細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

続けること

2012-02-08 08:16:01 | 人生論

人間とは非常に弱い存在です。社会がシステムとして機能しているときは、モラルを保てたり、各自が自己を律して生きることもできますが、今の日本のように個がそれこそ砂粒のように浮遊しているような状況になると、歯止めの利かなくなっている人が相当に多くなっていると思います。

日本人として、本来やるべきことを、持続的に実施する、ということは簡単なことではありません。まず、本来やるべきこと、をきちんと自覚することも簡単ではないですし、自覚したとして、それをどうやって持続的に、高めながら実施していくか。言うだけでも難しそうですが、実行は容易ではありません。

トヨタについての本はたくさん出ていましたが、その中でも「良いことはいつまでも続ける」、「悪いと判断したことはすぐやめる」とありました。

我が研究室でも、良いと思うことにチャレンジし、心から良いと思えば、それを改善しながら続ける努力を重ねてきました。

2003年秋に私が赴任してから、2004年に夏合宿を開始し、8回積み重ねてきました。その時々に、我々ができる最良の夏合宿を実施してきたと思います。

2009年度に私の思いつきで始めた冬合宿は、夏合宿とは全くコンセプトを変えています。研究室の取組み、イベントにはそれぞれ固有の意義を持たせており、夏合宿は毎年あちこちを飛び回りますが、冬合宿は毎年三崎の同じ宿。冬合宿も今日で3回目になります。今、三崎に向っています。

こうやって、良いと思うことは継続します。自覚が足りないのかもしれませんが、横浜国大のたかがコンクリートの1研究室ですが、本当にやるべきと確信することを、5年、10年と積み重ねると、かなりのことができるようになってきます。夏合宿や冬合宿、コンクリートカヌーなどのイベントそのものが目的なのではありません。それらを通じて、我々の総力がスパイラル的に向上し、連鎖し、それぞれが楽しく、たくましく生きていく中で、社会に貢献していくことが目的です。たかが8年ちょっとで、ある程度社会に貢献できるようになってきました。これを積み重ねて、進化していくことが社会のためになります。

今の世の中には、正しいことを正しい、と言ってくれる大人もほとんどいません。学生たちも、信用できる大人にほとんど出会ってきていない、という印象を、土木史のレポートなどから感じます。そういう中で、自分を律して、正しいことを積み重ねて行く人生を送るのは簡単なことではありません。思いをともにする家族や仲間がどうしても必要だし、きちんと導いてくれる師匠、先輩が大事です。私は幸いにもそういう環境で育ってきましたので、私もそうやって後輩たちを導く責務を当然に負っています。それが私の仕事です。

組織の活動も大切ですが、やはり根本は個。特に、個の心身の健康が大切。自分自身に投資してくれる人など、自分しかいません。いかに、自分に適切な投資、てこ入れを、継続的に実施するかが大事です。

朝のテレビ体操も半年以上経過しました。すごく気に入ってまして、体の健康を支える一つの大事な要素になりました。肩痛も、信頼できる整体に出会って、ほぼ完治しました。今後、長く健康に生きていく上で、整形外科でなく、整体に出会ったのは大きいです。

心の健康も、いろんなケアの仕方がありますが、読書の幅がさらに広がってきているのは大きいです。ついに、トム・ソーヤーの冒険だとか、シャーロック・ホームズなどまで読むようになってきましたので、人生を楽しむ術はかなりのレベルになってきたかな、と思います。

私は、研究室の今現在の状態に必ずしも満足していません。ですが、必ず、卒業論文の審査会の後の、研究室の打ち上げでは、毎年満足します。ということは、これからの数週間に大きな変化が必要で、そのためのてこ入れに今日から本腰を入れるのだろうと思っています。冬合宿はそのための大きなチャンスです。そうすることで、今年の研究室も最終盤、仕上がっていくし、来年度へと続いていくのだと思います。

 


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