あきここの豆だいふく

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ことばのアトリエ

2013年03月27日 | 日記
公文で季節ごとに貰う冊子にあった作家、あきびんごさんの素敵な記事。とても興味深かったのでご紹介。

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前のポケット、後ろのポケット 文 あきびんご

イソップ物語に『二つのポケット』と言うお話があります。

〈神さまは人間をつくられたとき、最後の仕上げに理性の入った二つのポケットをプレゼントし、自分の長所と短所を右ポケットに、左には他人の長所と短所を入れて、人や物事を公平に見られるようにと考えられました。

ところが人間はせっかちで、まだ片方のポケットしか縫いつけていないのに、二本足で勝手に歩き始めました。あわてた神さまは追いかけて、もう一つのポケットは背中に縫いつけました。

そのうえ、もっと困ったことに、前のポケットには自分の長所と他人の短所、後ろのポケットには自分の短所と他人の長所を入れ間違えたのです。

だから人間は、自分の長所と他人の短所はすぐに見つけても、自分の短所と他人の長所は、よほどの努力をしないと見つけられません。〉

人間が、自分に甘く他人に厳しくなりがちなのは、神さまがこんなミスをしたからなのですね。

このお話を知ってから、私は「自分に厳しく、他人に優しく」をモットーにしてきましたが、思うことは簡単でも、行うのには努力と勇気が必要で、反省ばかりです。

前のポケットしか見えない人は「私はまとも・普通・正しい、おかしいのは他人」と思い込んでいます。だから、子育てでも「良いことは親のおかげ、よくないことは子どものせい」と、悪いのは子どもにしてしまいます。さらには「学校が、社会が、・・・が良くない」と不平不満だらけになります。

しかし、悪いのは子どもではありません。子どもを叱ったり嘆いたりする前に、後ろのポケットを見る努力をしましょう。さもないと、「ほめよう・ほめなければと思っても、ほめられるところがひとつもない」となりがちです。

前のポケットには欲と不満がいっぱいで、良心と感謝は後ろのポケットに入っています。
後ろのポケットをよく見れば、「自分に厳しく、他人に優しく」なれ、ストレスも減り、ラクになれますよ。

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イソップのお話はもちろんのこと。そのあとの後のあきびんごさんのお話にもなるほどな~って思いました。

あら。あたくしにもよくよく見たら後ろにポッケがついている。
ついていないんじゃなくって、ちょっと見づらいところではあるけれど必ずポッケはある。そこんところがすごく良かった。自分が努力して手繰り寄せたら、人や物事を公平に見ることができるんだ~。

まぁ。努力して手繰り寄せなきゃいけないってところが人間らしくていいよね。
なんでも簡単じゃないってことろが、きっと、理性以外の知恵や想像を育むのかな?