細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

情報の怖さ

2020-12-30 07:56:56 | 人生論

今年は、ほとんどすべての人にとって、コロナ禍なるものが最大のニュースであったのだろうと思います。そして、このコロナ騒動をほぼ1年間見てきて、改めて人間がいかに情報に踊らされているか、操作されているか、強いて言えば洗脳されているか、ということに怖ろしい思いを抱きます。

1年前、まだコロナと騒ぎ出す前、2019年10月の消費増税により、経済は激しいダメージを受け、2019年10~12月のGDPは、大きく低下しました。安倍政権の10年にも満たない期間に2回も消費増税したことや、2019年10~12月のGDP低下はこれだけでも大変なことなのですが、情報に操作され切った国民は何とも思わない人が大半のようでした。多少GDPが下がったところで、多少消費税が上がったところで、自分にはあんまり関係ないや、というレベルなのかと思います。実際は、平成に入ってからの消費税3%から5%への増税を契機に日本はデフレに突入し、怖ろしいレベルの「破壊」を重ねてきたのですが、もはや「家畜の安寧」とでも呼ぶべき状況で、「見えない」のですね。

消費税に代表される、いわゆる「財政問題」「財政破綻」「緊縮財政」といった問題は、じっくり時間をかけて確実に社会を破壊してきたわけですが、なぜこんなにも続くかというと、ほとんどの国民が賛成しているからです。上手に騙され、賛成してしまっているのですね。少し話せば、賛成している(嘘に騙されている)人か、そうでない人かはすぐに分かりますが、ただ街を歩いてすれ違うだけではその人の財政に関する考え方は分かりません。

今年のコロナは、結局は財政破綻問題と構造は同じ、というのが私の結論ですが、より性質が悪い。

コロナの場合は、命の問題でもあり、自分自身の命にも関わるとほとんどの人が思っているので、よりヒステリックになるし、ほぼ全員が過剰な関心を持ちます。そして、多くの日常の行動にも表れるので、街を歩いてすれ違っても、その視線で考え方も分かってしまう。「自粛警察」なるものが最たるものでしょうか。そして、あえて言いますが、ほとんどの国民が「騙されて」行動した結果、社会を破壊していきます。財政破綻問題に比べると、もっと個々人が強力に行動するので、社会へのダメージもさらに強力になるでしょう。

そして、コロナ問題について、真実と思われる情報を共有しようとしても、もはや聞く耳も貸さないし、会話も成り立たない。田舎に帰省しようとする人が拒絶される、という状況があちこちにあるようですが、心の底から世も末だと感じます。(こう書くと、「何を言ってるんだ!」と罵声が飛びそうですが、それくらい世の中が洗脳され切ってますね。)

我が国は、緊縮財政により徹底的に破壊され、それだけでも息の根が止まる、と私などは思っていましたが、さらに強力なコロナ騒動により、奈落の底まで叩き落されそうですね。テレビ、スマホ、など便利なモノに人間が「頼りすぎる」と、人間自身がダメになり、社会もダメになる、というのは火を見るより明らかだと思いますが、情報により操作された社会だからこそ、逆に、正しい情報が広まることによってしか復活もないのではないかと思います。

自分自身が「正しい」情報を取得する努力を重ねることと、少しでも周囲に共有すること、議論すること、しかできません。