前々回より『鳥獣戯画』のこと書いてたら、ふとあるバンドのことを思い出して、ほんま久々にCDを棚から取り出して観賞していた。
そう、日本のオルタナバンド、54-71のメジャーデビュー作『enClorox』である。
結成は1995年ぐらいらしいが、遅咲きで2002年にメジャーデビュー。
その頃はうちもまだケーブルテレビに加入していて、SSTVなどの音楽番組で洋邦の新人バンドをよくチェックしていた。
ある日SSTVだかM on TVだかで『鳥獣戯画』をパロった54-71のユニークなPV(ここではブルドッグが主役だが)が流れたのを目撃した時は、ちょっとした衝撃があった。
一筋縄ではいかない、なかなかおもしろいサウンド作りをしているなと。
結成年代的には、レッチリ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、べック、ビースティ・ボーイズ、ロリンズ・バンドなどが台頭していたオルタネイティヴ・ロック全盛期。
なので最初聴いた時はその辺の影響下の匂いがプンプンした。
ただ、それらのできあがった外タレバンドより、54-71の音楽性にはなにか実験的であらゆる可能性を秘めてる、のびしろのある得体の知れない雰囲気があった。
日本でもその辺の外タレの真似ごとのような、やたらチョッパーをかましてるだけのいちびったバンドが持てはやされていたが、54-71はそういう時代の影響下の中でも、それらとは明らかに一線を画す独創性と知性を秘めているような気がした。
まぁポップ性、大衆性は皆無。
贅肉を極限までそぎ落とした彼らの生々しくもドライなサウンドは、最初かなり難解な印象を受ける。
しかし、これが脳髄にグリグリと響くとてつもない独特の空間を作り出してるように思う。
キック、スネア、ハイハットのみのシンプルなセットのタイトなドラムに、無機質な音のベース。
佐藤Bingoの肉体的でエモーショナルなヴォーカリゼーションは、ヘタな日本語英語っぽさが否めないが、これが逆に独特の個性となってて、まぁレッチリとか聴いてる女子には理解しがたいだろうが、レイジやロリンズ・バンドなどを愛聴する“男気”を求めてやまない男子にとっては感じ得るものがあるのではないかと。
そしてクセ者なのが、“Scum Grinder”という異名を持つ高田憲明の生々しいひしゃげたようなギター。
彼の奏でるどこか情緒不安定な旋律は、聴き手に眩惑的な陶酔感をもたらすと同時に、楽曲全体にとてつもない緊張感をも与えている。
などと、デビュー当時から彼らの良さをわかってたようなことを書いているが、実は当時はそんなにこの作品聴いてなかった。
その時の私には楽曲がなんかシンプル過ぎたというか、難解だった。
だからこのアルバム以降のは持ってないし、以前のインディーズの頃のも持ってない。
で、今回改めてジックリと聴いてみて「やっぱカッコええやん!!」となってこれから作品集める気になった。
当時の日本の音楽シーンでもそれほどもてはやされていたという記憶はない。やっぱりアヴァンギャルドすぎたんだと思う。まぁ女子には人気ないだろうねぇ。
おそらくミュージシャン間や、いわゆる通なリスナーの間だけで支持されていたかと。まぁそういところもカッコいいね。
現在は活動休止してるみたいだが、一度でいいからライブを拝みたいなと思った。
そんな54-71の魅力に再び気づかせてくれたのも『鳥獣戯画』のおかげといってよいかも。
私が先週高山寺くんだりまでのこのこ出かけたのも、あながちムダではなかったかと。
明雲先生ありがとう。
今日の1曲:『Life』/ 54-71
そう、日本のオルタナバンド、54-71のメジャーデビュー作『enClorox』である。
結成は1995年ぐらいらしいが、遅咲きで2002年にメジャーデビュー。
その頃はうちもまだケーブルテレビに加入していて、SSTVなどの音楽番組で洋邦の新人バンドをよくチェックしていた。
ある日SSTVだかM on TVだかで『鳥獣戯画』をパロった54-71のユニークなPV(ここではブルドッグが主役だが)が流れたのを目撃した時は、ちょっとした衝撃があった。
一筋縄ではいかない、なかなかおもしろいサウンド作りをしているなと。
結成年代的には、レッチリ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、べック、ビースティ・ボーイズ、ロリンズ・バンドなどが台頭していたオルタネイティヴ・ロック全盛期。
なので最初聴いた時はその辺の影響下の匂いがプンプンした。
ただ、それらのできあがった外タレバンドより、54-71の音楽性にはなにか実験的であらゆる可能性を秘めてる、のびしろのある得体の知れない雰囲気があった。
日本でもその辺の外タレの真似ごとのような、やたらチョッパーをかましてるだけのいちびったバンドが持てはやされていたが、54-71はそういう時代の影響下の中でも、それらとは明らかに一線を画す独創性と知性を秘めているような気がした。
まぁポップ性、大衆性は皆無。
贅肉を極限までそぎ落とした彼らの生々しくもドライなサウンドは、最初かなり難解な印象を受ける。
しかし、これが脳髄にグリグリと響くとてつもない独特の空間を作り出してるように思う。
キック、スネア、ハイハットのみのシンプルなセットのタイトなドラムに、無機質な音のベース。
佐藤Bingoの肉体的でエモーショナルなヴォーカリゼーションは、ヘタな日本語英語っぽさが否めないが、これが逆に独特の個性となってて、まぁレッチリとか聴いてる女子には理解しがたいだろうが、レイジやロリンズ・バンドなどを愛聴する“男気”を求めてやまない男子にとっては感じ得るものがあるのではないかと。
そしてクセ者なのが、“Scum Grinder”という異名を持つ高田憲明の生々しいひしゃげたようなギター。
彼の奏でるどこか情緒不安定な旋律は、聴き手に眩惑的な陶酔感をもたらすと同時に、楽曲全体にとてつもない緊張感をも与えている。
などと、デビュー当時から彼らの良さをわかってたようなことを書いているが、実は当時はそんなにこの作品聴いてなかった。
その時の私には楽曲がなんかシンプル過ぎたというか、難解だった。
だからこのアルバム以降のは持ってないし、以前のインディーズの頃のも持ってない。
で、今回改めてジックリと聴いてみて「やっぱカッコええやん!!」となってこれから作品集める気になった。
当時の日本の音楽シーンでもそれほどもてはやされていたという記憶はない。やっぱりアヴァンギャルドすぎたんだと思う。まぁ女子には人気ないだろうねぇ。
おそらくミュージシャン間や、いわゆる通なリスナーの間だけで支持されていたかと。まぁそういところもカッコいいね。
現在は活動休止してるみたいだが、一度でいいからライブを拝みたいなと思った。
そんな54-71の魅力に再び気づかせてくれたのも『鳥獣戯画』のおかげといってよいかも。
私が先週高山寺くんだりまでのこのこ出かけたのも、あながちムダではなかったかと。
明雲先生ありがとう。
今日の1曲:『Life』/ 54-71
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