言い分を垂れ流した報道はすべて誤報です。いくつかの欧米メディアは後に検証したけれど、日本の新聞は知らんぷり。数々発覚する冤罪事件だって、捜査当局の情報を垂れ流した記事は誤報だらけですが、きちんと検証したり訂正したなんて話、ほとんど聞かない。それは僕だって例外じゃないし、この仕事をしていたらみんな似たようなものなのに、素知らぬ顔で朝日の誤報をことさら叩く。異常です。当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなくなっている。異常が常態化している。
――一連の朝日バッシングで、結局、高笑いしているのは安倍首相ではないでしょうか。目に見えるような形で自らの手を直接下したわけでもなく、朝日が批判にさらされ、自滅した。福島原発事故をめぐる吉田調書の問題でもそうです。
去年のメディア報道の中で、朝日の吉田調書すっぱ抜きは間違いなく最大の特ダネでしょう。なぜ「所長命令に違反 原発撤退」という部分に焦点を当てたのかは僕も疑問に感じるけれど、政府が隠す調書を公にしたこと自体、ピカイチのスクープだった。なのに朝日はその記事を取り消してしまった。修正や訂正なら分かるけれど、取り消しという虚報扱いしてしまったのは、メディアとジャーナリズムの将来に禍根を残します。
――吉田調書は、いったん原発事故が起きたら、指揮命令系統が利かず、メチャクチャになってしまうという現実をまざまざと見せつけました。あのスクープは、今後の原発再稼働をストップさせるほどの重要証言だったはずですが、そうならなかった。
5月20日に朝日がスクープして約3カ月、どこも調書を入手できなかったのに、朝日バッシングが始まった8月に産経が入手し、読売などが続いた。官邸のリークでしょう。しかも産経や読売は、調書の本質ではなく、朝日記事が間違っているという部分に焦点を当てた。政権にとっては一石三鳥でしょう。原発事故の凄惨な本質はさほど語られず、調書を非公開としてきたことも批判されず、憎き朝日叩きの材料に矮小化できたんですから。メディアは権力に踊らされた。戦後ジャーナリズム史に残る大敗北です。
――そんな安倍政権下で、日本社会の変質が「上部」から「下部」まで広がっているということですね。
街角でヘイトスピーチをがなり立てている在特会やネトウヨといわれている連中など、さほど大きな力を持っていると僕は思いません。むしろ深刻に捉えるべきは、一般の人々の間にそうした空気がうっすらと積み重なるように醸成されているらしき現状です。嫌韓本や嫌中本があふれ、週刊誌が嫌韓や嫌中をあおる。テレビだって隣国の事件をことさら大きく扱い、「日本では考えられませんね」みたいなことを平気で語る。こういう状況が続くと、隣国を嫌悪し、自国を優越視する不健全な空気が拡散します。そういう「下部」構造が、安倍政権のような「上部」構造を支える。安倍政権なんて今後どうなるか分からないけれど、人々の間に広がる排他と不寛容の風潮は、一度蔓延すると容易に消せない深刻な病です。戦後70年を迎えて歴史修正主義や排他、不寛容のうごめきが強まっている現状は、心底憂鬱です。
▽あおき・おさむ 1966年、長野県生まれ。慶大文卒。共同通信社で社会部、ソウル特派員。06年からフリー。主な著書に「日本の公安警察」「トラオ」「誘蛾灯」「青木理の抵抗の視線」などがある。
==============================================================================
東京新聞の社説【年のはじめに考える 原発ゼロへの再出発】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015011002000176.html)。
読売新聞の記事【東電の管理能力疑う声相次ぐ…柏崎市議会全協】(http://www.yomiuri.co.jp/national/20150123-OYT1T50074.html)。
「3・11以前にも勝る原発過保護が始まったのか。福島の事故など、なかったように。後ろ向きに時代の坂を駆け降りる、そんな新年にしてはいけません。やっぱりゼロが焦点でしょう・・◆なぜ公開を拒むのか」。
「原発事故調書 原因不明、責任不在」・・・・・・川内原発再稼働なんてやってる場合か! ましてや東電の柏崎刈羽なんてとんでもない!!
『●「原発事故調書 原因不明、責任不在」:
川内原発再稼働なんてやってる場合か!』
「昨年末から各地の発電所で事故が続いていることもあり、市議からは東電の管理能力を疑う声が相次いだ」。
何をいまさら。「タコ、ネズミ、イタチ、モグラ・・・・・・」で十分に確認済みでしょ? 暴走するゾウ、ゴジラを解き放とうという「愚」にいい加減に気付かないかな!?
『●世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」
と言い切ってしまったょ・・・・・・』
==============================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015011002000176.html】
【社説】
年のはじめに考える 原発ゼロへの再出発
2015年1月10日
3・11以前にも勝る原発過保護が始まったのか。福島の事故など、なかったように。後ろ向きに時代の坂を駆け降りる、そんな新年にしてはいけません。
やっぱりゼロが焦点でしょう。
新年六日、東京電力の広瀬直己社長が新潟県庁を訪れ、泉田裕彦知事と一年ぶりに会いました。
柏崎刈羽原発の再稼働に理解を求める広瀬社長に、泉田知事は、政府の事故調査・検証委員会による調書のうち、勝俣恒久会長ら当時の東電役員分を公開するよう要求した。
広瀬社長は「同意するかどうかは個人の問題」と、それをはねつけました。
◆なぜ公開を拒むのか
勝俣氏らは、なぜ、かたくなに公開を拒むのでしょう。口を閉ざせば閉ざすほど、原発の安全性に疑念が募るというのに、です。
泉田知事は「それでは、安全性の議論はスタートラインに着けない」と断じています。
事故のさなかに、東電トップが何を考え、どんな判断を下して、どのような指示を出したか。そんなことも分からないまま、知事として県民に、原発の安全性を説明できるわけがありません。再稼働に同意できるわけがない。
安全性の議論は、まだ始まってもいない-。泉田知事の立ち位置は、新潟県民だけでなく、国民の多くが抱く不安の代弁だと言えるでしょう。
原子力規制委員会は、九州電力川内原発や関西電力高浜原発が、3・11後の新たな規制基準に適合するとは言いました。しかし、安全を保証してくれるという人は、まだ誰もいないのです。
政府は原発から三十キロ圏内の自治体に、避難計画を策定するよう義務付けました。
どこへどうやって逃げるのか。ほとんどの市や町が、苦慮しています。そもそも、本当に安全なら、どうして避難計画が必要なのか。原発事故は二度と起こしてはならないものではないですか。
昨年夏の電力需要期は、原発なしで支障なく乗り切った。この冬も電気が不足する気配はありません。それなのに、政府と電力業界は、再稼働への道のりをひたすら急ぎます。年末の衆院選の前後から、その足取りは加速しました。
四月に閣議決定された国の新たなエネルギー基本計画は、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けた。一方で「原発依存については、可能な限り低減させる」と明記しました。将来的には、できるだけゼロに近づけるという意味ではなかったでしょうか。
◆安全配慮というよりは
ところが自民大勝に終わった衆院選後、「重要なベースロード電源」だけが独り歩きし始めます。原発ゼロをめざすどころか、原発神話の復活と永続を意図したような、政府のあからさまな“原発びいき”が目立ちます。
暮れに開かれた原子力政策の方向性を議論する経済産業省の小委員会では、老朽原発を廃炉に導く一方で、敷地内で建て替え(リプレース)を進めるべきだとの意見が多く出ました。
四十年を超えて原発を運転するには、規制委の特別点検を受ける必要があり、安全対策を含めて一基一千億円以上の費用がかかるとされています。電力各社は、日本原電敦賀原発1号機など、五基の廃炉を検討しています。出力三十五万キロワットから五十五万キロワットという小型のものばかりです。
安全配慮というよりは、もうけの少ない小型を整理して、大型に置き換え、効率よく利益を生み出そうとの考え方が基本にある。その先には新増設さえ、見え隠れし始めました。これでは原発依存を解消できるはずがありません。
このほかにも原発の優遇策は、小委員会の話題になりました。たとえば価格保証です。
来年、家庭用電力の小売りが自由化され、原発を擁し、地域独占を謳歌(おうか)してきた電力会社も競争にさらされる。原発の電気が消費者に支持されず、市場価格が一定の水準を下回った場合には、差額を補填(ほてん)する仕組みを設けるべきだという。原発の運転コストは安いはずではなかったか。なりふり構わぬ原発過保護ではないか。
3・11被災者の悲哀を忘れ、福島の事故など初めからなかったかのような原発依存への急旋回は、一体誰のためでしょう。
◆国民的議論がないと
逆流する時間を止めて、私たちは何をすべきでしょうか。
泉田知事の言うように、まずは事故原因の徹底的な究明です。そして情報公開です。それに基づく科学的判断と国民的議論です。安全か、安全ではないか。最後に決めるのは、私たち国民です。
人は痛みを忘れることで過ちを繰り返す。新しい年を忘却と後戻りの年にしてはなりません。
==============================================================================
==============================================================================
【http://www.yomiuri.co.jp/national/20150123-OYT1T50074.html】
東電の管理能力疑う声相次ぐ…柏崎市議会全協
2015年01月24日 10時00分
東京電力は22日、新潟県柏崎市議会全員協議会で原子力規制委員会による柏崎刈羽原子力発電所6、7号機の安全審査の状況を説明した。
昨年末から各地の発電所で事故が続いていることもあり、市議からは東電の管理能力を疑う声が相次いだ。
規制委に同原発の安全審査を申請した2013年9月以降、東電が地元で説明会を開くのは初めて。
冒頭、姉川尚史常務が昨年12月中旬の中津川第一発電所からの漏水が原因とみられる土砂崩れや、今月19、20日に福島第一、第二原発で協力企業社員の死亡事故が相次いだことなどについて、「申し訳なく痛恨の極み」と陳謝した。その後、川村慎一原子力設備管理部長がこれまで受けた審査の内容や、防潮堤などの新たな設備について説明した。
質疑では、10日に信濃川電力所湯沢発電所で屋根が崩落した事故について、宮崎孝司市議が「原発より管理が容易と思われる水力発電所での事故。説明は信用できない」と強く批判。星野正仁市議は「しっかり(事故を)検証しながら今後こういうことがないようにしてほしい」と述べた。
また、22日夜には市産業文化会館で住民説明会が開かれ、市民約140人が参加した。市内の男性は「福島の事故の原因がはっきりしていない中での説明会。再稼働に着々と進んでいるようだ」と東電の姿勢を批判していた。
==============================================================================
琉球新報の社説【<社説>辺野古強硬警備 誰から誰を守るのか】(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-237572-storytopic-11.html)と、
東京新聞のコラム【【私説・論説室から】 辺野古で何が起きている】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015012602000132.html)。
「今月再開された普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、現場では海上保安庁と県警の強硬な警備でけが人が続出」・・・・・・。
「海のイヌ」と「陸(おか)のイヌ」=「アベ様のイヌ」の犯罪再び。「この風景は戦争」であり、「海のイヌ」と「陸のイヌ」がやっていることは「アベ様の威」を借りた「犯罪」。
『●辺野古「この風景は戦争」:
誇り高き「海猿」の実像は番犬様の飼い主「アベ様のイヌ」』
『●沖縄県民の民意は明白: 辺野古破壊者、沖縄で4度目の完敗』
『●沖縄県民の民意にお構いなし、
辺野古破壊者は沖縄で4度目の完敗だというのに』
「「戦争のできる国」へと向かう改憲はいらないと、赤いファッションの女たちが国会前で人間の鎖を作った十七日。沖縄から「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」・・・・・・が駆けつけた。二人が訴えたのは、今まさに名護市辺野古で起きている“戦争”だった・・・・・・辺野古に基地が新設されれば、恒久的に被害の島として、加害の島としてあり続けることになる」・・・・・・。
「加害の島」なんて・・・・・・そんな自虐な呼び方をさせるアベ様達って一体何なんだろう。「沖縄で4度目の完敗」、明確な「沖縄県民の民意」に全くお構いなしの辺野古破壊者達。
==============================================================================
【http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-237572-storytopic-11.html】
<社説>辺野古強硬警備 誰から誰を守るのか
2015年1月20日
