早いもので先日年が明けてから早二週間を突破致しましたねー。
巷は緊急事態宣言下らしいですけど前回に比べて緊急事態宣言の緊張感を感じない寅です。。。
何か今回は大義名分に飲食店に集中砲火を浴びせてさりげなく嫌がらせしながら要請を出す側が隠れて会食してバレてると言うお粗末な流れに辟易としちゃってますよ。。。😩
こうなったら国や行政がどうのと言う前に我々国民各々がコロナに感染しない努力をするしかないと思いますが主に会社勤めの皆様には其れも厳しいってのが現実ですなあ。。。
何とかコロナを収束させる決定的な糸口が見つからないものか。。。
コロナ🦠よ。コロナ🦠よ。飛んでけ〜。。。😷
さて、今回はウチのW140 600SELお嬢の電装系点検を行っていてメルセデスが約30年前から市場に出した電気化過渡期の「作品」について少々お話を。。。
1991年当時、メルセデスがメチャクチャお金を掛けてコスト度外視とも言えるフラッグシップのW140をデビューさせました。
前モデルのW126の様に機械的制御、アナログ電気制御を中心とした設計とは根本的に異なりエンジン制御、安全装置、装備、アクスル周りにマイコン制御を積極的に採用。。。
フラッグシップモデルの最上級グレードにV12の6Lエンジンを搭載❗️
2.5t超えの車台を軽々と加速させるハイパワートレインでした。。。ガスはメチャメチャ喰いますけどね。。。😂
この有り余るマッチョパワーに対して流石は自動車の安全についての先進国だった独な国。。。
ABSは当然の装備だとして、、、スロットルの踏み過ぎによる横滑り防止装置であるASRシステム。。。
車体の現況を制御コンピューターが把握する為の各種センサー。CANによるエンジン制御用のLHコンピューターとの通信。更にCANによってスロットルコントロールデータのやり取りをE-GASコンピューターと行い最終的にASRコンピューターの信号によってASRの油圧制御ポンプを動作させて必要に応じて動力を伝える後輪軸の回転抑制を行っています。
こう言った安全装置もエンジンのインジェクションコントロールも電子制御パワステ(PML)も当然に電気制御の源となる電源モジュール、、、GMモジュールによって各システムに電源をデイストリビュートしている訳ですが、、、
配線図を追うとGMモジュールへのバッテリー電源は一箇所。
GMモジュールの中で電源が分配されて複数の出力端子に電源が出力されて各モジュールやセンサー類、アクチュエータ類に電力が供給されると言うシステムになっています。
このGMモジュールの電源出力端子についての振り分けも今更になってよくよく配線図を凝視してみると色々な事が想定されている事に気付く。。。
M120エンジン搭載のV12エンジンは右バンク、左バンクの左右バンクをそれぞれ独立制御しています。
つまり、6cyの104系エンジンを二つくっつけた様なV型エンジンで片側六気筒毎の制御と言う訳です。。。
故にエンジン制御用のLHモジュールは左右一基ずつ。。。つまり二基搭載され、左側バンク制御のLHモジュールが安全装置の電源回路を一部共有しています。
つまり、M120エンジン用のGMモジュールには10Aのヒューズが4本装備されておりますが、F1,F2,F3,F4の各ヒューズの内、F2ヒューズが左バンク、F4ヒューズが右バンクの制御電源を出力しています。
LHモジュールにはフューエルポンプリレーK27の制御機能も御座居まして、、、
V12モデルには二つのLHコンピューターによって二つのフューエルポンプがパラレル接続されています。その理由は。。。
先述のGMモジュールのF2が左バンクのLHモジュールの制御電源と共に安全装置の電源回路を一部共有と言うお話。。。
この安全装置とはASRの事でASRの油圧ソレノイドの電源を指します。
このソレノイドってヤツ。。。
電磁石系はハッキリ言って不得意な毒な国の製品。。。まあ、外注はA国のルーカスの様だけどね。。。
経年変化で電磁コイルの絶縁が劣化してコイルのリアクトル低下を起こします。。。
すると、、、ドライバーが不用意にアクセルペダルを踏み込んだ時にASR作動❗️
ASRの油圧ソレノイドに電流流入。。。リアクトル低下を起こしているコイルな為に過大電流となって電源供給元のGMモジュールのF2の10A規格のヒューズをブチッと切ります。。。
GMモジュールのF2が切れますと、、、両バンクのLHモジュールのCAN制御電源が停止。GMモジュールの回転信号出力も停止。(タコメーターが0rpmになります。)油圧計も停止。(0kgになります。)
して、、、ASRのシステム停止となって「ASR」ランプ点灯。。。
ミッションのシフトポジション信号も停止するので油圧ソレノイドも停止。
シフトアップは加速してアクセルペダルを一旦戻すマニュアルミッション車の様な操作が必要になります。😂
この時点で左バンクのLHモジュールはインジェクション制御機能の完全停止なのですが、GMモジュールのF4が生きていれば右バンクのLHモジュールの最低限の制御動作は独立して動いている筈なのでフューエルポンプもONになるので取り敢えず片肺ですがエンジンは掛かり走れます。。。😂
コレ、M120エンジンの凄いところ。。。(笑)
アクセルペダルのコントロールさえ上手くやればシフトアップして90km/h位迄は加速出来ます。。。が、、、ブレーキマスターのパージバルブが停止していますのでブレーキの効きが若干悪くなりますのでご注意を‼️🤔
つまり、このV12にあってはASRなどのトラブルによって片肺になってももう片側バンクのシステムが最低限生きていれば走れちゃうよって事ですな。。。
日本🇯🇵ならば動けなくなっても呼べばレッカーサービスが受けられるけど諸外国、、、特に砂漠の土地じゃあ死にますからね。。。
因みに119のLH制御にはこの様なシステム構成にはなっておらず、119エンジン用のGMモジュールのF2が断線するとフューエルポンプリレーもOFFになる為にエンジンは掛かりません。。。つまりエンストです。ASR付きの500Eで結構あるある系のトラブルです。
この場合はモジュールBOXを開けてヒューズをそのまま交換しても再び切れます故、禁断の方法として15Aヒューズを一時的に噛ませてエンジン始動を試みて問題なく掛かる様であればASRが効く様なラフなアクセルワークを避けて修理工場に御入庫下さい。
つまりASR作動をおこなわなければ電磁ソレノイドも動かないのでソレノイドに過電流を流さずに済むって事です。
この場合、イグニッションONの状態で速度計の⚠️ランプが直ぐに消えてしまう様であればASRシステムの休止によるフェイルセーフなので故障箇所によってはアクセルペダルが奥に逝ってしまって最高速度60km/h仕様になります。。。
エンジンさえ掛かってしまえば、フェイルセーフに無い状況であればASRさえ使わずに走行と言う条件であれば普通に走れます。。。
と、まあ当時のメルセデスの設計陣も不測の事態を常に想像しながら作ったのだなあと今更ながらに感じさせられる解体新書でした。。。🤔