先日、検査である総合病院に行った。
病院内は、BGMが流れている。
外来の通路などは一日中で、 病室内も、昼と夜の食事時間に流れているらしい。
曲は多様だったが、 SMAPや竹内まりやなどの歌謡系、
冬ソナやタイタニックなどの、映画・主題歌系の曲などが、
ピアノ版で演奏されているものだ。
それを聴きながら、ふと思い出した。
ある作家の話だ。
入院中の母が、手術の日。 廊下で祈るように待っている。
その時、BGMで「子犬のワルツ」が流れたという。
『こちらの気持ちを逆なでするようなテンポの速い曲に、
私はイライラしていました。 病院の曲にふさわしくない。』
氏は、これ以外にも、 新潟の海岸にあるドライブインが、
大音量で延々と「佐渡おけさ」を流していたことにも触れる。
『静かな波の音が聞こえる場所なのに・・』
また、ある女性は子供の出産時に産婦人科に行った時、
「剣の舞」が流れていたそうだ。
『なぜゆったりすべき産婦人科で、あんな曲流してるのかしら』
私も、富士山五合目に登った時、 ドライブインのスピーカーから、
やはり大きな音量で延々と、 メンデルスゾーンの「春の歌」が流れ、
『ゴミは持ち帰りましょう! 富士山を守りましょう!』と、
お知らせが聞こえていたのを思い出した。
清澄な富士山に、大音量の「春の歌」。
名曲も台無しである。
音楽は、時と場合では騒音になるのだ。
そう、これはBGM・・と言えるかどうかだが、
近所の高校では、野球部の練習中に、
カセットから大きな音量で「栄冠は君に輝く」を流している。
士気を上げる意味か、それも結構だが、
病院で耳に入る曲と違って、
練習に集中していたら聞こえなくなるだろう。
場面場面でふさわしいBGMを流す、あるいはやめるというのは、
難しいのかもしれない。
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