フランスでの生活も3分の2が終わろうとしております。まだ3分の1あるので十分考える時間も残っています。
異国に放り出されるといろんな精神状況に置かれます。そしていろいろと感じます。
論文投稿作業も滞在中の重要な仕事なので、一歩一歩論文を作成して投稿し、査読修正対応なども進めています。
一つ、頑張って作成した論文が査読で落とされ、返却されました。私たちが心血を注いでいるコンクリート構造物の品質確保に関する論文で、山口県で開発された「施工状況把握チェックシート」に関するものです。初めて、建設マネジメントの分野に投稿しましたが、残念ながら査読で却下されました。
返却の理由もこれまでに経験したことが無いほど丁寧に書かれていました。内容に意義があるのは認める。思いもひしひしと伝わってくる。だが、ジャーナル論文という枠に収まっていない。というような趣旨でした。
今回の返却ほど、落胆しなかったことはありません。査読意見は参考にさせていただき、内容を少し改善した上で、別の論文集に投稿します。土木学会論文集の枠に収まらない(私の書き方が稚拙な面ももちろんあるのでしょうが)ようなので、社会技術研究会の論文集への投稿を考えています。それでもだめなら、インターネットで公開してもよいし、本を自費出版してもよいかな、と思います。とにかく、私たちは研究のための研究をしているつもりは無く、コンクリート構造物の品質確保、人財育成、ある意味での社会マネジメントに、地に足を付けて、心血を注いでいるつもりです。それが達成されるためには手段を選ぶつもりはありません。
上記の「思いがひしひしと伝わってくる」は「褒め言葉」でしたが、「主観が強い」等の批判を受けることもしばしばです。
研究者としては失格なのかもしれませんが、私の個性ですので仕方ありません。
「哲学」という言い方が適切か分かりませんが、Philosophyです。
思えば、私が出身研究室で学んだこともPhilosophyでしたし、その後のJR東日本の構造技術センターで学んだこともPhilosophyであったと思います。
研究者、教育者とはどうあるべきか。研究とはどうあるべきか。
技術者とはどうあるべきか。鉄道構造物の(計画)、設計、施工、維持管理、技術開発、規準類はどうあるべきか。
などです。
そして、今現在も、山口県の品質確保システムや、東北の復興道路の品質確保システムなどでは、まさに同志たちとPhilosophyを日々語り合い、その実現に向けて心血を注いでいるのだと思っています。
正しいと信じる方向に歩んでいるつもりですので、周囲の反応がどうであろうと、一歩ずつ同志たちと歩み続けたいと思います。