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今朝は、憲法を考えます。それは先日NHK「ハートネットTV」で、ベアテ・シロタ・ゴードンさんの話を伺うチャンスを得たからです(https://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/calendar/program/index.html?id=201701042000)。
ベアテさんは、1929年、5歳の時に、ピアニストであったお父様のお仕事の関係で来日し、1939年、15歳になるまでの10年間を日本で過ごされたそうです。残念ながら、今から4年前、2012年に89歳で亡くなられています。しかし2007年のインタヴューの中で、子どもの頃に見た日本の女性について、次のように述べられていました。「男の方の後ろを歩いている女性を毎日見ました」、「(物事を)決める時には、何でも男性が決めていました」、「結婚、自分の好きな人と出来ない」…流ちょうな日本語で、そう話しておられます。
敗戦後、GHQのメンバーとして、22歳で再び来日され、マッカーサーの命令で、憲法草案の女性の人権の部分を担当されたと言います。その時、スカンジナビア(北欧)憲法、ワイマール憲法、ロシア憲法に女性の人権条項がたくさんあり、その憲法を参考にされた、と言います。
ベアテさんの原案に、日本政府が反対したそうです。「日本の文化に合わない」…と大反対だったようです。そのために、ベアテさんの憲法原案は、大幅に削除されてしまいました。
削除されてしまった、ベアテさんの憲法原案を見てみますと、
「19条
妊婦と乳児の保育に当たっている母親は、既婚、未婚を問わず、国から守られる。
26条
女性は専門職業および公職を含む どのような職業にも就く権利を持つ。おなじ仕事に対して、男性と同じ賃金を受ける権利を持つ。」
ベアテさんは、通訳として憲法原案を議論するGHQと日本政府の会議に出席していて、この女性の人権条項を削られるのを目の当たりにされて、会議の場で「泣いちゃったんです」と言います。「(女性の)社会福祉の権利も、(憲法に)とても入れたかったんです」、「(社会福祉の権利は憲法でなく、民法に書くべきだと言われたけれども、)民法を書く人は男になるでしょう。官僚的な男になるでしょう。だから、それ(女性の社会福祉の権利)を憲法にいれれば、今度民法にも(入って)、ちゃんと法律になるでしょう。しかし、私は、官僚的な日本の男性にもう前からずっと会っていますので、『そういう(官僚的な男の)人たちは、そういう(女性の社会福祉条項を民法に入れる)そういう考えはない』と言ったんです。」
日本政府と、ベアテさんのどちらが、先見の明があったかは、明らかですね。
私は、このベアテさんの発言を伺って、ベアテ原案が日本国憲法に実現していたら、電通の新人の女性社員は死なずに済んだし、いま日本中で溢れている発達トラウマ障害(DTD)の子ども達、大人たちは、遥かに少数で済んだし、貧困な子どもの数も、遥かに少なくて済んだろうと思います。
日本の政治家と、お役人、お役所は、目先の自分の利益しか考えない、民主主義の敵ですね。
ベアテさんの憲法原案にあった女性の人権条項を是非復活させたいと私は考えます。
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