打越通信

日記ふういろいろ

瀬戸内の海を求めて(2)

2017-08-21 20:52:07 | 旅行
ホテルから尾道までは50キロ足らずで時間は一時間ばかりだった。
瀬戸内海の海が見えるまでかなり時間がかかった。
海が見える頃には国道も自動車専用道になり尾道の看板が見えたので国道を離れ千光寺を目指した。
小高い山をのぼり千光寺の駐車場にクルマを停めた。
今日は歩くことを覚悟していたのでカメラをリックに詰め込み準備した。
公園のように整備された山道を先ずは展望所に向かう。
大勢の観光客がすでに展望所にいて、地元の猫たちは地べたに寝転んだまま寝込んでいた。



高台から眺める景色は最高に気持ちが良く、風も気持ちいい。
目の前には向島が見え、尾道水道を観光船や水道専用のフェリーが行きかっていた。



しまなみ海道に架かる尾道大橋や造船所と、遠くに見える島々の山の風景が異質にも思うがこれが魅力なのかも知れない。
しばらくその風景にカメラを向けシャッターを切った。
展望所を後にして文学のこみちを降りる。
志賀直哉(暗夜行路)や林芙美子(放浪記)などの一説が岩に刻まれている。
しばし足を止めその一説を読んでは進む。





千光寺の境内に入ると石仏が迎えてくれる。
巨大な岩がごろごろしていて山寺というより岩寺といった感じだった。
ここからの眺めもまた素晴らしく、しばし休憩していると真横をロープウェイが音もなく過ぎ去っていく。
細い路地があちこちにあり「猫の細道」と呼ばれている。



古い民家なのか旅館なのか風情がある建物が多い。



その横を再び音もなくロープウェイが行き来する。
千光寺を降り山陽本線のガードをくぐるとアーケードに出た。
アーケードを抜け尾道水道まで来て海べりを歩いてみた。



古いアーケードを歩いていると古き時代の建物が次から次へと現れる。
長い行列が出来ているところがあり、どうも尾道ラーメンの有名店のようだった。
行列に並ぶまでは時間の余裕もなく、尾道浪漫館なる喫茶店に入り食事をした。
それからJR尾道駅まで歩いたが急に空に黒い雲がかかってきた。
急ぎ千光寺ロープウェイの駅を目指す。
ロープウェイを降りる頃には小雨になっていた。
頂上から雨上がりの瀬戸内の島々がとても美しくしばらく見とれてしまった。
クルマに戻り、さてどこに行こうかと考え、水道を行きかうフェリーに乗り向島に行くことにした。
乗るのも初めてで要領がわからないままいると、タクシーが横を通り船に向かう。
切符とかどうするのかと思ったが、エイとばかりにタクシーについて行った。
船に乗り込むといきなり動き出した。
係りのオジサンがお金の回収に来た。
なんと200円足らずの料金だった。
船は数分もかからず向島に着いた。
海岸線を走っているとサイクリングする人たちが結構いる。
因島大橋のふもとの駐車場でクルマを停め海岸に出てみた。



道路のすぐ下は砂浜になっていて家族連れが海水浴を楽しんでいた。
その先には青々とした海、海に浮かぶ島々が見える。
島を一周して再びフェリーに乗り込む。
岡山まで87kmの看板が見えるが今回はここまでとあきらめ夕日が落ちるなか尾道を後にした。