今月再開された普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、現場では海上保安庁と県警の強硬な警備でけが人が続出している。15日にはゲート前で県警警察官と抗議行動の住民らが衝突し、80代の女性が転倒して頭部を強打して病院に搬送された。16日には海保のゴムボートに乗せられた男性が海上保安官に胸部を強く押されて肋骨骨折のけがを負っている。骨折するほど体を押しつけることが果たして適切なのか甚だ疑問だ。けが人を続出させている警備は常軌を逸している。
また19日には抗議船に乗り込んできた海上保安官が女性ともみ合いになり、ライフジャケットが破れた。ここまでくると警備とはほど遠い。単なる暴力行為であり、抗議行動に対する弾圧と受け止めざるを得ない。
政府は工事再開を前に、警察当局に対してゲート前で座り込んでいる市民の排除を徹底するよう指示している。こうした政府の意向を受けて、現場ではけが人が出るほどの歯止めがかからない強硬な警備が横行している。
海上保安庁は「海の事故ゼロキャンペーン」で「ライフジャケットの常時着用など自己救命策の確保」を重点事項に掲げている。乗員のライフジャケットが破れたことは、海を守る海上保安官の任務とは大きく懸け離れている。
県警はことしの運営指針に「県民の期待と信頼に応える力強い警察」を掲げている。県民は昨年の名護市長選と知事選で辺野古移設反対の候補を選んだ。衆院選では4選挙区とも移設反対の候補者が当選している。沖縄の民意は「辺野古ノー」だ。県警は、いったい誰から誰を守っているというのか。政府の指示で住民の排除を徹底している行為が果たして県民の期待と信頼に応えているといえるのか。
翁長雄志知事は「辺野古に新基地は造らせない」との立場を明確にしている。これに対して政府は6月にも本体工事に着手しようとしている。沖縄の民意を踏みにじってでも沖縄への基地建設を強行する考えだ。そのためには現地で異議を唱える人々を力ずくで排除するのもいとわない。
米統治下の沖縄で米軍によって土地が強制接収され、基地建設が強行された「銃剣とブルドーザー」に等しい暴挙だ。排除も移設作業も直ちにやめるべきだ。
==============================================================================
==============================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015012602000132.html】
【私説・論説室から】
辺野古で何が起きている
2015年1月26日
「戦争のできる国」へと向かう改憲はいらないと、赤いファッションの女たちが国会前で人間の鎖を作った十七日。沖縄から「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」の高里鈴代さんと、沖縄戦研究者の宮城晴美さんが駆けつけた。二人が訴えたのは、今まさに名護市辺野古で起きている“戦争”だった。
米軍普天間飛行場移設に伴う基地建設準備が進む現地では、反対派市民に海上保安庁などが暴力をふるい、けが人が続出している。県民は米軍キャンプ・シュワブ前に徹夜で座り込む。各地と辺野古をつなぐ「島ぐるみ会議バス」も走る。戦後沖縄で、米軍基地化に抵抗した「島ぐるみ闘争」再来のようだ。
辺野古に基地を造らせないという県民の意志は固い。昨年の名護市長選から、同市議選、知事選、衆院沖縄選挙区と、すべての選挙で「ノー」が示された。それでも安倍首相は辺野古移設を変えない。米国の戦争に日本も加担できるようにする集団的自衛権の行使容認が直結しているようにみえる。
沖縄戦から戦後もずっと、基地に苦しめられてきた沖縄は、一度だって「平和憲法」に守られてこなかった。辺野古に基地が新設されれば、恒久的に被害の島として、加害の島としてあり続けることになる。
国会開会前日の二十五日、辺野古移設反対の人間の鎖が作られた。主権者は誰かと問うた青は、沖縄の海の色だった。 (佐藤直子)
==============================================================================
神奈川新聞のシリーズ記事【時代の正体〈45〉歴史と向き合う 募る戦争の危機感 報道写真家石川文洋さん】(http://www.kanaloco.jp/article/81267/cms_id/114853)。
「政治家が「戦争のできる国」を志向し、その言葉の軽さが目立つ昨今、現実の戦争を知るベテランジャーナリストの言葉の重みは、ますます際立つ・・・・・・出発点はベトナム戦争だった・・・・・・「どんな大義を振りかざそうとも、戦争は殺し合いに他ならない。戦場では、殺すか殺されるか。だからこそ、そんな状況をつくってはいけない」・・・・・・では、どうすれば戦争を防ぐことができるか。「戦争の実態を知り、悲劇を想像する力を持つこと」と説く」
沖縄と石川文洋さん。「壊憲」し「戦争できる国」へ、物騒な世の中。アベ様はトップセールスと称して「死の商人」となり、世界中におカネをばら撒き、ケンカを売り、火に油を注ぎ、・・・・・・。国内では、アベ様は辺野古破壊者として「ロコツな“沖縄イジメ”」。
『●沖縄と報道カメラマン・石川文洋さん』
『●「日本を売る秘密交渉 TPP」
『週刊金曜日』(10月18日、964号)についてのつぶやき』
「■⑪『週刊金曜日』(2013年10月18日、964号) / 石川文洋
(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6825289b60b19442e4ab8d25aab34a58)
さん【オスプレイ強行配備から一年 米軍機が飛ばない沖縄の日へ】、
「米軍機のない光景」「軍隊は住民を守らない」「若い世代への期待」」
『●「袴田事件の次は狭山事件だ」 『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号)』
「■⑤『週刊金曜日』(2014年5月23日、992号) / 石川文洋さん
【ベトナム50年を旅する】、「戦争はその〝いい人〟たちが、人を殺すし、
拷問もする・・・それが戦争です。・・・私の仕事は、今、
そこで起きてる事実を記録し、伝えること」。石川さんとベトナムと沖縄と
(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6825289b60b19442e4ab8d25aab34a58)」
『●「歴史修正主義 日本の政治家に蔓延する病」
『週刊金曜日』(2014年10月31日、1014号)・・』
「■⑭『週刊金曜日』(2014年10月31日、1014号) / 武田砂鉄氏
【新作ドキュメンタリーが公開された綿井健陽監督インタビュー
イラク戦争が突き付ける日本の立ち位置】、「新作
『イラク チグリスに浮かぶ平和』・・僕自身、石川文洋さんや
沢田教一さん等の写真でさまざまな戦争を記憶してきた」」
==============================================================================
【http://www.kanaloco.jp/article/81267/cms_id/114853】
時代の正体〈45〉歴史と向き合う 募る戦争の危機感 報道写真家石川文洋さん
2014.12.05 12:13:00
報道写真家の石川文洋さん(76)=長野県諏訪市=は世界各地の戦場に赴き、ごく普通の民間人が犠牲になる戦争の実態を撮り続けてきた。生まれ故郷の沖縄も取材し、米軍基地に翻弄(ほんろう)される姿を伝える。イデオロギーやナショナリズムではない。半世紀に及ぶキャリアを貫くのは住民目線だ。「戦争とは『殺し合い』。かつてないほどの危険性をひしと感じる」。政治家が「戦争のできる国」を志向し、その言葉の軽さが目立つ昨今、現実の戦争を知るベテランジャーナリストの言葉の重みは、ますます際立つ。
11月16日午後8時すぎ。石川県羽咋市での講演会で、沖縄戦を話題にした直後だった。沖縄県知事選で米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する翁長雄志氏が当選したと、会場に伝えられた。拍手が湧き起こる中、「良かった」と喜びはしたが、ある思いも交錯した。
「辺野古での新基地建設は『国益』。政府は変わらず、突き進めるだろう。これからが正念場だ」
出発点はベトナム戦争だった。1965年から4年間、首都サイゴン(現ホーチミン)を拠点に米軍などに従軍し、最前線を撮影した。
レンズを向ける米兵は「ごく普通の若者たちだった」。多くは片田舎で生まれ育ち、米国が軍事介入の大義として掲げた「共産主義化の阻止」とは無縁。ベトナムがどこにあるかさえ知らない。戦地ではただ、無事に帰国することだけを願っていた。
戦争はしかし、人を変える。「若者たちが、戦場では殺人者に変貌した」
包囲した農村をジェット機で爆撃し、ナパーム弾で焼き払う。武装したヘリコプターが機銃掃射とロケット弾を撃ち込む。お年寄りや子どもがいても、ためらいはない。防空壕(ごう)に手りゅう弾を投げ込み、農民たちの遺体を引きずり出した。「考えることをやめ、上官の命令に従う。命令が絶対な軍隊の本質が表れていた」
集団的自衛権の行使容認が閣議決定され、自衛隊が海外での戦闘に参加する可能性が出てきた。自衛隊員が相手を殺害したり、逆に犠牲になったりする事態が現実味を帯びる。
ベトナムでは、恐怖から逃れるようにシャッターを切った。兵士としてあの場にいれば、自身も引き金を引いただろう。
「どんな大義を振りかざそうとも、戦争は殺し合いに他ならない。戦場では、殺すか殺されるか。だからこそ、そんな状況をつくってはいけない」
■乏しい想像力
60年6月。ニュース映画のカメラマン助手として、新日米安保条約の批准書交換に立ち会った。30万人超ともいわれる人々が国会を取り囲んで安保改定反対の声を上げ、ついには死者も出た。それでも政府は強硬姿勢を崩さない。「政府は国民の声、民意を聞き入れない」との思いが募った。
数年後、ベトナムでの米軍の振る舞いに確信した。「政府の目的は国益を守ること。優先されるのは国家であり、民間人の命ではない。戦争ではむしろ、民間人が犠牲になる」
生きたくても、生きられなかった-。そんな数多(あまた)の死と向き合い、「民間人が平和に暮らせることこそが国益。『命(ぬち)どぅ宝』。何よりも命が大切です」。
では、どうすれば戦争を防ぐことができるか。「戦争の実態を知り、悲劇を想像する力を持つこと」と説く。
例えば米軍のイラク空爆に賛成することは、そこで暮らす子どもたちの殺害を容認することと同じだ。ただ、今の日本では空爆支持が大勢だろう。「戦争の悲惨さを過去に学ぶことなく、何の罪もない子どもたちが殺される姿を想像できない人が、あまりに多い」
ベトナム戦争ではジャーナリストが最前線を取材し、実態を伝えたことが反戦運動のうねりを生み、戦争終結につながった。「政府が何を考え、何をしているのか。情報をオープンにして、その行動に枷(かせ)をはめることが重要」と訴える。
この国はしかし、逆行する道を歩みつつある。10日に施行される特定秘密保護法は、政府が不都合な情報を隠す危険性をはらむ。戦争の実態を何も知らず、想像力も乏しい政治家が「戦争のできる国」にかじを切り、多くの支持を得ているようにみえる。
「戦争を軽く考えている。これほどまでに戦争の危険性を感じたことはない」。危機感は募るばかりだ。
■変わらぬ沖縄
72年5月15日。沖縄の本土復帰の日、本島南部の小学校で1枚のモノクロ写真を撮影した。黒板には、子どもたちが復帰後の沖縄の姿を描写した言葉が並ぶ。
「アメリカ軍はでていかない」
「きちはそのまま残る」
40年後の2012年、担任だった女性に再会した際、彼女はこう漏らした。「今の沖縄。あの時と、何も変わっていませんね」
那覇市生まれ。4歳で本土に移り住み、沖縄戦を経験していない。引け目にも似た思いを持ち、「常に沖縄を意識しながら取材してきた」。
沖縄で写真展を開いた時のことだ。沖縄戦を体験したお年寄りが、異国の戦場の様子にじっと見入っていた。平和教育が盛んな土地柄。保育士に連れられ、保育園児も足を運んでくれた。「戦争の記憶が日常の中にあり、子どもたちに引き継がれている。常に戦争を意識せざるを得なかった歴史の裏返しです」
兵士や兵器を積んだ米軍機が今も戦地に向けて飛び立つ。ベトナム戦争当時と変わらぬ沖縄の風景だ。差別的な基地負担を強いられ、常に事件や事故と隣り合わせの被害者であると同時に、「後方支援基地として、命を奪う加害者側でもある。そんな罪悪感にも似た感情を持つ人は少なくない」。被害者の痛みが理解できる。それもまた、沖縄が歩んできた歴史ゆえだ。
その沖縄で今、新たな米軍基地が建設されようとしている。地元の辺野古では、住民が容認派と反対派に分かれていがみ合い、同じ沖縄県民の警察官が反対派の活動を阻む。「国益の名の下に分断を強いられる沖縄の姿が、米国の国益に翻弄され、南北に分かれて争ったベトナムと重なる」
政府は新基地建設を「沖縄の負担軽減のため」と言う。だが実態は、普天間の危険性を人質にした「機能強化、固定化に他ならない」。知事選で建設反対の民意があらためて明確に示されたが、「政府は国民の関心を衆院選にそらし、争点を経済問題にすり替えようとしている。知事選の結果をなかったことにするのではないか」。安保条約改定時、民意を無視した政府の姿を思い起こす。
「軍隊は抑止力にならない。むしろ、軍隊がいるからこそ標的になる」。沖縄戦を念頭に、自身の戦場体験も踏まえた持論だ。「抑止力」を主張して新基地建設を押し進める政府に反論する一方、日本の「誇り」や「主権」を力説する人々に問う。「また、沖縄を犠牲にするつもりですか」
ベトナムでは目の前の米兵ではなく、自身が命を落としてもおかしくなかった。「生きるか死ぬか。全ては運」。それが戦場だ。
命の尊さを知り、平穏な暮らしと無限大な将来を根こそぎ奪う戦争の愚かさを伝える。そして、一人の「沖縄人」として切望する。
