端布に恋した私

小さな端布を 縫い集めてつくるパッチワークは 
私の楽しい趣味の一つです。

番 傘

2006-01-03 | Weblog
私の住む この田舎の街には 集落ごとに必ず神社がある。
自然を相手の農業だけが 収入源だった時代 心のよりどころは
神社や仏だったのだろう。
三代 四代さかのぼった先祖は 四国からの移住者だったと言う。
その証拠に 私の住むこの集落の神社は 金比羅様だ。

海の神様が今は 農の神様でもある。
大晦日の夜 除夜の鐘が鳴る前になると 地区民は 神社に
集まってくる。
里帰りの娘や 息子たちも混じって 真っ赤に燃える焚き火の周りに
集まり手をかざす。
やがて ラジオが新年を告げると いっせいに挨拶が始まり
その年の 年男が鏡割りをして 竹のコップで お神酒が振舞われる。
するめや めざしを片手に話が弾む。
女や 子供にはぜんざいが用意され 子供たちが走り回る。

今年は出かけようとしたら 少し雨 下駄を履いて傘をさそうと
したら 傘立ての番傘が目に付いた。
夜だし 目立つこともないだろうと ばりばりと広げて番傘を
さして出かけた。
私が 子供の頃は こうもり傘などまだ手に入らず 番傘ばかりだった。

傘屋の前で道草した 遠いあの日をふと 思い出した。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする