愛着障害の子どもについては、繰り返しこのブログで取り上げています。ヴァン・デ・コーク教授の最新刊を翻訳しているのも、愛着障害の子どもについて、皆さんにお知らせしたいからです。
愛着障害は、発達の最初、赤ちゃんの発達危機が乗り越えられずに、生きている人ですね。10才でも、30才でも、50才でも、魂は赤ちゃんのマンマ。0才です。愛着が身に付いていないからです。根源的信頼感が希薄で、根源的不信感に大きく傾いているからですね。
アメリカの、とある文献によると、平均寿命が20年も短くなる、早死にする、と言われるくらいです。若死にの背景には、若者の自殺、あらゆる精神病、すなわち、境界性人格障害、重たいうつ病、アルコール依存症、薬物依存症等の依存症、摂食障害、不安神経症など、また、ひきこもりや反社会的な行動があります。
何故でしょうか?
愛着があるかどうか、根源的信頼感と根源的不信感のどちらに傾いているかは、あらゆる人間関係に影響します。言葉を換えますと、あらゆる人間関係のひな形が、通常、赤ちゃんの頃の母子関係なんですね。赤ちゃんの頃の母子関係を意識できる人って、居ませんでしょう? でも、それは、身体が、無意識が、魂が覚えているんですね。一種の刷り込み、インプリンティング imprintingです。インプリンティングがあるのは、ハイイロガンだけじゃぁない。人間は社会的動物ですから、人間関係の結び方、感情の表し方が、赤ちゃんの頃の母子関係に拘束され、インプリンティングされていることが圧倒的に多いでしょうね。それは、赤ちゃんの頃に母親から相手にされなかったり、冷たくされたり、打たれたりした経験が、寂しい気持ちやら、激しい怒りやら、不満やら、殺したいほどの憎しみやら、の気持ちがべったりくっついた形で、無意識に蠢き続けてるからなんですね。
ですから、あらゆる人間関係が、なかなか良い関係に出来ません。イジメたり、イジメられたり、コントロールしようとしたり、コントロールされたり、気持ちの良い関係がなかなか出来ません。ですから、就職するのも難しくなるでしょうし、同じ職場で仕事を続けることは、もっと難しくなります。無意識につらい体験、激しい感情が渦巻いてるのですから、そもそも感情をコントロールすることが苦手なんですね。ですから、自分の意見や、自分の気持ちを、穏やかに表現することはできません。それだと、就職も結婚も難しいのも、仕方ないでしょ。そもそも、育った家庭が、心の居場所になりませんから、どこに行っても、安心できる居場所が見つからない、ということにもなりがちなのですから。
その場その場で、周りが期待する「自分」を演じることになります。しかも、その演じていることを意識しているかと問えば、もう自動運転になってて、意識できていないことの方がはるかに多い。自信がありませんから、本当の自分を表現することができません。
それじゃぁなくても、意味や価値が希薄な時代です。愛着障害があって、辛い体験、激しい感情を無意識に隠している人は、生きている意味と価値を見出すことがなかなかできません。しかも、「馬鹿だ」「役立たず」等と蔑まれたりして、そもそも根源的不信感が強いのですから、わずかな自信がますます弱くなっちゃう…。人生に絶望するのも、ある意味当然かもしれません。20代の自殺のほとんどは、愛着障害の人ではないですか?
どうすればいいのでしょうか?
それは、「本当の自分」を取り戻すことです。
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