「生きている間に基地のない平和な沖縄を見たい。それが、私の願いです」
石川さんの写真展「ベトナム戦争と沖縄の基地」が21日まで、横浜市中区の日本新聞博物館で開かれている。午前10時~午後5時。月曜休館。入館料は一般510円など。問い合わせは、同館電話045(661)2040。
【神奈川新聞】
==============================================================================
東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015012102000143.html)と、
【【私説・論説室から】地球儀を俯瞰(ふかん)しない外交】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015012102000167.html)。
nikkan-gendaiの記事【日本人拘束 安倍首相のバラマキ中東歴訪が招いた最悪事態】(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156580)。
『●「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。
伝えようとした人が現場にいたからです」』
「イラク戦争でバグダッドが陥落した直後に、かの地の病院を取材していた時、医師に投げ付けられたひと言だ。「日本人? 米国の味方だろ、帰れっ」・・・・・・米英が大義ある「テロとの戦争」と呼んだイラク戦争を、日本も明確に支持した。戦闘のために軍を送ったわけではなく「人道支援」であったが、それでも戦火にさらされた人々にとり日本は「憎き米国の味方」であったのだ」。
そして、イラク人女性は「自衛隊を派遣した日本にも、(この事態を引き起こした)責任がある」といった。人道支援、非軍事支援、非戦闘地域・・・・・・いくら言葉を繕っても、「軍事」につながり、「戦闘地域」との境界はあいまいで、拡大する。
『●イラク人女性:
「自衛隊を派遣した日本にも、(この事態を引き起こした)責任がある」』
「しょせん世界が見えていない「井の中の蛙(かわず)」なのである。「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」と大仰だが、単に原発や武器を売る相手国探しだろう。「積極平和主義」とは戦争には積極的だが、平和裏に行う連帯デモなど無関心なのだろう。まさに悪夢だ」。
『●日米ガイドライン:
アベ様達は、そんなに「人殺し」をさせたいものでしょうかね?』
「死の商人」外交。「積極平和主義」と称し、外交という名のトップセールスをして回る。アベ様がケンカを売った代償、火に油を注いだ代償はあまりに大きすぎた。
「トップセールスといえば聞こえはいいが、結局、安倍外交はカネ、カネ、カネ。日本人2人の人質事件は、カネにものをいわせる安倍外交の虚を突かれた格好・・・・・・人質事件を引き起こした責任をどう取るつもりなのか」。
『●「存立事態」: 他国(番犬様)の戦争にまで油を注ぎに行きたいそうだ』
==============================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015012102000143.html】
【コラム】
筆洗
2015年1月21日
もうあれから十二年近くがたつが、胸に刺さったままの言葉がある。イラク戦争でバグダッドが陥落した直後に、かの地の病院を取材していた時、医師に投げ付けられたひと言だ。「日本人?米国の味方だろ、帰れっ」▼市内では銃撃戦が続き、病院には次々とけが人が運び込まれ、痛みに泣き叫ぶ子らの声と、医師の怒声が響き続けていた。「希望はない。血の海を泳いでいるだけだ」「ブッシュ(米大統領)が約束した平和はどこだ」▼米英が大義ある「テロとの戦争」と呼んだイラク戦争を、日本も明確に支持した。戦闘のために軍を送ったわけではなく「人道支援」であったが、それでも戦火にさらされた人々にとり日本は「憎き米国の味方」であったのだ▼一つの国を戦争で破壊し尽くす。それはまさに、地獄の扉を開けるようなものなのだろう。どんな魔物が出てくるか。開けてみて初めて分かる▼イラクとシリアの廃虚で絶望感と憎悪を糧に勢力を拡大させてきた過激派組織「イスラム国」の刃(やいば)が、日本にも向けられた。「イスラム国」対策のため周辺国に人道的な支援を申し出た日本政府に対し、邦人人質の殺害予告が届いたのだ▼それは、理不尽で卑劣な脅しである。しかし何が「イスラム国」を生み、育ててきたのか。そこに目を凝らさず、憎悪に憎悪で向き合うだけなら、「イスラム国」の思うつぼだろう。
==============================================================================
==============================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2015012102000167.html】
【私説・論説室から】
地球儀を俯瞰(ふかん)しない外交
2015年1月21日
十年前の「悪夢」が頭に蘇(よみがえ)った。ローマ法王ヨハネ・パウロ二世の葬儀を、パリ支局からバチカンに出張取材した時のことだ。
元法王は東欧の民主化を支援し、ソ連崩壊-冷戦終結の「陰の功労者」といわれた。カトリック教会という一宗教の指導者を超えた存在であり世界平和に偉大な足跡を残した。
葬儀には百カ国以上の大統領や王族らが顔をそろえた。イラク戦争をめぐり法王の制止を振り切って開戦したブッシュ米大統領は、どの要人よりも先に駆けつけ、法王の遺体の前に跪(ひざまず)いたほどである。大国で元首級が出席しなかったのはバチカンと反目したロシアと中国の「共産国」、そして日本だけだった。
歴代三人の大統領が出席した米国とは対照的に、バチカンの影響力を理解していない外交オンチぶりを露呈、弔問外交という貴重な機会を生かそうとの戦略もなかったのだ。
悪夢の再来は、フランスで反テロの連帯を示す各国首脳のデモ行進。日本は駐仏大使の出席で済ませた。米国も首脳が参加しなかったが、批判が集中し、ホワイトハウスは「外交上の失敗だった」と判断ミスを謝罪した。
しょせん世界が見えていない「井の中の蛙(かわず)」なのである。「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」と大仰だが、単に原発や武器を売る相手国探しだろう。「積極的平和主義」とは戦争には積極的だが、平和裏に行う連帯デモなど無関心なのだろう。まさに悪夢だ。 (久原穏)
==============================================================================
==============================================================================
【http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/156580】
日本人拘束 安倍首相のバラマキ中東歴訪が招いた最悪事態
2015年1月21日
(72時間以内の殺害を予告(ユーチューブから)、
右は会見する安倍首相/(C)AP)
衝撃的な事態だ。日本人2人が「イスラム国」に人質として捕まり、72時間以内の殺害を予告された。
イラクとシリアの北部一帯を支配し、残虐の限りを尽くしているイスラム国は、これまで人質に取った白人を容赦なく殺しているだけに、殺害予告は脅しじゃない。
人質は湯川遥菜さん(42)と、フリージャーナリストの後藤健二さん(47)とみられている。イスラム国はビデオ声明で、72時間以内に2人の身代金2億ドル(約235億円)を払うように要求している。
イスラム国が20日に流したビデオ声明は、「日本政府と国民へのメッセージ」というタイトルで、1分40秒ほどのもの。〈日本の首相へ。日本はイスラム国から8500キロも離れていながら、自発的に十字軍に参加した〉〈日本国民に告ぐ。おまえたちの政府は、イスラム国と戦うのに2億ドル支払うという愚かな決定をした。日本人の命を救うのに2億ドル支払うという賢明な判断をするよう政府に迫る時間が72時間ある〉とナイフ片手に英語で凄んでいる。
ビデオ声明でも分かるように、今回の人質事件、安倍首相の「中東外交」が引き金になったのは明らかだ。
16日から中東4カ国を訪問している安倍首相は、17日にカイロで行った演説で、「イスラム国の脅威を食い止めるために2億ドルを支援する」とブチ上げた。この演説がイスラム国の怒りに火をつけたのは間違いない。湯川さんは昨年8月、後藤さんは昨年10月にイスラム国に拘束された可能性が高いが、これまで殺害を予告されることはなかった。元レバノン大使の天木直人氏がこう言う。
「イスラム国が、安倍首相の中東訪問のタイミングを狙っていたのは
間違いないでしょう。しかも、首相は、イスラム国と戦うために
2億ドルを支援すると表明した。彼らにとっては、飛んで火に入る
夏の虫です。イスラム国は、ネットを駆使して世界中の情報を手に
している。恐らく、安倍首相が何を語るか、じっくり観察していたはず。
深刻なのは、彼らは、日本の中東政策を問題にしていることです。
日本は文字通り、イスラム国との戦争に巻き込まれてしまった」
安倍首相は真っ青な顔をして「2億ドルは避難民への支援だ」と釈明していたが、もはや「イスラム国」に言い訳は通用しない。
■カネをバラまいただけの中東歴訪
そもそも、安倍首相は、このタイミングで中東4カ国を訪問する必要があったのか。
ちょっと考えれば、いま中東にノコノコと出掛けて、「イスラム国がもたらす脅威を食い止める」と2億ドルのカネを出すと表明すれば、イスラム国を刺激することは容易に想像がついたはずだ。
「地球儀を俯瞰する外交」を掲げる安倍首相は、これまで
50カ国以上を訪問し、毎月、外遊すると心に決めているらしいが、
中東に行く緊急性はまったくなかったはずである。
実際、16日から20日まで駆け足でエジプト、ヨルダン、イスラエル、パレスチナを訪ねているが、中身のある外交はゼロだった。エジプトに430億円、ヨルダンに147億円……と、ひたすらカネを配っていただけだ。総額2900億円である。浮かれてカネをバラまき、その結果、人質事件を引き起こしているのだから、どうしようもない。
「安倍首相は中東歴訪を中止すべきでした。いま、中東諸国は
“イスラム国”を相手に必死の戦いをしている。フランスでは
シャルリー紙に対してテロが起きたばかりです。各国の首脳は
正直、安倍首相をゆっくりもてなす状況ではなかったと思う。
そもそも、安倍首相は、どこまで中東外交を理解しているのか。
今回、ゼネコン、銀行、商社など46社の首脳をズラズラと
引き連れていったのが象徴です。トップセールスといえば聞こえは
いいが、結局、安倍外交はカネ、カネ、カネ。日本人2人の
人質事件は、カネにものをいわせる安倍外交の虚を突かれた
格好です」(天木直人氏=前出)
中東4カ国歴訪は、安倍首相が「どこでもいいから外遊に行きたい」と外務省をせっついて組んだ日程なのだろうが、人質事件を引き起こした責任をどう取るつもりなのか。
==============================================================================
asahi.comの記事【「解放諦めないで」 紛争地知るジャーナリストの祈り】(http://www.asahi.com/articles/ASH1R5T51H1RUTIL04Z.html?iref=comtop_pickup_02)、
東京新聞の社説【日本人人質 救出へ向けて粘り強く】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015012402000168.html)。
まずは、無事に解放されることを祈念しています。
「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。伝えようとした人が現場にいたからです」・・・・・・「人質の後藤健二さんは紛争地で女性や子どもたちの取材を続け、その体験を学校の特別授業などで語っていた。日本にイスラムへの理解を深めてもらおうとしていた後藤さんの思いも、中東諸国の人たちに広く伝えたい」・・・・・・。
またしてもアホな「自己責任」「自業自得」論をまき散らしている方がいるようです。
『●『戦争と平和 ~それでもイラク人を嫌いになれない~』読了(1/2)』
「「まさに高遠さんは危険を承知しながらイラクに行かないでは
いられない立場にあった人でしょ。彼女を救出するために、
イラクの人たちまでがビラ配りをやり、「彼女の身代わりになる」
と少年が言うくらいに信頼関係があったわけです。
・・・「危険があるからこそ」、いてもたってもいられずに出かけて
行かないではいられない人がいることくらいどうしてわからんかな」
「「自業自得」なんて言っている人々が屁をこきながらテレビで観ている
ニュース映像はいったい誰が撮り、雑誌の記事は誰が書いている
と思っているわけ?」
『●「自己責任」バッシングと
映画『ファルージャ イラク戦争日本人人質事件・・・そして』』
==============================================================================
【http://www.asahi.com/articles/ASH1R5T51H1RUTIL04Z.html?iref=comtop_pickup_02】
「解放諦めないで」 紛争地知るジャーナリストの祈り
清水大輔、高橋友佳理 2015年1月24日05時32分
(「イスラム国」が首都だ、としているシリア北部のラッカ。
