AMASHINと戦慄

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2020年01月26日 | まったり邦楽
まぁ芸能界もいろいろ大変ですねぇ。

個人的には、人気イケメン役者が不倫しようが、別居しようが、あまり興味持てない方なんですが。

ただ、現在その渦中にある娘が、昨年からどハマりしてるKIRINJIの最新作の楽曲に関わりある役者さんだと知って、ちょっと心騒がされてる今日この頃です。

KIRINJI - killer tune kills me feat. YonYon


わりとストレートな歌詞の失恋ソングだが、言葉選びのオシャレさや極上のポップサウンド、ギタープレイも定評の弓木英梨乃さんの透明感あふれるシットリとした歌(個人的にドストライク!)に、DJラッパー?YonYonの韓国語ラップが挿入される奇抜なアクセントが絶妙な、「え?これってほんまにキリンジの曲かいな!?」ってなるほど洗練されすぎた至極のポップナンバー。


それにしても・・・・・

昨年から、KIRINJIの最新作に関わった人たちのスキャンダルが続いてしまって、なかなかいわくつきの作品になってしまったなぁ・・・
もうすぐ全国ツアーを控えている堀込氏の心境はいかに?


まぁキリンジに関しては、20年くらい前にその音楽に触れて「(当時の)自分が聴くにはオシャレすぎる音楽性だが、なんかひっかかるなー」みたいな感じでなんとなく聴き始めたんだが、『3』以降の作品は数曲かいつまんで聴く程度になって、ここ十数年間の作品はほとんど聴いてないという有様だった。

キリンジといえば、堀込家の2人が始めた兄弟ユニットだったんだが、7年前に弟の泰行氏が抜けて、その後一変、男女混合の5人編成のバンド体制で兄高樹氏がキリンジを継続運営させているということで、ちょっと興味はあったんだが、なかなか気が向かずで。




本作はバンド体制になってからすでに4作目で、最近車通勤時間に聴くええ塩梅のドライブミュージックでもないかと思って、姉が購入したこのKIRINJIの『cherish』を拝借して車の中でかけたら・・・・・・

もう1曲目「『あの娘は誰?』とか言わせたい」のイントロを聴いた瞬間から「オオっ!」と惹き込まれちゃいましたね。
のっけからボコーダを全開にきかせている高樹氏の変則的な歌メロからしてオシャレ。歌詞内容も相変わらず変だ。

本作を聴く限り、バンド体制の割には宅録感がハンパなく、高樹節が全開のような気がしたが、それもそのはず、全曲高樹氏の作詞作曲らしく、もうほとんどソロ作品に近い作り。
まぁ、個人的にはそこが本作にドハマりしたポイントなのかもしれない。

兄弟ユニットの頃から、「ダンボールの宮殿」、「メスとコスメ」、「切り花」、「都市鉱山」...etc.など、以前から兄高樹氏の楽曲に惹かれる傾向があったので、やはり彼のテイストというものが好きなのだろう。
弟もたいがい屈折した感があったが、それ以上に兄貴の屈折具合が尋常じゃないんだなってのが、弟が抜けてそれが全面に出たように思う。

その屈折具合のヤバさが特に顕著なのが、「善人の反省」だろう。
ジャジーなサウンドに、ジョージ・ベンソンとかが使う手法で知られる(フロイドなら「あなたがここにいてほしい」)ヴォーカルとギターラインのユニゾンが実にクールな雰囲気を醸し出していて「ムードのある曲だなぁ」って聴き入ってしまうのだが、ふと歌詞内容が聞こえてくると、その具体的で辛辣な内容に「何言うてはんの?」と、耳を疑ってしまう。

善人て気に入らないよね アレは酔いしれている 図に乗っているんだよ・・・・

善人の反省は薄い水たまりみたいなもんだね・・・・

みたいなことを延々ブツブツと歌っていて、最後にボソっと「イラつく・・・」と、もう言うてることは全然オシャレじゃないのに、アレンジの渋さで奇跡的にアルバム中最もオシャレな楽曲に仕上がっているという。

やっぱこの辺の屈折した絶妙な巧さは、スティーリー・ダンなどに影響受けてるだけあるなっていうか、おそらくドナルド・フェイゲンと同種のタイプなんだろうな。
従来のキリンジの音楽性に縛られずファンの目線も気にせず、さらにはバンド体制ってのにも関わりなく、ラップミュージシャンをフィーチャーしたりと、自分がいいと思った要素をどんどん取り入れる節操のなさもいい。
そこもやっぱフェイゲンっぽいっていうか、いわゆる“楽曲主義”というやつなんだろう。

昨年大麻でパクられたラッパー鎮座DOPENESSとのコラボは、いろんな意味で従来のキリンジファンの間で物議を醸したことと思う。



本作は全9曲と少ないながら、どれも秀逸曲ばかりで、バラエティに富み、ものすごく楽しめる内容だ。
夢心地なスティール・パンの音色と透き通るような洗練されたコーラス展開の美しさに、卓越したベースワークとタイトル連呼のサビのトリッキーさが絶妙にシンクロする「雑務」、ウケを狙ったというより、テキトーに楽曲のネタにしたとしか思えないおなざりな歌詞内容の「Pizza VS Hamburger」のファンキーテイストなおふざけ感、とにかく楽曲のためのフレーズ選びというか、時には聴いてる者を煙に巻くような歌詞のわけのわからなさ(そこは従来のキリンジらしさが残ってる部分とも言える)、でもそれが全然楽曲のジャマにならない溶け込ませ技というか、ちゃんとポップにオシャレにまとめてしまえてるところが凄い。


前作『愛をあるだけ、すべて』も、本作路線の作りですごくハマっている。
これから高樹氏バンド体制になってからのKIRINJI作品をもっと掘り下げて聴いていこうと思う。


皆さんもネットやTVで垂れ流される下世話な芸能ゴシップネタに、「不潔!」「イケメンでデカいだけの桜島大根役者!」「こぉ~のドロボウ猫がぁ!」「ジャンキー野郎!」ってちくいち反応するなんて全然オシャレじゃないから、そういうのほっといて、KIRINJIのオシャレな音楽でも聴いて、心豊かに過ごされてはいかがと。

とか、その下世話な芸能ゴシップをネタにしてブログなんか書いてる全然オシャレじゃないオッサンが申しております。

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