不思議の国のアリスちゃん 改訂版虫眼鏡の向こうの世界は、子どもと歩む「不思議の国のアリス」ちゃん。 『The Sense of Wonder 不思議を感じる心』から p76の第2パラグラ...
脳研究者にして、児童精神科医、ブルース・ペリー教授は、ヴァン・デ・コーク教授よりも人気があります。さすが人気作家ですね。お調子者の私ですので、さらにさらに、も一つオマケです。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog より、さらに、ちょっと先に進んで、p.244-5。結論部の一部ですね。
困難を負わされた子ども等は、いろんな痛みを抱えてもいますよ。痛みがあれば、イライラしたり、心配になったり、攻撃的になったりするのが、人情でしょ。忍耐深くて、自分と人を大事にできて、言ってることとやってることが一貫しているケアだけが役に立つものですよね。すなわち、「あっと言う間に良くなる」、なんて奇跡などあり得ません、ということですよ。このことは、3才、4才の、1人の子どもにも当てはまるのは、10代の1人の子どもに当てはまるのと同じです。お兄さん、お姉さんに子どもが成ったからと言って、罰を与えるような関わり方が、適切になったり、効果的になったりするわけありませんよ。またまた、残念なことですけどね、(家庭や学校などの)世間は、この辺の事情が分かっちゃいないんですね。世間は「その場しのぎの、アリバイ作りの解決法」をやりがちで、それがダメなら、ずっと罰を与えておくということになりがちでしょ。私どもが忘れずに置いておいた方が良いのは、罰を与えても、何かを取り上げても、「〇〇をやんなさい」だとか「▲▲はダメでしょ」だとかを強制しても、それは、これらの子どものトラウマを一層ひどくするだけだ、ということですし、子どもの問題を一層ひどくするだけだ、ということですね。
私が自分の仕事から学んだ最高の事は、何か別のことをする前に、単純に、相手の人に心の眼と心の耳を向けて、聴く時間を作ることの大事さですよ。私どもの脳はミラーリングする(相手と自分が、合わせ鏡になる、同じ状態になる)ものですから、他の人が落ち着いて、冷静になるのを助ける一番いい方法は、まず自分自身が落ち着いて、冷静になることでしょ。それができれば、相手の人に心の眼と心の耳を傾けることもできますでしょ。
先日、ある教員から「怒ることってないんですか?」と訊かれたんですね。愛着障害の子ども等には、〈怒ってもだめですよ、穏やかに肯定的な言葉を使ってくださいね〉と遊びのオジサンである私が言ったからだと思います。その問いに対して、私は、〈もともと怒りっぽい人なんですよ〉と応えておきました。司馬遼太郎さんに倣って申し上げれば、「『いたわり』、『人の痛みを感じること』、『優しさ』を訓練を通して身に付けることが大事だ」ということです。
家庭に、学校に、会社に、組織に、世間に必要なこと、それは静かな時間、落ち着きと冷静さと正気を保てる、静かな時間、クワイエット・タイムでしょうね。
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