手前の男性は戦闘員で腹に自爆ベルトを巻き付けていた
=2014年3月、横田徹さん撮影
「72時間」が過ぎた。だが、「イスラム国」の人質となっている後藤健二さん(47)と湯川遥菜(はるな)さん(42)の消息はつかめない。2人の知り合いや家族は、無事を願い続けた。後藤さんと同じく、紛争地の声を伝えようと飛び込むジャーナリストの仲間たちも帰還を祈る。
ひざまずかされ、ナイフをちらつかされる後藤さんの映像に、ジャーナリストの佐藤和孝さん(58)は胸が潰れる思いがした。
2012年、シリアで内戦を取材中に銃撃戦に巻き込まれて亡くなったジャーナリストの山本美香さん(当時45)のパートナー。後藤さんと面識はないが、撮影した映像を見たことがある。紛争の最前線から一歩引いたところで、市民、特に子どもたちが置かれた状況を淡々と取材する姿勢が伝わってきた。「強い意志を持って、何かを伝えようという気概に敬服する」
山本さんが亡くなった後、自らの仕事を見つめ直そうと、同じように紛争地帯で仲間を失ったり、けがを負ったりした欧米のジャーナリストたちに会いに行った。「同じ時間に生きているのに、伝える言葉や手段を持たない抑圧された人たちがいる」「独裁国家で不条理に苦しむ人たちは『目撃者』を求めているんだ」。みんな、自分や美香と同じことを考えているんだな、と感じた。
独立系通信社ジャパンプレスの代表を務め、山本さんを失った後もアフガニスタンなどの取材を続けている。「なんであんな危険な場所に行くのか」と問われる。今回の事件でもインターネット上などでは自己責任論が飛び交う。「ではなぜ読者や視聴者はシリアが危険だと知っているのか。伝えようとした人が現場にいたからです」
どんな強大な力を持った存在であっても、きっと誰かが立ち向かっていくだろう――。山本さんが著書に記した言葉だ。「後藤さんも志は同じはず」。無事を祈っている。
報道カメラマンの横田徹さん(43)は13年9月、シリア北部で取材中、「イスラム国」の前身組織に出頭を命じられた。「帰れないかもしれない」。しかし、逃げて捕まるよりは、と別の日本人ジャーナリスト、ガイドと出向いた。
8畳ほどの部屋。全身黒ずくめの男8人が入ってきた。腰には銃やナイフ。熟練した戦闘員の雰囲気を感じた。黙っていてはいけないと直感し、満面の笑みで質問を投げかけた。「お名前は」「あなた方の目的は」。会話の後、男たちはガイドとしばらくアラビア語で話していた。「すぐにシリアから出て行け」。そう命じられ、その日のうちに飛び出した。
後にガイドから「あの時、男に『2千ドルで日本人2人を売らないか』と持ちかけられた」と聞かされた。背筋が凍った。「ただ運が良かっただけだ」
危険な思いをしても戦地に行くのはなぜか。原点はアフガニスタンでの体験だという。「血も涙もない集団」と報じられていた反政府勢力タリバーンだったが、支配下の街は平穏だった。「イスラム国」でも、宗教指導者は温厚な人柄で「空腹ではないか」などと気遣ってくれた。「ネットで得た情報ではなく、自分で話をして、身を置かないとわからない」という。
後藤さんの人柄を現地ガイドから聞き、コミュニケーション能力が高い人だと感じた。「状況は良くないと思うが、最後は人間同士の信頼関係が物事を決める。絶対に諦めないで欲しい」(清水大輔、高橋友佳理)
■決着に時間要した例も
海外でこれまでに日本人が拘束された事件の展開はさまざまだ。無事の解放につながった事件では、身代金が支払われたとされる例もある。決着までに長い月日がかかることもある。
イラクでは2004年4月にボランティア活動家の高遠菜穂子さんら3人と、取材中だったフリージャーナリストの安田純平さんら2人が相次いで誘拐された事件が起きている。高遠さんらを誘拐した犯人グループは自衛隊のイラクからの撤退を要求した。政府は応じなかったが、5人とも4月中に解放された。
だが、同年10月にはイラクを旅行中の香田証生さんが拉致され、犯人グループの「イラク・アルカイダ機構」は自衛隊撤退を要求。香田さんは同月末にバグダッド市内で、遺体で発見された。後藤さんらを拘束している「イスラム国」は、このグループの流れをくむとされる。
==============================================================================
==============================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015012402000168.html】
【社説】
日本人人質 救出へ向けて粘り強く
2015年1月24日
過激派「イスラム国」とみられるグループが日本人人質二人の殺害を警告した事件で、身代金の支払期限とされた七十二時間が過ぎた。粘り強い交渉を続け、救出に全力を挙げたい。
政府は関係各国に協力を求める一方、ヨルダンのアンマンに現地対策本部を設け、周辺国に働き掛けている。
グループは二十日に公開した声明で、日本が「イスラム国」対策で供与を表明したのと同額の二億ドル(約二百三十五億円)の身代金を、七十二時間以内に支払うよう要求。日本の供与内訳は「女性や子どもを殺害し、イスラム教徒の家を破壊するのに一億ドル」「イスラム戦士と戦う背教者を養成するのに一億ドル」などとして批判した。
この主張はまったく理不尽だ。日本の供与はイラクやシリアの難民支援やインフラ整備などの人道目的だ。日本は米国主導の空爆にも参加していない。戦後、戦闘には参加せず、国際貢献は非軍事分野に限ってきた。平和国家としての姿勢をイスラム世界に丁寧に説明し続け、人質解放に向けた環境づくりを進めたい。
人質の後藤健二さんは紛争地で女性や子どもたちの取材を続け、その体験を学校の特別授業などで語っていた。日本にイスラムへの理解を深めてもらおうとしていた後藤さんの思いも、中東諸国の人たちに広く伝えたい。
危険な場所に取材に入るジャーナリストには覚悟が求められる。後藤さんは「イスラム国」支配地域に入る直前に撮影したビデオ映像で「非常に危険だが、何があっても責任は私にある。必ず生きて戻る」と語っていた。
イラクでは二〇〇四年、計六人の日本人が人質となったが、五人がイスラム聖職者協会の仲介で解放された。この時の経験も生かし仲介を探る努力を続けたい。
「イスラム国」とみられるグループによる人質事件では米英人らが殺害される一方で、フランス、スペイン、スウェーデンなどの人質は解放されている。トルコは総領事ら四十九人の人質解放に成功した。身代金は支払わず、米国に非協力的であることが解放条件だったとの見方もある。これらのケースも参考にしたい。
パリの連続テロに続く邦人人質事件。テロの広がりに、日本も“対岸の火事”ではいられなくなった。背景に疎外感から過激主義に走る若者の増加も指摘される。その病根を断つことも考えたい。
==============================================================================
東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015011002000114.html)と、
社説【名張・再審認めず 証拠は検察のものか】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015011402000172.html)。
「八十八歳のその人は病室のベッドで宙に文字を書いている。一九六一年、五人が殺された「名張毒ぶどう酒事件」で無罪を訴え続ける奥西勝死刑囚・・・・・・「ぶどう酒」を、誰も「ぶどう酒」と呼ぶことはなくなり、がっちりしていた男性を宙に文字を書く人に変える。長い歳月である▼弱々しい指で何という文字を書くのであろうか。それが「むじつ」という文字であるのならばさっと消すというわけにはいかない。十四日でもう一つ年を取る」。
「触らぬ神にたたりなし、ということなのか。検察側の倉庫に眠ったままの証拠は、今回も、調べられることがなかった。証拠開示への逃げ腰は、司法に対する国民の信頼を損ないはしないか」。
冷酷過ぎる司法・・・・・・奥西勝「冤罪」死刑囚が「無実」を訴えることが出来なくなるのを待っているとしか思えない。「年齢や体調を思えば、再審実現は絶望的かもしれない」・・・・・・それを待つ司法。「冤罪」を決して認めようとしない、司法の強い意志、「司法権力の強い執念」。
『●名張毒ぶどう酒事件という冤罪』
『●「疑わしきは罰する」名張毒ぶどう酒事件、あ~っため息が・・・』
『●司法権力の〝執念〟:
映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』』
『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず』
『●名張毒ぶどう酒事件第八次再審請求審:
検証もせずに、今度は新証拠ではないとは!』
==============================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2015011002000114.html】
【コラム】
筆洗
2015年1月10日
空間に指で字を書くということがある。「お母さん、あの漢字、どう書くんだっけ」「よく見ていてよ」。母親が空中に書いて教える。こういう字の教え方も最近は見掛けない▼宙に書いた文字を解読するのはなかなか難しい。携帯電話などで字を探し、見せた方がよほど手間がない▼「柱ってどう書くんでしたかな」。聞かれた男が「こうですよ」と宙に書いた後、その字をさっと消す。「何だって消すんですか」。男、真面目な顔で「後で誰かが柱にぶつかるといけない」。こんな小話もやがて通用しなくなるか。宙に書いた字にも実体が宿る。日本人の空想のたくましさ▼八十八歳のその人は病室のベッドで宙に文字を書いている。一九六一年、五人が殺された「名張毒ぶどう酒事件」で無罪を訴え続ける奥西勝死刑囚。名古屋高裁はきのう再審開始を退けた。年齢や体調を思えば、再審実現は絶望的かもしれない▼気管を切開し、会話ができない。昨年秋、指で宙に字を書いて、意思を伝えるようになったという。事件から五十四年。「ぶどう酒」を、誰も「ぶどう酒」と呼ぶことはなくなり、がっちりしていた男性を宙に文字を書く人に変える。長い歳月である▼弱々しい指で何という文字を書くのであろうか。それが「むじつ」という文字であるのならばさっと消すというわけにはいかない。十四日でもう一つ年を取る。
==============================================================================
==============================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015011402000172.html】
【社説】
名張・再審認めず 証拠は検察のものか
2015年1月14日
触らぬ神にたたりなし、ということなのか。検察側の倉庫に眠ったままの証拠は、今回も、調べられることがなかった。証拠開示への逃げ腰は、司法に対する国民の信頼を損ないはしないか。
奥西勝死刑囚(89)の再審開始を認めなかった名古屋高裁の名張毒ぶどう酒事件異議審決定は、昨年五月の請求棄却決定と同様、弁護団が新証拠として提出した三通の意見書を「再審請求の要件を満たさない」と一蹴した。弁護団は「検察官の証拠隠しを許したまま非情な決定を出したことは許し難い」と高裁の対応を非難している。
証拠隠し、とは、裁判所にも弁護側にも見せていない検察側の手持ち証拠の存在を指す。
検察側はかつて、裁判所と弁護団との三者協議で「証拠はまだ膨大にある」と認めていた。弁護団は、その中に奥西死刑囚の無実を明らかにする手掛かりがある可能性が高いとみて証拠の開示を求めてきたが、裁判所も検察側も応じぬまま、異議審も終結した。
近年、証拠開示が突破口になった再審開始が相次いでいる。
二〇一二年に再審無罪となった東京電力女性社員殺害事件では、被害女性の爪に残された皮膚片などが開示され、DNA鑑定で真犯人が別にいる可能性を示した。昨年、再審開始決定が出た袴田事件も、血痕付き衣類のカラー写真など新たに開示された六百点が確定判決への疑問を深めた。
裁判員制度導入に際し、公判前に争点を整理するため、検察側が段階的に証拠を開示する制度が施行されたが、再審請求審の証拠開示は制度化されておらず、裁判所と検察庁の裁量任せだ。
東電、袴田両事件では、証拠を出し渋っていた検察側が裁判所に促されて開示を決断したが、今回の名張事件では、裁判所も消極的な対応に終始した。
公権力が公費を使って集めた証拠は、一体、だれのものだろう。
一九六四年の一審判決は無罪、〇五年に一度は再審開始決定。未開示証拠を検察側が独占したまま二転三転した死刑判決を維持することは、国民の目に、司法の正義と映るだろうか。
弁護団は十四日、特別抗告し、舞台は最高裁に移る。「再審制度においても、疑わしきは被告人の利益に、という刑事裁判の鉄則が適用される」とは、その最高裁の白鳥決定である。扱いが分かれる証拠開示の問題でも、白鳥決定に即した対応を望みたい。
==============================================================================
東京新聞の記事【30キロ圏自治体「妥当」は2割 再稼働同意 立地自治体に限定】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015010502000122.html)。
「「川内方式」を「妥当」としたのは、全国の原発の半径三十キロ圏に入る百六十自治体のうち、約二割の三十五自治体にとどまる」。
3.11東京電力原発人災で日本中が「地元」であることを嫌というほど分かったはずなのに・・・・・・「川内方式」を「妥当」と判断できる「原子力安全対策等特別委員会」「市議会」「県議会」、そしてそれを許す「地元」って一体何なんだろう?
