ひょんなことから萩の別名が鹿鳴草(ロクメイソウ)だと知って、ちょうど季節でもあり、紅葉狩りならぬ萩狩りをしてみむと、散策に出ました。
とちのき通りにも久しく足を向けていなかったので、ついでに栃の木の様子も見てみようと思いました。
日中は汗をかくほど気温が上がりましたが、朝はかなり冷え込みました。夏がきてからずっと開けっ放しだった窓を、昨日の夜は初めて閉めました。
とちのき通りの栃の並木です。紅葉の季節にはいささか早いと思われるのに、葉はすっかり茶変しています。
近づいてみると、秋、というより、自動車の排気ガスのせいなんじゃないの、と思わせるような色の変わり方です。
コキアも色づきが始まっています。
こちらはもう少し。
先のコキアは別々の畑にあるものですが、明らかに人の手によって植えられたものです。近くには道路のアスファルト舗装の割れ目から芽を出したものが幾株かありました。
近くに寄ってみると、花なのか種なのか、紅い粒々があるのがわかります。これが風に飛ばされるなどして芽吹くのでしょうか。
完璧な秋晴れでした。
そこかしこで赤とんぼが羽を休めていました。
本土寺裏では例年どおりシュウカイドウ(秋海棠)の花が満開です。
鹿鳴草という字面を目にして、つい鹿鳴館を思い出したので、私は「ロクメイソウ」と読みましたが、「シカナグサ」、あるいは「シカナクグサ」と読むのが一般的なようです。
ちょうどこの花が咲くころ、鹿の発情が始まり、♂が♀を求めて鳴くことからこの名がつけられたのだそうです。
ところで、散策に出たものの、肝心の萩にはついぞお目にかかれず、帰ろうかと思って、引き返したところで見ることができました。
見つけづらかったので、季節的に早いのかと思いましたが、庵に帰ったあと、手持ちの植物図鑑をひもといてみると、初夏から咲いている、とありました。すでに花の季節は終わりに近づいていたのです。
鹿鳴草といい、秋の七草の一つといいますが、萩は草ではなく、れっきとした樹木です。とはいえ、見るからに弱々しい枝はすぐ折れそうで、草のようではありますが。
今年から我が庭に加わったコキアです。
先週はじめの台風18号でなぎ倒されたあと、いまのところは自力では立ち上がれず、横になったまま、少しずつ色づき始めています。