シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

病院のBGM

2008-10-26 11:43:53 | 音楽を聴く

先日、検査である総合病院に行った。

病院内は、BGMが流れている。

外来の通路などは一日中で、 病室内も、昼と夜の食事時間に流れているらしい。

曲は多様だったが、 SMAPや竹内まりやなどの歌謡系、

冬ソナやタイタニックなどの、映画・主題歌系の曲などが、

ピアノ版で演奏されているものだ。

それを聴きながら、ふと思い出した。

 

ある作家の話だ。

入院中の母が、手術の日。 廊下で祈るように待っている。

その時、BGMで「子犬のワルツ」が流れたという。

『こちらの気持ちを逆なでするようなテンポの速い曲に、

私はイライラしていました。 病院の曲にふさわしくない。』

 

氏は、これ以外にも、 新潟の海岸にあるドライブインが、

大音量で延々と「佐渡おけさ」を流していたことにも触れる。

『静かな波の音が聞こえる場所なのに・・』

 

また、ある女性は子供の出産時に産婦人科に行った時、

「剣の舞」が流れていたそうだ。

『なぜゆったりすべき産婦人科で、あんな曲流してるのかしら』

 

私も、富士山五合目に登った時、 ドライブインのスピーカーから、

やはり大きな音量で延々と、 メンデルスゾーンの「春の歌」が流れ、

『ゴミは持ち帰りましょう! 富士山を守りましょう!』と、

お知らせが聞こえていたのを思い出した。

清澄な富士山に、大音量の「春の歌」。

名曲も台無しである。

音楽は、時と場合では騒音になるのだ。

 

そう、これはBGM・・と言えるかどうかだが、

近所の高校では、野球部の練習中に、

カセットから大きな音量で「栄冠は君に輝く」を流している。

士気を上げる意味か、それも結構だが、

病院で耳に入る曲と違って、

練習に集中していたら聞こえなくなるだろう。

 

場面場面でふさわしいBGMを流す、あるいはやめるというのは、

難しいのかもしれない。

 

 


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