『●川内原発の原子力安全対策等特別委員会で
「原発「ツーツー」「ズブズブ」関係者=委員」が再稼働推進票』
原発人災が起こった時に、薩摩川内市内や30キロ圏内で被害が収まるのか? 「「川内方式」を「妥当」としたのは・・・・・・約二割の三十五自治体」にも呆れてしまいます。
『●日本中が「地元」・・・・・・大間原発と高浜原発の再稼働問題、
「30キロ圏内の声を聴け」ではダメ』
民を救わない自民党やアベ様に一体何を期待しているのでしょう?
『●『放射能を浴びたX年後』:
「国はこれまで福竜丸以外の船員の追跡調査をしてこなかった」』
==============================================================================
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015010502000122.html】
30キロ圏自治体「妥当」は2割 再稼働同意 立地自治体に限定
2015年1月5日 朝刊
原発再稼働の地元同意手続きについて、対象を九州電力川内原発の立地自治体の鹿児島県と薩摩川内市に限定した「川内方式」を「妥当」としたのは、全国の原発の半径三十キロ圏に入る百六十自治体のうち、約二割の三十五自治体にとどまることが共同通信のアンケートで分かった。
政府は他の原発の手続きも「川内原発の対応が基本的」(菅義偉官房長官)としているが、三割強の五十五自治体が「妥当でない」と回答。立地以外の自治体も事故時に被害が及ぶ恐れがあり、同意手続きに加われないことへの不満が強いことが浮き彫りになった。
同意を求める地元の範囲も、事故時の避難計画を策定する必要がある「三十キロ圏の自治体」(四十二自治体)との回答が「立地自治体のみ」(二十九自治体)を上回った。
また原子力規制委員会の審査に合格した原発の再稼働に関し「容認する」と「条件付きで容認する」は計三十六自治体と約二割にとどまった。
川内方式について「妥当」は十六自治体、「どちらかといえば妥当」が十九自治体に対し、「妥当でない」が三十三自治体、「どちらかといえば妥当でない」は二十二自治体だった。
批判的な計五十五自治体は全て立地以外だった。川内方式への反発は強く、今後の同意手続きが難航する可能性がある。
川内に次いで再稼働に向けた手続きが進む関西電力 高浜原発(福井県)の三十キロ圏に入る滋賀県は「妥当でない」を選択。「三十キロ圏に一部でも入る自治体には同意を求めるべきだ」と指摘した。
一方、関電美浜原発がある福井県美浜町は「妥当」とした上で「町民の理解など問題を解決しながら原子力に貢献してきたのは立地市町と県」と強調。評価を避けた自治体も多く「分からない」「その他・無回答」が計七十自治体だった。
川内原発の地元同意は、薩摩川内市議会、市長、鹿児島県議会、知事の順で了承。手続きは比較的順調に進み、今春以降の再稼働が見込まれる。
アンケートは昨年十一月の鹿児島県知事の同意表明後、年末にかけて実施。建設中の電源開発 大間原発(青森県)も含め、各原発の三十キロ圏に入る二十一道府県と百三十九市町村を対象にした。
==============================================================================
『マガジン9』の記事【柴田鉄治のメディア時評:昨年は安倍政権の『暴走』がまかり通った年、メディアのチェック機能は弱かった】(http://www.magazine9.jp/article/shibata/17314/)。
「特定秘密保護法から始まって武器輸出三原則の撤廃、集団的自衛権の行使容認を閣議決定、さらに長期政権の維持を目指して『大義なき解散・総選挙』を断行して圧勝したのだから、「やりたいことは全部やった」という状況は否定できまい」。
メディアが「チェック機能」を果たすどころか・・・・・・『アベ様のNHK』や『産経』なんて酷いモノ。ナベツネ氏の『読売』もね。
『●原発再稼働・もんじゅ推進を無批判に放送できる
公正中立な公共放送「アベ様のNHK」』
『●トップからして腐敗したメディア: 「きょうの安倍将軍」「安倍様のNHK」』
『●ジャーナリズムの矜持無きこんな「公共」放送なんて要らない!』
『●内閣法制局、NHK、秘密保護法、消費税増税・・・、
「肝いり人事」という安倍首相の暴走人事』
『●「治安維持法」を止めるために:
「アベ様のNHK」などマスメディアだけに任せてはおれない』
『●「アベ様のNHK」に、なぜ「皆様」が受信料を支払うのでしょうか?』
『●「鼻血問題」: 圧力に屈した「アベ様のNHK」』
『●「一体誰が朝日の記者に吉田調書を流したのか」
・・・・・・犯人捜しなどやってる暇があるのか?』
『●東京電力原発人災鼻血問題: 風評被害に矮小化していて良いのか?』
『●「鼻血」「死の街」問題と「金目でしょ」発言に対するマスコミ対応の落差』
『●(非)特定秘密「隠蔽」法を大歓迎:
「たかり記者」だった?読売新聞ナベツネ氏は正気なのでしょうか?』
『●「政権批判」だったら歌うなとでも?
「アベ様のNHK」は「放送禁止歌」にでもしますか?』
アベ様の露骨なメディアへのプレッシャーの賜物。いまやメディアに「政権チェック」「政権批判」の気概もなく、「牙」もなし。
『●アベ様は「報道がそれで抑圧される、
そんな例があったら私は辞める」と明言・・・ETV番組改編問題は?』
==============================================================================
【http://www.magazine9.jp/article/shibata/17314/】
2015年1月14日up
柴田鉄治のメディア時評
その月に書かれた新聞やテレビ、雑誌などから、ジャーナリスト柴田さんが気になったいくつかの事柄を取り上げて、論評していきます。
昨年は安倍政権の『暴走』がまかり通った年、メディアのチェック機能は弱かった
年末に体調を崩し、緊急入院したため2014年を総括する「12月のメディア時評」を休載させていただいた。幸い年明けに退院できたので、遅ればせながら「2014年を総括するメディア時評」をお送りする。
*
2014年はどんな年だったか。私の見方は「安倍政権の『暴走』がまかり通った年だった」という表現が一番ぴったりだと思っている。いや、私だけでなく、安倍政権を強く支持している人たちだって、『暴走』という言葉を除けば、この見方に反対はしないのではあるまいか。
特定秘密保護法から始まって武器輸出三原則の撤廃、集団的自衛権の行使容認を閣議決定、さらに長期政権の維持を目指して『大義なき解散・総選挙』を断行して圧勝したのだから、「やりたいことは全部やった」という状況は否定できまい。
安倍首相がやりたかったことをひと言でいうと、「戦後レジームからの脱却」、つまり「戦前の日本はよかった、戦後の日本はよくない」という歴史観を日本中に広めたいというものだろう。この歴史観に同調する人たちが、「戦前の日本はよくなかった」という人たちを「自虐史観だ」といって攻撃するのも、その一環だと考えれば分かりやすい。
この「歴史観の社会への浸透」というのは、一見どこまで広がったかは分かりにくいものだから、安倍首相の悲願をもっと具体的で分かりやすい言葉で言えば、「憲法9条を改定したい」ということになろうか。
この安倍首相の目指しているところを、東京新聞の「論点明示報道」の手法で表現すれば、「日本を戦争のできる国にしよう!」となるのではないか。論点明示報道というのは、その政策のもたらす結果を先取りし、一面トップの見出しで大きく表示しようという試みで、2014年度の日本ジャーナリスト会議のJCJ大賞に選ばれた手法である。
たとえば、5月13日に首相の個人的諮問機関、安保法制懇が報告書を出し、首相が記者会見した時の東京新聞の一面トップの見出しは、「『戦地へ国民』へ道」と踏み込み、また集団的自衛権行使容認の閣議決定の時には「海外で武力行使可能に」と他紙とは一味違う大見出しをうたったのである。
東京新聞の頑張りはなかなかのものだったが、メディア全体の批判は必ずしも厳しいとは言えず、安倍政権の暴走はとまるどころか、「もうすべて実現したようなものだ」と見ている人も少なくないかもしれない。
安倍政権の『メディア懐柔策』が目立った年でもあった!
