雨です。
しかも、かなり強い雨。
新型コロナ禍は治まる気配を見せないので、今月の薬師詣では電車やバスに乗ることは諦めたほうがいいかと考えていました。三日前の五日には台風14号が発生して日本列島を窺う、というような状況も加わったので、小外出とはいえ、電車やバスに乗って出かけるのは完全にヤ~メタ、という気分です。
おまけに寒い! 十一月の寒さだそうです。
冷たい雨に打たれて、キンモクセイ(金木犀)の落花が盛んです。
歩く径々でも、ところどころで……。
慶林寺へは日課の参拝に加えて、薬師如来縁日のお参り。お賽銭をあげて、香炉の後ろにあるこの小鐘を撞きます。
観音像横にある蜜柑の色づきはまだまだ。
参道の牡丹臭木(ボタンクサギ)はそろそろ終活を迎えそうな花とこれから咲くぞという蕾が入り乱れています。
参道のハナミズキ(花水木)やら花桃の枝にはこんな大きな蜘蛛が巣を張り巡らせていました。
我が庭先に置いたプランターで栽培しているパセリに着くモンシロチョウの毛虫、パプリカにつくカメムシなどを見つけると、指弾鉄砲を発射させて弾き飛ばします。カメムシの場合は羽があるので、一度去ったふりをして、舞い戻っているものもいるかもしれませんが、かくいう私はハシクレとはいえ、一応仏教徒です。ゴキブリや蚊、小蠅のたぐいを除くと、殺してしまう、というのは躊躇します。洗濯物を干すのにb邪魔にならない程度に蜘蛛が巣を張ってくれたらいいのに、と思うのですが、なかなかうまくはいきません。
庵近くまで戻ってきたとき、道路で黄金虫がひっくり返って、ヤワヤワともがいていました。蝉も黄金虫も、ひっくり返って自分では起き上がれないようなときは、すでに弱っているときです。見て見ぬふりをして、通り過ぎようとしましたが、つと芥川龍之介の「蜘蛛の糸」に出てくるインドの大泥棒・犍陀多(かんだた)のことを思い出したので、指でつまんで向きを変えてやったら、羽を開いて飛び去って行きました。
ちょっぴりいいことをした気分です。こんな些細なことでも、そういう機会を与えてくださったのはお薬師さんにお参りした功徳でしょうか。