~ストーリーテリング「愛依の風」ainokaze~

絵本・素語り・わらべうた
ストーリーテラーやえはたのりこ(やえちゃん)の徒然便り

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桜と満月

2009年04月09日 | 日々徒然
今日は美しい満月ですね。

桜は花びらを散らしながら、この静かな夜を過ごしているのですね。
満月と桜。
幻想的な世界が浮かびます。

生誕100年の東山魁夷展で観た絵を強烈に思い出します。
この絵は、誰もが息をのむ美しさ、静寂、奇跡の宵の神秘を想うのではないでしょうか。

 「花明り」

幽玄な美の世界は絵によって描かれるものなのだろうと思います。
歴史を積み上げた人の魂まで呼び起こし、今、生きた魂が揺さぶられる絵で。
本当に強烈な印象を残す絵でした。


また、桜といえば、花月の歌人西行を想います。
花が舞い始める頃になると、いよいよ西行の世界になります。
今日の宵などはこんな歌が似合うかな。

「雪と見てかげに桜の乱るれば花の笠着る春の夜の月 」

西行の「願わくは・・・」の歌はもうあまりにも有名ですが、
桜を歌う西行の歌を詠んでいくと、人の煩悩や憧れや寂寥感が湧いてきて
美と憂に心が揺れるのを感じます。


今は、閉店してしまったさくら茶屋での月宵語りの会。
懐かしい。
西行好きの私にぴったりのお店でした。
いろいろ思い出されるなぁ。

一期一会というけれど、桜と満月のように、心惹かれる出会いはあるものです。
ひと時ひと時が自分に与えられた大事な贈りものなのですね。

桜が咲いて、みんなの心にも花が咲いたことでしょう。
優しく花びらを舞わせたいですね


胸さわぐなりけり

2009年04月09日 | 創作
    花吹雪

満開の桜のあとは、風が吹く
この風に、桜の花びらが舞い吹雪く
花の舞台の千秋楽が近づいている

さらさらとひらひらと蝶のようにも
風の衝突のせいで、巨大な見えない風船のようにも
白雪のごとく降りしきるようにもなって
私の目の前で、驚かせるように舞っている

花吹雪は、花の命の小さな結晶が群舞して
時が過ぎていくこと
時は決して止まらないこと
時はただ流れていかないのと
私の目の前で、渦巻きながら舞っている

とてつもなく大きくて、見上げる桜が
ざわざわいいだした
きらきら優しく微笑んでいた桜が
ひそひそ話をしながら、風に乗ってどんどん去っていく

花吹雪に埋もれるよう佇む
春の魔物が胸を刺す
花吹雪が
桜の木から、涙の雫のように舞い落ちる

          (2009.4.8 Yae)