安倍首相の悲願は「憲法9条の改定」だとしても、9条の改定についてはどの世論調査でも反対意見のほうが多いため、そう簡単にはいかない。そこで政府・与党では国民の間に反対意見の少ない「環境権」の導入などから提起して、地ならしをしてから9条の改定にかかろうと計画しているようだが、果たしてどうなるか。
問題はメディアである。50~60年代はどの新聞も野党精神が旺盛だったが、70年代にまず産経新聞が政府・与党寄りに論調を転換し、次いで80年代に読売新聞があとを追い、「新聞論調の二極分化」の時代と呼ばれるようになった。
その後、安全保障問題については日経新聞も同調し、「読売・産経・日経新聞 対 朝日・毎日・東京その他主要地方紙」という構図が生まれている。これは、原発政策などでも同じ構図になっている。
国民の意識を変えるには、カギを握るのはメディアだろうと、2014年は安倍政権がメディアの懐柔策に全力を挙げた年でもあった。
いや、正確に言えば就任早々からメディア戦略に並々ならぬ努力を重ねている。たとえばメディアのトップと個別に次々と会食を続けており、従来の政権が避けてきた各メディアとの個別のインタビューにも応じるという、新方式も平然と実行しはじめた。
個別のメディアへの懐柔策は、2014年の年頭、まずNHKの会長人事への介入から着手した。会長の任命権をもつ経営委員への人事権を活用して、首相と同じような歴史観を持つ作家の百田尚樹氏や埼玉大学名誉教授の長谷川三千子氏らを経営委員に送り込み、籾井勝人会長の実現を図ったのである。
籾井会長は就任の記者会見で「政府が右というものを左とは言えない」とか「従軍慰安婦問題は世界中どこにでもあった」とか、メディアのトップにはふさわしくない発言を繰り返し、各方面から批判の声が上がったが、政権に支えられていまだに辞任には至っていない。
ただ、NHKのOBたちから「辞任を求める」署名が2千人を超えたというから相当なものだが、現役からの声が少ないのは残念だ。籾井会長の時代になってからNHKのニュースの時間に、安倍首相の出てくる場面が多くなったという声が聞かれるが、どうだろうか。
メディアへの直接の介入と言えば、解散の前日、自民党は、荻生田光一・筆頭副幹事長と福井照・報道局長の連名で、NHKと在京の民放5局あてに「選挙報道の公平・中立を求める」という『要望書』を突きつけた。
要望とはいっても、出演者の発言回数や時間、ゲスト出演者の選定、テーマ選び、街頭インタビューや資料映像の使い方まで、4項目にわたって細かく注意するよう求める内容で、過去の総選挙にも前例のない異例のものだという。
本来なら受け取ったテレビ局がすぐに公表して問題にすべきものだと思うが、どこのテレビ局も取り上げず、1週間後にそれを知った新聞が報じて明るみに出た。要望書には「過去にあるテレビ局が政権交代を画策した偏向報道を行い、大きな社会問題になった事例もあった」とも示しており、テレビ局の選挙報道を牽制したものだ。
立教大学の服部孝章教授(ジャーナリズム論)は「放送法の文言を引いて公平・中立を求めているが、実態はテレビ局への恫喝だ」と語っているが、私もそう思う。
要望書が挙げている事例というのは、1993年の「テレビ朝日報道局長発言」を指しているのだろうが、これは民間放送連盟の内輪の会合で「非自民政権が誕生するように放送せよと指示した」などと産経新聞が報じ、記事を見て怒った自民党が国会喚問を要求したものだ。
あとで分かった発言の全容と比べると、発言のごく一部をとらえ、しかも多少捻じ曲げて報じたものだったが、テレビ朝日の対応がおかしく、国会喚問に応じて平謝りに謝ってしまったため、自民党の追及が正しかったような印象を与えてしまった事例なのである。
付言すれば、この産経新聞の記事が同年の新聞協会賞に選ばれたため、新聞協会賞の権威まで地に堕ちてしまったということまであった事例なのである。
自民党にとっては過去の成功例として挙げたつもりかもしれないが、放送にある公平・中立の原則というのは、本来、政府に批判的な意見や少数意見などを報道するための武器として使われるものであろう。圧倒的な力を持つ側に厳しい姿勢でのぞむことこそメディアの使命であり、公平さなのである。
特定秘密保護法も、朝日新聞問題も安倍政権のメディア戦略?
安倍政権が「戦争ができる国」への第一歩として特定秘密保護法の制定から着手したのも、メディア戦略の一環だと言えば言えよう。特定秘密保護法は、秘密を漏らした公務員を罰する法律のように見えて、実は、メディアを規制しようとするものだからだ。メディアが公務員から秘密を得ようとする行為を「教唆・煽動」として罰しようとしていることからも、それは明らかだ。
このメディアを規制しようとする法律の制定に、賛成するメディアがあるとは信じられないことだが、日本の現状は残念ながらそうなのだ。安倍政権を全面的に支持する読売新聞と産経新聞が、特定秘密保護法にも賛成を表明しているのだ。
ただ、唯一の救いは、他の安全保障問題などでは読売・産経と論調を同じくしている日経新聞が、特定秘密保護法については反対の態度を表明していることだ。したがって、新聞論調の二極分化とはいっても、特定秘密保護法に関しては地方紙のほとんどが反対しており、日本のメディアの圧倒的多数は「反対」という健全な姿をしているといっていいだろう。
「何が秘密か、それが秘密だ」という言葉が象徴しているように、この法律違反で処罰される人が出てきても、恐らく裁判でも秘密の内容は明らかにされないのではないか、とさえ言われている。
特定秘密保護法についてはその危険な側面がしだいに明らかになり、あと一歩で阻止できるかもしれないという状況が生まれたが、政府・与党がそれを察知して2013年暮れに強行採決により成立させた。反対運動の立ち上がりがもう一歩早かったら、と残念でならない。
同法の施行は制定から1年後の2014年末だったので、同法をめぐる政府・与党とメディアとの闘いはこれからが本番だ。幸い、法律の施行で終わりではなく、「粘り強い闘いこそ」と反対運動を続けているメディアも少なくなく、メディアが安倍政権の思いのままに操られると思ったら間違いだろう。
メディア問題を論じるなら2014年8月の朝日新聞の従軍慰安婦をめぐる検証報道から嵐のような「朝日バッシング」が巻き起こり、それに幻惑されてか、次々と失態を繰り返した朝日新聞問題を避けて通るわけにはいかない。
この問題については8月、9月のメディア時評で取り上げたので、繰り返すことはやめるが、第1は検証記事の出し方の失敗、「いまなぜ」の説明がなく、吉田清治証言を取り消したのに当然つくべき謝罪がないうえ、それに「今後も従来と同じ姿勢で従軍慰安婦報道を続ける」という決意表明を一緒にしたため開き直っているような印象を与えたこと。
第2の失敗は、池上論文を没にした「信じられないような判断ミス」、第3は、原発「吉田調書」の記事を誤報でもないのに「虚報扱い」にして「記事を取り消し、社長も責任を取って退任」とした、将来の報道姿勢をも揺るがしかねない大失敗であり、いずれも朝日新聞が自ら招いたもので、サッカーでいう「オウン・ゴール」だったと私は思っていた。
ところが、それから約3か月が過ぎ、朝日新聞社が委託した第三者委員会の報告書などが次々と出てきたこともあって、「オウン・ゴール」であるという性格は変わらないとしても、安倍政権のメディア戦略に朝日新聞も乗せられたのではないか、という疑いが色濃く浮かび上がってきた。
たとえば、従軍慰安婦問題については強制連行を認めて謝罪した「河野官房長官談話」があり、安倍政権は河野談話を取り消したいのだが、そうもいかないので「河野談話の制作過程を検証して発表する」という策を取った。その内容に韓国が猛反発していたちょうどそういう時期に朝日新聞の検証報道は当たっていたのである。
朝日新聞が20~30年前の吉田清治証言を取り消すと発表した途端に、「待ってました」とばかり、新聞、テレビ、週刊誌、月刊誌、ネット……が一斉に「朝日バッシング」に乗り出し、「朝日新聞の報道が慰安婦問題を浮かび上がらせ、日本を貶めたのだ」として「国賊!」「売国奴!」「反日!」といった罵声が乱れ飛んだのである。
安倍政権から朝日新聞社に「過去の慰安婦報道について検証してほしい」という依頼があり、朝日新聞社がそれに応じるのを、安倍政権支持のメディアが手ぐすね引いて待っていた、と考えると分かりやすいのではあるまいか。
それに、そう考えると、朝日新聞社の木村伊量社長が「従軍慰安婦報道の検証はやるが、絶対に謝罪はするな」と厳命したという不思議な事実が「なるほどな」と浮かび上がってくる。つまり、メディアとして過去の報道に問題があれば正すことはやるが、安倍政権の狙い通りには意地でも従わないぞ、というメディアの責任者としての思いが、記事を取り消しながら謝罪を拒否するという奇妙な命令を生み出してしまったのだ、と考えると納得がいく。
さらにもう一つ、従軍慰安婦報道とは全く関係のない原発「吉田調書」の記事を朝日新聞が取り消した背景には、「慰安婦報道も原発報道も日本を貶める点では同類だ」という批判の声が高まってきたのを見て、安倍政権がまず産経新聞に、次いで読売新聞に吉田調書をリークして、朝日新聞批判を後押ししようとしたことはほぼ間違いあるまい。
もちろん、こう見てきても、安倍政権の要請に勝手に応じた朝日新聞の「オウン・ゴール」であることには違いなく、とくに原発「吉田調書」記事を1950年の伊藤律事件や89年のサンゴ事件と同じ「虚報扱い」にした間違いには、一刻も早く気付いて修正してもらいたいと願わずにはいられない。
==============================================================================
KSBのWP【高知白バイ衝突死(29) 証拠ねつ造を否定…再審認めず】(http://www.ksb.co.jp/newsweb/series/kochi)。残念ながら、折角、過去の映像が貯蔵されているのに、見れないようです。
「高知県の白バイとスクールバスの衝突死亡事故。無実を訴えながら刑務所に服役したバスの元運転手が裁判のやり直しを求めていましたが、12月、高知地裁が再審を認めない決定」・・・・・・。
『●『冤罪File(No.06、2009年6月号)』』
「柳原三佳さん、「「高知白バイ死亡事件」最新速報/「本件事故は、
高知県警の暴挙による重大な謀略事件である」・・片岡さんの支援者は、
「片岡さんに罪をなすりつけたことはもちろんですが、大人として、
子を持つ親として許せないのは、
一連の行為が22名の中学生の前で行われた
ということです。生徒達に警察や司法への不信感を植えつけた責任は
問わなくてはなりません。大人として、
同じ親として恥ずかしくはないのか!? と彼らに問いかけたいのです」」
『●ここにも不当逮捕・冤罪が』
『●「右向け右。安倍首相のタカ派教育路線」/
『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号)について』
「■『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号)/粟野仁雄さん
「高知白バイ事故捏造事件 内部告発警官が続々」、片岡晴彦さん、
タイヤスリップ痕捏造、「小松氏は会見で「白バイ事故のでっち上げ事件は
高知県民の恥です」と訴えたが、各新聞は全く報道しなかった」、
http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B9%E2%C3%CE%C7%F2%A5%D0%A5%A4」
『●『自然と人間』(2013年3月号、Vol.201)についてのつぶやき』
「■『自然と人間』(2013年3月号、Vol.201) / 粟野仁雄さん
【高知白バイ事件、「スリップ痕跡は偽造」の鑑定】、「「内部告発者を
割れと」躍起の県警」「なかった取調べ、突然出された写真」「乾いたスリップ痕」
「決定的な鑑定書 再審は必然」。多数の中学生の〝目撃者〟の
目前で起こされた冤罪」
『●「国家と教育」『週刊金曜日』
(2013年3月22日、936号)についてのつぶやき』
「■『週刊金曜日』(2013年3月22日、936号) / 今週の一押し記事、
粟野仁雄さん【再審請求中の高知白バイ事故 「高知県警の証拠は偽造」
とする決定的な鑑定書】、片岡晴彦さん。 中学生らの目の前で
繰り広げられた冤罪事件
(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B9%E2%C3%CE%C7%F2%A5%D0%A5%A4)、
捏造事件」
裁判所がまたしても機能せず。高知地裁が再審請求を棄却しました。高知白バイ事故冤罪事件です。高知高裁へ、ということのようですが、望み薄なのでしょうかね?
