弟子・後輩がそれぞれのブログなりで長所・短所について悩んだり、考察したりしているので、私も今の考えを簡単に。
以前は、先生から言われ、伸びていく人には一つの誰にも負けない長所があるのだろう、と思っていました。
今は違います。
人間には多くの能力があります。数え挙げることができないくらいの数と思います。
それぞれの能力に個性があります。多い少ないで測ることのできる能力もあるでしょう。走るのが速いとか。
測ることのできない能力もあるでしょう。人に優しいとか。
そして、それぞれの能力のコンビネーションでその人の特徴が決まります。
決して一つの能力でその人の価値が決まるわけではありません。
ですから、自分がここは得意だな、ここには興味を感じるな、という個性を伸ばしていけば、そのコンビネーションでオンリーワンに誰だってなれる。研究能力が高いだけが大事なのではありません。一人だけすごくたって世の中は変わらない。とてつもなく研究能力の高い人(といってもアインシュタインになれますか?)よりも、とてつもなく人に優しい人の方が、もしかしたら立派な教育者になるかもしれません。
そして、長所・短所論ですが、本当の長所は短所と表裏一体です。例えば私は視野が広い(本当の長所かどうかは分からない)ですが、それは一つのことを突き詰めていく能力が低いことと表裏一体でしょう。躍動しながら前進していく能力には長けていますが、一つ一つをかっちりと固めて成果として残していく能力が低いことと表裏一体でしょう。
だから、短所を補おうとしても伸びない。長所が消されるから。長所を突き詰めていくうちに、短所であったものが短所でなくなってしまうのです。
もし、自分の何かの短所に目が行き、どうしてもそれが自分の長所の裏側であると思えないとすれば、本当の本質的な短所ではないのかと思います。