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ニニ・ロッソの名曲、『夜空のトランペット』を聴いた。
子供の頃、夏休みを山梨県甲府市の母の実家で過ごした。
その頃、市内放送のスピーカーからは、
午後6時になると、『夜空のトランペット』が流れた。
この曲が流れると、祖母は夕食の支度を始めた。
四方を山に囲まれた甲府市の、山の稜線と夏の夕方の風景、
そしてこのメロディが、 今も私の中で思い出に残る。
それから何年後か、 ある記事を目にする。
日航機が、成田に到着する際、
機内でこの『夜空のトランペット』を流しているという。
着陸前の慌ただしさと、緊張感をほぐすために、
小音のBGMとして流しているらしい。
しかし、これが米国人乗客からのクレームになった。
米国では、戦時中に、 亡くなった兵士を荼毘に伏す際、
星条旗の半旗と共に、この曲を流したという。
『タップ』という、弔意を表す厳粛な曲だったのだ。
乗客は、『一番危険な着陸の時に、縁起でもない』と抗議した。
日航は、「国際線として配慮が足りなかった」として、 この曲をやめている。
飛行機の到着時。 死者を弔う音楽。
考えてみれば、この曲はどちらにも合う。
ただ、それに伴う各国の歴史や背景などは、 ともに理解しなければいけない。
幼い頃の私の名曲。
今はもうさすがに、 甲府市でも流れていないだろう。
私にとっての、夏の遠い記憶である。
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