『●〝犬〟になれなかった裁判官』
『●「絶望の裁判所」: 裁判所の頂点、最高裁からして・・・・・・』
『●真の司法改革とは?、そして「イヌのイヌのイヌのイヌ」』
裁判所は、検察の(改竄された)作文を鵜呑みしてしまっているようです。
片岡さんの奥さまの発言「人間を相手にするとこじゃないから、そんなもんよ・・・・・・裁判所って何のためににあるんやろね?」、片岡さん「給料もらうためじゃないか・・・・・・高い給料を。警察もそうやろけど」。
布川事件の桜井昌司さんは、片岡さんに向けて「負けて落胆するのは間違っている。正義はこっちにある・・・・・・諦めるな! 高裁では裁判官を説得するような闘いを!!」。
==============================================================================
【http://www.ksb.co.jp/newsweb/series/kochi】
シリーズ / 高知白バイ衝突死
2006年、高知県で起きた白バイとスクールバスの衝突死亡事故。業務上過失致死の罪に問われ、「無実」を訴えるバスの元運転手。
食い違う目撃証言や疑問が多い証拠を徹底検証する。
高知白バイ衝突死(29)証拠ねつ造を否定…再審認めず
01月14日 18:35
シリーズでお送りしている高知県の白バイとスクールバスの衝突死亡事故。無実を訴えながら刑務所に服役したバスの元運転手が裁判のやり直しを求めていましたが、12月、高知地裁が再審を認めない決定を下しました。焦点となっていた「証拠ねつ造」を否定する内容でした。
高知白バイ衝突死 FEATURE
2015年01月14日 高知白バイ衝突死(29) 証拠ねつ造を否定…再審認めず
2014年01月30日 高知白バイ衝突死(28) 異例…裁判官が新たな“提案”
2013年03月06日 高知白バイ衝突死(27) 再審へ…“証拠偽造”の新鑑定
2011年01月11日 高知白バイ衝突死(26) 事故から5年 成人式での思い
2010年10月21日 高知白バイ衝突死(25) えん罪被害者が集結・・・再審のカギは
2010年10月20日 高知白バイ衝突死(24) 疑惑の証拠写真・・・再審請求
2010年04月26日 高知白バイ衝突死(23) 国家賠償訴訟・・・2つの判決
2010年04月01日 高知白バイ衝突死(22) 出所・・・そして新たな出発
2010年03月02日 高知白バイ衝突死(21) 禁固1年4ヵ月 元運転手が出所
2010年02月10日 高知白バイ衝突死(20) 間もなく出所 家族の思いは・・・
2009年11月16日 高知白バイ衝突死(19) 収監1年…深まる証拠写真の疑惑
2009年05月27日 高知白バイ衝突死(18) 新たな幕開け 国賠訴訟始まる
2009年05月12日 高知白バイ衝突死(17) カギは証拠写真・・・国賠訴訟の行方
2009年03月04日 高知白バイ衝突死(16) ねつ造疑惑 再不起訴と国賠提訴
2009年02月04日 高知白バイ衝突死(15) 検察審査会「証拠ねつ造再捜査を」
2008年12月01日 高知白バイ衝突死(14) 残された家族と収監という現実
2008年11月13日 高知白バイ衝突死(13) 無実訴え刑務所へ…収監の日に密着
2008年10月20日 高知白バイ衝突死(12) 元運転手、収監までの日々
2008年08月25日 高知白バイ衝突死(11) 訴え届かず…最高裁が上告棄却
2008年07月30日 高知白バイ衝突死(10) 元裁判官に聞く 判決の問題点
2008年07月29日 高知白バイ衝突死(9) ”隠された”生徒の調書
2008年02月28日 高知白バイ衝突死(8) 最高裁の連絡待つ…被告と家族は
2008年01月10日 高知白バイ衝突死(7) 同僚証言の不自然と「謎の白バイ」
2008年01月09日 高知白バイ衝突死(6) 県警が否定…白バイの高速走行は?
2007年10月30日 高知白バイ衝突死(5) いよいよ判決…高松高裁の判断は?
2007年10月25日 高知白バイ衝突死(4) 真実はどこに…動き出した生徒たち
2007年10月24日 高知白バイ衝突死(3) 鑑定人が迫る ブレーキ痕の“嘘”
2007年10月04日 高知白バイ衝突死(2) 証拠ねつ造…動機はあった?!
2007年10月03日 高知白バイ衝突死(1) 警察が証拠を「ねつ造」?
==============================================================================
asahi.comの記事『「政府批判の指摘こそ都合いい解釈」 桑田さん発言要旨』(http://www.asahi.com/articles/ASH1L0JL9H1KUCVL01M.html?iref=comtop_6_04)
「■ちょび髭はコントの定番アイテム・・・・・・「あれはアドルフ・ヒトラーだ」「だから現在の政権を批判しているんだ」というデマも流れていたようですが、はっきり申し上げて、ヒトラーのつもりはまったくございません・・・・・・日本政府を批判していると一部のメディアが報道したそうなんですね。はっきり言ってそれこそが都合のいい解釈です・・・・・・東アジア全体で起こっている問題として作った歌詞なんでございます。その上で「20世紀で懲りたはずでしょう?」と。まだやっているのか。二度と戦争が起きないように仲良くやっていこうよというメッセージを込めたつもりなんですけど」。
『●「政権批判」だったら歌うなとでも?
「アベ様のNHK」は「放送禁止歌」にでもしますか?』
十分に、ブログ主はメッセージを受け取りました: 「20世紀で懲りたはずでしょう?」「「二度と戦争が起きないように仲良く」。それらはアベ様達を特定してのメッセージではなく、広く「東アジア全体」へということでしょうか。東アジアに位置するニッポン、「積極的平和主義」「集団的自衛権」「存立事態」などなど「戦争できる国」に向かっていますが、東アジアだけでなく世界に誇るべき「平和憲法」を持つ国であり、人を殺すための武器ではなく「薔薇の花束」をかざすべきニッポンに住む人々にこそ、重要なメッセージだとブログ主は感じます。今回の桑田佳祐氏のその後の経緯、結果として、アベ様達や「アベ様のNHK」上層部、「右派」の人々からの十分な「メッセージ」効果が発揮され、日増しに、さらに息苦しさを感じざるを得ない、という意味で残念です。
『●「戦争できる国」の未来:
「兵士は言った。「歌ってみろ。それでも、歌えるものなら」」』
『●イラク人女性: 「自衛隊を派遣した日本にも、
(この事態を引き起こした)責任がある」』
『●アベ様は「報道がそれで抑圧される、
そんな例があったら私は辞める」と明言・・・ETV番組改編問題は?』
『●笑うに笑えない「独裁者」の国
・・・・・・やがて「笑う自由」もなくなる日も近い』
『●「とある暴力集団」による「暴力犯罪」、そして「歪んだ社会」ニッポン』
==============================================================================
【http://www.asahi.com/articles/ASH1L0JL9H1KUCVL01M.html?iref=comtop_6_04】
「政府批判の指摘こそ都合いい解釈」 桑田さん発言要旨
2015年1月18日02時50分
サザンオールスターズの桑田佳祐さんは17日深夜、「TOKYO FM」のラジオ番組で、紫綬褒章の取り扱い方などをめぐり批判が出ていることを受けて謝罪し、考えを述べた。桑田さんのラジオでの発言要旨は次の通り。
(渦中の桑田さん「曲解は避けて通れぬ」 褒章扱いは謝罪)
■段取り間違え、褒章をポケットに
周囲の方々から「サザンの年越しライブがネットで話題になっているよ」と聞き、最近になって、一部の内容でご批判をいただいていることを知りました。
今週の木曜日、この前の年越しライブに関するおわびの文章を発表しました。それについて説明させていただきます。
サザンは年末にライブをやって、4日間のライブの中で毎回、昨秋いただいた紫綬褒章をお披露目する場面をやっていました。歌謡曲「ラブユー東京」の替え歌を、「ラブユー褒章」として、大きな感謝を込めて歌詞を作り替えました。会場にいたみなさんには感謝の気持ちをお伝えできました。ただ、4日目のライブは、紅白歌合戦と年越しという一大イベントがありました。そこにぴったりと時間を合わせないといけなくて、言い訳になるが、その時イヤーモニターにスタッフから巻き(の連絡が)入ってくる。時間調整に舞い上がっていた部分もあり、それまでの3日間は、紫綬褒章を正式な木箱に入れて、白い手袋をしたスタッフが私に丁寧に手渡す感じでやっていました。でも最後の日だけは、うっかりあせったのか段取りを間違え、一曲早めに手にしてしまい、慌てて衣装のポケットに入れてしまった。段取りを間違え、あのような状況になりました。もちろん、褒章をぞんざいに扱う気持ちは毛頭ありませんでしたが、結果としてポケットに入れて出すということになり、大変反省していますし、心より心よりおわび申し上げたい。
それから昨秋の皇居における伝達式の様子をライブでみなさんにお話ししする時、私、日頃からずっと平和の大切さを述べておられる天皇陛下を心から尊敬しておりますが、伝達式の陛下のご様子をみなさんにお伝えしようとしたということが私の浅はかなことでした。結果として大変失礼にあたり、不快に感じた方がいらっしゃたことを大変反省しています。
紫綬褒章のオークションをするというパロディーは冗談のつもりだったが、下品な冗談を言うべきではなかった。心よりおわび申し上げます。
■ちょび髭はコントの定番アイテム
紅白に出演した時に「ちょび髭(ひげ)」を付けたことが臆測を呼んでしまったということですが、「あれはアドルフ・ヒトラーだ」「だから現在の政権を批判しているんだ」というデマも流れていたようですが、はっきり申し上げて、ヒトラーのつもりはまったくございません。(サザンとしては)31年ぶりの紅白で緊張もありましたし、重々しい雰囲気で出て行くよりも、出落ちというか、にぎやかしというか、笑いを取りたいなというか。こういうところも浅はかなんですが、直前にスタッフと相談して、ハゲ面かぶろうかなとも思ったが、結局つけ髭の用意を頼んだ。結果(用意した)つけ髭が、ちょび髭だった。加藤茶だとかチャプリンだとか、そういう方たちのものまねさえ私の頭にはなくて、私の世代は、ちょび髭はコントの定番アイテムですから。それをヒトラーと結びつける人がいるのは大変驚いています。
紅白で「ピースとハイライト」を演奏したのですが、これについてネットで私の意図とは異なる解釈をしていることに驚きました。(曲は)一昨年の夏発売したが、当時、東アジア、特に日本の周辺の国で緊張が高まっていたんですよね。心配になる状況がありました。歴史認識が違うことでいろんな摩擦もありました。そういうこともあって書いたんです。「都合のいい大義名分(かいしゃく)で/争いを仕掛けて/裸の王様が牛耳る世は...狂気(Insane)」とも書いたが、この部分を日本政府を批判していると一部のメディアが報道したそうなんですね。はっきり言ってそれこそが都合のいい解釈です。作ったのは、一昨年ですから、集団的自衛権も話題になる前だったと思う。東アジア全体で起こっている問題として作った歌詞なんでございます。その上で「20世紀で懲りたはずでしょう?」と。まだやっているのか。二度と戦争が起きないように仲良くやっていこうよというメッセージを込めたつもりなんですけど。「色んな事情があるけどさ/知ろうよ/互いのイイところ!!」ということも書きました。
■「ピースとハイライト」は平和を願う曲
それから一昨年のサザンのライブで「ピースとハイライト」を演奏した時にバックに使用した映像がある。日の丸にバッテンをした映像だとか、領土問題に対するデモ映像だとか、それが全部サザンの主張であるかのようにね……、とにかく「ピースとハイライト」は平和を願う曲ですから、一昨年当時世界で起こっていたデモなんかのニュース映像を使いまして、「世界ではこういうのが起こっているよ」「このままじゃまずいんじゃないの」という意味で使用させていただきました。それを「反日だ」「お前は日本人じゃない」と言い出す方がいるのは本当に残念ですし、明確に否定させていただきます。
たかが歌なのでたいした力はありませんけど、「希望の苗を植えていこうよ/地上に愛を育てようよ/この素晴らしい地球(ふるさと)に生まれ」というメッセージをね、私は日本を愛するものですし、平和を願うものとして、お伝えしたいなと思っていますし、今後も時折、こういうメッセージを発信していきたいと思っています。
それではいろいろございましたが、聴いてください。サザンオールスターズで「ピースとハイライト」。
(曲の終了後)
いい曲じゃない、って自分でいっちゃ駄目ですよね。
ということで、いろいろ不快な思いをした方には心よりおわびさせていただきます。
今までもいろんなことを言われ書かれましたが、全然事実と違うこととか、語られたことがあるんですけど、語られ続けると思うんですけど、大衆音楽というか大衆芸能というか、そういうことを生業(なりわい)にしていると誤解と曲解とか、そこはさけて通れないし、我々は腹を決めなければいけないし、覚悟していますよ。今後ともよろしくお願いします。
==============================================================================
『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
今週のブログ主のお薦めは、森達也さん【憎悪が連鎖しないことを祈る】と青木理さん【検証朝日叩き コラム「素粒子」の真っ当な反論 「国益損ねた」批判がジャーナリズムを殺す】。
******************************************************************************
■①『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 「斎藤環責任編集 若者に広がる〝新しい宿命観〟」。横田一さん【自民党の分裂選挙〝政権傀儡候補〟敗れる 佐賀県知事選で山口氏が当選】、「オスプレイ・・の同県受け入れを推進する安倍晋三政権の出鼻が挫かれた」。本当かな~?
■②『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 藍原寛子さん【福島の子ども、「甲状腺がん/がんの疑い」が新たに4人 健康調査そのものにも課題】、「「異常なし」とされた4人が・・・・・・1巡目の結果と合計して112人」。取り返しのつかないことをやってしまっていないか?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/99824f073e1c8b558dbe67c1d42f3644)
■③『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 小山エミ氏【米国で「慰安婦」めぐり日本の〝右派〟が集会 退役軍人の団体などは抗議】、「・・らは日本の名誉のために戦っているつもりかもしれないが、かれらの行動はせっかく高まっている日本の評判を落とすだけだ」。誰が国際社会の印象を落としているでしょうか?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/62a82250c5ba66a70f10829a76237225)
■④『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 森達也さん【憎悪が連鎖しないことを祈る】、「表現の自由とはそもそもが、これを規制したり弾圧したりする国家(や政治システム)に対して行使されるべき概念だ。その表現に傷つく人がいるのなら、、決して無制限に許される概念ではない。・・・・・・」
■⑤『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 森達也さん【憎悪が連鎖しないことを祈る】、「・・・・・・僕たち日本人は今、その悪しき実例を、自国内で体験しているはずだ。・・ただし表現の自由が絶対の正義になるのなら、やはりそれは少し違う。もっとデリケートな概念であるはずだ。・・」。(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/55a79986ce2ffe9d1ece5a7158626260)
■⑥『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 森達也さん【憎悪が連鎖しないことを祈る】、「・・・・・・9・11後のアメリカと同様に、「対テロ」を大義にしてフランス国内の集団化は、今後されに加速するだろう。ならば仮想敵を見つけたくなる。憎悪が連鎖しないことを祈るばかりだ」
■⑦『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 【大村アスカの政治時評/「全体として」って? 焦点の歴史認識談話】、「一番やりたかったこの歴史認識の見直しをするための道具立てにすぎなかったのかもしれない。首相はそもそも「戦後レジームからの脱却」が持論だ。・・・・・・」
■⑧『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 【大村アスカの政治時評/「全体として」って? 焦点の歴史認識談話】、「・・米政府はこうした安倍首相の態度に警戒を強めている。もともと、安倍首相の歴史認識について米政府は懐疑的だ」。アベ様の危険な「歴史認識」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cb19ad47fab7516db3b945232ac494f1)
■⑨『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 青木理さん【検証朝日叩き コラム「素粒子」の真っ当な反論 「国益損ねた」批判がジャーナリズムを殺す】、「新聞労連ジャーナリズム大賞は、吉田調書報道に選考委員「特別賞」を送った。私と同じ危機意識を持つ先輩選考委員の勇断・・」
■⑩『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 青木理さん【検証朝日叩き コラム「素粒子」の真っ当な反論 「国益損ねた」批判がジャーナリズムを殺す】、「岡本行夫氏の〝歪曲〟・・・・・・唖然とした。・・・・・・思いの向きに切ってはいけない。ただ、取材を重ねた記者が鋭い眼でネタを切り、角を立たせ・・」
■⑪『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 青木理さん【検証朝日叩き コラム「素粒子」の真っ当な反論 「国益損ねた」批判がジャーナリズムを殺す】、「・・・・・・読者に届けるのは、まさにメディアの責務。ミソとクソを一緒にするかのような風潮は、この国のメディアとジャーナリズムを壊死させていく・・・・・・」
■⑫『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 青木理さん【検証朝日叩き コラム「素粒子」の真っ当な反論 「国益損ねた」批判がジャーナリズムを殺す】、「・・・・・・いや、もうほとんど壊死しかかっているのかもしれない。焦燥ばかり募る」。『朝日』叩きの陰で(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/0ad03769634c7f275309a1c6eac3a866)
■⑬『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 矢崎泰久さん【発言2015】、「フランスの風刺週刊誌・・明らかに言論表現の自由を妨害するテロ行為である。この事件に対しては安倍首相も「許せない言論への攻撃」」とコメントしているが、先の総選挙にあたって、メディアに・・」
■⑭『週刊金曜日』(2015年1月16日、1023号) / 矢崎泰久さん【発言2015】、「・・・・・・言論を規制するよう求めたことを忘れているらしい。沖縄では風刺画にも目クジラ立てた。つまり言論の自由を認めない人間が日本のトップに存在していることを私たちは忘れてはならない」。(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/beaa36f5f1209df87ddcae28a2171984)
******************************************************************************
asahi.comの記事【川内再稼働同意の2県議、関係企業が九電関連工事を受注】(http://www.asahi.com/articles/ASH1D7D53H1DUTIL026.html?iref=comtop_6_02)。
「ともに県議会で川内原発の安全対策を調べる原子力安全対策等特別委員会(15人)に所属。同委員会は2014年11月、川内原発の再稼働推進を求める陳情を賛成11、反対3で採択し、2人は賛成」。
『●再稼働ありきの「世界最高水準の規制基準」という「世界一の無責任」さ』
『●火山の巨大噴火時の緊急核燃料輸送に何時間、何日間?
答えは「2年以上」!』
『●「今後の運転期間はせいぜい三十年間。
その間の噴火はないだろう」との推測下、川内原発規準OK』
『●原発再稼働という恥ずべき選択 ~「新基準は世界一」
「世界最高レベル」ではなく、「世界一の無責任」~』
『●九州電力川内原発を再稼働させてはイケナイ:
何のための専門家会合? 市民の意見提出??』
『●御岳山噴火は水蒸気爆発なので予測不可
・・・川内原発再稼働「影響せず」、でOKですか?』
『●安心な新「安全神話」: 「万が一事故が起きた場合は
関係法令に基づき、政府が責任を持って対処する」』
『●怒号渦巻く川内市住民説明会:
誰が川内原発再稼働を望んでいるのか?』
『●「恥」と共に原発による人権侵害までも輸出
=「輸出先が加盟国なら、日本製の原発でもメーカーは免責」』
『●「超巨大噴火が、100年以内に起こり得るというのは大変なこと」:
九州電力川内原発再稼働という無謀』
『●岩切秀雄薩摩川内市長は責任を
「最終的には国が負うべきだ」と強調・・・自民党の一体誰が責任を??』
『●川内原発再稼働という暴走: 「これほど地震が多い国で、
原発が安全だと信じる人がまだ残っている」?』
『●御岳山噴火は水蒸気爆発なので予測不可
・・・川内原発再稼働「影響せず」、でOKですか?』
『●火山学者のレベルや噴火予測の精度は知らないが、
超巨大噴火は起こりません、とでも言いたげな田中俊一氏』
『●川内原発再稼働問題: 火山学会は、
原子力寄生委員会から売られたケンカは買うべきだ!』
「関係企業が九電関連工事を受注」しているような県議がこの委員なんか引き受けてはいかんでショ!! 「やらせ」じゃん。「利益相反」。さらに哀しいことに、彼ら二人がいなくても賛否が逆転しないという委員構成の歪みじゃないかと、最初から賛成する気しかないのではないかという委員会、一体何のための「原子力の安全対策等を特別に審議する委員会」? 「地元」だけではなく、「30キロ圏内」だけでなく、九州どころか日本中、世界中に放射性物質をまき散らす恐れがあるというのに、お気楽な委員会だ。賛成票を投じた委員は「自分」の目先の「カネ儲け」だけしか考えていない。
『●旧原子力安全・保安院の「やらせ」や「圧力」
・・・・・・どこが一体「安全」や「保安」なのか?』
==============================================================================
【http://www.asahi.com/articles/ASH1D7D53H1DUTIL026.html?iref=comtop_6_02】
川内再稼働同意の2県議、関係企業が九電関連工事を受注
大谷聡 2015年1月13日05時19分
(↑ブログ主注: すいません、勝手にコピペさせて頂いております
【http://www.asahi.com/articles/photo/AS20150112001619.html】)
九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)の安全対策の調査を担当し、再稼働に同意した鹿児島県議2人や親族の経営する建設会社計4社が、東京電力福島第一原発事故後の3年間で、川内原発や九電の関連工事を計26件、2億9千万円分受注していた。2県議は会社から報酬を受けていた。
川内原発の安全性を客観的に審議する立場の県議たちが、原発事業者側から利益を受ける構図だ。
2人はいずれも自民党の外薗(ほかぞの)勝蔵県議(当選4回、薩摩川内市区)と小幡兼興県議(同5回、出水市区)。ともに県議会で川内原発の安全対策を調べる原子力安全対策等特別委員会(15人)に所属。同委員会は2014年11月、川内原発の再稼働推進を求める陳情を賛成11、反対3で採択し、2人は賛成した。
==============================================================================
asahi.comの記事【サザン「ピースとハイライト」は政権批判? 解釈で波紋】(http://www.asahi.com/articles/ASH155SJLH15UTIL02G.html?iref=comtop_pickup_02)。
「昨年の大みそか、ちょびひげを付けた桑田佳祐さんがテレビ画面に映し出された。横浜での年越しライブ会場から中継で登場した桑田さんが歌ったのは「ピースとハイライト」だった」。
アベ様達は「政権批判」だったら歌うなとでも? アベ様は、彼らのコンサートにも行くほどなので、それ(「政権批判」)を感じる感性も無いのかな? そして、今度は「ワッペン」の「お取扱い」についても批判が出ているそうだ、トホホ。
『●・・・であるのならば、壊憲派を勝たせてはいけない
~「“悪魔”を阻むハードル」を下げてはならない~』
『●麻生太郎氏「だれも気づかないでかわった。
あの手口に学んだらどうかね」』
『●「言い過ぎを批判された政治家が自己弁護する、
あまり効き目のない常套手段」』
『●麻生太郎氏「ナチス発言」、やはり有耶無耶に』
『●日本社会は歪んでる:
ネオナチやヘイトスピーチ集団に「信奉」される議員が取り巻くアベ様』
『●「恥」の三重塗り: 高市早苗氏・稲田朋美氏の
「ネオナチ」写真問題・「在特会」機関紙執筆問題』
『●麻生太郎氏「ナチス発言」、やはり有耶無耶に』
『●高市早苗氏が書籍『ヒトラー選挙戦略』へ推薦文:
20年前に既にその萌芽が』
『●笑うに笑えない「独裁者」の国・・・・・・やがて「笑う自由」もなくなる日も近い』
ヒトラー、ナチスとチャップリン(チャプリン)。
プロテストソング。
「『禁じられた歌 ビクトル・ハラはなぜ死んだか』(八木啓代著)によると、ハラはスタジアムでも逮捕者のために歌った。兵士にギターを奪われた。手拍子で歌った。銃の台尻で腕を砕かれた。なお歌おうとして射殺された。兵士は言った。「歌ってみろ。それでも、歌えるものなら」」。
そして、「アベ様のNHK」は「放送禁止歌」にでもする心算かな?
『●「戦争できる国」の未来:
「兵士は言った。「歌ってみろ。それでも、歌えるものなら」」』
==============================================================================
【http://www.asahi.com/articles/ASH155SJLH15UTIL02G.html?iref=comtop_pickup_02】
サザン「ピースとハイライト」は政権批判? 解釈で波紋
山田優、斉藤佑介、渡辺洋介2015年1月6日05時13分
(サザンオールスターズの桑田佳祐さん)
31年ぶりにNHK紅白歌合戦に出場したサザンオールスターズ。そこで披露した歌が反響を呼んでいる。どうしてなのか。
昨年の大みそか、ちょびひげを付けた桑田佳祐さんがテレビ画面に映し出された。横浜での年越しライブ会場から中継で登場した桑田さんが歌ったのは「ピースとハイライト」だった。
世界各国の言葉で「平和」という文字が映し出された映像が流れる中、桑田さんは少しおどけたように歌った。
♪都合のいい大義名分(かいしゃく)で
争いを仕掛けて
裸の王様が牛耳る世は……狂気
この「都合のいい大義名分」を、集団的自衛権行使容認のための憲法解釈変更に重ね合わせて聴いた視聴者らがネットで反応した。曲名を「平和(ピース)と極右(ハイライト)」と読み替えたり、「裸の王様」を安倍晋三首相への揶揄(やゆ)と受けとめたり――。
ツイッターなどにはこの歌の「解釈」を巡って賛否の投稿が相次いだ。
・・・・・・・・・。
==============================================================================